日本障害者リハビリテーション協会主催のシンポジウム「もっと知ろう、デイジー教科書を!」に参加しました。
IMD(伊藤忠記念財団マルチメディアDAISY)プロジェクト事務局メンバーも、全員集合です。
110名の参加者の中には、北海道や東北、東海や九州等、遠方からのみなさんも多く、中に熱心な懐かしい音訳者のお顔がいくつもあって心強く嬉しく感じました。
読むことに困難を抱える児童・生徒にマルチメディアDAISY教科書を提供しているのは、リハ協を中心とした、製作団体のネットワークの皆さんです。
問合せに対応可能なボランティア団体は、全国に16あるようです。
このネットワークのおかげで、1000名の児童・生徒にDAISY教科書が、提供されているそうです。どんなにか助かっていることでしょう。
私もこの製作団体で活動している方たちを何人も知っています。
もともとは、音訳ボランティアだった方もいます。
みなさまの大変な努力に、敬意を表します。
しかし、ここで敢えて申し上げます。
「教科書製作は、ボランティアがやるべきことではない」と。
文科省がやるべきことです。
しかし、そういった環境が整備されるのを、待ってはいられない現実があります。
目の前に必要としている児童・生徒がいるのです。
でもだからと言って、ボランティアに頼らざるを得ない現状は、決していいことではありません。
このことは、常に確認が必要なことではないでしょうか。
文科省だけではなく、財布の紐を握っている財務省の問題もあるそうで、ことは単純ではないのです。
しかし、国への働きかけも、諦めず、続けなければなりません。
それも、会場から視覚障害の方が、拡大教科書のことを例に、当事者や保護者がまとまって声をあげていくことの大切さを訴えていました。
その通りだと思います。
パネリストのお一人が、国語は肉声が、必須。そのためには、音訳ボランティアやアナウンサーとの協力が大切というお話に、大いに共感しました。
また会場の先生の声として、テスト問題を作る際、拡大も点字もDAISYも、一人の先生が作らなくてはならず、スキルがなく厳しいと言われていたことにも、考えさせられました。
もっと気楽に分業ができるようになるといいと思います。
課題は、いろいろあります。立場や考えかたもさまざまです。
しかし、子どもたちの笑顔のために、みんなで持てる力を結集して、ひとつずつ壁をとりのぞけたらと思います。
今回もたくさんの新しい出会いがありました。
大いに勉強もさせていただきました。
ありがとうございました。