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No.395 4しょく会 春のイベント

2回目の参加となる、4しょく会の春のイベントに行ってきました。
大阪は豊中市内の蛍池にある公民館が会場です。

今回のテーマは、どっぷり+あっさり=どっさり~学び方・働き方・生き方:視覚障害者「らしさ」の大研究~です。

視覚障害者コミュニティには「どっぷり盲人」と「あっさり盲人」の2グループがあります。
「どっぷり盲人」とは比較的早い時期に失明した人、あるいは盲学校の卒業生、点字に対する愛着が強く、障害者のオリジナリティにこだわっているタイプ。
そして、「あっさり盲人」とは、いわゆる中途失明者です。

盲学校とはあまり縁がなく、仕事・生活においてパソコンによる墨字処理を中心とし、点字に頼らない。厳しい就労環境の下、「あっさり盲人」は「見常者と同じことができる」能力獲得のために努力しています。
最近は点字を覚えなくてもパソコンで情報収集・発信ができます。また盲学校以外の施設でもリハビリ、生活訓練が受けられるようになりました。
そして地域の普通校に通う視覚障害児が増えています。少ないとはいえ、按摩・鍼・灸以外の職業洗濯の幅が広がりました。

「どっぷり盲人」は、少数派となり、「あっさり盲人」の割合が増加しているのが、近年の傾向。(春のイベント案内より)だそうです。

このような大変に興味あるユニークな切り口のイベントは、会の代表だった竹田さんが亡くなった後、代表になった広瀬浩二郎さんの発案でしょうか。
100人を超える参加者のうち、ガイド以外は、ほぼ視覚障害者です。

初めに京都府立盲学校の岸博実先生の講演です。
先生は日本盲教育史研究の第一人者です。

視覚障害者が自立し、見常者と共生するために盲学校はどんな研究・実践を試みてきたのでしょう。

盲学校の「全日本盲学校研究大会」の追っかけ?をしている私ですが、生徒数が減少し、今後の盲学校の在り方、その専門性の継続が気になります。

後半には、2名の若者の意見発表がありました。
一人の方は、見えなくなって1年だそうです。
仕事への取り組みを伺いました。想像もできないご苦労をされています。

ロービジョン、全盲と見えにくさやニーズもさまざまです。
これだけ多くの利用者の集まりとなると、本当に勉強となります。

懇親会では、またまた新しい出会いと懐かしい再会がありました。
毎回は伺えませんが、またぜひみなさんにお会いしたいと思います。

ありがとうございました

読書バリアフリー研究会(今後の日程)

◆2016年6月25日(土)  三重会場
三重県生涯学習センター
http://itc-zaidan.or.jp/event_mie20160625.html?20160513-01

◆2016年6月26日(日) 岐阜会場
岐阜県図書館
http://itc-zaidan.or.jp/event_gifu20160626.html?20160513-01

2016年10月1日(土)  長野会場
2016年10月2日(日)  山梨会場
2016年10月29日(土) 山形会場
2016年10月30日(日) 秋田会場
(詳細は決まり次第 HPで発表されます)

No.394 読書バリアフリー研究会

埼玉県立久喜図書館で、伊藤忠記念財団主催の「読書バリアフリー研究会」が開かれました。
毎年、開催場所や発表者を代えて続けられているこの取り組みには、何度も参加し、この「藤田が行く」にも書いてきました。
耳タコの方もいるかもしれません。

しかし、読み書きに困難を抱える発達障害の子どもたちのことや、その子どもたちが使えるマルチメディアDAISY図書のことを、音訳者はもちろんのこと、もっともっとたくさんの学校の先生方や図書館職員、そして保護者などに知ってもらいたいと思うからです。

「理解が広がらないと間違った指導をしてしまう」という矢部さんの一言に共感します。

さて、会場の久喜図書館の佐藤さんが、「ものすごく価値ある活動であり、リクエストには、わいわい文庫を第一に薦めている。他にはない」と言われていましたが、図書館からの力強いエールだと思いました。

一方、元横浜市立盲特別支援学校の石井先生は、「おこだでませんように」(小学館)を作ったんですよ。そのあとに矢部さんの所でも作ったのよね。さすがでしたと。
これは、音訳者へのエールだと思いありがたく伺いました。

午前の部では、金沢星陵大学の河野先生から「発達障害のいろは」と題し、さまざまな発達障害の特徴と支援方法のお話がありました。あちこちで色んな方のお話を伺って何となくわかったつもりでしたが、より深く理解できました。

回りに理解者・援助者がいることが大切なのですね。

午後からの現場の先生方の発表は、私たちは利用者である子どもたちから直接話を聞けるわけではないので、とても貴重です。

このたび、特に驚いたのは、鹿児島県立鹿児島聾学校の松田先生の発表でした。聴覚支援の学校で「わいわい文庫」が活用されているなんて、初めて知りました。
人口内耳や補聴器の子たちは特に、擬音や擬態語が難しいとのこと。文化祭で色鮮やかな絵がついている「コッケモーモー」(徳間書店)を3幕のスクリーンに写し出して子どもたちによる読み聞かせを行ったそうです。

配役を分担したこと、色鮮やかなマルチメディアDAISY図書を使ったことで、子どもたちの興味関心が高まったそうで、練習にも一生懸命取り組んでいたとか。練習を重ねて発音もよくなったそうです。
聴こえない保護者もよろこんでくれたとのこと。

子どもたちの実態を知る。それに応じた対応が大切。「わいわい文庫」にはさまざまな分野のものが入っているので、たくさんの子どもたちに興味が持たれたとおっしゃていました。
現場の先生方の熱意と努力はすごいです。

矢部さんたちは、大変な努力をし、「わいわい文庫」を製作しています。そして理解者作りと普及のために全国行脚を行っています。私たちも音源の提供だけではなく、少しでも何らかのお手伝いができればと思うのです。

それぞれの地域で理解の輪を広げる努力もしていきたいですね。
すべては、子どもたちの笑顔のためです。

音訳者みつかりました!WANTED!! (音訳してくださる方を探しています)

ご協力ありがとうございました。
おかげさまで、全巻音訳者が見つかりました。
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音声DAISYを製作してくれる方を探しています。

図表は省略。
納期は最長1年。
分冊もOK。
原本は依頼者から直接送付。
校正、訂正後、DAISY編集の完了までをお願いいたします。
その他、お問い合わせは事務局まで。

タイトルは下記のとおり。
1冊でもかまいません。
お引受けくださる方(グループ)は事務局までご連絡ください。

*アメリカ外交50年 (岩波現代文庫) – ジョージ・F. ケナン   294ペー
(⇒ 決まりました!)

*日中十五年戦争史―なぜ戦争は長期化したか (中公新書)
大杉 一雄 374ページ
*中国史(上) (岩波文庫) – 宮崎 市定  368ページ
*中国史(下) (岩波文庫) – 宮崎 市定 416ページ

皆さまのご協力、よろしくお願いいたします。

No.393 ご無沙汰しました

この頃「藤田 が行く」の更新が途絶えていますが、お元気ですかと心配して下さる方がいて、ありがたいなあという思いと申し訳ないという思いが交錯しています。

ホーム・ページ立ち上げの頃、頻繁に更新しないと飽きられるし信頼性が失われることもあると言われ、強迫観念にかられることもありました。

実は私事で恐縮ですが、高齢の遠方の片田舎に住む両親が、昨年あたりから順番に入院などということになり、行ったり来たりが急に増えました。

そうなると外の会合への参加も減り、更に自身の心が平らでないと文章を書くこともおっくうになるものですね。

でもこれではいけないと、気づかされました。

6月にはまた、あちこち出向きますので、よろしくお願いします。

今は28年度の年会費納入の時期です。団体会員には丁度、代表の交代時と重なり、事務局のミスがあったりでご迷惑をおかけすることもあります。
言い訳になりますが、一同一生懸命頑張っているつもりでも、人間のすること、抜けることもあります。

そんな中、設立当初から忘れずにご寄付を下さる方々がいます。全員にはお礼状もさしあげられず、失礼をしておりますが、この場を借りて心からお礼を申し上げます。

先日、ある地方の会員の方から会報には、情報がぎっしり詰まっていて、年会費だけでは、気持ちがおさまらず寄付させてもらいますと。

情報が手軽に入手できるみなさんにすれば、そうなの?ということかもしれませんが、地方ではなかなか厳しい現状があって、ネットワークに対する期待が大きいようです。

全員に満足してもらえるような活動や会報作りはできませんが、今後も心して頑張りますのでよろしくお願い致します。

夢の映画館・ユニバーサルシアターの設立支援募金のお願い

バリアフリー映画鑑賞推進団体シティ・ライツ代表の平塚さんからのお願いが届きました。

新緑のまばゆい季節、皆様いかがお過ごしでしょうか?
さて、この度、シティ・ライツは、本格的に「映画館」を設立することにいたしました。
今年、2016年は、シティライツが団体を設立して15年目。
立ち上げ当初は、暗中模索だった音声ガイドや映画のバリアフリー環境も、今ではたくさんの方々の努力により、広がりをみせています。

特に、今年4月から施行された「障害者差別解消法」の影響もあり、さまざまな事業者が、今、障害者に対してどのような“合理的配慮”を行ったらよいのか?を考慮しているところ、未だにこのような差別があっていいのか?と、耳を疑うような事件も起こっています。

この流れの中で、今、シティ・ライツに何ができるだろう?と考えました。それは、活動をはじめた時と同じ。「やってみせることだ」と思い決断しました。障害の有無に関わらず、誰もが映画を通じて心の交流ができる場所。誰もがいつでも安心して映画を楽しみ、仲間同士になれる場所。そんな、映画館のモデルとなるような、ユニバーサルシアターを創りたい!

しかし、本格的な映画館の工事となると、かかる費用も莫大でした。防音工事や内装設計、すべて見積もっていただいたところ、およそ1500万円ほどの費用がかかります。とても膨大な金額ですので、悩みましたが、多くの方が、少しずつでも支援してくれたら、叶えられるはずだ!と思い直して、シティライツ史上、最も大きなチャレンジに踏み出しました。

熊本では大規模な震災が起き、未だ原発も止まらない。
無力さや不安に打ちのめされそうな日本で、多様な人々と共に映画を観て、心のコミュニケーションをとること。
想像力を養うこと、夢をみること、共に学び、共に泣き、共に笑うことは、とても大きなエネルギーになるはずです。
障害をものともせず、なんでも楽しもうとチャレンジするエネルギー、思いやりと工夫を重ね、誰もが心地よいモノを探求するエネルギーは、たくさんの可能性の扉を開いていくことでしょう。

どうか、夢の映画館・ユニバーサルシアターの設立支援募金への呼びかけに、ご協力をお願いします。

夢の映画館設立募金ページをつくりまし。  http://www.citylights01.org/bokin.html

 

是非、多くの方々に知らせていただきたいと思います。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

NHK「こころの時代」 広瀬浩二郎氏(国立民族学博物館)出演

国立民族学博物館の広瀬浩二郎氏がNHK「こころの時代」に出演されます。

広瀬氏のメッセージと詳細を記します。

「インタビューでは盲学校時代の思い出、大学時代のエピソード、そして現在の仕事のことなど、いろいろ話しています。 収録ではいい気になって3時間ほど喋ったので、どのように編集されているのか、僕も楽しみです。
この番組で、13年前のフィールドワークの映像が紹介されます。
当時は「視覚障害がある研究者」という取り上げられ方をしていましたが、今回の番組では「さわる文化の提唱者」という位置づけになっています。

「こころの時代」は悟りを開いた「大家」が出演するケースが多いので、40代は「若手」だそうです。
僕が若いのかどうかはさておき、「さわる文化」が全国の一般視聴者に受け入れられることを願っています。みなさんの率直な感想をぜひお聞かせください。
一人でも多くの方に本番組をみていただきますよう、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

番組をみるためにわざわざ早起きしてもらうのは申し訳ないので、みなさん録画してくださいね! 広瀬浩二郎」

■タイトル   こころの時代 「さわって広がる心の絆」

■出演     広瀬浩二郎さん(国立民族学博物館 准教授)

ききて・住田功一(NHK大阪放送局アナウンサー)

■放送   2016年4月24日(日)午前5:00~6:00

Eテレ・全国放送

■再放送  2016年4月30日(土)午後1:00~2:00

Eテレ・全国放送

No.392 マルチメディアDAISY図書「わいわい文庫」

2017年度も、伊藤忠記念財団マルチメディアDAISY図書「わいわい文庫」への音訳協力が決まりました。
全国の音訳協力者のみなさま、今年度もよろしくお願いします。

また、財団が2015年度に主催した「読書バリアフリー研究会」の受講生のうち29名が校正ボランティアに協力。この分野でも会員のみなさんが応援を惜しみませんでした。重ねてお礼申し上げます。

この活動も6年目に入りますが、やはり編集には大変ご苦労なさっています。読み手の違う複数の作品を1枚のCDにまとめるには、ある統一性が必要です。

特に音量の問題です。指示は出されているのですが、時として音量に幅がありすぎるものがあります。ご存知のように、低すぎるものを上げると、どうしても他の雑音も引っ張ってきてしまいます。

したがってノイズが多く、聴きづらいということになります。
ヘッドフォンで聴く子どもたちも多いそうですから、よりクリアな音が求められます。

さて、4月から「障害者差別解消法」がスタートしました。
この法律によって公共団体は、障害のあるみなさんへの「合理的配慮」が義務づけられます。

そのために、教育委員会や図書館からの問い合わせが多くなっているそうです。喜ばしいことです。

どんなに素晴らしい「わいわい文庫」でも、広まっていかないことには、どうしようもありません。

私たちも音訳等の協力はもちろん、身近な図書館職員のみなさんや、特別支援学校はいうに及ばず、通常学級の先生方にも、ぜひお知らせしていきたいと思います。

さてこのホームページにも、2017年度に実施予定の伊藤忠記念財団の「読書バリアフリー研究会」の日程をアップしています。先ずは音訳者自身が学ぶことから始め、次に情報発信してほしいと思います。

そういえば、那須塩原市の松木さんたちは、会場の手配、広報等への掲載、ポスター・チラシの製作など図書館やボランティアセンターの全面的な協力の元、市内の図書館で「わいわい文庫体験会」を開いています。すごいですね。こういう活動も広まっていくといいです。

保護者も先生方も図書館の職員のみなさんも、まだまだマルチメディアDAISY図書について知りません。
すべての子どもたちの笑顔のために頑張りましょう。