No.87 読書バリアフリー

3月21日(土)西早稲田(都内)の日本盲人福祉センターで「2010年国民読書年に向けて視覚障害者・高齢者の読書バリアフリーを考えるシンポジウム」が開かれました。日本盲人福祉委員会、文字・活字文化推進機構の主催です。私たちの全国音訳ボランティアネットワークも後援団体の一つとして参加しました。そして、事務局スタッフ(居谷、泉、猪俣、岩田、大田、島村、遠田、安川)は、誘導、会場、受付とお手伝いをさせていただきました。

ぶどうの木理事、橋本宗明さんの「視覚障害者の文字に接する権利」、都立中央図書館の田中章治さんの「公共図書館における視覚障害者サービスの歩み」の2題の講演がありました。お二人とも全盲です。この中で特に橋本さんが「文字に接することは、自分がどう生きるか、何のために生きるか、自分の生き方の参考にするため」とおっしゃったことが強く心に残りました。

この後、筑波大学付属視覚特別支援学校の宇野和博先生から読書バリアフリー法案の提起がありました。後半は5人のパネリストによるそれぞれの立場からの発表がありました。筑波技術大学の長岡先生や千葉県立中央図書館の松井さん、ロゴス点字図書館の高橋さん、ジャーナリストの中和さんと、そうそうたるメンバーの中に私も音訳ボランティアの代表として加えていただきました。

100名の定員の会場がほぼいっぱいでした。青森、大阪、高知と遠方からの方、出版関係者、学生、盲学校の先生、教育委員会の方、視覚障害者、マスコミ等々、実に幅広い分野の皆さんが集ってきていました。私たちも常に著作権の壁が高いハードルとなっています。ことに、図書館に属していない地域ボランティア(自主ボランティア)は尚のことです。読書バリアフリー法の制定を目ざして、更に大きな輪が広がることを心から願います。

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