伊藤忠記念財団の読書バリアフリー研究会が、渋谷区内のこどもの城で開かれました。
マルチメディアDAISY図書(わいわい文庫)への音源を提供している私たちにとって、現場の先生方の声が聞けるのは、ありがたいことです。
ただマルチメディアDAISY図書の児童書は、極端に数が少なく、教育現場への周知が、まだまだです。そこで、矢部さんたちは、いくつかの特別支援学校に対して、配布作品の利用研究をお願いし、成果を発表してもらう場として、今回のような会を開いています。
やはり「本気の一人」が大切です。そして、その先生を支える周りの理解・応援が必要です。
現場の先生方は忙しいです。その中にあって、子どもたちのためにと、一歩踏み込んで試行錯誤する先生がいるかどうか。
よしんばそういう熱心な先生がいたとして、その先生が異動になったりするととたんに、図書の寄贈はけっこうですと、お断りがくることもあるそうです。
物事、そうそう単純にいかないのは、重々承知の上ですが、何だか悲しいですね。
知的に障害のある子や、本のページがめくれない子は、本は読まないのか、本がきらいなのか。ここに何か配慮があればと、つい考えてしまいます。
ある学校の取り組みのなかで、印象に残ったことです。主に知的障害や自閉症のある子たちが学んでいる学校です。絵があること、その絵がきれいなこと。短い話であること、繰り返しのセリフのあるもの等に関心を持ってもらえた。また演劇調のような読みがよい等々がわかったそうです。
私たちも試行錯誤でやってきましたが、通常の音訳とは別、と考えたほうが、良さそうです。
2014年版の作品のなかに、関西弁で書かれている「おこだでませんように」(小学館)が入っています。この読み手には、一番西の名古屋在住の堀尾さんに、お願いしました。会場内でのデモで、私も初めて聞きましたが、よくできています。
先生方にも、「こういうのは、楽しくていいですね、子どもたちにも興味を持ってもらえそう」と声をかけてもらいました。苦労のかいがあったと思います。いずれにしても、このマルチメディアDAISYへの認知度が高まり、活用され、子どもたちの笑顔が見られますようにと、祈らずにはいられません。
矢部さんたちも、企業の取り組みとして、なかなか厳しい面もあるようですが、少数精鋭で頑張っています。めげずに前進あるのみです。微力ですが、ともどもに頑張っていきたいと思います。
会場には、事務局の鶴岡の他に、音ボラネットの会員のみなさん。新潟からも、坂井さんが勉強したいと参加。嬉しいです。