音ボラネット事務局 のすべての投稿

No.312 新聞記事

昨年の11月末に朝日新聞「55プラス」に「音訳」が取り上げられました。4回続きの記事でした。 直後、「記事読みました」、「音訳、出てました。嬉しいですね」と何人もの方から、連絡がありました。 新年の賀状にも、たくさんの方から「見ましたよ」という一言が、添えられていて、改めて新聞ってすごいなあと思いました。 この時、当会で今一番ご苦労をかけている「テキスト化プロジェクト」のメンバーから、次は、こちらも記事にしてもらえるようお願いしてと言われました。 朝日の取材の時も「テキスト化」のことは、もちろん話したのですが、本来の「音訳」がテーマだったものですから、メンバーには、少し不服だったかもしれません。 でも実は、この前から「テキスト化」のことは、共同通信社の藤田さんに、ボラセンにも来ていただきご説明もしてありました。 さらには、11月30日の都内江東区で開催された「テキスト化講習会」への取材もお願いしていました。 当日は1日お付き合いくださり、大学受験をめざす弱視のお子さんの保護者の方や、千葉の松井さんからも、話を聞いてくださったようです。

そしてようやく、記事になると連絡がありました。掲載予定日は、今月15日夕刊か16日の朝刊だそうです。 ご存知のように、共同通信社とは、国内や海外のニュースを取材・編集して、全国の新聞社やNHK、民間放送局、海外メディアに配信しているところです。 ですので、どこの新聞に掲載されたかは、なかなかわかりづらいのです。 記事を見つけた方は、ぜひお知らせください。

ところで、この藤田さんとのお付き合いは、2006年にさかのぼります。 右も左もわからない、音訳ボランティアたちが、初の「音訳ボランティア全国大会」の開催を企画し、四苦八苦していた時です。開催を全国に告知するすべも知りませんでした。まず、お世話になっていた故浦口さんに相談、そこから読書工房の成松さんにいき、そして藤田さんを紹介されたのです。 「手っ取り早いのは、記者会見することかなあ」と藤田さん。 2006年3月、厚労省の記者クラブに出向きました。 臆せず出向いた先には、それでも6~7人の各社の記者がいて、記事にしてもらえました。テレビ等でしか知らない記者会見って、こんなふうに行われるのかと、緊張のなかにも興味津々というところもあって、今思えば、貴重な経験をさせていただいたわけです。 藤田さんとは、それ以来のお付き合いで、恩人に対して失礼ですが、ふざけて、「藤田弟」などと呼ばせていただいたりします。

ところで、この音ボラネットも、そろそろ立ち上げから10年になろうとしています。 この間、藤田さんはじめ、実にたくさんの方々にご支援・ご協力をいただいてきたこと、改めて、感謝の思いがわいてきます。 そして当初から応援してくださっているほとんどのみなさまと、今もってお付き合いさせていただいていることに、重ねて御礼申し上げます。これからも、事務局一丸となって進んでいきたいと思いますので、重ね重ねよろしくお願いいたします。

ぜひ、記事見つけてくださいね。

No.311 アブディンさんの講演会

みなさん、お待たせしました。いよいよ発表です。
三芳町役場福祉課の三室さんから、ご丁寧な新年のご挨拶と共に、アブディンさんの講演会の詳細が、「広報みよし」に掲載されたと、お知らせがありました。

期日 2月14日(金)
13:20受付開始
14:00開演
会場 藤久保公民館ホール
収容人数 100人(当日受付、先着順)

日本語がうますぎる盲目の陽気なスーダン人アブディン氏が、聞き、嗅ぎ、味わい、感じた「日本のおもしろさ」を語ります(広報みよしより)
これを見ただけで、行かなくちゃと思います。

そういえば以前、筑波大学附属視覚特別支援学校の宇野先生に、三芳町での講演会のことを、お話しました。
「それは、ぜひ聞きに行ったください。面白いですよ」と。
アブディンさんとは、お知り合いだそうで、よくご存じでした。世間は狭いですね。

2月ともなると、寒さが一段と厳しい時かと思われますが、寒さを吹き飛ばす、楽しい有意義な講演会間違いなし、です。
一人でも多くのみなさんに参加してほしいと思います。
会場でお目にかかりましょう。

No.310 あけましておめでとうございます

都内では、暖かく穏やかな晴天が続きました。
日本海側や雪国のみなさんには、申し訳ないくらいです。
郷里の母が、よく言っていました。「東京は冬でも布団がほせるんだものね」と。
でもさすが、今日は寒の入り。曇り空のそれらしいお天気になりました。

昨年は、お世話になりました。今年もさまざまなステージでみなさまと一緒に元気で楽しく活動ができますことを祈っています。
本年も、よろしくお願い申しあげます。

さて、昨年の暮れには、会報「音ボラネット通信」第20号をお届けしました。そして、この「藤田が行く」を別刷りで同封しました。
「反応はないかもしれませんが、たぶん多くの人が見てますよ」と言ってくれる人もいます。しかし、果たしてどれほどの人が、ホームページを活用しているのか、様子がつかめません。

このブログは、単なる個人のものではありません。
全国組織の代表という肩書きがついて回る以上、少なくとも本人としては、気を使って書いています。
忙しかったり、地方にいたりすると、なかなか最新の情報が入ってこないことがあると思います。
はっきり言って、それでも活動はできます。
しかし、みなさんが少しでも現状を知り考えるきっかけとなり、呼び掛けに応えてくれる人、協力してくれる人が、一人でもふえたら、こんなに嬉しい事はありません。
ところで、会員外の方も、見てくださっていて、身の引き締まる思いがします。
ある図書館職員の方です。まだ新しい障害者サービス担当の方でしょうか。
「ホームページを楽しみに読ませていただいています。追い付くものではありませんが、少しずつでも、いろいろなことを知っていきたいと思います」と。
また、「とてもわかりやすく、読みやすいです」と言ってくださる視覚障害の方もいます。
こういう方のなかから、私たちの活動の理解者が増えていくことは、願ってもないことです。
さて、埼玉県三芳町で2月14日に開催予定のスーダン人のアブディンさんの講演会のことを紹介しました。「わが盲想」(ポプラ社)のことも。
すると、早速購入した人、図書館から借りた人と何人もいたようです。こんなふうに、広がっていくと嬉しいですね。

「コメント欄」となっていますが、感想、日頃の取り組み、悩み等々なんでも結構です。
遠慮なくお寄せください。
お待ちしています。

No.309 全国視覚障害教師の会

2日間にわたって、東京都障害者総合スポーツセンターで開かれた、全国視覚障害教師の会(JVT)の拡大役員会のお手伝いをしました。当事務局から、平井、鶴岡、松本、古屋、藤田の5人で参加しました。平井が、JVTの賛助会員の関係で、何年か前からお手伝いをしています。
まずは、JR王子駅ホームで、各地から参集してくる先生方を出迎え、送迎バスやタクシーで、センターまで。あとは、センター内で、細々とサポート。代表の重田先生、山口先生、南沢先生ご夫妻、藤本先生や馬場先生など何人かのみなさんとは、懐かしい再会です。今回は、30代前半の若い先生がたくさん参加されていて、いつにもまして活気に溢れていました。
さて、2日目終了後は、有志のみなさんが、韓国に移動です。韓国にも同じように視覚障害教師の会があるそうで、初の交流会が、企画されました。韓国側の発表原稿を、私たちのほうで、音読しました。制度の違いはあるでしょうが、日本も韓国も悩みは、同じです。視覚に障害がありながら、教壇に立つみなさんです。困難を抱えながら、努力をし、前向きに頑張っています。近い将来、韓国のみなさんが、日本に来られたら、ぜひお手伝いさせていただきたいと思いました。
ところで今回、初めて参加された一人の先生のことが、気になりました。急激に視力が落ちて、全体に白いもやがかかった状態とか。まだ、若い先生です。白杖の使い方にも、まだまだ慣れていないような様子。職場復帰ができるのか、といった現状のようでした。失礼ながら、先生の全身から「不安」や「戸惑い」が、伝わってきます。
失明を宣告された時、どん底に突き落とされて、一度は、死を考えたというお話は、何人もの方から、伺っています。壮絶な戦いのようです。いくつもの修羅場をくぐり抜けてきた先輩や仲間から、いろいろアドバイスを受けていました。最後には、少し表情が和らいで、笑顔も見られるようになりました。
思わず私も「何といっても、仲間がいます。私たちのようなボランティアもいます。何かお手伝いできることがあったら、遠慮なくどうぞ。応援しています」とお伝えしました。またいつか、復帰なさった先生にお目にかかれたら、嬉しいです。
最後に、テキスト化プロジェクト担当の古屋から、「テキスト化」のことを
さらりと一言、アピール。みなさん「ホーッ」という感じでした。
この度もまた、たくさん勉強させていただきました。みなさまありがとうございました。

No.308 朗読会

依怙贔屓になってもいけないので、なるべく公平にと思いながらも、すみだ録音グループ「声」の朗読会には、何回かお邪魔しています。
1ヶ月以上前からお知らせいただいているので、日程調整しやすいこと。
伊藤忠記念財団マルチメディアDAISY(IMD)プロジェクトで一緒の南部さんや、以前、音ボラネットの会計監査でお世話になった古宇田さん、その外にも顔見知りのみなさんが何人もいるので、つい足が向くのでしょうか。
メトロの押上駅から、地上に出ると、目の前に東京スカイツリーがそびえています。
さて、毎回楽しみにしている利用者も多く、会場のすみだ女性センターは定員160名を超える大盛況。
近隣の音訳ボランティアのみなさん。
そして、当事務局からも大田、3人もの利用者さんを案内して猪俣も、参加。彼女は、こういうイベントがあるといつも利用者を同伴。彼女の姿勢が伝わります。
さて毎回、バラエティーに富んだ作品を、出演者の個性や技量に合わせて、上手に選んでいます。
しっとりした大人の恋あり、時代物あり、肩の力を抜いて大笑いするものありと、作品の世界に引きこまれました。
20分ほどのコーヒーとお菓子の休憩タイムを入れて、2時間半の時間も丁度いいあんばいです。
駅からの誘導や、裏方に徹したみなさんの笑顔も素敵でした。

地元に定着している朗読会でしょうか。今回で9回目といいますから、「継続は力なり」ですね。

日頃の地味な音訳活動の合間に、スポットライト?を浴び、反応が直に伝わる朗読会という場も必要であり、明日への活力なのかもしれません。
みなさま、ありがとうございました。そしてお疲れさまでした。
引き続き、音ボラネットへのご協力も、よろしくお願い致します。

No.307 テキスト化講習会

担当者がずいぶん前から、準備を進めてきた「テキスト化講習会実践編」が、江東区は亀戸で開かれました。
講師は、お馴染みの利用者の立場から、松井進さん、そして後は事務局スタッフです。
参加者は20名。4月にも一度、講習会を実施していますが、その時の受講者が半分ほど、再び参加してくれました。
会員外の方も数名いらっしゃいます。秋田、仙台、三条、焼津からの参加者も。
この他に、青森公立大学の神山先生、障害者放送協議会の井上さん、千葉県立西部図書館の安宅さん、取材で入られた共同通信社の藤田さんと珍しいメンバーも参加。
会を盛り上げていただいたようです。事務局スタッフも頑張ってくれました。
今後ますます、テキスト化へのニーズが増えてきます。
みなさんが、即戦力になってくださることを期待したいと思います。
仙台からの参加のメンバーからは、「今日の講座は、とてもありがたかった。勉強する機会を作っていただいたみなさまに感謝です」と、早速にメールが届きました。
さて私はといえば、初めて当音ボラネット主催の行事に欠席しました。オーバーではなく、断腸の思いでした。
1週間飲み続けた薬、まれに副作用もありますと病院で言われていたのですが、飲み終わったとたん、まさにドンピシャリ。全身に発疹、顔にまで。そして痒みと発熱。
薬アレルギーとのこと。こんな経験は初めてです。
冬場でよかった。皮膚の露出を押さえ、マスクをして1日目は、事務局の会議に出席。
2日目の今日は、そうもいかなくなりました。
顔は、まるで、お岩さん。鏡を見て自分でショックを受けるほど。

私は今まで、音ボラネットの代表として、みなさんの前に立つときは、いつも元気印で、参加者一人一人に感謝の気持ちをこめて挨拶してきました。
みなさんからも、「元気をもらった」「パワフルな代表に会えて頑張ろうと思った」と言われて、逆に私もみなさんから励まされてきました。
できれば、今回も会場に出向き、新しいことにチャレンジしようというみなさんにお会いしたかった。残念でした。
私にとって思いもかけない、トラブルでした。
ご迷惑をおかけしたことと思います。申し訳ありませんでした。

健康あっての活動だとしみじみ感じました。

師走に入り、慌ただしくなります。すでにインフルエンザ流行の兆し、という報道もあります。
みなさまもくれぐれもお気をつけくださいね。

No.306 2月14日の講演会

埼玉県は三芳町のみなさんのことを、覚えているでしょうか。
町役場の福祉課の三室さんはじめ、社会福祉協議会のみなさん、音訳ボランティア等が協力して、音訳ボランティアを養成、障害者サービスを充実させていこうという取り組みです。
ボラセンにお越しになった時に、先ずは広く視覚障碍者のことを知ってもらうために、誰でもが参加してみようと思う人を講師にお呼びしたらと提案しました。そして、スーダン人のアブディンさんを推薦しました。
三室さんはじめ、みなさんの熱意で、めでたくアブディンさんの講演会が決定。
2月14日開催の運びとなったようです。ポスターやチラシの準備も着々と進んでいる様子。正式な案内を楽しみにしています。
さて以前に、この取り組みについて、小欄で紹介したところ、図書館職員の方をはじめ、何人かの方から書き込みがあり、盛り上がりました。みなさん楽しみにしているようです。
ところで、19歳でアフリカ大陸から、言葉も習慣も違う日本にやってきたのが、アブディンさんです。
15年間の異文化体験を通して、「目が見えないからこそ感じる日本がある」と。
音声読み上げソフトを使って執筆したという「わが盲想」(ポプラ社、1470円)を読んでみると、まず巧みな日本語にびっくり。オヤジギャグの連発に大笑い。楽しいのですが、そういう中にも鋭く本質をつくところもありで、アブディンさんが、盲目の外国人であるということを、忘れてしまいそうです。
このアブディンさんが、三芳町でどんなお話を聞かせてくれるのでしょうか。
今からワクワクドキドキです。
音訳ボランティアもそうでない人も、視覚障碍の方も、たくさんのみなさんが集まるといいですね。
今から予定しておいてください。

No.305 「トイメン2013」

あちらこちらから、さまざまなお誘いを受けます。
特に秋は、各地でイベントがめじろ押し。
残念ながら、身は一つで、ついつい失礼することが多くなります。
「演劇結社ばっかりばっかり」の看板女優、美月めぐみさんから、何年も前から、ご案内をいただいていましたが、なかなか伺えず、今回やっと、友人と会場に足を運ぶことが、できました。
美月さんとは、「バリアフリー読書サークルYAクラブ」で、知り合いました。
その後、当会の「マンガも読んでみよう」シンポジウムに、元気なYAのみなさんと、シンポジストの一人として、出席していただいたこともありました。
さて、今回は第13回目の公演にして、新作的再演「トイメン2013」でした。

たぶん美月さんの言葉だろうと勝手に思いこんでいるのですが、「視覚障害役者?普通にいますけど何か問題でも?」が、合言葉だそうです。ここからして何だか、ワクワクします。
舞台は、とある図書館の一室。そこで、カルチャー教室で、朗読を勉強中の今風の若い女性が出会うのは、いかにも誠実そうな障害者サービス担当の男性職員。個性溢れる視覚障害者の男女二人。無責任な館長やら、町?の議員と思しき男性やら。
狭い朗読室で繰り広げられるのは、朗読ボランティアって何?そして図書館の在り方。視覚障害者の思い、等々。
クスリと笑い、あるあるとうなずき、対面朗読(室)のあり方を考えさせられたりと、とてもなかみの濃い舞台でした。
さすがみなさん、声がよく出ている、滑舌もよし、当然ですね。
美月さんは、歌もお上手!新発見。とても楽しく、レベルの高い舞台だと思いました。
今後もみなさんだからこそできる舞台をぜひ、お願いします。
一人でも多くの方に観ていただきたいです。

No.304 なごや会鳥取例会

公共図書館で働く視覚障害職員の会(なごや会)の例会が、鳥取市内で開かれました。
14日から16日まで、市内吉岡温泉、田中屋旅館でお世話になりました。何か大きなイベントでもあったのでしょうか、どこも満杯。例会担当の佐藤さんが、宿を探すのに、ご苦労なさったようです。
とてもクラシカルな和風旅館でした。参加者17名とワンちゃんが一頭、その内、晴眼者は2〜3名。
こんなにたくさんの視覚障害者と盲導犬の宿泊は、初めて。戸惑いもあったようです。
しかし、旅慣れたみなさんの立ち振舞いや、その明るさに、びっくりされたようでした。バスでの送迎をはじめ、いろいろと心のこもったサービスをしていただきました。
幸い3日間とも貸し切り状態で気がねなく過ごせたこともラッキーでした。
3日間にわたり、音ボラネットの団体会員、「鳥取桑の実会」のみなさんが、サポートしてくれました。
毎年、その地域に会員がいる場合は、お手伝いをお願いしてきました。私自身も交流ができます。
この度も、代表の安部さんが、「東京まで出かけていくのは、なかなか大変ですが、地元にきていただくのなら、喜んでお手伝いさせていただきます」と、二つ返事で引き受けてくれました。
出向く先の実踏や盲学校の先生にガイドの仕方を教わったり、事前準備をしてくれていました。本当に助かりました。
さて、今回の目玉は、鳥取県立図書館と共同で、「鳥取から始まる障害者サービス〜だれもが使える図書館を目指して、今できることからはじめよう〜」を開催。午前中の講演と午後の分科会は、なごや会メンバー。そして県立図書館からは、「はーとふるサービス」についての報告がありました。
音訳ボランティアの意識もそうですが、指導的立場の職員のみなさんの意識も変わらなくては、なりません。たくさんの職員のみなさんが、参加してくださり、充実した1日でした。
今後も、会場のセッティングと図書館職員に参加を呼び掛けてくれる図書館があったら、今回の鳥取モデルを踏襲してはと、思いました。
それぞれ講師がつとまるなごや会のみなさんです。
ところで、人口60万にも満たない県の図書館の資料代が年間1億円だそうです。
佐藤さんによると、埼玉県の人口は715万。公共図書館3館で、年間予算は、6000万円とか。
この違いは、どこからくるのでしょうか。
鳥取は、みなさん片山元県知事のおかげと言っていました。
やはり、トップの考えかたでしょうか。
館内を見学させていただきましたが、その蔵書には、圧倒されました。「いきいきライフコーナー」とか、「大活字コーナー」とか、コーナーごとにまとまっている蔵書は、とても探しやすいと思いました。

資料代がどんどん減らされて、新しい本が買えないなんて話があちこちから聞こえてくる時代に、とても素晴らしい図書館です。
障害者サービスは、これからとおっしゃていましたが、今後の運用に期待したいと思いました。
鳥取のみなさま、大変お世話になりました。

No.303 皆川春雄先生のこと

元筑波大学附属視覚特別支援学校長の皆川春雄先生が亡くなりました。69歳でした。早過ぎます。
教えていただきたいことが、たくさんありました。
思い返すと、このネットワークの設立総会の2ケ月後、2007年8月に鳥取市内で開かれた全日本盲学校研究大会に、参加しました。
その時、初めて皆川先生にお目にかかりました。
早朝の飛行機で鳥取へ。その足で、会場に駆け込みました。
「よく来てくださった」と言われた先生の笑顔に、緊張が一気にゆるんだのを覚えています。
2日目の分科会では、全員現場の先生方のなかで、唯一、異色の私を紹介してくださり、挨拶の時間までいただきました。
その後、学校にもお邪魔しました。「応援しています。校長会とも連携をとられたらいいでしょう」と。
盲学校で、手厚く守られている児童生徒も、やがては、社会に出て、一人立ちの時を迎えます。
その時、私たちのような音訳ボランティアがいるということを、予め知っておいてほしい。そのためにはまず、先生方に私たちの存在を知っていただくことが、大切と考えていました。
2008年の「医療関係の音訳を考える」シンポジウムにも、協力応援してくださいました。
当日会場にも、お越しになり、貴重なアドバイスをいただきました。
また、東京音訳グループ連絡会で、講演もしていただきました。
その後、私たちの総会での基調講演に、鳥山由子先生を推薦してくださったのも、皆川先生でした。
更に先生が、編集なさった盲学校の弁論大会の弁論集を、事務局の黒一点、伊藤さんが、文京盲学校の録音室で、音訳。更にデイジー編集し、各盲学校に寄贈しました。先生がとても喜んで、「じっくり聞いたよ。うまいものだね」と喜んでくださいました。
またある時の全日本盲学校研究大会では、「行くよ。一緒にいらっしゃい」と、カラオケに連れていってくださいました。
お仲間の校長先生が10名ほど。
私に他の校長先生を紹介しようとのご配慮でした。
その時、「僕は、教職に就く前は、技術屋でね。東芝の府中工場で新幹線を作っていたんだよ」といたずらっ子のような笑顔で、話されました。
その後に歌われた「黒の舟歌」は、声量たっぷりの堂々としたもので、もはや余興の域を超えています。
今も耳もとで、あの歌声が、聞こえてくるようです。また、会報をお送りすると、毎回筆字のご丁寧なお葉書をくださいます。
たまにお電話でご相談すると、「元気なあなたの声が聞けて楽しかった。大丈夫!自信を持って。身体に気をつけて頑張ってね」と、いつも気遣ってくださいます。
思い出すのは、笑顔と励ましの言葉ばかりです。

この度の悲しいお知らせは、お仲間というよりは、同士という言葉がぴったりの鳥山由子先生から、いただきました。ありがとうございます。お花のお好きだった先生が、色とりどりのお花に埋もれていました。
最後のお別れができてよかった。
皆川先生、本当にありがとうございました。
ごゆっくりおやすみください。
私は、もう少し頑張ります。