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No.444 読書バリアフリー研究会

広大な上野公園の先といえばおわかりでしょうか。
JR上野駅公園口より徒歩10分。東京文化会館の横を通り、早朝からパンダ目当ての長蛇の列をながめながら、東京都美術館、更には黒田(清輝)記念館前を通り、国際子ども図書館に行ってきました。

2000年に国立国会図書館の支部図書館として建てられました。外観も立派です。さまざまイベントも催されていますが、利用率が気になりました。

さてこの場所で、伊藤忠記念財団と国立国会図書館国際子ども図書館共催で、特別研修 読む喜びを提供するバリアフリー資料の今~みんなに読む喜びと楽しさを伝えよう~が開かれました。110名もの参加者でした。やはり会場設定も大切ということでしょうか。

今年も「わいわい文庫2018年版」74作品を全国約1100ヶ所の特別支援学校、図書館等に寄贈されたそうです。音訳を担当させていただいている私たちも、嬉しいかぎりです。

専修大学の成松さん(読書工房)からは、障害のある子どもにとって必要な合理的配慮を考える~一人ひとりの読書・学習を支えるバリアフリー資料や環境整備~について。

都立鹿本学園の本多先生は、すすめ!DAISYキャラバン隊~肢体不自由・知的障害併置校での活用例~

金沢星陵大学の河野先生は、学習障害って何だろう~読み書き障害の特徴と支援方法の実際~について話されました。

マルチメディアDAISY図書が、どんな風に活用され、どんな成果が得られているのか、やはり現場の先生の活用法等の報告には、一番関心があります。

本多先生は、先ずは校内の興味や関心を高め、教職員に普及と啓発を図ることを目的とし、15分程度のお薦めの作品を紹介するお話会を開きました。
どんなに熱心な先生が一人いたとしても、まわりの先生方の協力がなければ成り立たないわけで、大切なアプローチです。

河野先生のお話のなかでは、以下のようなことが、強く印象に残りました。
読み書き障害(ディスレクシア)は学習障害の一つである。
文字が読めないわけではなく、書けないわけでもない。つまり正確さ流暢さに困難がある。
通常学級の中に読み書き障害の子どもの割合は6.5%。
なるべく早くから補助・代替支援を行って、学習に遅れのないようにすべきではないか。

しかし、読み書き障害のある子どもの支援の目標は、読み書きが他の子どもと同じレベルになることではない。知識を増やし、知識を使って考え、自分の考えを第三者に伝えることができることが目標と。

一人でも多くの理解者、支援者が増えるといいです。私たちとしても、特に先生方に「わいわい文庫」の存在を知ってもらい、理解を深め活用してもらえるように情報発信していきたいと思います。

この後も続々と地方開催が決まっています。多くの方の参加を祈ります。

それにしても、天下の伊藤忠記念財団矢部さん中村さんコンビが少数精鋭でよく頑張っています。

子どもたちは、教科書だけで事足りるわけではありません。心の成長に欠かせないのが読書です。
「わいわい文庫」を通し、たくさんの絵本や児童書などに親しんでほしいと思います。

たくさんの子どもたちの笑顔の花が咲きますように。

シンポジウム終了しました!

6月9日(土)日比谷図書文化館にてシンポジウムを開催しました。ご登壇いただきました講師のみなさま、ご参加いただいたみなさま、おつかれさまでした。
お配りしましたアンケートはお手数をおかけしますが、同封の封筒に切手(82円)を貼ってご返送くださいますよう、お願いいたします。
シンポジウムの内容や当日のご質問に関しては次号会報でお知らせたします。

No.443 馬場村塾

2回続けて昼開催の馬場村塾です。

1回目は、私たちも何度かシンポジウムなどの会場として、お借りしたことのある、社会福祉法人 ぶどうの木・ロゴス点字図書館の元館長橋本宗明さんです。

過去最高の60名の参加者です。これは何を語っているのでしょうか。

おん歳87歳。やるべきことはやってきたと。14歳で終戦。天地がひっくり返るほど大変なことを経験。
更に、結核と失明。
身体的制限がある中で、頭だけが自由で、さまざま考えたと。
日本人は個ができていないとおっしゃる。耳が痛いです。

さまざまな経験を通したお話は、たいへんな時代を生き抜き、闘いの連続だったのではと感じました。

「欄干のない話」とは、橋本さんの言葉だそうです。
国鉄に責任がない事項、無責任事項と闘ってきた結果、現代のホームドア設置に繋がっています。

また、日点の書棚にある本を点訳者が持ち帰って点訳して、棚に戻す。本の選択は点訳者にあって、利用者が決めるわけではない。

時代が違うと言ってしまえばそれまでですが、さまざまな理不尽なことと闘ってこられたことが、ビシビシと伝わってきます。

ロゴス点字図書館は都内で4つ目の点字図書館だった。なぜ必要か。
司教と東京都を納得させなくてはならない。
考える図書館と銘打った。

「社会福祉法人」をお金のためにとらざるを得ないと思った。お金がなければ潰れる。社会福祉法人の値打ちは考えたことがないと、言い切る強さ。

本当にすごい方です。すごすぎる人生です。
これからも若い世代にアドバイスをお願いします。

PTR3出荷されます!

シナノケンシ株式会社からのお知らせです。

『プレクストーク新製品PTR3が、無線ネットワーク通信機能を
搭載した仕様で出荷が再開されます。

詳細については、以下のプレクストークホームページの
お知らせでご確認ください。

「プレクストーク新製品PTR3の出荷再開に関する重要なご案内」

プレクストーク新製品PTR3の出荷再開に関する重要なご案内

掲載内容の主な見出しは以下となります。

1.PTR3の出荷再開日:2018年6月26日予定 (弊社工場出荷日)

2.PTR3に関連するその他のお知らせ
①無線ネットワーク通信がない機能限定品の無償アップデートについて
②機能拡張有料プログラムの発売について

ご案内は以上です。』

 

 

ボランティア募集(全国盲人福祉大会・東京大会)

ボランティア募集の依頼がきました。

視覚障害者の誘導や案内でボランティアが不足しているそうです。ただし、誘導・案内はガイドヘルプ等ではなく、看板等を手に持ち、視覚障害者とその付き添いの方に声を掛け、次の行き先までの道案内をするボランティアだそうです。

※全日とも、交通費・昼食代(一律)の支給あり。
※イベント保険に加入予定(ボランティア分も含まれる)

詳細は下記をご覧ください。

全国盲人福祉大会ボランティア依頼内容について

ご協力いただけます方は
事務局info@onyaku.netまでお知らせいただくか
下記の問い合わせ先にご連絡ください。
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ボランティア募集

第71回全国盲人福祉大会東京大会

平成30年6月11日(月)
①午前11時から午後1時
②午後1時から3時30分

6月12日(火)
①午前8時30分から10時30分
②午前10時30分から午後1時
③午後1時から午後5時

6月13日(水)
①午前8時から11時
②午前11時から午後2時
③午前8時から午後2時

会場 JR・つくばエキスプレス 「秋葉原駅」
浅草ビューホテル
ボランティアの内容  場外、場内案内誘導 等
募集人数  各日 10 ~ 15人

問い合わせ先  公益社団法人東京都盲人福祉協会
(新宿区高田馬場1-9-23   03-3208-9001)
ボランティア募集

No.442 初の新潟県立図書館への訪問

「4月28日29日、新潟県立図書館で日本昔話の旅の原画展を企画してくださいます。イベントのお手伝いに行ってきます。」と我らが伊藤忠記念財団の矢部さんからメールをいただきました。

ここ数年、点字図書館改め視覚障害者情報センターへは数回お邪魔したことはありましたが、県立図書館とはご縁がありませんでした。一度はと思っていましたので、これはいいチヤンス。矢部さんの応援?がてら、伺うことに。

新潟駅から車で20分弱。
桜の名所鳥屋野潟公園の一角。付近には、野球場や自然科学館などかあり、広い森の中にある図書館といった趣でしょうか。

キャッチフレーズは「フクロウの森の図書館」です。
中に入ると広々としていて、エントランスホール及び閲覧室の窓の外には、緑が溢れ居心地の良い空間となっています。
桜の季節は、さぞやと思われます。

さて、正面玄関を抜け、閲覧室に入る手前のギャラリーで、マルチメディアDAISY図書の体験会が行われていました。
各県に伝わる昔話が、マルチメディアDAISY図書で楽しめます。

新潟県の昔話「みるなのくら」のさし絵原稿や語り原稿が展示されています。4月24日~5月13日までのこどもの読書週間記念展示の一環です。

そのうちの二日間、矢部さんが、iPadを使ってのマルチメディアDAISY図書の体験会をお手伝いしていました。

事前に新聞、テレビ、ラジオにも取り上げられたせいもありで、こども連れの家族など、150名以上のみなさんに「わいわい文庫」を体験してもらったようです。
私がお邪魔した時も、こどものたちが楽しそうにiPadを使っていました。

新しい読書の可能性を広げる「マルチメディアDAISY図書」を知ろう!というタイトル通り、先ずは一人でも多くのみなさんに知ってもらうこと。
県内初の公共図書館での試みは大成功だったのではないでしょうか。
「障害者サービス」もこれからということですし、当然音訳者の養成もこれから。今後何かお手伝いできることがあればと思います。

おかげさまで、貴重な一時でした。

No.441 馬場村塾

久しぶりの馬場村塾参加です。

6時30分開始、懇親会は9時からというのは、さすがの私もだいぶきつくなってきました。

今回は、つくば技術大学在職中に、何度かお訪ねもし、音ボラネットの研修会「学習を支える音訳」について講演もしていただいた長岡英司さん。

現在は日本点字図書館の館長です。
ぜひ参加しなくてはと思いました。

近年、視覚障害者の社会参加は目立って拡大してきました。
これは、情報アクセス手段の充実がひじょうに大きいと言えるでしょう。IT化以前の視覚障害者の情報環境、広く点字のこと等々、知らない時代のことも多く、先人のご苦労はいかばかりだったろうかと思います。

参加者の中には、長野や岩手、京都からの方もいて、立ち見も出るかと思われる盛況でした。

質問タイムには、「せっかくなので、日点の現状とか今後の取り組みなどについて教えて!」という声がありましたが、うまくはぐらかされたかな?
私もぜひ、伺ってみたかった。次回に期待します。

さて、今後の馬場村塾ですが、4月と5月は、日中開催になっています。通常の時間帯だと難しい皆さんにもぜひ参加してほしいと思います。

大川和彦さんが新塾長になりました。
引き続き甲賀さん、成松さんともに、サポートしてくれます。
うまい具合に若手にバトンタッチしました。
私たちも見習いたいです。

それから今年も馬場フェスやります。夏です。乞うご期待。

もうひとつ、9月14日~16日に神戸で「第27回視覚障害リハビリテーション研究発表大会IN神戸」~発見そして自立ー視覚リハの新時代へ~が開催されます。

ここで我らが馬場村塾がポスター発表で登場。大川新塾長が活動報告を行います。
私もぜひ勉強がてら参加して応援したいと思います。