音ボラネット事務局 のすべての投稿

No.437 なごや会セミナー

日本図書館協会でなごや会(公共図書館で働く視覚障害職員の会)主催のセミナーが開かれました。
日をずらし、東京の他に名古屋でも開催されました。

視覚障害者に限らず、すべての障害者に当てはまることでしょうが、就労の問題は切実です。

どこにどんな仕事があるのか、どんなスキルが必要なのか、採用試験を受けることはできるのか。
情報はあるのとでしょうか。

なごや会では、これまで40年にわたり30人を超える視覚障害者が、各地の図書館で働いてきました。

その歴史と実績を踏まえ、「公共図書館は、視覚障害者が活躍できる職場」だということを、当事者にはもちろんのこと、関係者にもアピールすることが重要であると、このセミナーを企画しました。

当然、先輩方も定年等で職場を去る日もあるわけです。そこで障害者サービスの充実と拡大のために当事者として、積み重ねてきたものを、ぜひ、後輩に引き継いでもらいたいということは、大きいと思います。

そのためにも、一人でも多くの視覚障害者が図書館で働く機会を得られるように活動しています。

四人の職員から、自身の学歴や視力の状態、職場での仕事内容等、丁寧なお話がありました。

図書館に職を得るためにある人は、あちこちの団体やグループに所属し、さまざまなイベントに顔を出して情報を集めたと。なかなか思うようにはいかないかもしれませんが、情報収集のために自ら行動をおこすことも大事だと感じました。

各自治体によって、採用形態が違う。自立通勤、自立業務、点字がどこまでできるのか等が最低条件になるとか。

現役の学生はもちろん、大学の先生も参加。熱心に質問し、終了後も個別相談をしている人たちもいました。
もっと早くにわかっていれば、司書資格もとれたのにとの学生さんの声も聞こえてきました。

我が郷里の新潟大学の先生は、公共図書館が視覚障害者に適した職場だとは知らなかった。今後の学生指導に役立てたいと言われていました。

反響大だったセミナーを振り返り、佐藤聖一さんは、もっと早く開くべきだった。今後、年に一回くらいは開催すべきかもと。
発信は大事、お互いにここがポイントではないでしょうか。

音ボラ事務局として最寄り駅からの往復誘導を四人でお手伝いしました。何事も勉強になります。

ところで、各地の大雪のニュースに、雪もない青空の下で暮らしていることが、後ろめたいような気持ちになってきます。

また、インフルエンザも猛威をふるっています。
でも、2月もなかば、もう少しの辛抱でしょうか。
お互いに負けずに頑張りましょうね。

みなさま、お元気で!!

No.436 千葉市での研修会

千葉市中央図書館主催の千葉市図書館音訳研修会に呼んでいただきました。

通常二日間に分けて、という日程のところ、図書館と私の方の調整がつかず、午前・午後の二回ということで、一日通しの研修会になってしまいました。

受講のみなさんには、寒いなか(もちろん会場内は暖かです)長時間で大変だったろうと思います。

中央図書館には、「なごや会」メンバーの大川和彦さんがいます。2014年の当会のシンポジウム「利用者のホンネに迫る」に発表者の一人としてお招きしました。

その時、大川さんは、音訳者も色んなことに興味を持ち、さまざまなイベントにも参加して、引き出しをたくさんもってほしいと言われていました。

昨年の「BABAフェス」や出版UD研究会とのコラボだった「なごや会」での私たちの発表を聞いて、今度千葉でもそんな話をしてほしいと言われていました。

そんなわけで、先ずは音訳周辺への理解ということで、音訳の始まりからサピエのことまで話しました。
視覚障害者の現状から、そもそも音訳とは、録音図書の質の問題等々。

そしてすべて音ボラネットの会員さんが音訳した「聞きやすい、内容がきちんと理解できる」読みを聞いてもらいました。

マンガ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」「君の膵臓をたべたい」など、合成音声も。

ほんとうは「聞きにくい、質に難あり」もサンプルとして聞いてもらいたかったのですが、入手できず残念ではありました。
口で説明しても限度があり、あまり伝わりません。

以前は、「ありがとう」としか言えなかった利用者さんが、はっきりとものをいう人が、増えたとか、サピエのおかげで耳が肥えた等で、こんなのは聞けないと言う声があがるようになりました。

質が大事だということしっかり、頭に入れてください。他人事ではなく、自分のこととしてとらえましょう、と話しました。

点字図書館と公共図書館の両方で活動している人が多い地域のようでした。ほとんど利用者さんとの接触がないとのこと。

更には「点字毎日」の墨字版や「視覚障害」という月刊誌も持参し、回覧しましたが、その存在も知らない。
また「サイトワールド」も知らない。
それはやはり、問題ではないでしょうか。

「点字毎日」は図書館においてあるそうです。

利用者との懇談会のようなことをやってくださいとお願いしました。
音訳者側からも何かあれば、図書館に要望したらどうでしょう。

でもせいぜい、「うちのボランティアさんは、文芸書を読みたがるんで困ります」なんて言われないようにしましょう。

同じ目的、目標に向かって仲良く頑張りましょうね。
みなさまありがとうございました。

No.435 表彰式

瞬く間に2018年も半月が過ぎようとしています。

元日から音訳に取り組んでいます、という一言が添えられた年賀状が届きましたが、改めて私たちは凄いことをやっているんだなあと思いました。

今年も健康第一で、苦労の中にも楽しい一年をと願います。

どうぞ本年も変わらぬご支援をよろしくお願い申し上げます。

さて、昨年11月30日の東京弁護士会人権賞(東弁人権賞)受賞の記者会見に続き、明けて2018年1月11日には、弁護士会館講堂で表彰式が執り行われました。

東京弁護士会は1986年から、「東弁人権賞」を制定。人権擁護活動に尽力してきた個人、グループ、団体を表彰してきました。今回で32回となります。さまざまな人権活動の中でも、私たち音ボラネットの活動は「公害・社会福祉の分野における人権活動」ということになるでしょう。

ある障害者の方が「人権擁護と社会正義のために活動しているとても権威のあるところからの権威ある賞を受賞したのだから、ホーム・ページのトップに載せて多くの人に知らせるべきだし、藤田があちこち出向く際にはきちんと話しなさい。ともかく嬉しい」と言ってくれました。

新聞も大手3紙に写真入りで掲載されましたし、その後、会報「音ボラネット通信」第32号には、号外として皆さまにお知らせしました。

おかげさまで、ありがたいことに他にもメールや年賀状等で、お祝いの言葉をたくさんいただきました。

改めて言うまでもありませんが、私たちの「全国音訳ボランティアネットワーク」が受賞したのです。
本当に嬉しいかぎりですが、責任も感じます。
また次に向けて共々に頑張りましょう。

さて、11日の表彰式には、記者会見の時同様に、副代表の鶴岡さんと二人で出席しました。

記念撮影に始まり、新年式(含む表彰式)、新年祝賀会と続き、終了後は東弁会会報「LIBRA」へのインタビュー記事の取材を受けました。
朝から長丁場でした。

ところで、出席者は、東弁会会長、副会長はもちろんのこと、日弁連会長、最高裁判事、法務大臣、東京地方裁判所所長、東京地方検察庁検事正。

そして人権賞選考委員会のみなさま、会員のみなさま。
そうそうたるお顔ぶれです。

表彰の後、こんな機会にも恵まれないかぎり上がれない東弁会の講堂の壇上で、更には、普段お目にかかれないであろうみなさまの前での受賞スピーチは、緊張しました。

最後に「推薦してくださった中山司朗弁護士、選考委員の先生方、そしてご参集のみなみなさまに、心からの感謝を申し上げます」と締めくくりました。

「貴女の一声を聞いて、声のだし方が違うと思ったわ」とか、「ぼくの講義より堂々としていて、聞きやすかった。滑舌がいいんだね」と声をかけていただきました。
音訳者として培ってきたものを、認めていただいたような気になりました。
「内容のなさをいつも、声でカバーしています」とお応えしました。

祝賀会にかけつけた議員の中に公明党の山口代表が。
ご挨拶させていただきました。
山口代表も東弁会の会員です。そういえば、議員は、弁護士出身が多いなあと改めて思いました。

古くは「EYEマーク・音声訳推進協議会」の活動をしていた頃に何度か陳情に行ったことが懐かしく思い出されました。
一番親身になってくれた党でした。

改めて、さまざまなご縁、みなみなさまのおかげで、現在があるということに感謝しかありません。

大変貴重な経験をさせていただきました。
本当にありがとうございました。

No.434 視覚障害教師の会

暮れも押し迫ったある日、当会事務局の例会の後、中山弁護士も加わり忘年会を兼ねた昼食会を開催。その後、HP担当の猪俣さんと新宿区内の戸山サンライズへ。

何年ぶりでしょう。「全国視覚障害教師の会」(JVT)の冬期拡大役員会のお手伝いに伺うのは。言うまでもなく視覚に障害がありながら教壇に立つ先生方の集まりです。

幼稚園や小・中・高校、大学、盲学校や養護学校など、働く場所はさまざまです。教師を目指す視覚障害学生などのみなさんも参加しています

当事務局の平井さんが長く関わってきました。その活動の一端は、「音ボラネット通信」第32号(12月12日発行)にも掲載されています。

さて懐かしい先生方に混じって新しい、それも若い先生方の姿が。若い方が増えて活気も加わり、嬉しくなりました。

そんな中にあって前回、視力が低下し、これからどうしたらいいのかと悩み・不安に押し潰されそうな若い先生のことが、忘れられませんでした。同時に先輩方が一生懸命、ご自身の体験などを伝えている姿も、目に焼きついています。

その先生が参加していました。スッキリとしたお顔で、思わず声をかけました。その後の夕食会では、教え子に英語の弁論大会等で優秀な成績をあげさせているベテラン英語教師から、熱心にアドバイスを受けていました。

2018年4月から英語教育が低学年化され小学3年生からの必修化が実施されます。この「必修」ですが「教科」ではないので教科書がなく、学習内容やテキストは学校や教員が決められます。

やりがいがあるということもあるでしょうが、現場の先生方にとっては、負担の方が大きいのではと想像します。ましてや視覚障害の教師です。

でもきっとこの先生なら、もう大丈夫です。本当ににこやかに落ち着いた姿に、思わず心の中で拍手をしてしまいました。

現実の厳しさがなくなったわけではないと思いますが、このJVTでの多くの先輩方や同年代の仲間の存在、交流と研修が大きな安心感を与えているのでしょう。

いい会です。

同行の猪俣さんはテキスト化PJの担当でもありますが、お二人の利用者と対面。喜んでいました。早くて正確なテキストデータを作ってもらい、ありがたいと、嬉しい言葉もいただいたようです。

また、読書工房の成松さんの特別講演「視覚障害者が伝えたいことと、晴眼者が知りたい視覚障害者のこと」もありました。

平井さんが講師をして育てた文京区内の音訳ボランティアのみなさんともお会いできました。

毎回、いろいろ教えていただき、励まされる会です。また来年、機会がありましたら、ぜひ参加したいと思います。

2017年も余すところ、後わずかとなりました。みなさま、大変お世話になりました。

きたる2018年が少しでも佳い年となりますように。
本当にありがとうございました。

会報『音ボラ通信第32号』を発行しました!

本日夕刻 クロネコ便で『音ボラ通信第32号』をお送りしました。到着まで数日かかる場合があります。

今週末までに届かない場合は事務局までご連絡ください。

会報では会員の皆さまからの投稿を大募集しています!
全国各地から様々な情報をお寄せください。

なお、テキストデータ版をお申し込みの方には
一両日中にお送りいたします。

映画「瞽女」制作にご協力を!

「藤田が行く!」No.412やNo.413で取り上げた『瞽女文化』を継承していくための映画「瞽女」の制作が企画されています。

2020年の公開を目指し、「プロモーション用映像」の制作が開始されます。

制作にあたり12月9日から「にいがた、いっぽ」のクラウドファンディングがスタートしました。(2月末終了予定)
音ボラネットも協力団体として応援したいと思います。

多くの皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。

詳細は下記をご覧下さい。
https://n-ippo.jp/project/detail/318

No.433 なごや会

今年の「なごや会」(公共図書館で働く視覚障害職員の会)は、初日に例年とは違った角度からのセミナーが開かれました。場所は、千代田区内の日本文藝家協会。読書工房の成松一郎さん主宰の出版UD研究会とのコラボです。

第55回出版UD研究会&なごや会セミナー、「聞いて・感じて、音声による読書の世界」。
参加者はいつもですと、ほとんどなごや会会員と開催地の図書館職員、お手伝いをかねた音訳ボランティアというところでしょうか。

今回は、出版関係者、ウェブデザイナー、大学関係者、作家等々、さまざまな立場のみなさんが参加。

まず、なごや会の服部さんから、公共図書館の障害者サービスの紹介。続いて出版UD研究会の成松さんからは、さまざまな読書スタイルの紹介がありました。

私たち音ボラネットは、「音訳図書ってどんなもの?」ということで発表と実演。耳の肥えたユーザーと熱心な参加者に、緊張しました。
朗読と比べ、音訳はあまり一般に知られていない現状、だれでもすぐに音訳ができるわけではないことなど、お話ししました。

マンガもニーズがあるということで、葛飾音訳ボランティアの会の「こち亀」を紹介。

更には、話題の「君の膵臓をたべたい」(キミスイ)を、肉声、オーディオブック、合成音声で聞き比べます。

肉声は、音訳者代表で新宿区の南部優子さん。
次に日本オーディオブック協議会の上田さん。合成音声Ⅰは、日本電子出版協会の岡山さん。合成音声Ⅱは、なごや会の松井さん。
オーディオブックは、プロの声優さんの読みです。

我らが南部さんの読みは、目の前に女子高生がいるみたいとユーザーのみなさんから大好評でした。肉声の素晴らしさを味わうことができました。

松井さんからは10種類ほどの合成音声ソフトの紹介がありました。進化しています。早く情報がほしいときは、これでも十分という感じです。

その後のワークショップでは、「聞いて、考え、描いてみる」。同音異義語の確認、文章を聞いて絵を描いてみたりと、面白いコーナーでした。

十分な打合せの時間があったわけではなく、どうなるのか、多少の不安はなきにしもあらず。でも、スムーズにいきました。
一座を組んで、地方回りをしましょうかと冗談も出るほどでした。楽しく実になるセミナーだったと思います。

冗談ではなく、他でもこういうコラボができたらと思いました。たまには切り口を変えてみると、新鮮です。

No.432 「音声訳虹の会」40周年

音訳が始まって60年。
いくつかのグループから設立40周年の記念誌が事務局に送られてきています。

「宇治リーディングボランティア」、「釧路市音声訳の会ともしび」のみなさん、おめでとうございます。

さてそんな中、新潟県は三条市の「音声訳虹の会」(横山喜代子会長)からは、40周年の記念式典にお招きいただきました。

県内には、4団体9個人の音ボラネット会員がいます。総会等にはいつも、たくさんのみなさんが参加。心強く感じております。

そんなわけで、会場の三条ロイヤルホテルに入るやいなや、懐かしいお顔を何人か見つけて緊張がほどけ、嬉しくなりました。
音ボラネットの存在を知らない他の音訳グループにも声をかけてくださったとか。
情報発信ができてよかったと、副会長の渡邉敏栄さん。(彼はテキスト化プロジェクトにも協力してくれています)

当日参加するとかしないとかは別にして、情報を伝えるということは大事であり、ありがたいと思いました。

さて虹の会は、ラジオ深夜便を長年音訳、サピエ図書館にアップされています。40年という歴史を眺めてみれば、みなさん手弁当でよくぞ頑張ってこられたと拍手です。
着物姿の先輩方も華やかに会を盛り上げていました。

ところで県内で活動する音訳グループは、いくつもありますが、一応みんな、新潟県点字図書館(本年4月より、新潟県視覚障害者情報センターとしてスタート)に束ねられているそうで、録音図書は、サピエ図書館にあげてもらえるという道筋はついているそうです。質の問題等があって、全てというわけにはいかないのはもちろんですが、録音図書が足りていない上に音訳者が高齢化して、製作数自体が先細りになっていく現状ならば、少しでも活用されないものを減らしたいと思います。

それから会場で伺った定年制の話が気になりました。こちらの情報センターでは、70歳定年だそうです。

あちこちで定年制をひいているのは、承知していますから、何もこちらが特別とはいいません。
担当職員の公平にという思いもわからないではありません。

しかし、個人差がひじょうに大きい世界です。
60代でも口中音がひどくて、とか。80代なのにこの若々しい読み、とか。現場からさまざまな声が聞こえてきます。
ここにきてある公共図書館では、定年制撤廃という動きもあるそうです。
個人個人の力量、状況に応じて、図書館の職員が一人ひとりに対応していただければと思います。

職員のみなさんができるわけではない音訳をボランティアにお願いしている側として、「あなたの読みは…」とか、ましてや「音訳は卒業して」とは言えないというのです。そこを何とか乗り越えて、日頃からお互い信頼関係を築き、何でも言い合える関係はできないものでしょうか。

同じであるはずの目的・目標を再確認したいものです。

盲導犬物語(テレビ番組のご案内)

社会福祉法人全国盲ろう者協会からテレビ番組のご案内です。同協会の門川理事と盲導犬ベイスを取り上げた番組です。
ぜひご覧下さい。

11月12日(日)22時から
BSジャパン(BSデジタル7チャンネル)

番組タイトル「運命の日」

盲導犬物語(後編)

盲導犬の訓練を受けても3割4割程度しかなれないという盲導犬。そんな盲導犬と昨年から生活を共に始め、大きく人生が変わったという男性が大阪にいる。門川紳一郎さん(52歳)。

彼は視覚に障がいがあるだけでなく聴覚にも障がいがある。全盲ろうの盲導犬ユーザーは日本で彼だけだ。前例がないだけに日本盲導犬協会にとっても新たな挑戦だった。門川さんは盲導犬ベイスと共に生活するため、自身の努力も怠らない。なんとベイスに余計なストレスや負担をかけたくないと、ジムに通っているのだ。

そんな門川さんとベイスにはある一つの大きな目標があった。

しかし全盲ろうの門川紳一郎さんと盲導犬ベイスには私たちが考えている以上に厳しい日常の現実があった。
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No.431 全国視覚障害者情報提供施設大会 大阪大会

東京での全国図書館大会に続いて、大阪では全国視覚障害者情報提供施設協会(全視情協)主催の全国視覚障害者情報提供施設大会 (大阪大会)が19、20日の2日間、開催されました。

一方は公共図書館の、もう一方は点字図書館の全国大会といえば、わかりやすいでしょうか。

さて、理事長の竹下亘さんは、私たちの「ネットワーク設立10周年記念総会」にお招きした方です。

初め竹下理事長は、私でなくてもとおっしゃったのですが、ほとんどの音訳ボランティアは、全視情協の理事長を知りませんからと、ムリムリ?ご登壇をお願いした経緯があります。

今度は逆に、私が竹下さん率いる全視情協を拝見したいという思いもありました。

更に大会テーマ「情報共有社会」の実現を目指して~ボランティア活動の推進と公的な情報保証の拡大~を見て参加を決めたのでした。

歴史もあるこれだけ大きな団体が、こういうテーマを掲げるということに興味を覚えました。

ところで、ほとんどの録音図書は、職員とかではなく、音訳ボランティアが、手弁当で営々と製作し続けてきたものです。

それなのに私たちの会員の中に、音訳ボランティアの地位向上のための運動をしてくださいという人たちがいる、という背景には何があるのでしょうか。

館長・施設長、担当職員、そしてボランティアと常に意志疎通を図り、お互いに忌憚のない情報や意見の交換ができるような関係をより深めていけたらいいなあと思います。

決して敵対するような関係ではありません。
目的も目標も一緒です。

さてさて、全国81施設・団体から230人を超える参加者がありました。

私が特に楽しみにしていたのは、分科会です。3つありました。

1、「相談支援」については、施設長、サービス担当職員対象

2、「点字表記」については、点字担当職員対象

3、「サピエ図書館登録音声デイジーコンテンツ」については、音訳・録音担当職員対象

こんなかんじで、大変わかりやすく案内されています。

一目瞭然で助かります。

迷うことなく、第3分科会へ。

録音委員会からの現状の分析を含めた報告がありました。

利用者からの音声表現技術に関する意見や苦情

「極めて聞きづらい」「内容が理解できない」「途中で読むのを止めた」等の声が寄せられた音声デイジー図書を、いくつか聞かせてもらいました。

ごくごく一部でしょうが、こういうものを聞かされている利用者のみなさんに、音訳ボランティアの代表をつとめる身として、本当に申し訳ないと思いました。

口頭での説明だけでしたら、たぶんこんなふうには、強烈な印象は持たなかったと思うのですが、よくぞ聞かせてくださったと勇気ある対応に感謝です。

これをぜひ、職員同席の音訳ボランティアの勉強会等に、教材として聞かせてほしい。いくら言葉で説明し指摘してもなかなか理解できないのでと、提案させてもらいました。

久喜図書館の佐藤聖一さんから、著作権法上からも何ら問題はないとフォローしていただきました。

誰が音訳しているかとか、製作館はどこかとか、興味本位ではなく、一人ひとりが自分自身の問題として、真摯に受け止めて、質の向上に努めたいと思います。

文科省の青木先生、北海道の姉崎さん、筑波技大の納田さん等々たくさんの方々との再会、若い職員のみなさんとの出会い、嬉しいです。やはり参加して得ること大です。

みなさま、お疲れさまでした。本当にありがとうございました。