日中の暑さは、いっこうに引きませんが、流れる雲や風に、微かに秋の気配を感じるようになりました。
そんな中、当事務局の鶴岡さんと、埼玉県立久喜図書館に佐藤聖一さんを訪ねました。
「暑いですねえ」という挨拶に「久喜は、都心より2℃は高いんじゃないかなあ」と佐藤さん。やっぱり、という感じです。
さて、佐藤さんは、図書館司書であり、利用者でもあります。
話が多岐にわたり、なかなか興味深い語らいのひとときとなりました。あっという間に、2時間以上もたっていました。忌憚のない前向きな話が、できるということは、とても楽しいことです。そう思っていましたら、佐藤さんも同じように感じてくださったようで、嬉しくなりました。
この社会状況の中で、福祉関係の予算は、減らされ、どこの図書館でも、今までどおりの録音図書が製作できなくなっているようです。
そんな中、「地元のボランティアからはもちろん、図書館からも断られて困っている。そちらにお願いできないか」という、依頼がきます。それも、単に小説の類いというようなものではなく、ほとんどが専門書です。
私たち音ボラネット事務局はコーディネートの場なので、読み手を探しますが、なかなか厳しい現状もあります。
そういうなかにあって、図書館等で断っているものを、ボランティアが、何でもかんでも、引き受けなければならないのか、私のなかでも、疑問がありました。しかし、あちらでもこちらでも、断られた利用者は、その先どうするのか。ジレンマでもあります。
マンパワーはあっても、私たち音ボラネットにも、限界はあります。
図書館では、今や館長が、何か新しいことを提案すると、「これ以上、仕事を増やさないで」と言われる現状だそうです。
館をあげてと言うつもりもありません。
しかし、そういうなかで、一人でも二人でも、思いを共有できる人たちと、何か連携、協力することは、不可能でしょうか?視覚障害者等の情報環境の確保について、今、何をなすべきかを、考えていかなければなりません。
思うに、全て、”人”できまるのではないでしょうか。
いい人につながっていけたらいいです。
さて、指定管理制度の良し悪しは、簡単に決められるものでは、ありませんし、私は、深いことは、よくわかりませんが、この制度の下、館長以下、実に様々なことに取り組んでいる図書館もあります。
私たち音ボラネットとも友好的に、お付き合いくださっているところです。
でも、大概は、ボランティアを一段低くみているような所があるのは、事実で残念です。
言わせていただくと、図書館の録音図書等は、私たち音訳ボランティアがいなければ、作れない事だと思うのですが。
それやこれやを含め、何かと足かせの多い大きな組織より、私たちのようなフットワークの軽いところが、何か一石投じられないかと、佐藤さんと話ながら思いました。