音ボラネット事務局 のすべての投稿

No.284 IMDプロジェクト

まだまだ回りに畑が残るここ練馬でも、今年はまだ聞こえてこない、ミンミンゼミの鳴き声。
先日、都心の青山で聞きました。
改めて感じるのですが、東京って、けっこう緑が多いと思います。
さて、ミンミンゼミにいやされて、たどり着いたのは、天下の総合商社、伊藤忠のビルの一角、伊藤忠記念財団です。
いつものIMDプロジェクト事務局のメンバー、そしてこの度は、松井さんとロミオ(盲導犬)が一緒です。
出迎えてくださったのは、新任の専務理事 事務局長の中島さん、矢部さんはじめ編集の中村さん、選書と事務の岩沢さん、フルメンバーです。
当初、マルチメディアDAISY配布先の特別支援学校や盲学校などからのアンケートの回収率が低く、やはりフィードバックがないのは、寄贈はしたものの、ほんとうに喜ばれているのか、活用されているのか、というので、事業存続にも繋がりかねないことになりそうな様相だったようです。
はたで見ていてもずいぶんと、ご苦労されていました。
今回は「わいわい文庫」受領書に、感想や意見を記入する欄を設けたとのこと。
学校、図書館、医療団体、研究機関、その他の団体から、「活用している」「次回も楽しみ」等、以前に比べたら雲泥の差の好意的な感想・意見が戻ってきています。
回を重ね、創意工夫している矢部さんたちの努力が、少しずつ実ってきていると思います。
私たちも4年目の協働作業です。
読み方も「通常の音訳」ではなく、お子さん相手ですから、もう少し表情をつけてもいいかもしれません。お互い、子どもたちの笑顔のために遠慮のない意見や情報の交換をしていきたいと思います。
ところで、私たちに対するお気遣いでしょう。
ビルの地下にあるゆったりとしたおしゃれな空間で、暑気祓いをしてくださいました。
ネット社会がどんなに進歩したとしても、直接顔を合わせることの大切さは、常に感じていることですし、回を重ねるごとに信頼関係が深まります。
矢部さんたちも少数精鋭で、役割分担しながら、この事業を進めています。
何といっても、通常の本では、読書の楽しみを味わえない、未来ある子どもたちに、少しでも多くの良書を届けたい、私たちの思いでもあります。

No.283 不思議な一日

今日は、とても不思議な、でも貴重な一日でした。
朝、高田馬場に集合。約50名の定員一杯の貸し切りバスで一路、八王子へ。目指すは、八王子霊園にある、日本点字図書館の創立者本間一夫先生のお墓です。
本年は没後、10周年に当たり、日点の「本間記念室整備委員会」が「墓前の集い」を企画。先生ゆかりのみなさんが集まり、車中や昼食会場で、思い出など語り合いましょう、というものです。
残念ながら、私は、先生との接点がありません。
日点に小野前館長をお訪ねした時にこの企画を、伺いました。
いつも通される応接室に、本間先生のにこやかな写真が飾られています。
「ほら、いつも先生が、話を聞いてくださっているじゃないですか」「そうだ、そうだとおっしゃってますよ」「もう、お会いしてるんですよ」と言葉巧みに誘われ、参加と相成りました。
先生からお仲人をしていただいた方、点字を教えていただいた方、日点の旧職員、利用者など、多彩なみなさまが、それぞれにご自分と先生との思い出を語ります。
「生まれながらにして将たるタイプ」「自然に回りに人が集まってくる」
「甘いものが、お好きで、シュークリームをいただいた」等々。
お話を聞きながら、墓前に手を合わせると何だか、私も先生ゆかりの一人になったような気分になってきました。
昼食会場の市内のホテルでは、宝井駿之介師匠の講談「本間一夫伝」を聞きました。
いつもながら声量のある語りです。そして次は、多摩霊園にある後藤静香先生のお墓にお参りしました。
この静香先生については、全く知識がありません。
大分県出身。社会の欠陥をなんとかしたいという思い、弱者への温かい眼差しを持った方だったそうです。点訳をマスターし、講習を行うなど、点訳奉仕運動を展開。本間館長を支え続けた加藤善徳さんを紹介するなど、日点を支援した方だそうです。
そのお弟子さんからもお話がありました。
ここでは、墓前で指笛の演奏があり、みんなで「ふるさと」を唄いました。
指笛の音色は、風に乗って墓園全体に広がっていくように感じました。参加しなければ、体験できなかったことばかりです。また新しい出会いもありました。
みなさま、お世話になりました。
ありがとうございました。

No.282 「障害者差別解消法」と「マラケシュ条約」

梅雨明けとともに、猛暑が襲ってきた感のある東京ですが、みなさまの地域はいかがでしょうか?
さて、先の総会でも尋ねられましたし、つい先日も、問合せがきました。
「障害者差別解消法」のことです。
障害を理由にした不当な差別的取り扱いを禁ずる上記法案が、6月19日に成立しました。
法律の中味については、「課題はあるものの、まず差別解消法が実現してこそ、次のステップがある」という竹下義樹日盲連会長の言葉が印象的です。
興味・関心をお持ちの方は、「障害者差別解消法」で、Google検索できますので、お読みください。そしてもう一つ、こちらは、私たち音訳者にも、直接関係がある大切な情報です。
知的財産権保護の国際的な推進活動を行っている、世界知的所有権機関(WIPO)は、視覚障害者やディスレクシアなど、活字へのアクセスの難しい人たちが、健常者と同じように書籍にアクセスする権利を保証する条約を採択しました。
モロッコのマラケシュで開かれていたものです。
視覚障害者や学習障害者のために、出版物を、デジタル化、点字・大活字化そして録音図書に変換することを認めたものです。
生まれつきの全盲で歌手のスティービー・ワンダーさんは、条約成立に向けて、熱心な活動を続けてきたそうで、実現の祝福のために、マラケシュでコンサートを開催したと、ロイター通信は、伝えています。
このことを受けて、日本の文化庁に動きがあるようです。
いつも貴重な情報を寄せてくださり、的確なアドバイスをしてくださる、筑波大学附属視覚特別支援学校の宇野先生から、連絡をいただきました。
「著作権法の改正の必要性の有無も検討しているということで、今がいいチャンス。関係団体がまとまって要望を、文化庁に持っていったほうが効果的。他の団体とも、連帯して、文化庁に出向きましょう。
ついては音ボラネットとしても、要望書を用意していただけないか」と。
この要望書とは、以前、先生にご指導いただき、作成したものですが、提出日と提出先を書き直して提出したいと思います。
日常に流されて、こういった将来的展望にたつということ、さまざまな団体と連帯して運動をおこすということが、苦手です。
でもありがたいことにその都度、声をかけてくださる方々がいますので、助けていただいています。
みなさんの末端に加えていただき、少しでも、先人の志を継ぎ、あきらめず進んでいこうと思います。

No.281 点字図書館のブロック大会

各地の点字図書館では、それぞれにブロックごとの催しがあるようです。
以前、私も関東ブロックの集まりに呼んでいただいたことがあります。この度は、「東北・新潟・北海道ブロック点字図書館等連絡協議会」の「音訳・音訳校正・デイジー編集合同研修会」が、秋田県点字図書館を幹事館として、9月5日(木)~6日(金)に、秋田ビューホテルで開催されます。
5日は講演会です。
千葉の松井さんに、その講師をお願いしたいが、紹介してもらえないかと、連絡がありました。
音ボラネットでもお馴染みの方ですから、お安いご用です。
そして更には、図々しくも、松井さんのカバン持ちで、私も参加させてほしいとお願いしたところ、渡辺館長から、ご了解をいただきました。秋田県内には、2名の個人会員がいるのみ、せっかくの機会なので、多くのボランティアと交流したいと思いました。
後に、2日目の「協議」の講師は、会員の松本さんと判明。
それならなおのこと、応援の気持ちで参加したいと思いました。
点字図書館で、公共図書館の松井さんを招くということは、双方の交流という点でも、いいことだと思います。
私も全く同感なのですが、松井さんは、点字図書館も公共図書館も、そしてボランティアも、発想の転換が必要と言われています。
そして、読書障害者の読書環境の変化、私たちはそれにどう対応すべき等を、きちんとみせてくれる図書館職員であり、利用者でもあるわけです。
幅広いお話をたっぷりと伺えることでしょう。
渡辺館長以下、職員のみなさん、そして音訳ボランティアを含めた実行委員のみなさんが、熱心に準備を進めてくださっています。
せっかくの素晴らしい企画です。
点図のボランティアのみならず、多くのボランティアの参加を期待します。
東北・新潟・北海道のみなさん、交流できますことを、カバン持ちの私も楽しみにしております。

No.280 読書バリアフリー研究会に参加して

「電子図書(マルチメディアDAISY図書)は、特別支援を受ける子どもたちに読む喜びを伝えられるのか」が開かれました。
障害があるために、通常の紙の本では、読むことが、難しい子どもたちがいます。
そんな子どもたちへの読書支援を目的に児童書をマルチメディアDAISYにして配布する事業を実施しているのが、伊藤忠記念財団の矢部さんたちです。
私たちの活動は、もともと視覚障害者支援からスタートしているわけですが、視力にも知力にも問題はないのに文字認識に困難を抱える子どもたちの存在を知りその子(視覚障害も含む)に有効と言われるマルチメディアDAISY図書を知り、協力をしてきました。それがどのように活用されているのか、知りたいことではありました。今回、肢体不自由の特別支援学校や院内学級の先生方からの生の発表は、大変ありがたく、励みになりました。
ここに、都立八王子東特別支援学校の先生のお話を、かいつまんで、記してみます。
まず、だれもが本好きになる図書館作りからスタート。
スライドを見ながら、さまざまに工夫された八東の図書館に私も行ってみたいと思いました。
さて、子どもたちの毎日は、忙しい。支度やトイレなど、一つ一つの動作に時間がかかる。家でもじっくり読書する時間がない。
そして、本は重くて持てない。ページをめくれない。読んでもらうとよくわかるけど、自分で読むと意味がわからなくなる。文字を読みとばす。など、子どもたちは、難しさをいろいろ抱えている。
また、さまざまな障害があり、重複もあって、ニーズも十人十色。
そこで、iPadやiPodの貸し出しを開始し、スクールバスで聴く読書が始まる。
タブレット端末を使うことによって持てない、めくれない、押さえられない、読めない、どこを読んでいるかわからない、といった心配がなくなった。
そして、子どもたちも、iPodがない時は、バスの中が退屈だったけれど、今は、本が読めて楽しい。パソコンより、iPadの方が使いやすいと、言っているそうです。以上のようなことを伺って、本気の一人が大切。そして、その先生の取り組みを受け止め支える同僚の先生方や学校側の理解があってこそ、可能なことと、感動しました。
こういう取り組みが、広がっていったらいいですね。
最後の私の挨拶のあと、ある先生から、「作ってくださっている方の話を聞けたことが、参加して一番よかったこと」と言われました。
また八東の先生も冒頭、ボランティアのみなさんにお礼をと。
参加して、励まされました。
ありがとうございました。
最後に江戸川特別支援学校の校長先生が、「児童書だけではない。写真集だとか、もっと他のものも読ませてあげたい」、そして、「機材の操作などに関しても、現場の先生方だけでは、とても間に合わない。ボランティアの力も必要」と言われたことが、耳に残りました。
この後、6月29日(土) 1:00~5:00
宮城県視覚障害者情報センターでも、この「読書バリアフリー研究会」が開かれます。
一人でも多くの先生方や図書館の方、ボランティアのみなさんに参加していただきたいと思います。
支援の輪が大きく広がることを祈ります。

No.279 第4回総会

おかげさまで、第4回の総会も無事終了しました。
行き届かない点も多々あったかと思いますが、ご支援ご協力に改めてお礼を申し上げます。
日頃の健康管理が甘く、お聞き苦しい声だったのを、みなさんご心配くださり、本当にありがとうございました。
一つ年を重ねるごとに、回復が遅くなりますが、ようやく持ちなおしました。
ご迷惑をおかけしました。
しみじみと健康あってのボランティアと痛感しました。
どうぞ、みなさまもお気をつけください。
さて、その後アンケートやら、メールやらお手紙やらのみなさまの声を総合すると、おおむね満足して、お帰りいただけたようです。
しかし全員満足はあり得ないと知りつつも、さまざまな見方、考え方のあることを、再確認しているところでもあります。
音訳ボランティアの世界は、圧倒的に女性ですし、事務局もご多分にもれず、男性は一人です。
これからは、パソコンに強い退職した男性にも、どんどん参加してほしいと思っています。
ですから、我が事務局のアナウンサー経験もある、黒一点の伊藤さんには、いつも司会を担当してもらっています。
「男性も頑張っていていいですね」という声もあれば、「役員は全員、女性、参加者もほとんどが女性なのに、なぜ司会のみ男性?すべて女性で貫いて欲しかった」という声も。
また基調講演の石川准先生のお話も、難し過ぎたと言う人もいれば、テーマ「広がりをみせる音訳」にピッタリだったと言う人もいれば、実にさまざまです。
テーマを決め、講師を選び、分科会のことも考える、現実はなかなか大変です。
しかし、みなさまからの率直なご意見ご感想を、ぜひ次回に生かせるようにしたいです。
次回の会報は、総会の特集号になります。総会の翌日から、アンケートのまとめをしてくれていた事務局メンバーもいます。終われば終わったで、次があるのです。
ところで、これからホームページをきちんとチェックしますと、言ってくださる方が何人もいましたし、この次は、ぜひ、地元の図書館の職員と一緒に参加をしますと言う声が寄せられたのは、嬉しいことの一つです。
どうぞ、ホームページに注目してください。急ぎの情報はホームページから発信しています。
ありがたいことに、一般参加の方の中には、ホームページで知りました。興味ある内容なので、ぜひ参加したいと言ってこられた方もいます。
担当のスタッフも頑張っています。私も、この「藤田が行く」を通して、情報発信していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
最後に事務局もますます忙しくなります。
会場でもお願いしましたが、お手伝いをしてくださる方、募集します。パソコンに強い男性も、大歓迎です。
本当に最後になりました。
当日お手伝いくださったみなさま、ありがとうございました。
心強い助っ人でした。

No.278 受験勉強

このところ立て続けに、高校や大学受験のためのサポート依頼がきています。
先ずは、文京盲学校を受験予定の男性からです。
高校の入試対策のための国語の問題集を6月末までにデイジー図書でCDにしてほしい、というものです。こちらは、いつものごとく、新宿の南部さんにお願いしました。
私が、勝手に尊敬をこめて、「すぐやる課」と呼んでいるのですが、急いでお願いして断られたことがありません。頼もしいかぎりです。
ところで当然、教材は一冊ではないはず。確認すると、自力で音訳グループをさがして、すでに依頼済みだそうです。心強いことに、みんな音ボラネットの会員でした。そう話すとビックリしていました。
「みなさん心よく引き受けてくれました。でも3ヶ月も、かかるんですよね」と。
「こういう急ぎのものに対しては、受け手もできるだけ早くと思っています。でも、一種の専門書ですから、下調べや校正にも時間がかかります」と伝えました。
本人にしてみれば、一日でも早いにこしたことはないわけです。
一方、都内「いとでんわ」の大谷さんからは、大学受験用の問題集を音訳してくれるグループはありませんか、と。こちらも6月末までの急ぎのもの。「いとでんわ」でもすでに4冊請け負っていて、これ以上はムリということです。こちらもいろんなことに対応している熱心なグループです。
この件に関しては当ホームページで音訳者の募集をしています。
さて、高3の筑波大学附属視覚特別支援学校在学のお子さんのことで、保護者の方からメールがきました。
弱視が進行しているが、点字の読み速度が遅い。授業では、拡大読書機を使用。しかし、持ち歩くことができない。来春の受験に向けて2時間以上もかかる通学時間にも勉強できればと思っている。ホームページでテキスト化の活動のことを知った。テキスト化できれば、本人がPCーTalkerで聴けるし、文字を拡大して読むこともできる。親として、私もテキスト化の勉強がしたい。
しかし、手っ取り早いのは、プレクストークで録音するのがいいと思い、取り扱い説明書を片手に頑張ってみたが、うまくいかないと。
そもそもプレクストークは、視覚障害者向けの録音・再生機です。見える人には、逆に扱いにくいと思います。
取り急ぎは、地元小田原の音訳グループに直接、録音技術について、教えてと、お願いしました。初めは、どこそこに登録している人でないと対応できないきまりになっているとの答え。ならば、グループとしてではなく、メンバーのどなたかが、個人で対応してとお願いして引き受けてもらいました。
上記3件は、受験用資料の変換依頼です。
そのうち2件は、音訳でということでしたが、こういうものは、正に「テキスト化」が、一番あっているものだと思います。今後、生徒さんの学びを支えるための依頼が増えてくることは、必至です。
この保護者の方には、総会・分科会にも参加してもらい、分科会では、当事者の保護者として、一言熱く語ってもらう予定にしています。
母の叫びは、切実です。
参加のみなさんと、このお子さんにとって、どんな支援が一番いいのか、考えていけたらと思います。
どうか、よろしくお願いいたします。

No.277 総会直前

総会直前の事務局には日々、さまざまなことが起こります。
「えーっ! なに、それ」ということや、口あんぐりのことも。
正直そういったことに、いらぬエネルギーを使いたくないと、愚痴も出てきます。
でもそんな中にも、励みとなる嬉しいことも、起こります。
地元の利用者である藤原さんが、お世話になっていますと、いつも気遣ってくれる高知の松田さんから、連絡がありました。
高知県点字図書館の館長が、総会・分科会に参加を希望しているが、どんなものでしょうかと。
二つ返事で、ぜひどうぞとお伝えしました。
また、東芝の研究開発センターで言語処理、音声合成の研究開発をしている方からも、参加して勉強したいとメールがきました。
嬉しいですね。
私たちのような法人格も持たない草の根のボランティア団体に図書館や一般企業から、参加したいと言っていただけるということは、ありがたいことです。
ずーっと言い続けている連携・協力のためには、情報交換等は、非常に大切なことと思っています。
それから、助成金申請に関して、二つのところから、お声をかけていただきました。
一つは、霊友会法友文庫点字図書館の紹介で、生涯学習ボランティア交流センター発行の「おうらい」という雑誌の取材を受けました。
その関係で書類を提出してみてくださいと、言っていただきました。
また一つは、住友ゴムCSR基金からのものですが、これは、日頃からお世話になっている、東京ボランティア・市民活動センターからの推薦です。
こんなバタバタしている最中に担当の猪俣さん古屋さんの連携プレーで、徹夜で書類を作成し、提出できました。
ヒヤリングをしたいと連絡をいただきました。
両方とも、相手のあること、結果はわかりませんが、気に掛けてくださっている方々がいる。
私たちへの、大きな励ましだと思っています。
また、私たちの活動をとおして、一人でも多くのみなさんに、利用者の生活・学習・読書等の現状を伝えられると考えます。
こう書いている間に、また嬉しい情報が一つ。
松井さんからの紹介で、パナソニック ソリューションテクノロジー(株)の福地社長に総会のご案内をお送りしました。
総会と分科会に参加してくださるそうです。
その上、OCRソフト「読取革命」をご寄贈いただけることになりました。
手弁当で四苦八苦している、テキスト化プロジェクトのメンバーの顔が浮かびます。
作業がはかどることでしょう。
みなさま、本当にありがとうございます。

No.276 「テキスト化プロジェクト」その後

4月の講習会に参加の方からの情報が、事の始まりでした。
(株)高知システム開発から無料でソフトを、ご提供いただきました。
スクリーンリーダーのPCーTalkerです。
この高知システム開発は名前のとおり、高知市内にあります。
「テキスト化」の原点ともいうべき、初めての依頼者である藤原さんも高知市内在住です。やはり、ご縁でしょうか。
視覚障害者が簡単にパソコンを操作できるように、アクセシビリティに対応したソフトを開発・販売しているところです。
www.aok-net.com/がホームページアドレスです。みなさんも覗いてみてください。
この「テキスト化」の作業における校正とは、文字校正なのですが、それを利用者と同じように、PCーTalkerを使って、耳で聴く校正が加わると更に、精度の高い聴きやすいものができるというわけです。高価なものですから、購入するとなるとなかなか厳しいので、本当にありがたいことです。ところで、受講者のみなさんは、メーリングリストで自己紹介も済み、いよいよ活動開始。焦らず、ゆっくりと先輩の優しい丁寧な指導をあおぎながら楽しんで活動していただければと思います。
どうかよろしくお願いいたします。
そういえば、千葉の松井さん念願の「資料デジタル化講座」が、千葉県立西部図書館でも開催されることになりました。
音ボラの講習会での実力?を買われ、ご指名の黒田さんと古屋さんを講師として派遣します。
着実に進んでいきましょう。

No.275 テキスト化講習会

冬に逆戻りしたような寒空の一日でしたが、「はじめてのテキスト化 講習会」が無事に終わりました。
総会を目前にして、準備に追われるこの時期に、何も講習会を開かなくても、という声もありました。
当初は、助成金もつき、協力という形で参加という予定が、諸般の事情により一転。
中止という選択肢はなく、「テキスト化プロジェクト」事務局のメンバーで、頑張ることに。
「でもまあ10名も集まれば御の字」と。
とんでもありません。37名の申し込みがあり、講師陣に事務局を加え、定員の50名超え。
秋田、長野、塩尻、甲府、静岡、福岡等の遠方のみなさんも。その他、図書館職員の方も。
その朝、一歩先に活動している小樽の軽部さんから、「今朝も屋根が真っ白。たくさんの方が新たに、このプロジェクトに加わっていただけること、楽しみにしています。盛会をお祈りしています」と暖かいメールが届いていました。
まずは、ざっくり「テキスト化プロジェクトとは?」「OCR作業とは」「テキストファイルの校正作業」「図表・写真の説明について」を、事務局メンバーから。
そして、ご協力いただいている(株)ブックスキャンの若き社長と副社長からは、「PDFファイル作成」、更に松井進さんからは、「利用者の立場からみるテキストファイル」について、しっかりとした締めの話しをしていただきました。
アンケートやみなさまの生の声は、ありがたいことに、大変好評ですぐに、プロジェクトに参加したいという方もいました。
すでに活動はしているものの、正に初心者という二人も参加していました。
いつもメーリングリストでは、お馴染みでも顔を会わせるのは、初めて。
黒沢さんは、「お会いできて、嬉しいというのを通り越して、舞い上がってしまいました。いつも足を引っ張っている感があり、参加していていいのだろうかと悩んでいました。でもこの講習会では、参加するというはっきりとした意志が湧いてきました」と。
尾形さんは、「わかりやすい説明、有意義な話が聞けてモチベーションがあがりました。名前だけの方々には、直接お目にかかれて、以前からの知り合いのように感じられ感激です」 「早速、音訳の会でテキスト化について、伝達研修会を行います。6月の視覚障害者支援の連絡会でも、このプロジェクトの宣伝ができそうです」
さらには、「思い切って又一つ、新しい世界に飛び込んでよかったと思います。
利用者の読書環境が、ここまで進んでいるのかということに、まず驚きました。
まだまだテキスト化のことを知らない音訳者が、圧倒的多数、図書館もしかり、です。
上からの指示を待つだけではなく、私たちボランティアの側からの働きかけでも、できることは、あるのではと思いました」
とは、秋田の松本さんの弁。本当にありがたい、貴重な感想、ご意見が伺えました。
最後には、松井さんや遠方からのみなさんにも参加していただいた懇親会、楽しいなかにも有意義な情報交換の場でもありました。
このプロジェクトは、パソコンの普及により進んでいるものです。
ネット上のやりとりで完結していますが、たまには、顔を合わせることの大切さを改めて感じました。
ご参加のみなさま、お疲れさまでした。ありがとうございました。
また、総会でお目にかかりましょう。