音ボラネット事務局 のすべての投稿

「マラケシュ条約」に関するラジオ番組のお知らせ

藤田が行くNo.351(11月13日)で取り上げている「マラケシュ条約」に関するラジオ番組のお知らせです。
30日の夜7時30分からマラケシュ条約に関する開設がラジオで放送されます。出演は文化庁国際課の専門官です。放送はNHKラジオ第2放送「視覚障害ナビ・ラジオ」になります。ネットの「らじるらじる」でも聞くことができますので是非おききください。
再放送は12月7日の朝7時30分~になります。

No.353 JBBY 40周年企画子どもの本の力展

13日から25日まで伊藤忠青山アートスクエアで、日本国際児童図書評議会(JBBY)主催の「JBBY 40周年企画子どもの本の力展」が開かれました。

「子どもの本を通しての国際理解」という理念のもと、IBBY(国際児童図書評議会)が誕生し、IBBY日本支部として発足したのがJBBYです。すべての子どもたちに読書の喜びを伝え、未来につながる平和の文化を育むことを目的にしています。
伊藤忠記念財団は、「子ども文庫助成事業」を通じて子どもたちの読書啓発活動に携わっている団体や個人を助成する取り組みを長く続けています。

だいぶ色づいた外苑の銀杏並木を眺めながら、新宿の南部さんと会場へ。中島事務局長、矢部さん、中村さんたちに出迎えていただきました。

フロアは、第1部から第4部までわかれていて、東日本大震災後に出版された子どもたちの本、「奇跡の一本松」「つなみ」「さくら」など並んでいます。また児童書の電子化ということで矢部さんたちの「わいわい文庫」のコーナーがありました。美智子皇后さまや紀子さまもお出ましになられたとか。障害のある子どもたちの読書について、多くのみなさんに知っていただける素晴らしい機会だったのではないでしょうか。

ところでこのIBBY主催の「子どもの本のノーベル賞」とも言われる国際アンデルセン賞(作家賞と画家賞)があります。過去、詩人のまど・みちおさんが、同作家賞を、また画家賞を安野光雅さんが受賞されています。(因みに2014年度の作家賞の受賞者は上橋菜穂子さんです)

そこで、『「どうぶつたち」まど・みちお詩、美智子選・訳、安野光雅絵  すえもりブックス』という作品のことを知りました。そして「すえもりブックス」という出版社が気になりました。絵本の編集者だった末盛千恵子さんが設立したものでした。(現在はありません)

この方はある日、不本意ながら住み慣れた都内から盛岡へ移転。直後に東日本大震災に遭遇。何かできないかというやむにやまれぬ思いから、3.11絵本プロジェクトを立ち上げます。国内外から23万冊もの絵本が集まり、子どもたちの手に渡されます。このようなことを含めた、決して平坦ではないご自身の半生を語る講演会の内容をネットで見つけました。心打たれました。今回の展覧会での子どもたちの本つながりです。

そしてまた不思議なことに、今年3月に福岡のグループが発足30年を迎えたお祝いの集まりに呼んでいただきました。おまけでほんの半日、一人長崎まで足を伸ばしたことがありました。その時、駅近くの坂を上った(長崎は坂の町でした)西坂公園にあったブロンズ像に心ゆさぶられました。制作者は彫刻家の舟越保武さんという方です。

この舟越さんのご長女が末盛さんであるということを知りました。
これもまた一つの出会いではないでしょうか。

No.352 なごや会例会

天候に恵まれた17日までの3日間、なごや会(公共図書館で働く視覚障害職員の会の通称)が名古屋市内で、2014年度の例会を開きました。
松井さんと東京駅ホームで待ち合わせ、折よく佐藤さんとも合流。

この日の事故のため、東京駅はごった返し、新幹線は1時間遅れの状況。いわきから参加の村上さんを探すのに一苦労しました。
恵美先生とご一緒で晴眼者二人は心強いことでした。こんなこともあるものですね。

さて初日は、鶴舞中央図書館で「音訳者・音訳ボランティアの高齢化を考える」をテーマに学習会が行われました。
この会の強みは、会員に公共・点字の各図書館職員、音訳講師、利用者、音訳者、DAISY編集者、そして私のような立場の者と役者?が揃っています。

簡単に答えがでるものではありませが、養成講座の在り方を一考する、音訳者の意識を変える、分業を考える等々、活発な話し合いが行われました。
本筋のテーマから少し外れますが、合成音声についても話が出ました。翌16日は、午前中になごや会代表の大塚さん在籍の鶴舞中央図書館点字文庫の見学とサービスの案内がありました。

午後には、愛知芸術文化センター愛知県図書館に移動。そこでは、専修大学の野口先生をお迎えしての公開学習会が開かれました。
「図書館における障害者サービスの歴史」を学びました。静岡や京都から利用者のみなさんも多数参加。
最終日のなごや会総会で、すべての予定が無事終了です。

鶴舞中央図書館点訳・音訳連絡協議会のみなさんがサポートしてくれました。全国図書館大会に参加してくださった方々との再会もありました。なごや会誕生の地で障害者サービスの歴史を再認識したしだいです。

ところで、私はみなさんの目の代わりを十分果たせたかなと少し心配です。食事、特にホテルの朝食のバイキングなど考えさせられることもたくさんありました。

すべてのみなさま、お疲れさまでした。そしてありがとうございました。

第168回 仙台ロービジョン勉強会のご案内

1 内容  文字読み上げカメラの開発経緯と試作状況、今後の展開について
東北大学サイバーサイエンスセンター 准教授  後藤 英昭さん

後藤さんの研究室では、文字読み上げカメラ(Text-Tracking Wearable CameraSystem)の開発に取り組んでおられます。これは、看板などの位置を音響信号で利用者に伝え、書かれた文字を撮影して文字認識を行い合成音声で読み上げてくれるものです。

今年8月に仙台でおこないました「eye eye福祉機器展2014―視覚障害者のための生活用具展示会―」でも試作品の展示をおこなっていただきましたが、開発の経緯や現在の進捗状況、今後の予定などについてこの勉強会でじっくりとお話をうかがうことにしました。

もちろん、現段階での試作品を使ってのデモンストレーションもお願いしております。映像機器の性能や情報通信技術の進展に伴って視覚障害がある人が直面する行動のしづらさを解消してくれる機器にも新たなものが登場してきております。支援者には従来から用いられている補助具に関する知識に加えて最新の機器の開発動向や新しい活用の可能性について知っておくことが求められているかと思います。

今回、開発の現場に携わっている方から直接話題提供していただくことにより活発な意見交換が生まれることを期待しております。年末のお忙しい時期とは思い活用です。
ますが、ぜひご参加ください。

2 日時  平成26年12月10日(水) 19時~20時30分
3 場所    仙台市福祉プラザ 10階 第2研修室
住所 仙台市青葉区五橋2丁目12-2
電話 022-213-6237
交通 仙台市営地下鉄五橋駅下車 徒歩3分
4 参加費     300円
5 参加のお申し込み方法
会場および資料準備の都合上、参加ご希望の方は12月4日(木)までに以下の項目をご連絡ください。
(1)お名前
(2)職業(または所属)
(3連絡先(メールアドレス、電話番号など)

また 視覚障害等があるための配慮として当日配布する資料の電子データのメールでの事前送付をご希望の方はあわせてご連絡ください。

6 お申し込み・お問い合わせ先    アイサポート仙台 仙台市中途視覚障害者支援センター
電話 022-212-1131
ファックス 022-212-1136
メール sisien@sky.plala.or.jp

【今後の予定】※会場はいずれも仙台市福祉プラザを予定しています。
第169回 日時:平成27年1月14日(水) 19時~20時30分
第170回 日時:平成27年2月4日(水) 19時~20時30分
第171回 日時:平成27年3月11日(水) 19時~20時30分

仙台ロービジョン勉強会 とは・・・
仙台およびその周辺地域において視覚障害者・児の支援にかかわっている人たちが集まり、情報交換をおこなっている定例の勉強会です。2000年8月に自主的な勉強会としてスタートし、2006年4月(第66回)からは事務局機能をNPO法人アイサポート仙台に置いて引き続き開催しています。視覚障害者・児の支援に関する様々な社会資源や最新動向を学ぶだけでなく、支援者どうしの分野や組織の枠を超えたネットワーク作り、「顔の見える関係」作りの基盤にもなっています。
「一度参加してみよう」と思われた初めてのご参加の方、あるいは関心があるテーマの回のみ参加される方も大歓迎です。

DAISY/EPUBで実現するアクセシブルなデジタル教科書

DAISY/EPUBで実現するアクセシブルなデジタル教科書

時期
2015年1月18日(日)13時~17時
会場
JA共済埼玉ビル第12会議室(埼玉県さいたま市大宮区土手町1-2)
JR大宮駅東口から徒歩約13分 東武野田線北大宮駅から徒歩約5分
地図 http://www.ja-kyosai-saitamabuil.co.jp/access.html
主 催
日本デジタル教科書学会

開催の趣旨

デジタル教科書が備えるべき必須条件の一つである、アクセシビリティ確保に関する内外の最新情報について講演していただき、参加者からの質 疑応答や意見交換により今後のデジタル教科書の在り方について認識を深めることを目的とします。

今回は、電子書籍の国際規格EPUBの策定主体であるIDPFのメンバーでもある「DAISYコンソーシアム」の河村宏氏、 DAISY/EPUBフォーマットのデジタル教科書・教材の自動製作システムを開発している「シナノケンシ」の西澤達夫氏、同フォーマットの デジタル教科書・教材のモバイル端末用再生アプリを開発している「サイパック」の工藤智行氏の3名にご登壇いただき、内外の関連する最新情報 の提供をしていただく予定です。
その後、参加者の皆様からの質疑応答や意見交換を進める中で、今後のアクセシブルなデジタル教科書の在り方について認識を深めていきたいと 考えております。

なお、今回の講演会は「日本デジタル教科書学会」からの「研究会開催助成」を受けて開催されるものです。「日本デジタル教科書学会」の詳細 につきましては、下記ウェブサイトをご覧ください。

日本デジタル教科書学会 http://js-dt.jp/

参加費
日本デジタル教科書学会員は無料。会員外は500円。
申し込み
下記のサイトよりお願いいたします。
http://kokucheese.com/event/index/236970/

タイムテーブル(予定)

13:30 開会
13:30-13:40 趣旨説明 井上芳郎(日本デジタル教科書学会)
13:40-14:30 DAISY/EPUB/EDUPUB等アクセシブルなデジタル教科書の標準フォーマットに関する内外の最新情報 河村宏氏(DAISYコンソーシアム)
  休憩(10分間)
14:40-15:10 アクセシブルなデジタル教科書・教材の自動製作・利用システム
PEXTALK Producer マルチメディアDAISY/テキストDAISY製作ツール 西澤達夫  氏(シナノケンシ)
15:10-15:40 モバイル端末用のアクセシブルなデジタル教科書・教材再生アプリ
ボイスオブデイジー for iOS/Android 工藤智行氏(サイパック)
  休憩(10分間・質問用紙回収)
15:50-16:30 質疑応答及び登壇者と参加者全員による意見交換
16:40 まとめと閉会 井上芳郎(日本デジタル教科書学会)

会場撤収後、希望者で懇親会(JR大宮駅近辺)を予定しております。

No.351 「マラケシュ条約」研修会

珍しく当方事務局そろっての参加でした。
そもそもは、筑波大学附属視覚特別支援学校の宇野先生から、「マラケシュ条約」について当事者の多くが、あまりよくわかっていないので研修会を予定。

視覚障害者のガイドをお願いしたいと言われました。当日は当方の定例会でしたが、早めに昼食を済ませ、みんなでガイドがてら勉強しようということになりました。
この頃、障害者を取り巻く諸問題について勉強したい、と言っている中山顧問弁護士も加わりました。
平日にもかかわらず、関西方面からの参加者も多く、会場いっぱいの盛況ぶりでした。

文化庁国際課の専門官から、概要の説明がありました。
日本盲人会連合、弱視者問題研究会、全国盲ろう者協会、全国頸髄損傷者連絡会、全国障害学生支援センターの各団体から、「マラケシュ条約批准に期待すること」が表明されました。

さて、すでに文化庁に提出されている日盲連からの意見書には、図書館に関係しないボランティアグループや社会福祉協議会なども、著作権者の許諾なく録音図書の製作やテキスト化等に取り組めるように、要望してくださっています。

また、宇野先生の発言の中でも音ボラネットの名前を上げて、受験生のための教材等のテキスト化の活動を紹介。
複数の子どもたちの利用が可能となるようにこういう団体も、著作権フリーにしてほしいと要望していただきました。心強いです。

最後に、私のこのブログをみてくださっているという立命館大学の方とご挨拶ができました。
8月15日にアップした「著作権法改正に向けて大きく前進」の中で、宇野先生や大橋さんたちと、文化庁との意見交換会に出向いた折りに、確認できたことを書いています。「大学の障害学生支援室が、大学等の図書館に類する施設に該当すると考えられるとの回答を得た」と。

「支援室のこと、このブログでいち早く教えてもらいました」と言われました。嬉しさ半分、責任の重さも感じました。
著作権法改正に向けた今後の動きに注目していきたいと思います。

川島昭恵さんの朗読会のお知らせ

川島昭恵さんの朗読会のお知らせです。
日時:◎11月16日(日) 15時から
宮沢賢治作 「いちょうの実」
安房直子作「ふしぎな文房具屋」「もぐらのほったふかい井戸」
◎12月13日(土) 15時から
杉みき子作「ともしび」
佐々木たづ作「子うさぎましろのお話」
安房直子作「ふろふき大根のゆうべ」
両日とも 料金2300円です。

N0.350  サイトワールド2014

視覚障碍者向けの総合イベント「サイトワールド」が終わりました。
毎年11月1日~3日にかけて、すみだ産業会館サンライズホールで行われるものです。国内はもちろん、世界にも例を見ないイベントだそうです。

会場の8階で最新の福祉機器等の展示。
9階では、講演会、セミナー、シンポジウム、体験会等が行われます。主催者側のみなさんはもちろんのこと、たくさんのボランティアが協力しています。
地元墨田区内は言うに及ばず、江戸川区、江東区など周辺の音訳ボランティア、霊友会法友文庫点字図書館のみなさん等、音ボラの会員が大活躍です。

当事務局も1日の全国図書館大会への参加もありで、厳しい面もありましたが、何とか3日間お手伝いできました。

私も2日の日、丸一日参加。朝からエレベータ待ちの列が外にまではみ出していました。会場は人出と熱気でムンムン、ついにクーラーが入りました。
就労に関するシンポジウムや、らくらくスマフォの体験会、自立型読書のサポートとか、さまざまな企画展にもたくさんの参加者がありました。
シナノケンシの「マルチメディアDAISY製作ソフトウエア説明会」には、熱心な音訳ボランティアが地方からも、参加していました。

私にとっては会場で、めったに会えない会員さんや利用者さん、そしてお世話になっている方々とおしゃべりのできるいいチャンスです。
前日点館長、現在は、川崎市視覚障害者情報文化センター長の小野さんに、久しぶりにお会いしました。センターに遊びにきてくださいと。

また、高知市内での全日本盲学校教育研究大会でご挨拶させていただいた、文科省特別支援教育調査官の青木さんと奥さまにも、お目にかかりました。12月19日の八王子盲学校での全国公開研究会のことを教えていただきました。ご自身も講演なさるとのことで、誘ってくださいました。
また、奥さまが千葉盲学校の先生で、伊藤忠記念財団「わいわい文庫」の矢部さんたちのマルチメディアDAISY図書を、子どもたちが、楽しみにしていると嬉しいお話を伺いました。こちらも、ぜひ来てくださいと。

懐かしい方々と話が弾み、私にとっても貴重な一日でした。
みなさまお疲れさまでした。ありがとうございました。

No.349 第100回全国図書館大会

生憎の雨模様ではありましたが、たくさんの参加者を迎え、全国図書館大会2日目の分科会が行われました。場所は、お茶の水の明治大学駿河台キャンパスです。

当初、開催予定の情報の取り込みが遅かった上、日頃から負担の多いテキスト化プロジェクト事務局で参加に否定的意見もあり、一時混乱もしました。しかし、この参加が一つの突破口になればと、あわてて参加を決め、何とか公募型分科会に採用されました。

参加費(2日間で7000円、1日だけで5000円)が必要ということもあり、どれだけの人が集まってくれるのか、まさか一桁だったらどうしようと、不安にもかられました。でもいざフタを開けてみると、一般42名、発表者等も含めると50名をこえる参加者数となりました。
私たちと同じ午後からの分科会が31あるなかで、このテキスト化の分科会を選んでくださったみなさまには、感謝のみです。

ところで、私たちとしては、図書館のみなさんに向けた「テキスト化の取り組み」の発表のつもりでしたので、半分以上が熱心な音訳者だったということは、嬉しい想定外のことでした。いつものことですが、遠くは、高知や岩手のみなさんも。

ご協力いただいた千葉県立西部図書館の松井さん、株)東芝 研究開発センターの黒田さん布目さんたちのおかげで、発表に「厚み」が加わりました。

また、最新情報としてシナノケンシのマルチメディアDAISYやテキストDAISY製作ソフト「プロデューサー」のデモも加わりました。松井さんの発表時間が削られてしまって申し訳ないことでした。

いち早い情報を得るためのさまざまなツールが増えることは、利用者にとっては、喜ばしいことですが、これを提供する側のものとしては、負担が増えることもあります。連携や分業をしながら、効率のよい活動が図られていくべきだと思います。

参加者の一人は、「ボランティアでよく頑張っているなと思い、わたしもがんばらなくては」と。またある人は、「テキスト化の意義、そして手順がよくわかりました」と。ありがたいです。

最後にこのような発表の場を与えて下さった主催のみなさま、ご参加のみなさまに、心からのお礼を申し上げます。