音ボラネット副代表の鶴岡幸子さん率いる「葛飾音訳ボランティアの会」が創立30周年を迎えました。
私も寄稿させていただいた記念誌もできました。
そして、11月には記念講演会が開かれました。
千葉県立西部図書館の松井進さんの後、私にまで講演の依頼がありました。
「視覚障害者の読書の現状と課題~今後の音訳者に求められる知識と技能~」という、松井さんの講演だけで十二分なのにと思いながらも、鶴岡さんの気遣いに感謝して引き受けました。しかし、やりづらかった。
さて、「葛飾音訳ボランティアの会」のすごいところは、図書館とだけではなく、社会福祉協議会や行政とも、非常に友好的なお付き合いをしているということです。
常に臆することなく意見を言い、提案をする。例えば以前、区報の音声版製作は、入札によるもので地域のボランティアには、手の届かないものだったそうです。それを鶴岡会長が、区の広報課や契約課に何度も掛け合い結果、広報や区議会だより等を依頼されるまでになりました。強固な信頼関係を結んでいます。
ひとえに、鶴岡会長の人間力でしょう。
そしてまた、新しいことに挑戦するというチャレンジ精神があります。
当会のシンポジウム「マンガを読んでみよう」をきっかけに、地元作家の「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の音訳を始め継続しているのは、ここのグループだけではないでしょうか。その上、利用者はもちろん、出版社の担当の方からも絶賛されるほどの完成度の高いものになっています。
さまざま課題も多い音訳界にあって、ただただ音訳だけしているというのではなく、音訳者を取り巻く回りのすべての人、すべてのことを味方にしていく努力が大切になってくるのではないでしょうか。
図書館や行政との付き合い方に悩んでいるグループがたくさんあります。鶴岡会長には、出し惜しみせず、その辺の経験をぜひ、みんなに話してほしいと思います。
よろしくお願いします。