いうまでもなく、私たち音訳ボランティアは、視覚障害者をはじめとする読書障害者に、情報を届けるためのお手伝いをしています。ならば、そういった利用者との意思の疎通はとれているか、生の声は聞こえているかといえば、はなはだ疑問です。
自分たちが製作した録音図書が、どんなふうに聞かれているのか、知らない人がいます。私が出かけた先で、等速で聞いている人は、少ないという話をすると、「えーっ!」という反応が返ってきます。
そんなわけで、音訳者よがりにならないためにも一度、徹底して利用者の本音に迫ってみようと、5月24日、日比谷図書文化館でシンポジウムを予定しています。(詳細は、3月末発行の「音ボラネット通信第21号」を参照)
いつものことですが、登壇者探しは苦労します。
少しでもバランスよく、幅広い年代の全国各地の利用者に出ていただくのが、理想ですが、現状難しいことが多々あります。それでも、日本点字図書館の大坪さんにもご協力いただき、お二人推薦していただきましたし、当事務局の川上からも、地元の学生さんの名前があがりました。今日はここ、明日はあそこでと、直接お目にかかってお願いしてきました。
しかし中には、壇上で200名近い参加者を相手に、忌憚のない感想、意見を発表するのを躊躇する方もいます。事実「地元の図書館での三者会議で話すのとは違うので、遠慮します」とか、「お茶でも飲みながら、知り合いとおしゃべりするのは、いいけど・・」と何人もの方から断られました。
そんな中、登壇を決意してくださった勇気ある6人の方々には、敢えていえば、辛辣な感想や意見をとお願いしています。更に司会も、利用者の代表にお願いしました。社会環境の変化に伴い、利用者の読書環境も大きく変化しています。当然、私たちの活動も変化せざるをえない部分があります。
せっかく貴重な時間を使って活動しているわけですから、利用者のみなさんに喜んでもらえる活動ができたらと思います。そしてこのシンポジウムに参加して、また明日から頑張ろうと思ってもらえたら幸いです。
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