テキスト化プロジェクトで東洋医学の研究のお手伝いをいたしました塚田さんからの『第2弾の東洋医学教室』(10月)のお知らせが届きました。
ご興味のある方、是非ご参加ください。
近くの遊歩道に、何本もの金木犀が植えられています。
今年は花付きがいいのか、小さな花がびっしり。むせ返るような香りがします。花に酔うとは、こういうことを言うのでしょうか。
秋は、進んでいます。
さて、みなさまには、5月のメールアンケート、それに続く書面でのアンケートと、ご協力をいただきましてありがとうございました。お寄せいただいたものを、一生懸命読んでいる最中です。
集計結果は、12月後半の会報発送に間に合うようにと準備を進めています。ほとんどか、長文ですから、まとめに悩んでもいます。
ところで、視覚障害者等のみなさんの情報保証を、末端で支えているのは、音訳者・音訳ボランティア(以下音訳者)です。
現状、音訳者の高齢化に対して、若い人が入ってこない、定着しないということが続いています。音訳者の減少が、問題になっています。
更にそれに追い討ちをかけるような事態が、生じていることが、アンケートから見えてきました。
PC録音ができる人、その上、自宅録音ができる人となると限られており、一部の人にのみ負担がかかっている。
読める人なのにも関わらず、それに参加できない人が忸怩たる思いをしている。
また、全員で集まることもできず、双方で楽しみにしている利用者との交流会も中止。モチベーションが、上がりにくい状況になっています。すでに、会を辞めた人がいます。
今後何人の人が、この音訳の世界を去っていくのか、多くの方が不安に駆られています。
このことは、音訳界を揺るがす、重要な問題です。至急に手を打たざるを得ない状況ではないでしょうか。
公共図書館も点字図書館も利用者も音訳者も、そして行政の担当者も集まって、対策を考えないといけません。
みなさまからの貴重なアンケートの回答を基に、実態を共有し、話し合えたらと思っています。
私たちが日頃お世話になっている、東京ボランティア・市民活動センター(ボラセン)から「夏のリモート・ボランティア2020」(リモボラ)に参加しませんかと、声をかけていただきました。
毎年「夏の体験ボランティア」として実施していたものを新型コロナウイルスの感染予防のために中止。その代わりに「リモボラ」を実施することに。
このコロナ禍で、音訳は厳しい状況下にあり、DAISY図書の完成数は、平時の何割減かになった。
反面、テキスト化プロジェクトへの依頼が、いつもの3倍超になりPJのメンバーがフル回転しているということを、ボラセンの職員の方に話したことがきっかけになりました。
チャレンジ!「本のテキスト化」〜視覚障害者のために!というキャッチコピーで参加することに。運営委員の松倉さんに、白羽の矢をたてました。
参加希望者には、ZOOMで事前ガイダンスを実施。中学生以上、15人程度の参加者を想定。作業後は、当会が最終確認し、それぞれのデータをまとめ、一冊の本をテキストデータとして完成。それを国立国会図書館に提供することにしました。
単なる体験型ボランティアではなく、国会図書館にあげることで、参加者が作成したテキストを視覚障害者等に利用してもらえるというところまでつなげたことで、より多くの参加者が集まったのでしょうか。想定外の希望者数となりました。
急遽、第一弾と第二弾に分け、各20名で打ち切りとしました。
更には、名前をあげれば、誰でも知っている大企業や、外資系の企業9社からも参加希望がきました。社員さんがボランティア体験をするということです。
こちらは、一般募集枠とは別に、9月以降に実施することに。
大変なのは、白羽の矢を立てられた松倉さん。一般枠はともかくも、企業さん相手ということは、普段の活動では、ほとんどないことです。同じ事務局のテキスト化プロジェクト担当の猪俣さんと連携し、更には、ボラセンで企業さん相手のベテラン担当の方から、都度、貴重なアドバイスをいただきながら、涼しい顔で進めてくれています。頼もしいかぎりです。
選書もベストです。ちなみに、一般枠の参加者には、ショーペンハウアー「読書について」,佐藤聖一「図書館の障害者サービス」に決めてくれました。
今後、参加者の中から一人でも一企業でも、このテキスト化を続けてくださる方々が、出てくることを、期待したいと思います。
大切なのは、利用者の読書等の環境への理解を深めていただき、手弁当で支援しているボランティアのことも知っていただけると嬉しいです。
それにしても、当会で単独で企画・募集しても、こうはいきません。ボラセンだからの、一言に尽きます。貴重な機会を与えてくださったことに改めて感謝します。
そしてこの夏、リモボラに参加のみなさまにもお礼申し上げます。
ところで、この模様は、共同通信社の藤田さんに、取材をお願いしました。どこかで記事を見つけた方は、お知らせください。
藤田さんには、いつも協力していただき、ありがたいかぎりです。
コロナと猛暑と、いつまで続くのでしょうか。
負けずに頑張りましょう。
総務省、文科省から発信された情報をお知らせいたします。
音訳活動に参考になるかと思います。
①総務省 視覚障害者等の読書における技術的な課題に関する調査研究報告
https://www.soumu.go.jp/main_content/000680902.pdf
②文部科学省 視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る関係者協議会 の情報https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shougai/043/index.htm
今年は、コロナと猛暑で何とも過ごしにくい夏となっていますが、みなさま、お元気でしょうか。
7月末に会報等を、お送りしました。
当初は、記事も集まらないし、私たち運営委員がボラセンに集まるのはどうか、という声もありで
状況が落ち着くまで、お休みにしようかという状態でした。
でも、一度休刊にしてしまうと、ズルズル行きそうな気もします。
どんな時でも、出し続けることに意義がある。こんな時だからこそ、事務局は、元気ですよと、発信したいという思いがありました。
一般の方々にも、寄贈しています。そのみなさまからもお礼メールや、励ましの言葉をいただいています。
更なるアンケートに、大変に関心があり、集計結果を楽しみにしていますと言う声が多数寄せられています。
また、会員以外からも、アンケートに協力してもらったら、どうでしょうかと、札幌の田中さんからは、7団体を紹介していただきました。
当会の紹介を兼ねて、会報も同封しました。
全国でこんなにたくさんのみなさんが、熱心に活動していることに、驚いたと感想を寄せてくださった方もあります。
さらには、個人会員の申込みもありました。
ありがたいことです。
アンケートへのご記入、お忙しいなかで煩わしく思われる方もいらっしゃるかもしれません。
締切は25日、まだ余裕があります。
ぜひご協力のほど、よろしくお願いいたします。
残暑厳しき折、くれぐれもご自愛くださいませ。
音ボラネット通信第40号を本日7月30日夕刻にクロネコ便にて発送いたしました。
到着まで数日かかる場合がありますが、8月5日までにお手元に届かない場合は事務局までメールでお知らせ下さい。
info@onyaku.net (@は半角に変換してください)
今回新型コロナウィルスがみなさまの活動に及ぼした影響などをお聞きするため、先日のメールアンケートに続けて、第2弾を会報に同封しています。
郵送でのご回答の他、メールでのご回答も受け付けます。
アンケート用紙はこちらです。
→ 音ボラネット緊急アンケート (第2弾 )
このコロナ禍、何度もの延期の末に7月23日、有楽町マリオン朝日ホールで、映画”瞽女 GOZE”の試写会が開かれました。
私たちの活動拠点である飯田橋のボランティアセンターで、瀧澤正治監督にお会いしたのはずいぶん前のことになります。
小林ハルさんが、晩年を過ごされた新潟県胎内市の”胎内やすらぎの家”は、私が生まれ育った旧黒川村にあります。
そして今、視覚障害のみなさまのお手伝いをしている、我が身を振り返って、何か勝手にご縁を感じ、完成を心待ちにしていました。
映画の最後、推薦に”全国音訳ボランティアネットワーク”の名前が出てきます。感慨深いものがありました。
招待状をいただきましたが、数に限りがありますし、このようなご時世でもあり、お声掛けしても、ことわられることがありました。都内近辺で、お世話になっている みなさまにもお配りしました。
でもやはり、キャンセルはありました。
当日は、さまざまな配慮がなされていました。
入り口での、体温測定、手の消毒、密を防ぐために受け付けもとりやめという感じです。
瀧澤監督は、2005年ハルさんの葬儀に駆けつけ、ハルさんの生涯を通し、瞽女の世界を本格的な劇映画として制作することを霊前に誓ったとのこと。かれこれ15年は経ちました。
すでに”瞽女”という言葉も、小林ハルさんという名前も知らない方が、圧倒的に多い世の中になりました。
しかし、瀧澤監督はもちろん、”胎内やすらぎの家”に通い教えを受け、映画でも瞽女唄の指導を行っている萱森直子さんといい、ハルさんのそして瞽女さんの心をしっかりと受け継いだ人たちがいます。
小林ハルさん生誕120年の今、このような映画が生まれたことの意義は、大きいと思います。
ともかく、芸達者な俳優さんのなかで子役が、すごかった。
原作を読み、、内容はよく知っているつもりでしたが、何度も涙がこみ上げてきました。
暖かみのある方言、映し出される春夏秋冬の景色、懐かしかった、癒されました。
8月8日には新潟県内で、公開予定。10月には、都内池袋で一般公開を予定とのことです。
“母と娘…愛と慈しみの物語。あなたの心に響く感動の日本映画”(チラシより)
ぜひ一人でも多くのみなさまに、観ていただきたい映画です。
追伸:試写会についてメディアでも取り上げてくださっています。
URLを下記に記しておきます。
ラジオ深夜便 放送 8月5日(水)4時オンエアーです。
(★らじるらじる(聞き逃し番組)でも聞くことができます)
NHKのサイト
https://www.nhk.or.jp/shinyabin/program/2b2.html
◾️東スポ
https://news.yahoo.co.jp/articles/d27141eb2e77d7a84bda782d74ae1d5ac0c308c1
◾️デイリースポーツ
https://news.yahoo.co.jp/articles/8da456fc3be549ea20e0cd5580f45938825fe18b
◾️スポニチアネックス
https://news.yahoo.co.jp/articles/8b5d22f5a57789d498d32f4ac2e2ce72788cd092
◾️サンスポ
https://news.yahoo.co.jp/articles/30a83bb5cc5a704feec1350d411bf39a91d877e6
◾️サンスポ
https://news.yahoo.co.jp/articles/51458dce5c03232b632d52bc0dad6986a5c54209
◾️SmartFLASH
https://news.yahoo.co.jp/articles/d23128a70c9d0e21f71a6df4217f81b9beb5ac5c
◾️中日スポーツ
https://news.yahoo.co.jp/articles/2dcacd4893e7070aa044d9a98e367a167a4cd9bb
◾️日刊スポーツ
https://news.yahoo.co.jp/articles/966628f410db2e0cc2239cf21103b7dfb41a1e71
◾️東スポ
https://news.yahoo.co.jp/articles/ff119268dc34d6ded52748ac2bf9ea44fb7f845c
◾️オリコン
https://news.yahoo.co.jp/articles/048b4d0c41dff22802a21fd3f7daa3c3e95d93d1
◾️MAiDiGi TV(動画)
https://search.yahoo.co.jp/amp/s/maidigitv.jp/amp/movie/n7cQtdRZJiM.html%3Fusqp%3Dmq331AQUKAGYAYeklt6PmbHv9gGwASDYAQE%253D
音ボラネット総会でご講演くださり、各地で音訳講師もされている磯野正典氏が下記の本を出版されました。
音声訳図書制作に役立つ漢字のふりがな、写真の読み方、読み方の具体的な要望も掲載してあります。「著者は音訳者にどのような読み方をして欲しいのか」という問題に一石を投じています。
詳細は次のとおりです。是非お手に取ってみませんか。
『語り継ぐ戦争体験 昭和二十年 父・海軍予備学生、母・代用教員の青春』
著者 磯野 正典 金城学院大学教授 私家版
音声訳図書制作に役立つ資料を付けた書籍が出版されます。漢字のふりがな、写真の読み方、読み方の具体的な要望も掲載してあります。当然、自由マークも付いています。そして、この本は「著者は音訳者にどのような読み方をして欲しいのか」という問題に一石を投じています。それは、著者から「こう読んで欲しい」という要望を乗せているからです。
音訳者が録音図書を製作する時に常に向き合わねばならないのが利用者です。講習会でも、聴き手を意識する様指導されます。いかに聴き易いか、正確であるか、理解し易いか等の配慮は音訳の基本です。しかし、著作物に込められた著者の思いに向き合う事は余りありません。音訳は情報提供手段の一つで、芸術的表現手段ではないと言われますが、生身の人間が文章を読めば、そこには必ず読み手の理解度や感情が読み方に反映されます。
音訳者の読み方について、著者が何か言ってくる事は殆どありませんし、「その読み方でよかったのか」を確認する事も出来ませんし「著者がどの様に読んで欲しいのか」という事はこれまで殆ど問題にされて来ませんでした。
しかし、著者は決して「どんな風に読んでもらっても構わない」とは思っていない筈です。大切な作品を台無しにされるように読みを許せないという著者もいるかもしれません。しかし、現状著者は自分の作品がどんな風に読まれているのかを殆ど知らないのです。
一方これから音声訳データーが、いつでも何処でも誰にでも提供される時代が来ると、貴殿の音訳に対して著者が何かを言って来る可能性が出て来ます。それはボランティアだから許されるのでしょうか、解決のために著者が協力してくれるのでしょうか。現在の所、この問題の答えは全く見えていません。
私のこれまでの著書は当初から著作権開放のEYE マークを付けて出版したので、多くの音声訳に供しています。その中には、「どうしてこの様な読み方をするのだろう」とか、「そんな読み方をしたら台無しではないか」「感情移入がされ過ぎる」などと感じざるを得ないものもありました。しかし、音訳に関わる者として、個別にお願いや、やり直しを要求はしていません。ただ、作者の思いとは異なる作品になっていると残念な思いに囚われました。でも、これは恐らく容易に解決しない課題だと思っています。
そこで、今回の作品では、せめて「こんな風に読んで貰いたい」という要望を資料として添付しました。利用者に向かい合うのであれば、著者にも向かい合う必要があるのでないかとい考えた次第です。そして、語彙の読み方や写真の読み方についても併記しました。考えてみたら、この様な音訳用の資料が出版時に掲載されている書籍はこれまでに無かったみたいです。(あればご教示ください。日本初を削除します)
私は本書を音訳講習会のテキストとして活用する計画です。あくまでもこの本に対する著者からの要望というものではありますが、一つのケーススタディーとして捉え、著者に向かい合ってください。著者は講座で直接受講者と向かい合います。そう言う意味では何か「画期的な講習会」になりそうで、私も大いに学びたいと考えています。本当に音訳には色々な側面と課題があるものだとつくづく感じています。
※ 本書は私家版です。出来る限り経費と手間をかけず制作しますので、簡易な装丁で、発注があってから製作します。何種類かのパターンを用意しました。何卒ご理解下さい。ご購入ご希望があれば下記へご一報ください。
折り返しご相談の上、制作してお届けします。基本価格は千円を想定していますが、装丁によって変わります。
メール isono@kinjo-u.ac.jp.
郵便 〒463-8521 名古屋市守山区大森2-1723
金城学院大学国際情報学部 磯野研究室 宛
※ 郵便の場合は返信用封筒に宛名を記入し84 円切手を貼って同封して下さい。
追伸 本年前期は全国10箇所から講習の依頼を頂きましたが、新型コロナ肺炎のため全て中止となりました。サバティカル研究休暇もメインの「東日本大震災と地域メディア研究」での出張調査がままならず、10年前から温めていた父と母の戦争体験を書いた本を図らずも仕上げる事になりました。
新型コロナウイルス対策として、全国に出されていた緊急事態宣言が解除されて、1ヶ月が経ちました。経済活動が再開され、町に人出が戻ってきたようです。でも、まだまだ安心・安全とはいえない状況が続いています。
みなさまの地域では、いかがでしょうか?
さて、こんな中にあっても新聞やラジオで「音訳」をとりあげてくださるところがあって、ありがたいことでした。
ある日、NHKラジオ第2「視覚障害ナビラジオ」のディレクター遠田さんから、連絡をいただきました。音訳ボランティアの高齢化ということをメインに、広く「音訳」についての話を聞きたいと。
視覚障害のみなさんが楽しみにしている番組です。電話で遠田さんの質問に応える。その後編集して、今回のテーマにまとまるというものです。
全国視覚障害者情報提供施設協会理事長の竹下さんが、私の話を補足してくださっている感じでした。
でも、私は竹下さんとご一緒というのは知らなかったのですが。
冒頭では、音訳と朗読の違いということから、絵など書かれているものはすべて読む例として、童話の音訳例が流れされました。長野の丸田周子さん著新宿の南部優子さん音訳の「さくらはおよぐ?」(銀の鈴社)です。
作者と音訳者が何度も細かい打合せをして、音ボラネット製作のDAISY図書第一号として、国立国会図書館に提供しているものです。
そして、ぜひ当事者の声も欲しいということで急遽、大阪の堀さんを紹介、出演してもらったりもしました。一つの番組を作り上げるのは色々大変だと、改めて感じました。
番組が終わるやいなや、地方の利用者の方から電話がきました。
「とてもわかりやすくて、よかった」「ところで藤田さんは、何歳?」と。
ある音訳ボランティアの方からは、「こんな時だからこそ、音訳をとりあげてもらってよかった。励みになった」と。
すべてに感謝です。