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No.425 全日盲研・名古屋大会に参加

これからは、盲学校とも連携をしなければ、というアドバイスを受け、2007年「全国音訳ボランティアネットワーク」の設立総会を終えるやいなや、何の知識もないまま、全日本盲学校教育研究大会(全日盲研)・鳥取大会に参加したのが始まりでした。

今は亡き皆川春雄先生が、よくいらした!と笑顔で出迎えて下さったことが忘れられません。

あれから10年、第92回平成29年度全日盲研・名古屋大会に参加しました。

1日目は、開会式、全体会(講演)、午後からは分科会、夜は夕食交歓会がありました。尚2日目の午前中も、初日に引き続き分科会が行われました。

初日の講演の演題は「今後の視覚障害教育の在り方」、講師は青木隆一さんです。文部科学省初等中等教育課特別支援教育調査官です。おわかりのように、10周年の記念総会でお祝いの言葉を述べてくださった方ですね。

今までは、外部講師を招いて、広い知識や教養のためのお話が続いていたように思います。
盲学校のこと、先生方のことをよく知っている青木さんならではのお話は、先生方の更なる自覚を促し元気のでる内容だったと思います。

少子高齢化の時代の流れのなかで、学級数の減少が生じ、教員の定員も減らされる事態に。今まで積み上げてきた盲学校の専門性の維持・継承・発展は、厳しい状況ではないでしょうか。

しかし、そんななかにあって「打って出る盲学校(全国盲学校長会の合言葉)」の実現化というお話は、ひじょうに関心を持って伺いました。

先ずは盲学校を知ってもらうための努力、何を、どうやって知ってもらうか。私たちとも通じるところがあります。

最後に
1、子どもたちが学びがいのある盲学校
2、保護者が通わせがいのある盲学校
3、先生方が働きがいのある盲学校
4、地域が応援しがいのある盲学校

以上4つの「かい」のある盲学校の話がありました。

この4番目のところで、当会の名称と私の名前をあげて、紹介してくださいました。びっくりしました。

400名近い参加者を前にした基調講演のなかでのことです。

また、夕食交換会では、全国盲学校長会会長の矢野口仁先生からも、私の名前を呼んでいただきました。

矢野口先生も記念総会に松本から駆けつけ、私たちの懇親会で乾杯の音頭をとってくださった方です。

今回は本当に二度びっくり。

全日盲研に10年通い続けた者への励ましであり、連携をよろしくということでしょう。お二人のお心遣いに感謝申しあげます。

おかげさまで、例年になくたくさんの先生方からお声をかけていただきました。

さて、分科会では、2日間を通し7校の先生方からの発表を元に、フロアから質問や意見が出され、二人の助言者からの助言があります。
同じ先生方から都度、発言がありましたが、もっと多くの先生方からも、手が上がったらよかったと思いました。
多くの皆さんのなかで発言するのが苦手な方もいますので一概には言えませんが

重複障害の幼児・児童を相手にする先生方のご苦労には拍手を送ります。

さて、音訳ボランティアのみなさん、敷居が高いと思わず、どうかまず、盲学校を訪問して、何か困りごとはないか、協力できることはないか、校長先生にお尋ねしてみてください。

年齢制限で録音図書製作を卒業した方、寄宿舎での読み聞かせもありますよ。

ところで、2011年度の分科会の講師としてお招きした青柳まゆみ先生に、6年ぶりにお会いしました。お元気にご活躍の様子、何よりと嬉しくなりました。

出展の甲賀さん、成松さん、黒田さん、そして取材の月刊「視覚障害」の星野さん。
お世話になったたくさんの皆さま、ありがとうございました。

蛇足です。
この「藤田が行く!」の第1号は、「第82回全日盲研・鳥取大会に参加して」でした。

N0.424 全国患者図書サービス連絡会 講演会

直前のMLで流れてきた情報でした。
参加申込みはしたものの、ドタキャンしようかと思ったくらいの暑い暑い午後でした。

上記連絡会主催(会場、日本図書館協会)、「さまざまな立場の当事者が情報リテラシーを育む場としての図書館」というテーマの講演会です。

始めは、読書工房代表の成松一郎さんから、「図書館員に必要なアクセシビリティをマネジメントする力」
「図書館利用に障害ある人々へのサービス」というコンセプトが、いつか単純に「障害者サービス」と短縮されて使われているケースをよく見かける。それによって図書館関係者の一部に通常の図書館サービスの他に「障害者のための特別なサービス」をしなければならないという誤解が生じやすいのでは、という言葉が特に印象に残りました。

もう一つの講演は、患者ボランティアの立場で、「患者にとって本当に必要な情報リテラシーの話~当事者が伝える立場になって見えてきたもの」~
京都の森田茂樹さんからです。

森田さんとは、何度かお目にかかったことはあります。新潟では、笹だんごに触って味わっていただいたこともあります。でも森田さんの活動をまとまった形で伺うのは初めてです。

ある日、網膜色素変性症と診断され、進行を遅らせることも、治すこともできないと言われ、ある視能訓練士からは、失明の宣告をされた方です。

その後、拡大読書器の存在を知り、専門家を信じない、自分で調べるをモットーに機種の選択、設置場所の工夫など徹底して比べて確かめて、僅かでも残っている能力を生かす可能性を追求。

読める人は書ける人なんだと訴えてきました。
0.04以下の視力の人は視野(見える場所)もあるけれど、拡大読書器は使えないと言われていたそうです。

森田さんはこれは、無知によるウソ、と断言されていました。

「見えている人に、見えにくい人の見え方は、わからない」重い言葉です。

この経験を伝えることによって、読み書きできるロービジョンの方を増やせたらと活動を始めました。

京大、京都府立大、東大、阪大等、もっとも多い時で8ヶ所の病院で補助具の説明ボランティアとして、ロービジョンケアに携わってきました。

きっかけは、最終的に受診した京大病院眼科、担当ドクターに「ダメ元」で「患者さんに私の体験を情報提供させてください」と申し出、思いがけず、快く暖かく受け入れてもらえたそうです。

そのドクターこそ、治そうと思って診ているのに最終宣告しかできないと絶望を抱えていた、高橋政代先生だったとのこと。
現在、理化学研究所 網膜再生医療研究開発プロジェクトリーダーです。

大阪の堀さんの紹介で名刺交換させていただいた時、当会のリーフレットもお渡ししました。

「私たちもこれからは、いろいろな所と連携していかなくてはいけない。ぜひよろしく」とおっしゃいましたが、この森田さんのエピソードを伺い、やはりと一人大きく頷いてしまいました。

暑さを忘れる充実の講演会でした。出掛けて当事者のお話を伺うことは、大事だとしみじみ思いました。

みなさま、ありがとうございました。

No.423 東海音訳学習会

10周年記念総会に先立つ5月の話題で恐縮です。

思い起こせば、2006年の全国大会の折りに、そのグループの存在を知りました。現在28グループと6個人からなる岐阜、三重、愛知の3県にまたがる東海地域のネットワークです。

私たちがその時、右往左往しながら立ち上げようとしていたネットワークを、規模こそ違え、すでに立ち上げていたみなさんがいたということに、驚きと尊敬の念を持ちました。

その後、お世話になった名古屋ライトハウスの故浦口さんから、当会への加入を打診してもらいましたが、「東海音訳学習会」として加入してもいいというような回答だったと伺いました。

事務局としては、28グループが一つの団体として、入会ということになると、情報が隅々まで速やかに行き渡らないという懸念がありました。
残念ながら、物別れというような形になりました。

その後はその中のいくつかのグループ、個人が入会してくれています。

さて、今回の私の訪問は、代表の青木真理子さんからの要請でした。
音ボラネットが10年を迎えて、これまでの利用者とボランティアを結ぶ活動と現在の状況、これからの展望等を聞かせてほしいということでした。
青木さんは、いつも私たちの総会・懇親会に参加してくれる熱心な会員の一人です。

この会では毎回、多彩な方々を講師としてお呼びしているようです。いかにも、季節感あふれる花などの写真をあしらったステキな会報も出しています。

約80名ほどのみなさんが熱心に耳を傾けてくれました。そうそう福井の千葉さんのお顔も。

ところで、東海音訳学習会のように他県にまたがる連絡会は、他にありますかという質問がありました。
北海道は、道内のネットワークが存在しています。その他の所の情報を持ち合わせていません

ここにもありますよ、という情報がありましたら、ぜひ教えてください。

前泊をして、総会の議長をお願いしていた市内の堀尾さんと打合せもできましたし、お世話になった元名古屋ライトハウスの近藤さんとも情報交換ができ、実り多い2日間となりました。

その後に、この学習会のメンバーから入会申込みがあり、ありがたいことでした。

みなさまありがとうございました。

今後、当会の各プロジェクトへの協力もよろしくお願いします。

日盲連 声のひろば インタビュー記事に!

社会福祉法人 日本盲人会連合 の声のひろば7月号が公開されました。藤田代表のインタビューが掲載されています。

(URL:http://nichimou.org/magazine-tape/voice/

同じ内容のものを、本連合の点字図書館からデイジーCDとカセットテープで貸し出しされています。

これに先立って、日盲連のサイトには
「音訳ボランティア誕生から60周年、そして全国音訳ボランティアネットワーク設立10周年を迎える!」の記事が掲載されました。

 

 

Yahoo!ニュースに

音ボラの活動がYahoo!ニュースに掲載されました。

先日、伊藤忠記念財団で、ソーシャル・イノベーション・マガジン『alterna』(オルタナ)の取材を受けた藤田代表。
その際の記事が Yahoo!ニュースに掲載されました。
配信からまもなく 問い合わせがありました。
拡散の速さに驚きました。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170703-00010000-alterna-soci

 

月刊「天文ガイド」音訳者募集!!

東京音訳グループ連絡会から、音訳者募集のお願いです。

府中市在住の男性が、「天文ガイド」の音訳を依頼しています。

2グループで音訳していましたが、1グループが音訳できなくなりました。隔月の音訳をしていただけるグループを探しています。

月刊(毎月5日発行)で、

音訳項目は依頼者が指定します。収録時間は、1冊6~7時間位 月末までにDAISY編集し、CDを発送。

ただいま1名のかたが参加表明してくださっています。
ご一緒にお願いできる方はいませんか
現在製作しているグループから、丁寧に教えていただけます。
天文学にご興味のある方、いませんか。

連絡先など、募集の詳細は ⇒ 天文ガイド音訳者募集r

をご覧下さい。
◆◆個人でのご参加がありましたが、
引き続き募集を継続いたします。◆◆

No.422 あるお祝いの会

視覚障害者支援総合センター理事長の高橋実さんの「退任を祝う会」が、都内のグランドヒル市ヶ谷で開かれました。
各方面から120名をこえる多彩なお顔が揃いました。
もちろん半数近くは、視覚障害の方々だったでしょうか。

中にはほんとうに懐かしい方もおられました。

2008年第1回シンポジウムで講演をお願いした、香川邦生先生、そして視覚障害教師の会、南沢創先生。

その他にもたくさんのみなさまとご挨拶ができてありがたかったです。

さて、高橋さんといえば、「競い合い・助け合うコンサート〇〇〇〇年~羽ばたけ視覚障害音楽家たち~」の主催者といったほうが、おわかりでしょう。

もう何年前のことになるでしょうか。このコンサートにかける高橋さんの思いに賛同し、この「藤田が行く」に書いたことがきっかけでした。

その後、実行委員を仰せつかり、お手伝いすることになりました。みなさんに協力していただき、チケットの販売係を自認してきました。
ほとんどの人がリピーターになってくれて、毎回、素敵なコンサートだと心待ちにしてくれていることに私も誇らしい気になります。

ところで宴もたけなわ、多くの方の2分間スピーチがありましたが、何故か私もその中の一人。

ハンドマイクの調子が悪いせいなのか、他の方のお話があまりよく聞きとれません。

せっかくなのにもったいない。

主役の高橋さんにはもちろんのこと、出席のみなさまにも耳を傾けていただきたいと思いました。

そこは音訳者の端くれ、まあまあ声も通る、活舌もそこそこ。
声を出すことを少し意識しました。

会の終了後、何人もの方に声をかけていただきました。

ヴァイオリンの和波孝禧さん、奥さまのピアニスト土屋美寧子さん(10月7日2時開演、東京文化会館で、和波孝禧アフタヌーンコンサートがあります。チケットは好評発売中です)、大好きな津軽三味線の踊正太郎さん、フルートの綱川泰典さん等です。

コンサートチラシはこちら
和波孝禧氏アフタヌーンコンサートA
和波孝禧氏アフタヌーンコンサートB

話し方にインパクトがあった、印象に残ったスピーチだった等々。
やはり、声の力ってあるんですね。侮れません。たかが2分間のスピーチでも、です。
そして、「藤田が行く」の本人に会えて嬉しいと。

実はコンサートのたびごとに、演奏者の紹介をなるべく丁寧にと思いながら、ブログに書いてきました。嬉しいのは私の方です。

これからも、こういう分野で、こんな方々が、こんな活動をし頑張っているということを、紹介していかなければとしみじみ感じました。

特に視覚障害音楽家のみなさんの努力や頑張りを、一人でも多くの人に知ってもらいたいと思います。

こういう出会い、繋がりを作ってくださったのは他でもない高橋実さんです。
高橋さんに感謝とともに、まだまだお元気でと祈念致します。

最後に蛇足ながらすてきなお知らせを。

6月30日付け朝日新聞夕刊に「点字楽譜利用連絡会」の集いが7月1日に都内で開かれ、皇后さまが出席予定と、ありました。

この会の代表の和波さん、フルートの綱川さんたちの演奏もありと。更に嬉しさと喜びがわいてきました。

No.421 馬場村塾

今回で26回目です。

当初からのメンバーでありながら、数えるほどしか参加できていないのは残念です。

今回のプレゼンターは、山口通先生です。全国視覚障害教師の会の前代表です。
先日の10周年記念総会にも参加してくださいました。

先ず、ホワイトボードを使い、かつての授業風景を再現。
文字を書いたり、図を書いたり、文字等が重ならないように多種多様のマグネットを活用。
時には生徒から「先生!かぶってる!!」と指摘されことも。

この教師の会が対応、協力した、かつてのNHKテレビドラマ「チャレンジド」を懐かしく思い出しながら、伺いました。

こういう工夫にたどり着くまでに、どれだけのご苦労があったことでしょう。

さて、中途失明者にとっての出発点はリハビリだそうです。そのおかげでさまざまなことが、8割りがたできるようになったと。

今回のお話の中で特に心に刺さったことです。

教師の会では4つの裁判に関わったそうです。
すべては私学でのこと。ワンマン経営やファミリー経営の所が、問題が起こりやすいのではと。
経営者によるところが大きいのかもしれませんね。

例え裁判に勝っても、孤立化したり、差別されたりということがある。

現代表の重田先生は、共生社会とは言うけれど、到達しないのではと。重い言葉です。
自分で切り開いて行く、前向きな姿勢が大切とも。
障害者の就労、職場復帰は大きな課題です。

ここで、「中途視覚障害者の復職を考える会=タートルの会」の存在がクローズアップされます。
次回7月20日(木)はタートルの会の活動をテーマに、重田先生からプレゼンがあります。

多くのみなさんの参加があるといいです。

みんなで繋がって広がって。

No.420 総会アンケートより

10周年の記念総会から早くも2週間が過ぎようとしています。

北海道から九州までのたくさんの会員のみなさんと、日頃から私たちの活動にご支援・ご協力をいただいているみなさまと2日間をご一緒できましたこと、心から感謝申しあげます。

アンケートの集計、報告書と会報の編集と事務局は休む間もなく頑張っています。

さてここで、私が気になったアンケートの中のいくつかをご紹介してみたいと思います。全員が満足なんてありえないんだから、と言われながら。

楊 雪元さんの演奏です。席によって、あの声量ですからうるさいと感じた方がいたようですが、それより、「この会に音楽が必要か」と。

過去にも2回、オカリナとフルートの演奏がありました。もちろん、視覚障害当事者の演奏です。
みなさんはどう思われますか。

あと一つ。

総会がみなさんの協力のおかげで、予定より早く終了しました。次には昼食、講演会と続きます。

総会が予定通り終わらず押してくると、事務局としては、もはやどうしようもありません。食事時間を短縮せざるをえません。

今回は、記念総会ということで、開始を午前にしましたから、総会終了の後は食事だったのですが、これが通常の総会ですと、そのあとは、講演とかに続きます。

こっちは、押してくると、講演を短くしていただくわけにはいかないのです。

総会だけは毎回、時間が読めなくてハラハラドキドキ。
議長さんには、速やかな議事進行を切にお願いしています。

あんなに早く終わるのなら、開始時間をもっと遅くしてほしかった。そうしたら前泊しなくてもすんだのに、と。

それはよくわかります。
特に遠方からのみなさんは、時間もお金もかけて参加してくださっていること、よくよく承知しているつもりです。それでも、言いたいのは毎回違うということです。

でも、総会終了後のフリートーキングが面白かったという人もいました。

お昼がゆっくり食べれて、隣の人と交流ができてよかったという人も。

難しいです。人さまざま。見方も感じ方も十人十色です。

次回に生かしていけるように頑張ります。
10周年と言っても、一つの通過点に過ぎません。

これからもよろしくお願い致します。