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朗読会のお知らせ(満員御礼です!)

すでに満員となり申し込みは終了しました

元NHKアナウンサーの山根基世さんの朗読指導者養成講座の第一期生による朗読会が行なわれます。

「やまねこ朗読発表会」
日時  2016年2月14日(日)   13:30~16:00(13時15分開場予定)
会場  日本出版クラブ「きくの間」新宿区袋町6
都営地下鉄大江戸線「牛込神楽坂駅」徒歩2分
申し込み  事務局へお申し込みください。
(会場使用料としてお一人様1,000円申し受けます)

プログラム等詳細は
http://www.mojikatsuji.or.jp/yamaneko_main.html

No.381 出版UD研究会

出版UD研究会

出版UD研究会第50回記念「出版のユニバーサルデザインフォーラム2015ーこれまでの10年・これからの10年」が、都内明治大学グローバルフロントで開かれました。

2005年に第1回目が開催されてから丁度10年の節目に当たります。

私たちは、その翌年2006年に「音訳ボランティア全国大会」を、そして2007年に「全国音訳ボランティアネットワーク設立総会」を開催しています。
私のなかでは何となく、出版UD研究会の背中を追いかけてきたような気がしています。

当日は、岐阜特別支援学校の神山忠さん、ボイジャーの萩野正昭さん、作家の三田誠広さんの講演で始まりました。
そして第2部では、上記の3人の方を加え、9人のみなさんによるパネルディスカッション。
進行は、松井進さんです。
「聞く読書はどこまで普及しているのか」
「デジタル書籍のアクセシビリティはどこまで実現しているのか」
「出版社や図書館は読書の多様なニーズにどこまで応えていくことが可能なのか」
以上の三点がテーマでした。
日頃からお馴染みの日本点字図書館の澤村さん、筑波大学附属視覚特別支援学校の宇野先生もパネラーとして参加。

多少難しいお話もありましたが、とても興味深い面白い会でした。
いつになく熱心な音訳ボランティアや事務局からの参加もありました。

この研究会の特長となっている実に多方面にわたる多才なみなさんの参加が、毎回会を盛り上げているように感じます。

私たちの「音訳ボランティア全国大会」にお招きした三田先生とは、9年ぶりにお目にかかりました。
ご挨拶がてら、こちらも2017年に設立10周年を迎えることをお話しました。
その節は、ぜひもう一度お越しいただきたいとお願いしました。
私たちのことを覚えていてくださり、日程さえあえば伺いますと、嬉しいお言葉もいただきました。

またディスレクシア当事者である、神山先生のお話は何度伺っても、いろんなことを考えさせられます。また感動もし、共感も覚えます。
読み書き、計算等に困難を抱えていらっしゃいます。刺激に対して反応する脳の場所が違うだけ。
第一言語はと聞かれれば、普通は日本語と答えるでしょうが、私はイメージですと答えると。
神山先生のお話をいつか、会員のみなさんにも聞いてほしいと思います。

ところで私にとっては懐かしい同窓会のような趣もありました。
以前、筑波大学附属視覚特別支援学校の学生さんで、現在は福岡にもどられて頑張っている吉住さんとの再会は嬉しいことでした。

私はこの出版UD研究会で、たくさんのことを教わりました。そしてたくさんの出会いを重ね、今に繋がっています。このことにいくら感謝しても感謝しきれないものがあります。

主催者の読書工房の成松さん、事務局のみなさま、ほんとうにお疲れさまでした。ありがとうございました。次の10年に向けてまたぜひよろしくお願い申し上げます。

N0.380 月刊「世界」全文音訳プロジェクト

年に1回の月刊「世界」DAISY版製作担当者会が都内新宿区でありました。
あら!もう1年たったの?という感じです。
毎回欠かさず参加の仙台の外尾さんはじめ、土浦や千葉、横浜、そして都内から音訳担当の代表のみなさん。
そして、DAISY編集は、那須塩原、長野、名古屋、都内のみなさんが担当。今回は名古屋の齋藤さんと都内の高田さんが参加してくれました。

事務局は、東京ヘレン・ケラー協会点字図書館の堀江さん。
音ボラネット事務局からは、鶴岡、藤田。総勢21名。
ネットでつながっているとはいえ、こうして年1回でもみなさんと顔をあわせて、意見や悩み等、話し合うことは大切だと改めて思いました。
音訳と編集にこれだけ多くの音ボラネットの会員のみなさんが、関わり、毎回遅れもなく出し続けているということはすごいことです。
もちろん、事務局の堀江さんがいなければサピエにも上げられないわけですから、東京ヘレン・ケラー協会点字図書館の存在は大きいわけです。

来年度の各月の音訳担当を決めました。
また堀江さんからは、利用状況等、報告がありました。
硬派な雑誌ですが、根強いファンが多いのです。
個人的にはかなりクオリティの高い雑誌だと思います。じっくり読んだら、さぞや勉強になるだろうと思うのですが、忙しさにかまけてなかなか手がでません。

さてみなさん、マイクやインターフェース、パソコン等のことは、わかっているようでわからない。
なにがいいのか、相性もあるし、ということで単純ではないデジタル録音の悩みはつきません。

それでも、利用者のみなさんに大切な情報を一日も早く届けたいと頑張っています。みなさんの笑顔が頼もしい。
もっと多くの音訳ボランティアが協力体勢を組めるといいですね。
今後、やはり確実に、「連携」が強力なキーワードになります。

No.379 嬉しいできごと

NPO法人ロバの会(代表山田新作さん)が、社会貢献支援財団(会長安倍昭恵さん)から表彰されました。
会のみなさんから、山田さんを表彰してくれるところはないでしょうかと、以前から相談されていました。音ボラネットの設立10周年の記念の総会では、どうかとひそかに考えたりもしていましたが、あまりありがたみもありません。

そこへこういう賞があるという情報を得た会の方が、日本ライトハウス情報文化センター館長の竹下さんに推薦文をお願いしたとのことでした。

山田さんの古くからの知り合いで、山田さんの活動をよく知っている方だからこその文章を書いてくださいました。
私も拝見して、感激しました。

当初、山田さん個人に対する表彰だったものを、長年頑張ってくれた会のみんなと一緒にという山田さんのたっての希望で、団体としての受賞となりました。

さて、ロバの会は1975年に結成。利用地域を限定する図書館での活動から独立。
以来、「郵便局ふるさと小包・全国版」、「高島屋通信販売カタログ」等。
更には視覚障害者の自立のための医学書や参考書などを音訳。
全国に先駆けて録音図書のデジタル化に取り組み、カセットテープからCDに移行。
徹して利用者目線の活動を続けてきました。

いつか、山田さんと一緒に訪問した地方の盲学校でのことです。
視覚障害の男の先生が、「今日は山田さんがきてるんやて?」「山田さん、生徒がみんな国家試験に合格したんや、嬉しいなあ」と握手。
そのあとずーっと山田さんの手を握ったまま、校内を案内してくれました。
未だにあの時の涙のでるような情景が、忘れられません。
さぞや、音訳者冥利に尽きることだと羨ましく思いました。

ところで今回の受賞式は帝国ホテル東京で行われました。
山田さん初め、会の代表のみなさんの他、受賞者が指名する人にも招待状が届きます。
ありがたいことに私も出席させていただきました。

ロバの会は、言うまでもなく、受賞されたみなさんそれぞれ、有意義な活動をされていて、刺激を受けましたし、日本人ってすごいなあと感動しました。

私にとってもことのほか、嬉しいできごとでした。

山田さん、みなさん、ほんとうにおめでとうございました。

川島昭恵さんの語りの会

川島昭恵さんの語りの会のお知らせです。
12月12日(土)
  杉 みき子作「夜のくだもの屋」
  オー・ヘンリー作「賢者の贈り物」
  安房 直子作「北風のわすれたハンカチ」

昼3時~。
 入場料 2300円です。  会場は 音や金時です。 
詳細はホームページ
   www2.U.-netsurf.ne.jp/~otokin
をご覧下さい。

No.378 なごや会例会に参加

2泊3日で晩秋の福島市内に行ってきました。
なごや会(公共図書館で働く視覚障害職員の会)の福島例会に同行しました。
たいした戦力にはならないながらも、みなさんの目の代わりも兼ねての参加というわけです。
もちろん賛助会員でもあるのですが。

まず、京都や名古屋からのメンバーと東京駅で合流。新幹線で福島駅へ。更に福島交通飯坂線に乗り換えて飯坂温泉駅に到着。
東京駅を夕方に出発した前泊組は、飯坂温泉にある餃子のお店がお目当てです。
餃子は宇都宮では?と思いながら、円盤餃子(餃子がぎっしり円盤の形に並んでいます)をいただきました。小ぶりでパリパリしていて、いくつでも食べられます。
佐藤さんや大川さんが、以前に訪れたことのあるオススメのお店のようでした。その夜は温泉で疲れを癒し、次の日の本番に備えました。

30年前に、外国産の建材を使い建てられたという重厚な福島県立図書館で、障害者サービス研修会が行われました。

東北方面では、いわき市の村上さんがただ一人、「なごや会」の一員として孤軍奮闘しています。
障害者サービスの面から言うと失礼ながら、遅れている地方と言わざるを得ないかもしれません。
もっとも障害者サービス実施館は、全国3200の公共図書館の内、2割程度しかありません。

今回、県内の公共図書館や点字図書館、そして岩手県立図書館の職員のみなさんが、25名も参加してくれました。

まず「図書館における合理的配慮と障害者サービス」と題して、お馴染みの埼玉県立久喜図書館の佐藤聖一さん、「障害者サービスの利用者を知る」ということで、千葉市中央図書館の大川和彦さんから、それぞれ講義がありました。

お昼休みには、DAISY図書再生機やバリアフリー絵本や障害者サービス関連資料の展示も。

午後からは、「障害者サービスの基礎」と「合理的配慮についてのディスカッション」の2つの分科会に分かれました。

私も地方の図書館にお邪魔したりすると、「当館は障害者からの依頼がまったくありません」などという話しを、よく耳にします。
これに対し佐藤さんが、「看板もないメニューもないレストランに、誰が行きますか」と厳しく言われていました。
図書館の創意工夫がなさすぎると思うのですが、それとも日常業務が忙しすぎるということでしょうか。

翌日は、「なごや会」の総会です。
参加者が少ないので、開催時期、場所、形式等について、改めて話し合われました。
また、例会・総会の企画・立案から交渉まで一人で行うのは、負担が大きいので、分担してはという案も出されました。

企画や運営についての悩みはどこも同じです。

さて、図書館職員の中に視覚障害当事者がいるということの意義は、非常に大きいです。
みなさん一人ひとり、障害者サービスのエキスパートです。
「なごや会」の存在及び活動を広く知ってもらいたいと思います。
願わくは、次回もまた今回のような方式が継続されることを期待します。
でもそれには、受け入れてくれる図書館が名乗りをあげてくれることが必要です。
みなさんの地域の図書館ではいかがでしょう。
そしてボランティアも交えて研修会が開けたらと思います。

ところで、今回の旅で気づいたことがあります。
盲導犬を見ると、みんな笑顔になって、会話が弾むということを目の当たりにしました。
特に盲導犬に接することの少ない地方だからでしょうか。

ご主人の松井さんは当然のこと、盲導犬のジョバンニちゃんも立派にお仕事をしていました。

こうして少しでも、視覚障害者への理解が深まってほしいと願います。

お世話になったみなさま、ありがとうございました。

No.377 サイトワールド2015

今年もまた、1日から三日間の日程で、錦糸町駅前のすみだ産業会館で「サイトワールド2015」が開かれました。
視覚障害者向け総合イベントとしてすっかり定着しています。
8階の展示会場では、最先端の製品やら生活用品などが展示され、実際に手にとり体験することができます。
また9階では、講演会やシンポジウム等があります。中日の2日だけは雨模様の寒い一日でしたが、それぞれに9階でのお目当ての発表等があるので、三日間とも変わらぬ入場者数だったようです。

1年後にまた!という感じで、毎年楽しみにしているみなさんが多いとか。
移動に困難を抱えるなか、ガイドや盲導犬等と共に、嬉々として会場に足を運ばれるみなさんを拝見していて、本当に嬉しくなります。

各出展者のなかには、当事者がいるところと、そうでないところがありますが、こういう場だからこその、双方向の情報や意見交換が大切でしょう。
当事者のみなさんは、遠慮なさらずダメ元で、どんどん声をあげたらいいと改めて思いました。

さて、この「サイトワールド」、今年で10回目を迎えました。
一つの節目として、開会式で表彰式が行われ、「全国音訳ボランティアネットワーク」も表彰されました。10年間、地元の墨田区の音訳ボランティアや、遠く横浜市のグループ等たくさんの音訳者がお手伝いしてきました。
事務局も初めは9階の受付と案内、そして最近は場内放送を担当しております。多くのみなさんを代表して、感謝状をいただきました。みなさんのおかげです。ありがとうございました。
ところで毎年、ニコニコしながらも会場内を走り回っていた事務局長の近藤義親さんの姿が、今回は見られませんでした。
残念ながら、9月30日に急逝されました。
さぞかし心残りだったろうと思いますが、いつもと変わらぬたくさんの視覚障害者のみなさんの笑顔を天上からご覧になって安心されたことでしょう。
ご冥福をお祈り申し上げます。

No.376 ひそかに講習会に参加

私たちの知恵袋の一人、松井さんの職場である千葉県立西部図書館での「障害者のための資料デジタル化講座」開催のチラシを事務局の松本さんが見せてくれました。

内容は三題の講演が並んでいます。
とても興味がそそられます。
実は、新宿区立戸山図書館でも、少し前に同じような講座がありました。
図書館協力員の南部さんに「行ってみたい」と話していたのを、大城館長に伝えてくれたのでしょう。館長から「どうぞ」と言っていただいたのに、私の都合で伺えなかったという残念なことがありました。

当然ながら対象は、西部図書館が委嘱した音訳者と県内の公共図書館職員で定員20名とあります。

松井さんにひそかにお願いすると、「受付には話しておきますが、名簿にも載せません。静かにお願いします」と。最後に「名刺交換なんかしないように」と笑っていました。

でも会場に入ると、以前「テキスト化プロジェクト」事務局が講師をお引き受けしたことのある浦安市立中央図書館の担当の方とご挨拶できました。
また、どこかでお目にかかったことのある方だなあと思っていると、数年前、同じ県内の図書館に呼んでいただいた時の河野館長でした。
松井さんはひそかにと言いつつしっかり館長にも話は通していてくれたのです。ありがたいです。
当然、館長ともお話しができました。

さて内容ですが、日本点字図書館の澤村さんが「マルチメディアDAISY及びテキストDAISYの製作の現状と今後の展望」、続いてシナノケンシの柳澤さんによる「マルチメディアDAISY編集ソフトの現状と展望」、最後は東芝の黒田さんの「テキストデータから合成音声でDAISY図書を作るツールについて」でした。
三人ともお馴染みのみなさんです。
日進月歩の現場ですから、更なる新しい情報が得られればと参加しました。

みなさんもぜひ、地元の図書館にこのような講習会の開催をお願いしてみてはいかがでしょうか。
みんなで速報性の高い電子資料製作の現状を勉強しませんか。

そういえば、戸山の大城さんといい、西部の河野さんといい、女性館長が元気です。
嬉しくなります。

日本ライトハウス情報文化センター主催 音訳技術研修会のお知らせ

「視覚障害者向け録音図書製作のための視覚的資料および専門書の音訳技術研修会」

 近年、ICTの発達に伴い、視覚障害者の方々も電子書籍を手軽に合成音声で聴く読書方法が広がりつつある中、今後、音訳ボランティアに期待される役割は、合成音声では読み上げが難しい図、表、グラフ、イラスト、写真等の視覚的資料、および教科書・教材をはじめとする専門書の情報保障へ移行していくことが予測されます。
 日本ライトハウスでは、大阪、宮城、福岡、東京で、図・表・グラフ・イラスト・写真等の視覚的資料の音訳をしたことがある方、教科書・教材など専門的な資料の音訳をしたことがある方、今後積極的に視覚的資料の音訳にチャレンジする意思のある方を対象に、音訳技術研修会を開催いたします。

研修内容(一部、実習を交えながら、学びます)
・視覚的資料の音訳とは―図、表、写真、グラフなどの処理技術とスキルアップ―
・視覚的資料の事例と処理についての考え方―具体例で学ぶ―
・視覚障害児童生徒のための「音訳教材」とは
・専門書の音訳に必要な知識と活動事例
・音訳と合成音声の融合で実現するアクセシブルな電子書籍『ハイブリッドメディア』とは
・視覚障害者等の情報環境と専門音訳者に期待される役割

各会場の申し込み締め切り、開催日などの詳細は下記ウェブページをご覧ください。
http://www.iccb.jp/2015/09/26/onyaku_workshop/

No.375 全国図書館大会

昨年に続き、都内での開催となった全国図書館大会に参加しました。
会場の国立オリンピック記念青少年総合センターは、宿泊設備もあり、地方からの参加のみなさんには、便利だったことでしょう。

さて、音ボラネットの会員であり、日本図書館協会(日図協)の監事でもある中山弁護士と一日、障害者サービスの分科会で勉強をさせていただきました。
登壇者、参加者、そして出展のみなさん、懐かしいお顔ぶれを眺めて、つくづくとこの世界は狭いなあと感じたことでした。

さて、特に午前中のテーマである、「合理的配慮の提供と図書館のサービス」は印象深く、伺いました。
2016年4月1日から公的機関等に義務付けられる「合理的配慮の提供」についてです。公共図書館でいうなら、図書館利用に障害のあるすべての人が使える図書館でなければならないし、規則でこうなっているからと断ることができなくなるわけです。
図書館に限らないと思いますが、職員の資質の向上がまず、一番かもしれません。人ですね。
当事者を始め、それに関わるすべての人が、情報交換し、連携する図書館大会のような場が大切です。
学びと気づきの場を共有することが大切だとしみじみ思います。

たくさんの方が、こういう場に積極的に参加してほしいと思いました。
また午後からは、「図書館向け電子書籍サービスシステムのアクセシビリティの現状と課題」でした。
合成音声で読書するスタイルが定着しているといわれましたが、電子図書館システムを保有している公共図書館は2014年で1%程度だそうです。
市販の電子書籍を利用者に提供しようとすると、ベンダーといわれる売り手(販売者、販売店)と契約して、電子書籍サービスシステムを導入する形が主流だとか。

今後、利用者にとって、どれだけ使いやすいものになるのか。
期待したいところです。
いずれにしても時代は進んでいます。
それに対して私たちもどう進化していけばいいのか、みんなで考えましょう。