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学校の「読書バリアフリー」出版記念イベント第2弾のお知らせ

『学校の「読書バリアフリー」はじめの一歩』出版記念イベント第2弾|「学校図書館と授業・環境づくりはじめの一歩」

のイベントが開催されます。
4月26日(土)オンラインで、しかも無料です。

ご登壇のお一人 鹿児島の現役中学校教師、松田ひとみ先生は「わいわい文庫」を学校図書館で活用していただいている先生のお一人です。
ぜひご参加ください。
詳細は 下記のURLからご覧いただけます。

https://www.gakuji.co.jp/news/n113483.html

★イベント第2弾開催につき、第1弾イベント「学校図書館と国立国会図書館・公立図書館の連携はじめの一歩」のアーカイブ動画を期間限定[2025年10月31日(金)0:00まで]で無料公開いたします!ぜひご覧ください。⬇
▶アーカイブ動画は

No.574 朗読会

コロナ禍の3年間の無観客での開催を含めると、今回で20回目。

昨年、50周年を迎えた、すみだ録音グループ「声」のみなさんによる朗読発表会です。

会場は、曳舟駅近くのすみだ生涯学習センター。
主に広報などの音訳をしているグループです。

朗読会を企画し始めた頃は、準備には時間のかかることで、朗読の時間があるなら、本一冊でも音訳した方がいいという声もあり、私もそう思っていました

でも毎回、視覚障害の方々や地域のみなさんが、楽しそうに参加しているのを見て、これはこれで地域に根ざした活動だと、思うようになりました。

何回もお邪魔しているうちに、「声」のみなさんのスキルも上がってきているように感じます。

どちらもこちらも、ご多分にもれず高齢化で、この朗読会もこれで、最後かもというお話しでした。

音訳とは違いますので、読み手の声質や雰囲気に合った作品を選んだら、まだいけそうですよ。

お疲れさまでした。ありがとうございました。

特別上映会のご案内(全盲クライマー 小林幸一郎氏の)

4月19日(土)に、全盲のパラクライマー小林幸一郎(愛称:コバ)氏と、プロのロッククライミングインストラクターである鈴木直也氏との、息の合ったアドベンチャーを描いた作品が6月の総会会場である
「アルカディア市ヶ谷」で上映されます。
是非おでかけください。

『Life is Climbing(ライフ・イズ・クライミング)』の特別上映会を開催します

詳細はこちらからご覧ください。⬇
ライフ・イズ・クライミング 特別上映会

チケット購入方法はサイト中ほどの「チケット購入」のリンクから①~⑤の流れで申し込みできます。

①チケットの種類と枚数を選択

②支払方法を選択

③ログインに進む

④新規登録をする (氏名・メールアドレス・パスワードを入れる)

⑤同意するをクリックすると申し込みが完了

イベント会場ボランティア募集

全日本視覚障害者協議会の東京大会が6月6日(金)~6月8日(日)の3日間、戸山サンライズ(東京・新宿区)で開催されます。
全国から200名ほどの視覚障害の方が集まり、多くのボランティアを募集しています。

ご案内のチラシと申込用紙の写真を掲載いたします。

3日間の一部だけでもOK!
たくさんの方のご協力をお願いいたします。

No.573  瞽女唄コンサート

\今年の瞽女唄の息吹き「広沢里枝子 瞽女唄コンサートinこうのす紫苑 VOL.6」が、開かれました。

友人と二人で参加しました。

今回は、広沢さんと井浦美里さんのお二人です。

我らが広沢さんは、春らしいお召し物に、髪にはご主人からのプレゼントだという菜の花のかんざし。キラキラ光っていました。

ところで越後には、長岡と高田の二つの大きなグループがあったことは、知っていました。が、同じ瞽女唄なのに、唄い方や演奏法がかなり違うということは、知りませんでした。

「演歌とポップス」ほど違うという長岡瞽女唄と高田瞽女唄を広沢さんと、井浦さんが、唄ってくれました。

井浦さんは、若さで押してくるような力強さ、広沢さんは、ハリというか伸びのある力強さ。それぞれの個性あふれる瞽女唄でした。

さて、最寄り駅の北鴻巣から、会場までは、徒歩20分。たぶん、熊谷ナンバーの車に誘いあって、参加している方たちが、ほとんど。

神奈川、東京、埼玉というのは、私くらい?

初めて伺った時、バスもタクシーも見当たらず、畑か田んぼの中の道が続いています。途方にくれていましたら、広沢さんのお友だちの神山朝子さんが声をかけてくれたのが、始まりでした。

確か、大学時代からのお友だちと、お聞きしたような。

見も知らぬ私たちの送迎を引き受けてくれたのです。その後メールのやりとりがあって、いろいろ教えていただくこともありました。

今回、雨模様のなか、初めて駅まで歩きました。行きは主催者にお願いして、迎えにきていただきました。

神山さんの優しさ思いやりを、しみじみ感じました。当たり前なんてことは、一つもないのですね。

広沢さんの目が不自由になり、いくつもの不安や悲しみを乗り越え、やがて瞽女唄と出会います。

私の故郷でもある、旧黒川村の盲老人ホームに、小林ハルさんを訪ねたこともあるそうです。そして萱森直子さんのお弟子さんとして、修行してきました。

ご本人の努力の賜物で、人前で演奏できるようになりました。

しかし、演奏する場がなければ、多くの人に披露することはできません。

カフェ「紫苑」のことを知っていた神山さんが、「ここにこんな人がいます。演奏させてもらえませんか」と何度も、紫苑のオーナーの小林さんに、お話しなさったようです。

結果、その後は広沢さんの瞽女唄は、カフェ「紫苑」でとなりました。

毎回、神山さんはじめ「広沢里枝子さんの瞽女唄の息吹きコンサート応援グループ」のみなさまが、しっかり支えています。

羨ましいほどのつながりです。

広沢さんには、どんなにか心強いお仲間でしょう。

神山さんが書かれた童話を、広沢さんが朗読するという珍しいシーンがありました。

瞽女唄からは、想像もできない広沢さんの優しい柔らかな声が、その内容と相まって、それまでの舞台とは、まるで別の世界へ私たちをいざなってくれました。

広沢さんと神山さんお二人の、お互いへのオマージュだと思いました。

本当に素敵なコンサートでした。

ありがとうございました。

No.572 落語会

ある日の昼下がり、戸山寄席へ。

みんなにやさしいらくごかい〜障害のある方もそうでない方も この指とまれ!〜と題した新宿区立戸山図書館での落語会です。

春風亭昇吉師匠の登場です。

岡山大学を卒業後、東大へ。東大初の落語家です。

しかしそんなことは、肩書にも話題にものせず。

普通ならそれを売りにする人もいるでしょうにと、まずびっくり。

肩書には、落語ユニバーサルデザイン化推進協会 代表理事とあるのにもまた、びっくり。

はなから好印象をいだきました。

しかし、私自身は寄席に行ったり、テレビやラジオで落語を聴くということが、ほとんどありません。それでも家族が「笑点」を観ていたもので、何人かの噺家さんの名前は、知っていますが、まるで詳しくありません。

昇吉師匠は、さまざま解説してくれました。

寄席の太鼓、一番太鼓、二番太鼓、中入り太鼓、追い出し太鼓について。また音で誰がでてくるのかわかる、出囃子などなど。うどんとそばを啜る音の実演も。

私のような初心者には、とてもよくわかりました。

4人に1人が認知症、2人に1人が癌になる時代。笑いは大切と。

久しぶりに大笑いしました。

終了後、ご挨拶をさせていただきました。

名刺を手にとり、「ああ、音訳ね。ボランティアでどこでも行きますよ、いつでも連絡をして」と名刺をくださいました。

「目の不自由な人は、落語が好きだよ」とも。

いつか、全国視覚障害教師の会のみなさんだったか、寄席にご案内したことが、ありましたっけ。

みなさん、本当に楽しそうにしていたのを思い出しました。

いつも楽しいユニークな企画をなさる戸山図書館に感謝です。

情報を寄せてくださった南部さん、ありがとうございました。

No.571 贈呈式

2024年9月に設立50周年を迎えた、伊藤忠記念財団では、今年もまた「子ども文庫助成事業」の受領者・受賞者を伊藤忠東京本社ビルに招いて開催する、「贈呈式」が行われました。

いうまでもなくこの「子ども文庫助成事業」と並び、「電子図書普及事業」がもう1本の柱です。

こちらは、障害があるために、通常の書籍では、読むことが難しい子どもたちのために、マルチメディアDAISY図書「わいわい文庫」を製作・寄贈しています。

私たちは、その音源を提供しています。

さて文庫助成の受賞・受領のみなさまは、毎年たくさんの応募者の中から、選ばれた方々です。国内はもちろんのこと、海外からの応募もあります。

読み聞かせ、地域または家庭文庫、病院や施設の子どもたちへの活動、更には特別支援学校の図書支援などです。

贈呈式のあとの懇親会では、いろいろな方々と名刺交換できました。

音訳とは直接、関係はありませんが、子どもたちの笑顔のために頑張っている皆さまから、刺激を受けます。

なかでも、「てんやく絵本ふれあい文庫」の岩田美津子さんとのおしゃべりは、貴重でした。

見える見えないに関係なく、一緒に絵本を楽しむためにてんやく絵本を製作し、全国へ貸し出している方です。

私の点字付き名刺をなぞりながら「私自身は、音訳にお世話になっています」と。

読みで、これはと思うものがありますか、とお聞きしました。

「私の大好きな宮本輝さんの『流転の海』、9巻あるのよ」と言いにくそうに話されました。

「1巻を聴き始めて、これは?と思ったけど、それしかないので、しかたなく最後まで聴きました」と明るく笑っていました。

大好きな作家さんの作品、1巻だけならまだしも、9巻までとなると忍耐ですねと、苦笑しかありませんでした。

たくさんの方々と交流できて、ありがたいひと時でした。

いつもお招きいただき、ありがとうございました。

「音訳者・音訳ボランティアのための著作権セミナー」のご案内

日本図書館協会障害者サービス委員会から
「音訳者・音訳ボランティアのための著作権セミナー」のご案内 が届きました。
多くの音訳に携わる方々にご参加いただきたいです。

ご案内のサイト ⬇

https://www.jla.or.jp/portals/0/html/lsh/2025onyaku.html

チラシはこちら ⬇
音訳者・音訳ボランティアのための著作権セミナー案内

【募集します!】会報発送作業のご協力

3月11日(火曜日)午前10時から、活動拠点の「東京・ボランティア市民活動センター」(飯田橋駅 セントラルプラザ 10階)で、会報「音ボネット通信」54号を発送します。

作業にお手伝いいただける方、是非ご協力ください。

概ね午前中で完了予定です。
途中からのご協力でもかまいません。
事務局  info@onyaku.net  までご一報ください。
(アットマーク を半角にしてください)

どうぞよろしくお願いいたします。

No.570 デイジー教科書事例報告会

日本障害者リハビリテーション協会主催。
令和6年度 音声教材の効率的な製作方法等に関する調査研究事業 「デイジー教科書事例報告会」に参加しました。

同協会では、2008年度からボランティア団体等と協力して、小中学校の発達障害など読みの困難がある児童生徒に、デイジー教科書を製作・提供しています。

当初80名だった利用者が、昨年度は約2万5千人となり、前年比で約5千人の増だそうです。

小中の教科書は、90〜95%を網羅。しかし、高校では、導入なし。

ほとんどボランティア頼みで、これが精一杯とのこと。いずこも同じですね。

サイエンス・アクセシビリティ・ネットの鈴木先生や他の方の報告も興味深かったです。

特に心ひかれたのは、長野県内の高校生、上野くんのお話し、彼を中学からサポートし続けている池田先生のお話しです。

何と言っても当事者の話は、1番です。

サポートしてくれる先生がいたから上野くんは、どれだけ心強かったかと、思いました。

やはり人ではないでしょうか。

現場で、その児童生徒に寄り添う人がいるかどうかが、大きいといわざるを得ません。

先生方の多忙さを理解しないわけではありませんが。

上野くんは、小1の漢字で躓きました。小2までの単元テストは、最高で30点。

読みが苦手な上野くんのようなお子さんには、全てルビ付きのデイジー教科書が有効。

その後は、テストで80点以下はなしとのこと

しかし中2の担任が、デイジー教科書を使うことを禁止。1人だけ使わせることは、許可できないと。

最終的には、母親の直談判で、使用許可が出ました。

高校では、デイジー教科書の手当てはないため、また教科書を読むことが困難に。

新たなにAccess Readingを紹介されたが、保護者や本人による申請手続きが大変。使い方も難しい。

また、池田先生にサポートしてもらった。

せっかく新たなツールができても、当事者自身にとって、ハードルの高いものは、サポートしてくれる池田先生のような方が身近にいないと、とても厳しいと感じました。

ここで、当会会報前号の高校の先生による寄稿「高校生を指導する教育現場の声」を思い出しました。

文科省には、現場の声を聞いて、対策を考えていただきたいと思います。

対象は、明日の日本を担う児童生徒です。

リハ協の情報センター長村上さんは、当事者からの声でないと、なかなか聞いてもらえないんですよと。

よーくわかります。

大変貴重な報告会でした。