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読書バリアフリー研究会のお知らせ

今年度の読書バリアフリー研究会の日程をおしらせいたします。
お誘い合わせの上、多くの方のご参加をお願いいたします。

2017年5月27日(土) 【滋賀会場】~滋賀県立図書館~
http://www.itc-zaidan.or.jp/event_shiga20170527.html

2017年5月28日(日) 【大阪会場】~大阪府立中央図書館~
http://www.itc-zaidan.or.jp/event_osaka20170528.html

2017年6月17日(土) 【東京会場】~東京都立多摩図書館~
http://www.itc-zaidan.or.jp/event_tokyo20170617.html

2017年6月18日(日) 【茨城会場】~茨城県立図書館~
http://www.itc-zaidan.or.jp/event_ibaraki20170618.html

No.416 著作権法改正に向けたパブリックコメント提出

2013年6月、視覚障害者等のための著作権の権利制限及び例外について規定した「盲人、視覚障害者その他の印刷物の判読に障害のある者が、発行された著作物を利用する機会を促進するためのマラケシュ条約」が採択されました。
これを受け現在、文化庁で「マラケシュ条約」の批准に向けた、著作権法改正が検討されています。

法第37条第3項により複製等を行える主体を拡大することが要望としてあげられています。

第37条第3項には、「福祉に関する事業を行う者で政令で定めるもの」とあります。しかし、現在の政令では、学校図書館や公共図書館、国会図書館などは明記されていますが、ボランティアグループや社会福祉協議会、障害者団体はここからは、外れています。

さて、ある報告によれば、毎年5万タイトルの書籍等が発売されている我が国にあって、視覚障害者等が、国立国会図書館やサピエ図書館からダウンロードできるアクセシブルな図書は、2015年1月現在で、点字は約16万、音声DAISYは約6万、テキストDAISYは1,237、マルチメディアDAISYにいたっては46タイトルしか存在していないということす。
ここからわかるように、アクセシブルな図書は、まるで足りていません。

図書館に関与していないボランティアグループが第37条第3項に基づき複製等を行うことができるようになれば、アクセシブルな図書の充実が図られるというものです。

今回の著作権法改正が、私たち音訳ボランティアにとって、少しでもいい方向にすすむことを祈りながら、締切日当日にパブリックコメントを提出しました。

過去何回か、筑波大附属視覚特別支援学校の宇野先生からお誘いを受け、文化庁や議員会館等に出向き、音訳ボランティアの置かれている現状について、声を大にして陳情を繰り返してきました。

今回、宇野先生や埼玉県久喜図書館の佐藤さんに背中を押され、パブリックコメントを書くことができました。
特に佐藤さんは、「当事者団体なんだから多少、過激に書いたっていいんじゃないの」と具体的なアドバイスをしてくれました。

本当にありがたいことでした。

お二人には感謝です。

No.415 大阪行き2

2週続けて、大阪の日本ライトハウスへ。

今回は「視覚障害児童・生徒のための音訳教材データベース」~今後の活用と専門音訳技術への期待~と題したセミナーへの出席のためです。

平成26年から開発を進めてきた「音声データベース」の調査研究委員の一員に加えていただき何回か大阪へ通いました。

平成27年度に大阪、福岡、東京、仙台の4か所で、図、表、グラフ、写真、絵等、視覚的資料の音訳者を養成するための研修会を実施。音ボラネットとして、都内での会場探しや受講者の募集に協力しましたので、覚えている人も多いでしょう。

さて、単一の障害というよりは、学習障害や知的障害を合わせ持つ視覚障害児童・生徒が増えています。また、盲学校や特別支援学校で学ぶ子どもたちばかりではなく、地域の学校で学ぶ障害を持つ子どもたちの十分ではないサポート体制があります。

更には、今どきの教科書は、本文以外に図、表、グラフ、写真、絵等の視覚的資料が多用されています。

これらのことを総合して考えると、従来の点字や拡大の教科書だけでは、限界があるということではないでしょうか。

点字・拡大教科書と併用する音声データベースは重要になってきます

尚、今あるマルチメディアDAISY教科書は、本文のみで視覚的資料は読み込まれていません。

生徒や教員へのモニタリングを通して、その有効性も検証されています。

「触図が苦手なので、よかった」、「車や電車の中で点字を読むのは大変なので、いつでもどこでも聞ける音声教材は便利」等々、好評のようです。

視覚的資料は、合成音声では対応できませんから、音訳者による肉声しかありません。
しかし数式やフローチャートのようなものは、専門知識がないと難しい。的確に説明できる技術を持った音訳者の養成が望まれます。

各校の先生方に交じってたくさんの音訳ボランティアもセミナーに参加していました。みなさんの意識の高さを感じました。

奈良県の成瀬さんも参加していて嬉しくなりました。

文芸書だけではなく、専門情報や生活情報を届けられるように、更なるスキルアップを目指したいものです。

この教材とて完璧なわけではありませんし、障害もさまざま、ニーズも多様化しています。
みんなで連携し、バージョンアップして、こんなのもあるよ、となればいいですね。

日本ライトハウス情報文化センターの竹下館長、久保田さん、勉強させていただきました。ありがとうございました。

No.414 大阪行き 1

大阪市視覚障害者福祉協会の堀さんから研修会に呼んでもらいました。
読書工房の成松さんと一緒です。

堀さんとの出会いは何年か前、都内で開かれたセミナーでのことでした。
とても明るく楽しい人、という印象でした。
ある時、「今度上京するので、こことここで集まりがあるから案内して」と言われたり、またある時は宿泊先のホテルの近くにある東大附属の小石川植物園に行ってみたいと言われ案内したこともありました。

ところで今回の研修会、成松さんの講演は納得ですが、私は何を話したらいいでしょうか。
私たちの活動は利用してくれる皆さんがあってのことです。

そこで、私たちのような団体があるんだということを知ってほしいと思いました。

つまりは音ボラネットの紹介・宣伝です。

参加者は高齢の方が多いようでした。
案の定、私たちのことを知らない方が、ほぼ全員。

日頃の読書は、サピエがあるから大丈夫という感じ。でもサピエには、まだまだ専門書的なものは、少ないと思うのですが、そういうものは、あまり必要としないみなさんです。中には、「ぺったんぺったんやってますわ。あれは便利やなあ」という方も。つまり、自身でスキャンして合成音声で聴いているというわけです。

改めて年齢や立場によってニーズが違うということを知りました。年4回の研修会だそうですが、いろんな場で学びの機会があることは、いいこと。

さて、参加者の中に若い外国人が二人、通訳付きですが熱心に耳を傾けていました。

ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業で日本に招聘された研修生でした。
ダスキンが障害のある若者を日本に招聘し、約10か月間、日本の障害者福祉や日本文化を体験し、帰国後は、それぞれの国と地域のリーダーとして活躍してもらおうという人材育成事業です。

日本ライトハウス情報文化センターで、研修中のようです。
インドとスリランカからの視覚障害者です。

こういうチャンスに恵まれた若者には、特に頑張ってほしいとエールをおくります。

いい経験をさせていただいた研修会でした。

アンケートご協力のおねがい

音ボラネット事務局では、昨年、一般社団法人 電子出版制作・電通協議会(以下電流協)からの依頼でモニターの協力をしました。

合成音声の開発をしている企業、団体は、音訳者の耳でのモニターが欲しいそうです。

先月もあらためての電流協からのモニターをしましたが

より多くの方々にアンケートをお願いしたいと連絡がありました。

3月17日までに、ご協力いただければ幸いです。

・・・・・・・・・・・・・・
以下転載

先日はSSMLを用いた音声読み上げ電子書籍の評価にご協力いただき、大変ありがとうございました。

現在、年度末の報告書作成に向け、鋭意分析や執筆を進めております。

また、電流協では音声読み上げ電子書籍の普及促進に向け、音声DAISY図書やマルチ

メディアDAISY図書の制作において活用することについても検討しております。

そこで、音訳図書の制作に携わっている方々を対象に、実際に発音を修正した読み上げを聞いていただき、その評価をいただきたいと考えております。

このため、WEB上にアンケートサイトを準備いたしました。

よろしければ、音訳ボランティアの皆さんにアンケートにご協力いただければ大変ありがたく存じます。

なお、アンケート内容につきましてはワード化してお送りしておりますので、内容確認に利用していただければと思います。

以下のURLにアクセスしてください。回答を送信してください。

 

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdIZDW_WbwFOV1OcNIoCmf8NWSrNcBL3CCmoEx67mawyDif_A/viewform?c=0&w=1

5分~10分程度で終わる内容です。

どのような修正なのかを聞くサンプルも1本あたり15秒ほどで終わります(全部で3つ)。

1.修正前(通常速度)

2.修正後(通常速度)

3.修正後(1.5倍速)

どうぞよろしくお願いいたします。

一般社団法人 電子出版制作・電通協議会

・・・・・・・・・・・・転載おわり

 

 

「日本点字図書館見学会」のお知らせ

直近のお知らせですが、まだ、定員に余裕があるようです。
この機会にいかがでしょうか。

日時 平成29年3月11日(土曜)9時45分から11時15分
場所 日本点字図書館

東京都新宿区高田馬場 1‐23‐4
電話03-3209-0241

JR他 高田馬場駅から徒歩3分

対象 都内在住、在勤、在学の視覚障害者。
都外の方、ご関心のある健常者の方、お気軽にお問合せください。

集合 9時30分にJR高田馬場駅戸山口改札
他の待ち合わせ希望がございましたら、お問い合わせください。

9時45分から11時15分 施設見学

定員 15名程度

目的
録音図書、点字図書の貸出の他にも、点字図書制作、用具販売、各種教室、音声解説
付きDVD映画上映等を行い、様々な形で視覚障害者の生活向上のために活動している
同施設ですが、便利な郵送貸出や用具の通信販売などがあるために、来館する機会は
さほど多くないと思われます。
今回は、多彩な事業を展開している同館について、担当者の説明を聞きながら見学し
、理解を深めるとともに、今後の利用、活用の参考としたいと思います。

お問い合わせ 申し込み

大川 和彦
メールTQJ00070@NIFTY.COM
電話 080-5681-9852

国際基督教大学 オルガンコンサート(再掲)

国際基督教大学(ICU)のオルガン講座受講生の修了コンサートが、いよいよ明後日 4日(土)に開かれます。

音ボラではおなじみの糸野海生さん(現在3年)が、
チャペルのパイプオルガンを演奏します。

曲目は
J.S.バッハ 『目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声』
P.パッフェルベル 『トッカータ ホ短調』
の2曲を演奏予定です。

ICUの大きなパイプオルガンの音色をおたのしみください。

3月4日(土)14時開演  (13時15分開場)
ICU 大学チャペルにて

 

No.413 瞽女唄演奏会

2月初めに高田に行って、瞽女文化にどっぷり浸かりきったような気になって、すっかり忘れていたことがありました。

昨秋、両国門天ホールで聴いた萱森直子さんの「瞽女唄が聞こえる 2017」という演奏会のことです。
萱森さんから、ご案内の葉書が届きました。

「門天で聴いていただいた葛の葉の続きをやります」と。

これはやはり行かねばと、世田谷区松原のブローダーハウスにでかけました。
演目は、「葛の葉子別れ」。長い物語を一定の旋律に乗せて展開する段ものと呼ばれるものの一つです。

瞽女唄を聴くとなぜか懐かしさを感じます。
郷里新潟の雪景色や風にそよぐ田んぼの緑が目に浮かぶのです。

ところで東松原駅のホームで視覚障害者支援総合センターの星野さんとバッタリ。
会場では、元筑波大学附属視覚特別支援学校長 引田先生。
元NHKアナウンサーで作家エッセイストの下重暁子さんにもお目にかかりました。

また、SBC信越放送「里枝子の窓」のパーソナリティ広沢里枝子さんと盲導犬ジャスミンとの再会もありました。

更には引田先生から、高田瞽女の杉本キクエさんたちの記録映画「瞽女さんの歌が聞こえる」の監督 伊東喜雄さんを紹介していただきました。

この映画は、瞽女文化体験モニターツアーで見せてもらいました。
貴重な記録映画です。

さて広沢さんといえば、萱森さんに弟子入りして、長野から新潟まで通い、瞽女唄を習っているそうです。すでに人前でも唄っているようで、嬉しくなりました。
いつかぜひ、「広沢さんの瞽女唄」を聴かせてほしいと思います。

出かけてみれば、懐かしい再会があり、嬉しい新たな出会いがあります。
当分「藤田が行く」止められませんね。