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No.517 月刊誌『世界』11月号

夏の盛りのある日のこと。

栗川治先生、松本道子さん、堀江達朗さん、私・藤田が岩波書店の一室で、月刊誌『世界』編集部の大山さんと、岩渕さんにお会いしました。

事の発端は堀江さんが、新しく編集部のご担当になった大山さんに「『世界』全文音訳プロジェクト」のことを説明するために岩波に出向いたのがきっかけでした。

その時、このプロジェクトのことについて、関心をお寄せくださり、関係者と座談会を開きたいとのご提案をいただいたのでした。

栗川先生は、わざわざ新潟から上京され、音訳版誕生前後のお話をされました。当時が懐かしく思い起こされました。

多くの音訳者や編集者の皆さんのおかげでここまで続けてこれたと、感謝です。それぞれの立場で、思いを語り合いました。

ありがたいことにこれらのことが『世界』11月号に記事として掲載されることに。(すでに発売されています)

更には、「座談会 音で読む『世界』 視覚障害者と情報保障」と題し、YouTubeでも公開されています。

ぜひ多くのみなさまに、視聴していただきたいと思います。

「座談会 音で読む『世界』――視覚障害者と情報保障」

8月4日に「座談会 音で読む『世界』――視覚障害者と情報保障」が開かれました。
その内容が月刊『世界』11月号に掲載されました。

また、記事の音訳版がYouTubeで公開されました。
是非ご視聴ください。

「座談会 音で読む『世界』――視覚障害者と情報保障」
(『世界』2022年11月号、260~267ページ)
音訳版 https://www.youtube.com/watch?v=dRpUPbUpxto

*「藤田が行く‼」 もあわせてご覧ください。

No.516 なごや会セミナー

なごや会雇用セミナー2022「公共図書館を目指しませんか!
〜図書館は視覚障害者が働く最も適した職場の一つです」が開かれました。

日本図書館協会を会場に、来場型とオンライン型で行われ、60名ほどの参加がありました。

枚方の服部さんからは、「視覚障害者と図書館の仕事」、久喜の佐藤さんからは、「視覚障害者が公務員として一般雇用される意義」について、お話しがあり、久喜の尾崎さん、千葉の松井さん、日野の中山さんからは、「視覚障害者が図書館で働く事例紹介」がありました。

コミュニケーション力を磨き、さまざまご苦労なさって今日に至っていると感じました。

それぞれ表題通り、いかに視覚障害者が働くに、最も適した職場であるかということがよくわかる発表でした。

特別支援学校の先生が子どもたちに、図書館という職場があるよと、伝えられると話されていたのが、印象に残りました。

私のミッションは、参加者の茅場町の駅から会場までの送迎でした。
千葉からの若い男性。最後の個別相談では、佐藤さんに熱心に話を聞いていました。

直前の申し込みで不安だったけど、送迎をしてもらって助かりました。思い切って直接参加したことによって、佐藤さんや私と出会えてよかったと。

やっぱり対面での新たな出会いは、いいです。

事例発表の尾崎さんは確か3年前のこのセミナーに参加、司書資格を取り、採用に繋がった方です。

テキスト化で音ボラネットに支援してもらいましたと話していました。

明るく元気いっぱいの発表に、充実した図書館での仕事振りが伝わってきて嬉しかったです。

テキスト化プロジェクトのみなさんの丁寧な早い仕事のおかげですね。

尾崎さんに続く人が、今回の参加者の中から出てくることを祈ります。

No.515 岡山、姫路旅

埼玉県立久喜図書館の佐藤さんに、岡山県立図書館から講演の依頼がありました。

「また、岡山に行くけど、どこか近辺で交流できるグループがあれば、立ち寄るよ」とありがたい提案をいただきました。

図書館での研修会テーマ「すべての子どもたちに本の楽しさを伝えたい〜支援が必要な子どもの読書活動を考える〜」に惹かれ、佐藤さんに同行させてもらうことにしました。

数年前、同じ図書館から招かれた時は、私は行かれず、倉敷音訳の会の赤木さんや貝原さんたち、会のみなさんに協力をお願いしお世話になりました。

前日岡山入りし、またありがたいことに、貝原さんに近郊を案内してもらいました。

翌日の図書館での研修会は、Zoom参加と合わせて全体で、30名ほどの参加者でした。

せっかく遠くから佐藤さんを招いているのに、もったいないと感じました。

でも、学校司書、図書館司書そして音訳ボランティアが一緒に情報や意見交換できる場があったのは、よかったです。

私は、あくまで佐藤さんの案内人ということで、発言はできませんでしたが、担任するクラスのお子さんのことで質問された先生には、「わいわい文庫」を紹介したり、子どもの本棚プロジェクトの応募者である、笠岡音訳の会の高丸さんとも話ができました。よかったです。

翌朝、姫路に移動。

「音訳ボランティアグループ サークルさえずり」のみなさんに佐藤さんのお話しをバッチリ聞いてもらいました。

二階の窓越しに姫路城が見える図書館が活動拠点です。

ベテラン、中堅、新人と30人超のグループで仲の良さが伝わってきます。

研修会講師は、内部講師とのこと。

決まった収入があるわけではないなか、助成金などをうまく活用して頑張っています。

録音図書の貸し出しまで担っています。

図書館も人手不足なのでしょうねえ。

音訳者もさまざまですが、図書館もさまざまです。

こういう機会は、滅多にないことです。

近隣の図書館職員、音訳グループにも声掛けし、一人でも多くの参加者を募ることが大切です。

音訳現場の現状を把握し、連携協力すべき時ではと考えているのですが、難しいですね。

「初心にかえって、頑張ります」「もっと話しを聞きたかった」と言ってもらえてよかったです。

終了後には、帰京の新幹線の時間を気にしながら、姫路城へ。

音訳者の中に、お城のガイドをされている方と、歴史好きな方の二人のおかげで、ただ通り過ぎるだけではない、なかみの濃い見学会になりました。

なかなか情報の行き渡らない地方のグループと交流しながら、全体の底上げができる機会があるといいなあと思いました。

その地に出向いてみなければ、見えないことってたくさんあります。

多くのみなさんにお世話になった、岡山、姫路の旅でした。

ありがとうございました。

「録音(DAISY)資料製作に関する全国基準」および「回答集」

音ボラネットでは音声DAISY資料製作の際に原則として「録音(DAISY)資料製作に関する全国基準」をもとにしています。

子どもの本棚プロジェクトでも、製作する前に、この基準を丁寧にお読みいただき作業を始めていただきたいと思います。

全国基準のほかに、質問に対する「回答集」も
ご参考に掲載します。

リンク集にも掲載しました。

どうぞご利用ください。

「録音(DAISY)資料製作に関する全国基準」PDF

 全国基準回答集PDF

音声ガイド付上映会のお知らせ『瞽女 GOZE』

社会福祉士法人 視覚障害者支援総合センターからバリアフリー上映会のお知らせが届きました。是非、多くの方にご覧いただけたらと思います。

開催日 2022年10月14日(金)
参加費 無料
開催時間 13:00(開場12:30)
開催場所 西荻地域区民センターホール
上映作品『瞽女 GOZE』

*なお申し込みが必要です。

詳細はこち→→  音声ガイド付映画試写会『瞽女(GOZE)』

 

No.514 「こころの通訳者たち」試写会

日本で唯一のユニバーサルシアター「シネマ・チュプキ・タバタ」をみなさまは、ご存知でしょか。

2016年に開館した全席20席という小さな映画館です。

目の不自由な人も、耳の不自由な人も、車椅子の人も、小さな子ども連れの人も、誰もがいつでも安心して映画を楽しむことができる映画館です。

JR田端駅から徒歩5分ほどの商店街の中にあります。

ここでの「こころの通訳者たち」の試写会に呼んでいただきました。

演劇を耳の聴こえない人にも楽しんでもらうため「舞台手話通訳」に挑んだ3人の記録。

その映像を目の見えない人たちにも伝えられないかという相談が、「チュプキ」に寄せられたことから始まった挑戦です。

ここで私は初めて「舞台手話通訳」という言葉を知りました。

通常の手話通訳とは異なり、演出家の指導のもと、通訳者も1人の出演者として舞台に立ち、共に演じながら台詞や情景を観客に伝える手法です。

聴こえない人に生の演劇の感動を伝えたい、そして見えない人にありのままの映像を届けたい。

見えない人に手話を伝えるには。

ここから、シネマ・チュプキ・タバタ代表の平塚さんたちの挑戦、苦闘が始まりました。視覚障害者、手話通訳者等が集まってミーティングを開始。

しかし、道筋は容易に見えない。

無理なのでは、というムードに。しかし音声ガイド製作に携わるメンバーは諦めない。

と、ここまでご紹介してきて、もはやこの映画をみなさまに、観ていただくしかない。感じていただくしかないと思います。

10月1日からシネマ・チュプキ・タバタで先行公開。
10月22日より、新宿K’s cinemaほか全国順次ロードショー。

最後に平塚さんの言葉をかみしめたいと思います。

「障害者の人たちは欠けた感覚を補うべく、持てる感覚を研ぎ澄まし、作品を感じとろうとしている。鑑賞においても一つひとつ丁寧に、大切に向き合っている。

そういう人たちが、観客の一部として加わることによって、鑑賞の場を共にする全ての人の体験が底上げされる」

この映画を通じて広げていきたい、です。

1人でも多くの方々に観ていただきたいと、切に願います。

No.513 バリアフリー上映会

今号の会報に「あれから9年〜埼玉県三芳町からのお便り〜」と題して寄稿して下さった三芳町福祉課の三室さんからのご案内で、映写会に参加しました。

会場は、三芳町役場の庁舎敷地内にある三芳町文化会館「コピス みよし」

自身がろう者の今村 彩子監督の「聞こえなかったあの日」

東日本大震災の後、10年間に及ぶろう者の生活を追ったドキュメンタリー映画です。

字幕、音声ガイド、ヒアリングループ付きのバリアフリー上映会です。

私も当時は何度か被災地を訪ねました。どうしても視覚障害者の皆さんの応援という視点です。

ろうの方々のご苦労は、また違った困難があったことを改めて知りました。

「災害時の要援護者」「地域のつながり」「共生社会とは」等々、考えさせられる作品です。

「障害者である前に地域住民である」三室さんの言葉、深く心に留めたいと思いました。

駅からは少々アクセスの悪い会場、夜の開催、更に雨模様というハンディはあるものの、聴覚や視覚の障害のみなさんはじめ100名を超える参加者でした。

せっかくだからと、視覚障害者には、車での送迎もありました。三芳町は、親切で丁寧です。

秋には、全盲の弁護士、大胡田 誠さんの講演会も予定されています。

三室さん以下、若手の皆さんが頑張っています。

シティライツの平塚さんと、駅から会場まで送迎していただき、恐縮でした。

平塚さんは、いつも映画館(シネマ・チュプキ・タバタ  日本初のユニバーサルシアター)にこもっているので外に出られるのは、嬉しいと笑う。平塚さんも本当に頑張っています。

ステキなみなさんと出会える場は貴重です。

主催のみなさんには、ご苦労が多かったと察しますが、いい映写会でした。
大変にお疲れさまでした。
穏やかな三室さんの笑顔は9年前と変わりませんでした。
不思議なありがたいご縁です。これからもよろしくお願い致します。

事務局の大田さん、かたりべの木村さんもお疲れさまでした。

 りんごプロジェクトを応援お願いします!

音ボラネットに、たくさんのご協力をいただいている久喜図書館の佐藤聖一さんから、お知らせが届きました。

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障害のある人もない人も、全ての人に読書の楽しみを伝えたい

私たち「りんごプロジェクト」は図書館から始まるインクルーシブ社会の実現を目指して活動しています。

【りんごプロジェクトのホームページ】

https://peraichi.com/landing_pages/view/ringoprogectbook/

この度、BMWグループMINIジャパンが展開する『MINI BIG LOVE  ACTION』※のファイナリスト12アクションのうちのひとつに選ばれました。

もし多くの賛同を得られたら、大きなメディアに載って全国に「アクセシブルな 本 」の紹介を一気にできるチャンスになるかもしれません。

こんなBIGなチャンスはないと思っています。

12のファイナリストのうち、得票数が一番多いプロジェクトにMINIが1年間サポートをしてくれます。

*8月19日(金)24時まで*SNSでの投票をおこなっています。

投票は以下のURLをクリックして、「投票する」を押すだけです。(お一人一票)

https://cp.mini.jp/biglove-action-vote/detail/6

もし、りんごプロジェクトの主旨に賛同し応援していただけるようでしたら一票を どうぞよろしくお願いいたします。

※『MINI BIG LOVE ACTION』とは

誰もが平等なチャンスを得られる世の中へ。

日本が抱える課題を解決するクリエイティブなアイデアがある人と、その実現をサポートしたい人を一つに集め、小さなアイデアを大きく育てていくプロジェクトです。以下のURLより12のプロジェクト全てを見ることができます。

https://cp.mini.jp/biglove-action-vote/

7月29日、虎ノ門THE CORE にて最終決戦プレゼン大会がありました。

ナビゲーターの古市理代が渾身のプレゼンをしました。

その様子はこちら

https://youtu.be/SuoE4JyOD7w

みなさんの一票をどうぞよろしくお願いいたします。

(りんごプロジェクト・メンバー一同)

なお、私たちと一緒に活動してくださる方も募集しています。

どうか、よろしくお願いします。

 

No.512 セミナー

日本図書館協会主催、障害者サービス委員会企画・運営の「音訳者と音訳ボランティアのための著作権セミナー」が開かれました。

対象は、録音資料を製作している音訳者・音訳ボランティア、障害者サービス用資料を作成している図書館の職員です。

私もひと枠いただき、「全国音訳ボランティアネットワークの活動及び図書館・ボランティアに望むこと」というお話をさせていただきました。

事前に参加者名簿をいただきました。

懐かしい会員さんのお名前や団体名が並んでいました。又お世話になった図書館の職員の方のお名前もありました。

195名の申込みがあったそうです。

ネットワーク立上げ前後の話。

資金面のこと、広報の問題と様々な課題・問題を抱えながら手探りでの組織作りがスタートしたあの頃の熱気と、輝いていたみんなの顔が懐かしく昨日のように思いおこされました。

おかげさまで今や、サートラスへの登録によって、テキストデータや児童書を国立国会図書館に提供。多くの人の利用を期待しています。

私が最も訴えたかったことは、障害者、特に情報弱者と言われる視覚障害者の情報保証という面からすれば、音訳がいつまでもボランティア頼みの活動であってはならないということです。

読書バリアフリー法に期待しつつも、それぞれの立場を超えて協力・連携しながら大いに発信していきましょう。

音訳ボランティアの高齢化とその先の減少化。

言われて久しいのですが、手をこまねいていたら、肉声による音訳というものは消滅してしまう。危機感を持ってみんなで考えましょう。ということです。

パソコンの画面に向かって話すことには、未だに違和感を覚えます。うなづいて聞いてくれているのだろうか、飽き飽きした顔をしているのかなあとか、表情、リアクションが見えないのは、不安です。

でもオンラインによる集まりのおかげで、全国各地のみなさんが参加できるのは、大きなメリットではありますが。

終了後、早速に北海道や東北から、また事務局メンバーからも温かいメールが届きました。

ありがたく、嬉しく元気が出ました。

本当にありがとうございました。

企画・運営のみなさまには、このような機会をいただけたことに、心から感謝申し上げます。

すべてのみなさま、お疲れさまでした。