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No.270 朗読と講談のつどい

日本点字図書館の「朗読と講談のつどい」に出かけました。
小野館長から、ご案内をいただいておりましたので。
お誘いした人の中から、かたりべの木村さん、当事務局の大田さんが、参加してくれました。
音訳ボランティアというよりは、視覚障害の方とガイドの方で会場は満員です。
やはり、耳で聴く朗読や講談は、大きな楽しみの一つでしょう。
まずは、放送劇や司会などの経験があって現在は、図書館等で、朗読をしている清水奈美江さんです。
伊集院静の「時計のキズ」。
今まで視覚障害の方の朗読は、何回か聴いたことがあります。
ほとんどは、点字を指で追いながら語る、というスタイルです。
清水さんは、音訳された短編をたくさん聴いて、台本を選ぶそうです。そして本番でも、声をイヤホンで聴きながら、語っていきます。
会場からは、「さすが、うまいなあ」という声。
私たちも話の世界に引き込まれ、是非とも原作を読んでみたいという共通の感想を持ちました。
続いては、宝井駿之介さんの創作講談「日本語点字の父 石川倉次伝」でした。
前に置かれた机を張り扇で、パ、パン、パンパンと叩く。口から機関銃のように言葉が飛び出す。
私にとって初めての講談です。
同じ声をだすということでは、私たち音訳者と通じるものがありますが、長時間、声の張りを失わずリズミカルに「一席を読ましていただく」(宝井さんの言)のは、さすがです。この世界の史実に疎い私には、石川倉次さんの人となりを垣間見させていただきました。この方の努力がなければ、視覚障害者の文字は、生まれなかったわけです。感動を覚えながら聞かせていただきました。
尚この宝井さんの講談は、日点初の試みとしてインターネットで流して、各地の点字図書館関係者に観て聴いてもらえたようです。
小野さんは、今後もこの方式を取り入れたいとおっしゃっていましたが、天下の日本点字図書館さん、新しい試みをどんどん取り入れてほしいと思います。
予め日時が決まっているものです。会場まで足を運べない人のためにも、ぜひ、軌道に乗せていただきたいと思います
会場では、東京ヘレン・ケラー協会点字図書館の石原館長ともお話ができました。
ありがとうございました。

No.269 シンポジウム「もっと知ろうデイジー教科書を!」後日談

マルチメディアDAISYに初めて出会った時、とにかく編集が大変という印象を持ちました。
この分野で、もし音訳者が何かお手伝いできることがあるとすると、音源を提供することくらいかなあと考えていました。
しかし、なかなか具体的な話は出てきません。
都内の製作グループでは、分業は難しいというような話でした。
ようやく、音訳者の出番がきました。
伊藤忠記念財団の矢部さんたちが、子どもたちのために、児童書のマルチメディアDAISY化に、取り組むことになり、是非とも音源を提供してほしい、ということでした。
初めてのことで、すべてスムーズに進んだわけではありませんが、この共同作業も、3年目に入ります。
貴重な経験をさせていただいています。
そして、この度のシンポジウムです。
あおもりDAISY研究会の神山先生に、お目にかかりました。
「国語は、肉声が必須」、「音訳ボランティアとの協力」という方でした。
やはり、こういうふうに考えている方がいるということが、嬉しくて、早速に名刺交換をしました。
すぐに、「ぜひ、協力してほしい」というメールがきました。
IMDプロジェクト事務局のメンバーと相談して、テストケースでお引き受けすることにしました。
著作権切れの作品を集めた「青空文庫」のなかから一冊、「夏目漱石」の作品が、指定されました。
ネット上から、プリントアウトすればいいので、原本の受け渡しがなく、楽です。
完成作品は、インターネット上のWebサーバーに、一般に無償公開なさるそうです。
「すぐやる課」のメンバーが、すぐに音訳を始め、すでに一部は、先方におくられています。
「音ボラネットと連携し、訓練された質の高い音訳者のお力をいただけることで、聞きやすいDAISY図書を作れると考えています」と嬉しいメールもいただいています。
更にまた、IMDメンバーの一人は、お子さんが小学校時代に、お世話になった先生に、シンポジウムの資料を、お送りしたそうです。
「今回の資料にあるようなデイジー教科書等については、お恥ずかしいかぎりですが、ほとんど不案内でした。
これをきっかけに少しでも勉強していきたいと思います。
今までの教え子の中には、学習障害や自閉症、ダウン症、アスペルガー症候群などの障害を持つお子さんがいました。また正確に診断されていなくても、特別支援の必要なお子さんがたくさんいます。
すべての子どもたちに、それぞれに合った教育を受けさせてあげたいという気持ちは、常に抱いています。みなさんのような方々が、このような活動をされているということを知り、嬉しいかぎりです」
良き出会いは、良き連携につながります。
それぞれができることからはじめましょう。

No.268 シンポジウムに参加して

日本障害者リハビリテーション協会主催のシンポジウム「もっと知ろう、デイジー教科書を!」に参加しました。
IMD(伊藤忠記念財団マルチメディアDAISY)プロジェクト事務局メンバーも、全員集合です。
110名の参加者の中には、北海道や東北、東海や九州等、遠方からのみなさんも多く、中に熱心な懐かしい音訳者のお顔がいくつもあって心強く嬉しく感じました。
読むことに困難を抱える児童・生徒にマルチメディアDAISY教科書を提供しているのは、リハ協を中心とした、製作団体のネットワークの皆さんです。
問合せに対応可能なボランティア団体は、全国に16あるようです。
このネットワークのおかげで、1000名の児童・生徒にDAISY教科書が、提供されているそうです。どんなにか助かっていることでしょう。
私もこの製作団体で活動している方たちを何人も知っています。
もともとは、音訳ボランティアだった方もいます。
みなさまの大変な努力に、敬意を表します。
しかし、ここで敢えて申し上げます。
「教科書製作は、ボランティアがやるべきことではない」と。
文科省がやるべきことです。
しかし、そういった環境が整備されるのを、待ってはいられない現実があります。
目の前に必要としている児童・生徒がいるのです。
でもだからと言って、ボランティアに頼らざるを得ない現状は、決していいことではありません。
このことは、常に確認が必要なことではないでしょうか。
文科省だけではなく、財布の紐を握っている財務省の問題もあるそうで、ことは単純ではないのです。
しかし、国への働きかけも、諦めず、続けなければなりません。
それも、会場から視覚障害の方が、拡大教科書のことを例に、当事者や保護者がまとまって声をあげていくことの大切さを訴えていました。
その通りだと思います。
パネリストのお一人が、国語は肉声が、必須。そのためには、音訳ボランティアやアナウンサーとの協力が大切というお話に、大いに共感しました。
また会場の先生の声として、テスト問題を作る際、拡大も点字もDAISYも、一人の先生が作らなくてはならず、スキルがなく厳しいと言われていたことにも、考えさせられました。
もっと気楽に分業ができるようになるといいと思います。
課題は、いろいろあります。立場や考えかたもさまざまです。
しかし、子どもたちの笑顔のために、みんなで持てる力を結集して、ひとつずつ壁をとりのぞけたらと思います。
今回もたくさんの新しい出会いがありました。
大いに勉強もさせていただきました。
ありがとうございました。

No.267 学習障害への理解を!

瞬く間に、松の内も過ぎました。
ここ数年の私の目標は、「一日一日を丁寧に生きる」ということなのですが、言うはやすしで、目の前のことに追われ毎年、目標達成とはいきません。
今年こそはと、思いつつ、目先のことに早くも疲労困憊。先が思いやられます。
今年は、二年に一回の総会が、あります。泣き言を言っていられませんね。頑張ります。
みなさま、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、お子さんが学習障害を持つKさん。
昨年10月に開催した当方のシンポジウム「マルチメディアDAISYは今」にお招きした方です。
お便りをいただきました。
学習障害のある特別な支援を必要とする児童や生徒への対応が、お粗末すぎると思います。
「学習障害を認めてしまうと、自分たちの教え方を否定されると思うようです。だから、子どもも親も、努力が足りないというのです」
「実際に教師でもないのに、ケチをつけるな、と言われました」
「これから教師を目指す若い人たちに、学習障害への理解を進めていくほうが、教育界を変える早道ではないかと、思うようになりました。どれだけの子どもや親が苦しんでいるかを知ってほしい」と。
この頃少し、新聞やテレビで、取り上げられるようになってきて、理解の輪が広がっていくかもと期待したのですが、世間の無知と偏見の壁は厚いようです。
「シンポジウムではついつい、今、子どもたちが、置かれている現状を訴えることに夢中になってしまいました」
「一番言いたかったことは、以下のことでした」
「息子たちは、音韻性のLDです。DAISY教科書を大学で製作しているグループのものが、届いた時、彼らは聞けないと言いました。聴覚過敏がひどいこともあり、聞くのが辛かったようです。今は、デジタル音声になれましたが」
「私は、音訳者の方は、プロだと思います。音としてとらえる音韻性のLDには、音訳者の方に音を担当していただきたいと思います。私が一番みなさんにお伝えしたかったのは、このことです。保護者の声を聞いてくださる場を作っていただき、本当にありがとうございました。みなさまにもくれぐれもよろしくお伝えください」と。
合成音声を否定するものではありませんが、肉声、それも訓練された肉声に適うものはないということでしょうか。嬉しい言葉ですね。
教師になりたいという夢を持っている息子さんが今、無理解な学校現場で、挫折しかけているそうです。かける言葉も見つかりません。
また、一人でも多くの人に、学習障害のことを理解してもらう場を作っていけたらと思います。
はからずも、日本障害者リハビリテーション協会主催のシンポジウム「もっと知ろう、DAISY教科書を」が予定されています。
日時 2013年2月3日(日)10時30分~16時会場 戸山サンライズ
参加費 500円申し込み先 日本障害者リハビリテーション協会情報センター
私も参加させていただきます。
会場でみなさまにお目にかかれたら幸いです。

No.266 シンポジウム

氷雨降る15日、なごや会(公共図書館で働く視覚障害職員の会)主催のシンポジウム「障害者にわかりやすい音訳、録音資料の基本を考える」が、開かれました。
今春から なごや会の会員になりました、とおっしゃる専修大学の野口先生のご紹介で、神保町の神田キャンパスが、会場です。
足元の悪い中、音訳者はもちろんのこと、図書館や出版関係者、合成音声のソフト開発者等々、北海道から山口まで、170名定員の会場が、狭く感じられるほどの大盛況ぶりでした。
音ボラネット事務局として、東京駅からのガイドや受付のお手伝いをさせていただきました。
この度は、本年3月に定年を迎えた、横浜市中央図書館の川上正信さんの退職記念のシンポジウムです。
川上さんには、音ボラネット立ち上げ前の全国大会の頃から、さまざまアドバイスをしていただいてきました。
横浜から、事務局の例会にも参加してくださっていました。また、私がNHKの取材を受けた時も、利用者であり、図書館職員でもある川上さんと、横浜の、とある橋のたもとで待ち合わせるという「絵」を撮られたこと、「音訳者のネットワークに期待する」とおっしゃってくださったこと、懐かしく思い起こされました。
さて以下、私の個人的感想等記してみます。
やはり、音訳は奥が深いということです。そもそも1+1=2というような世界ではないと、音訳講師の高橋先生からも、改めてご指摘がありました。
「音訳とは、こうあるべきだと教わりました。だからその通り実践しています」というのは、基本としては、間違ってはいないのですが、時代は、移り、利用者のニーズも多様化しています。
そうなると、基本は大事、しかし、そこをどう開いていくかということを、考えていかなくてはなりません。
読む物によっても大きく違います。
答のない世界だからこそ、各々の感性を研くしかないのだと思いました。そして、「よい録音図書に出会えるのは、少ない」という一言に、ふだんなかなか聞こえてこない利用者の本音として、重く受け止めました。
川上さんは、音訳の手法に疑問を感じ、10年ほど前から、NHK日本語センターの講座を受講。朗読コンテストでは、7回も優秀賞を受賞されています。このことに関しても興味深いことを言われていました。
当然ながら川上さんは、原本を点字に打ち直して、録音するわけです。「漢字に惑わされずに読める(点字はカナ表記のため)、そこが、みなさんと違うのかな」と、新鮮な驚きでした。
また、「間」について、「音訳者に恐怖心がある」結果「聴き手の理解を助けるための間、のない人がほとんど」だそうです。
「聴き手の存在を、常に意識すると聴き手に内容を伝えようとする意識が、強くなる。目指すのは、読み手の音訳ではなく、聴き手のための音訳であることを忘れないこと」そしてそれに伴い音訳者も、「聴く力をつけることが、大切で、それが音訳スキルをあげる早道」とも。
聴くことの講習を入れたり、ラジオを聴くことも、薦められていました。
忙しさのあまり、どこかに置き忘れている、音訳の基本を、再確認させていただきました。
シンポジウムに続くお祝いの会では、その他のなごや会のメンバーや、野口先生、高橋先生とも楽しくおしゃべりさせていただきました。
有意義なひとときでした。

No.265 コンサートも無事終了

社会福祉法人視覚障害者支援総合センター主催、「競い合い、助け合うコンサート2012―羽ばたけ視覚障害音楽家たち」が、無事終わりました。
このコンサートは、同センターの高橋理事長の「こだわり」と「思い」によって成り立っている、と言っても過言ではないと思います。
若き視覚障害音楽家が、どんなに力があったとしても、「発表の場」がなければ、誰の目にもとまりませんし、広く世の中に知られることはないでしょう。
高橋理事長は、チャレンジとチャンスの場を作るために、頑張っています。
私は、その「思い」に賛同した一人で、ほそぼそながら応援してきました。
実行委員となり、話し合いの場に加わり、当日のお手伝いもやっています。
しかし、私の最大のお役目は、チケットの売りさばきだと心得ています。
どんなに素晴らしいコンサートであっても、集客がままならなければ、成り立たないわけです。
私たちは日頃、音訳という一つの行為を通して、視覚障害者のお手伝いをしています。
そして、その中のわずかな音楽家の卵たちを、応援することも大きく捉えれば、私たちの活動の一つだと考えています。
日にちが限定され、無料でもありませんから、全員参加はありえません。
しかし、毎回、一人でも多くの方に参加していただければと思うのです。
昨年から、ペアチケットができました。ご夫婦で、友だち同士で、親子で、また私たちの利用者と一緒に参加すると、一人2000円にも満たないのです。
今回初めて参加してくださった、府中のTさんはご主人と、長年辞書作りに携わってこられたSさんは、お仕事仲間と、国立のKさんは、めったに会えないお友だちと、地元杉並のAさんは、福祉関係の方と、そして当音ボラネットの事務局のいつもの面々、ことに島村さんは大先輩のAさんと、利用者さんを複数、数珠つなぎのようにして参加してくれる猪俣さん等々です。
中でも感動的だったのは、「まだチケットはありますか」と、当日の朝メールをくれた那須塩原の松木さんです。
都内のお嬢さんと生後6か月のお孫ちゃんを連れて参加。
事前に主催者側には、了解をとってはいましたが、途中ぐずってもと、入口の側の席へ案内。
音色に魅せられたのか(松木さん)全くぐずらず、お嬢さんも、しばらくはコンサートは、無理とあきらめていたそうで、喜んで帰られたとか。若々しいソプラノ、二本のフルートによるハーモニーに、心癒されたようです。
我が家の愚息も、先輩二人を案内。初めての経験だったそうで、参加して良かったと言ってくれていたそうです。
若い人にこそ聴いて欲しいし、視覚障害者の置かれている現状のようなことも、少しでも理解してもらえると、いいですね。このほかにも、いつも協力、応援してくださるたくさんのみなさまに、この場を借りて、お礼を申し上げます。
本当にありがとうございました。

No.264 公共図書館との連携

2010年には、待ちに待った改正著作権法が施行され、公共図書館でも、著者や出版社の許諾なく録音図書が作れるようになりました。録音図書が飛躍的に増えたと思いきや、どうもそうではないらしいのです。
予算不足で、作りたくても作れないという現状があるようです。
このことに関して、音ボラネットの設立当初から、図書館との連携を模索してきた者として、私たちが、希望者を募って製作し、図書館に寄贈すればよいのではと、思いいたりました。
そして最近、3.11にまつわる方言句集「負げねっちゃ」(銀の鈴社刊)を、現地の会員に依頼し、新宿区立戸山図書館に、「司法書士合格指導講座」と同「問題集」(ユーキャン刊)を複数のグループで分担して、千葉県立西部図書館に入れていただきました。
この戸山図書館では、年々利用者からのリクエストが増え、製作が追いつかない状況があるようです。
この図書館には、大変熱心な館長と、障害者サービスの担当者がいらっしゃいます。
以前からさまざま情報交換し、当方の総会やシンポジウムにも参加してくださっています。
連携についても、意見交換してきました。
その流れの中で、録音図書製作の依頼を受けました。ようやく、図書館との連携ということが、
一つの形となってスタートしようとしています。
ところで今回のことも含め、活動の輪が広がる中で、当事務局だけでは、とても対応仕切れないことが、増えてきました。
ありがたいことに、この度も、千葉の松本さん、都内の田中さんの協力の下、都内の南部さんそして、当事務局の泉、藤田が加わって図書館連携プロジェクトが誕生しました。
まずは、録音図書製作者の募集を始めます。(詳細は、今月末発行の会報・音ボラネット通信参照)
図書館からの依頼がきた時に、速やかに着手できるように、製作者は、その都度の募集ではなく、事前登録制にしたいと考えています。
それにつけても、最大の課題は、「読みの質」です。
・公共図書館の蔵書となること。電子図書館「サピエ」にアップされること。
・製作費が支払われること(売買契約となる)
・初の音ボラネットと公共図書館との連携となること。
以上、いささかハードルが高いかもしれませんが、貴重な第一歩です。みなさまのご協力のもと、一冊でも多くの録音図書を利用者に届けられることを、願ってやみません。

No.263 サイトワールド

7回目を迎えた視覚障害者向け総合イベント「サイトワールド2012」が、都内すみだ産業会館で開かれています。
日常サポートから最先端テクノロジーまでの機器や製品の展示、講演会やフォーラム、体験会等々と盛りだくさんです。
全国各地からの視覚障害のみなさんやガイドの方で、毎年、大盛況です。
今年も事務局を中心に10数名が、3か間お手伝いさせていただいています。
展示は3日間同じですが、シンポやセミナー、体験会などは、毎日違います。
その上、同じ時間帯に重なっていますので、選ぶのが、悩ましい。
また、毎回その年の特徴ある企画が楽しみです。
今年は、ロンドンパラリンピックがありましたので、活躍された視覚障害のアスリートのスポーツトークがありました。
柔道100Kg超級の金メダリストの正木健人さんを、見かけましたが、あまりの大きさにびっくり。
初日にNHKのニュースに取り上げられたものですから、「そんなイベントがあるのを知らなかった」とか、「今まで参加したことがない」というみなさんから、「行ってみます」という連絡をいただきました。
テレビの力は大、ですね。
さて、主に視覚障害のみなさんをサポートしている私たち音訳者にとって、更に更に、利用者への理解が深まること、間違いなしです。
私はといえば、懐かしいお顔ぶれや、お世話になっているみなさんにお目にかかれることも楽しみの一つです。

No.262 コンサート

一年が経つのは、早いものです。
「競い合い、助け合うコンサート2012」羽ばたけ視覚障害音楽家たち、が12月1日(土)西荻地域区民センター勤労福祉会館で開かれます。
これに先立ち、実行委員会がありました。会場の下見から始まり、種々、打合せを行いました。
会場が変わったのには、正直また、と思いました。
中央線の荻窪か西荻窪駅、西武新宿線の井荻か上石神井駅からバスになります。
かなり頻繁にバスが出ていますが、参加のみなさまには、少し不便を感じるでしょうか。特に視覚障害の方には、ハードルが高くはならないかと、ちょっと心配です。
1回目の会場だそうで、25回目の今回、原点に帰ってという、高橋理事長のこだわりのようです。
360数席とこじんまりしたところですので、アットホームなコンサートになることでしょう。
コーラス、ソプラノ、フルートとピアノと予定されています。
主催の視覚障害者支援総合センターでは、ベテランの職員の方々が退職されて、新しい人たちが、初の大仕事に挑戦しています。
長く続けていれば、さまざまなことがあります。
人は代われど代わらない理事長の「思い」に敬意を表します。
「生まれてきてよかったという喜びを味わうために、チャンスとチャレンジの場を、確保していかなければならない。
音楽や生活を通して、視覚障害者に対するご理解とお力添えを」という「思い」に賛同し、協力させていただこうと思います。日程の合う方は、ぜひ応援してください。
一般3,000円、学生2,000円、ペアチケット3,500円です。
チケット申し込みは、FAX 03ー3932ー7366 (音ボラネット藤田)まで、よろしくお願いいたします。
コンサートのホームページ→http://www.siencenter.or.jp/ongaku/ongaku24.html

No.261 「マルチメディアDAISYは今」 その2

たくさんの会員のみなさんの他に、一般のお客さま(図書館や社協の職員、編集者等)を、お迎えして開催した「マルチメディアDAISYは今」が、無事終わりました。 中でも東北、とりわけ福島からの参加が多く、とても嬉しく思いました。
昨年の総会の分科会で、マルチメディアDAISYとは、こんなものですよ、と概略的なことを、お見せしました。
今回は2回目、リピーターが多いことを想定して、前回とは違った角度の内容を、考えました。 分業は可能か、音訳者のスキルを役立てることは、できるのか。みなさんと一緒に考えたいと思いました。
蓋を開けてみれば、マルチメディアをほとんど知らない、初めてという参加者が、8割近くでした。
前半は、各登壇者から、それぞれの取り組みを発表していただきました。 体調不良のなか大阪から、利用生徒の保護者の方にも参加していただきました。 ふだん、一堂に会することなどないと思われるみなさんを、お迎えできたことは、手前味噌かもしれませんが、すごいことだと思います。 マルチメディアDAISYの製作や、普及に関しての課題は、たくさんありますが、ひとつ、「分業は可」とということが、みなさんと確認できたことは、大きな成果だったと思います。
調布デイジーの牧野さんのところには、早速参加者からのコンタクトがあったそうです。 後半部分、割合、初歩的な質問や感想が多く寄せられ、意見交換が、できなかったことは、私としても残念ではありました。しかし、参加者のほとんどが疑問を残さず、ある程度、理解して帰って行ったということは、大きいと思います。 それぞれの会で、報告会が開かれるという方が、ほとんどでしたので、また、そこから理解の輪が広がります。嬉しいことです。 視覚障害もそうですが、その他にも「読みたくても読めない子どもたち(大人も)」の存在が、もっともっと知られなくてはいけません。
はからずも、この日の「朝日」の朝刊に、あの、スティーブン・スピルバーグ監督が、「読み書きが困難なディスレクシアと呼ばれる学習障害であり、子ども時代には、いじめられていた」と公表したという記事がありました。 私たちのシンポジウム開催の日に、こういう記事が出たということは、何だか不思議です。 多くの人々に学習障害が正しく理解されるきっかけになることでしょう。
シンポジウムの詳細については、11月下旬発行予定の会報に掲載します。ぜひご覧ください。 参加者のほぼ全員が、「とてもよい企画だった」と感じてくださったこと、ほんとうによかったと思います。 音訳とは直接関係ないという声が、あるかと思いましたが、杞憂でした。 「知らないことは、大きな損害」、「”知る”ことが大切」。 「地元に帰ってまずは、何ができるかを、みんなで考えたい」という声が、多く寄せられています。
こうやって、1回目より2回目、一歩ずつ進んでいくのですね。
みなさま、お疲れさまでした。ありがとうごさいました。