17日の夜、「高知県視力障害者の生活と権利を守る会」の藤原さんという方から、電話がありました。ご自身も視覚障害者ながら、日常的に全国の視覚障害者に向けて、福祉情報を提供する活動をしているとのこと。
この度の東日本大震災に関する災害情報を発信したいが、ほとんどがPDFファイルで視覚障害者が読むことのできる、テキスト化可能な媒体ではありません。PDFファイルをテキストファイルに変換してくれる団体・個人を募集しようと、高知県ボランティア・NPOセンター「ピッピネット」で呼び掛けましたが、反応はなし。
そこで、高知朗読奉仕者友の会の松田さんに連絡がいき、彼女から当事務局を紹介されたということでした。このことに関して、マスコミ、行政、点字図書館にも相談したけれど、対応できないとの回答。日常的にも厚労省に要望し続けているが、一向に改善されないという現状があるそうです。
今回のような協力依頼は正直、私たちの従来の活動にはないことのような気がしていましたが、困っている人がいれば、何とかしたいと思います。幸い、私たちの全国音訳ボランティアネットワークには、直接、音訳活動はしていないものの、さまざまなノウハウをお持ちの方々がいます。今回も急を要することなので、電話をかけまくりました。
九州在住で、あの月刊「世界」の編集に関わっている大木さん、都内のマルチメディアDAISYにも詳しい、ハートフルブックスの佐藤さんが名乗りをあげてくれました。協力態勢がうまくいくことを祈っています。
さて、緊急情報をリアルタイムで伝えるには、どうしたらいいのでしょうか。人とニーズをコーディネートする場が必要です。本来なら、行政とか図書館とかが、リーダーシップをとるべきことと思います。が、残念ながら無理でしょう。
ならば何とか、みんなで知恵を出しあって協力していくしかありません。自分はできないから関係ない、ではなく、ここにこんな人がいるとか、こんな場所があるとか情報を提供してくれるだけでも、立派な協力です。
この度のことは、不幸な経験ではありますが、それぞれの立場で色々なことを考え直す、いい機会にしていくべきです。今回の総会で、みんなで考えていけたら、より有意義な総会になることでしょう。
さて被災地は言うに及ばず、周辺のみなさんも、まだまだ大変なことがあると思いますが、まさにガンバレ東北、ガンバレ日本、です。