音ボラネット事務局 のすべての投稿

No.214 羽ばたけ視覚障害音楽家たち

暑さが戻った10日、都内セシオン杉並で「競い合い、助け合うコンサート2011」が開かれました。今年もまた、たくさんの方々に、ご協力をいただきまして、ほんとうにありがとうございました。

今回は、主催の視覚障害者支援総合センター高橋理事長の発案でペアチケットができました。一般が3000円、ペアだと3500円でした。ずいぶんとお得感があります。一人でも多くのみなさんに参加して欲しいという、理事長の思いが通じたのでしょう。いつになくたくさんの方の来場がありました。

私は、実行委員になって、舞台をすべては観れなくなりましたが、その分ロビーで、みなさんと少しでも、おしゃべりができます。年一回ここでの再会が、楽しみな方もいます。今年は、いつものみなさんの他に、大変懐かしい方々と再会しました。

このコンサートには、毎回「チャレンジ賞・サフラン賞の贈呈式」があります。この二つの賞は、職業自立して、視覚障害者の文化の向上と福祉の増進に寄与している若い視覚障害男女に贈られるものです。

このたび、チャレンジ賞を受賞したのは、ゆいまーる(視覚障害を持つ医療従事者の会)の代表、守田稔さんです。守田さんは、精神神経科のお医者さんです。副代表で、私たちの総会に参加してくださった高知市の藤原さん、事務局の方々もいらしてました。

2008年のゆいまーる発足の集まりに参加したことが、懐かしく思い出されました。守田さんは、ギラン・バレー症候群を患われて、車椅子生活を余儀なくされています。時には、音訳もなさるお母さまもお元気そうで、何よりです。

こういう専門職に携わるみなさんへの音訳サービスは、なかなか大変だと思います。しかし、こういう専門情報を音訳できる人たちが増えることを願いたいものです。守田さん、藤原さんとお話ができて、楽しい一時が過ごせたことに感謝です。ネットワークとは、人と人との繋がり以外の何ものでもありませんから。

みなさままた来年、お目にかかりましょう。今度は、どんな出会いが待っているでしょうか。

No.213 読み書き支援

今月17日18日の講習会に続き、12月3日には「被災地における読み書き支援を考える」をテーマに、仙台市内でのシンポジウムの開催が決定しました。この件に関して、私のところへも、ぜひ被災地での開催をとたくさんの声が寄せられていました。

(注)仙台でのシンポジウムを12月4日とお伝えしましたが、会場の都合で3日に変更となりました。

また、2012年1月28日29日には、大阪での講習会が予定されています。こういう動きの中で、なんとしても受け皿となる、サービスを提供する場の確保が急務です。

新宿区立戸山図書館の大城館長、担当の川口さんのもとに、このサービスを戸山図書館でやっていただけないかと、お願いに伺いました。図書館協力員の南部さん、大活字文化普及協会事務局の市橋さん等と一緒です。

おかげさまで、前向きな話し合いができました。また11月にオープンの千代田区立日比谷図書館管理者の小学館プロダクションの小出さんとも、お目にかかりました。ご存じのように、100年の伝統ある都立日比谷図書館は、障害者サービス発祥の地でもあります。

ここが今、千代田区立の図書館としてオープンします。図書館というより、さまざまな機能を持った図書文化館のような形にしたいというお話でした。しかし意義ある歴史を大切にし、対面朗読室の有効な活用法を考えていただきたい。

場所を提供していただけると、読み書きサービスがはじめられます。と申し上げました。そんなわけで、今月17日18日の講習会に、新宿区や千代田区の多くのみなさんに、ぜひ参加していただきたいと、緊急にお願いします。まずは、この二ヶ所を突破口にできればと思います。

さてさて、毎年10月11月は各地で、「区長と話そう」的な催しが予定されています。社会福祉協議会や図書館担当者に提案しても、一向に進まないことをこういう場で、首長に直談判したら、早速に予算がついたとか、ゴーサインが出たとかいう話が寄せられることがあります。私の住む練馬区でも、11月に開催されます。ダメ元で参加して、私も発言してみようかと思っています。何事も「時」というのがあると思います。

機運が高まりつつある「今」を外すことなく、それぞれが行動を起こすことが大切ではないでしょうか。それぞれのアプローチのなかで、一人では、無理ということがあれば微力ですが、お手伝いさせていただきます。よろしくお願い致します。

問合せ・申込先:NPO 法人 大活字文化普及協会事務局

電話:080−4071−9402 FAX:03−5282−4362

メール:masamitsu@daikatsuji.co.jp

No.212 読み書き(代読・代筆)支援

7月に定員オーバーで、受講できなかった方のために、再度、読み書き支援員の養成講習会が、品川区で今月17日〜18日に開催されます。8月22日の衆議院議員会館でのシンポジウムの参加者の中からも、ぜひ勉強したいという方が何人もいて、関心の高さに嬉しい悲鳴をあげています。

しかし、この講習を受けた後の受け皿が、用意されているわけではありません。唯一、東京都障害者福祉会館で行われているものがあります。1983年に「視覚障害者日常生活点訳等サービス事業」として開始されたものです。予約制で1コマ1時間半の単位で利用できます。

点訳・音訳・墨字訳・対面朗読をする、都内ではただ一つの施設です。ここまで出向ける人はいいでしょうが、出向けない人へのサポートはとか、予約制なのでいつでもというわけにはいかないということもあり、利用者にとって、ほんとうに使いやすいサービスになっているのかなと思ったりします。本来、資格を持った支援員が常駐して、サービスを行なうというのが、理想でしょうが、今すぐにというのは、無理です。しかし、体制が整うまで待っているわけにはいきません。

都内の音訳ボランティアからの情報です。ある所では、視覚障害の方から、地元の社会福祉協議会にプライベートなものの代読の依頼がありました。社協から、協力依頼があったのは、点訳グループにです。音訳グループも活動しているのですが。

またある所では、依頼があれば、図書館の職員が、最寄りの駅まで利用者を送迎しているそうです。しかし、いずれも広報されていないので、利用者の多くは、このサービスを知らないということです。

とりあえず今は、さまざまな形があっていいと思います。ないよりはまし、ですから。しかし、利用者が安心して、このサービスを受けられるように、最低限のルール作りは、必要です。

第一に、守秘義務の厳守です。そして、サービスを行っていることを周知させることです。現状でのベストな形を、何とかみつけたいと思います。マンパワーを何とか、次に繋げていきたいと思います。

みなさんの地域の取り組みを、ぜひ、教えてください。

No.211 シンポジウム

22日、東日本大震災被災地の情報支援体制を考える〜読み書き支援員シンポジウムが新しくなった衆議院議員会館で開かれました。一部の図書館や社会福祉協議会で行われている、読み書きサービスの全国的な普及を目指す、大活字文化普及協会 「読書権保証協議会」の主催です。

冒頭から入れ代わり立ち代わり、挨拶に立ち、そそくさと席を立つ議員さんの姿に違和感を覚えた参加者もいたようです。正直なところ私も、落ち着きませんでした。しかしながら、このシンポジウムは、7月に行われた支援員養成講習会とは、違います。議員さんへのアピールが目的のものです。この支援員の制度化に向け、予算獲得のためには、まず議員会館での、このような形のシンポジウムが欠かせません。

今回も被災地はもとより各地から集った社協や図書館関係者、ヘルパー、音訳ボランティアとさまざまな立場のみなさんが参加していました。講習会修了者の姿も多く見受けられました。本当に熱心なみなさんです。このマンパワーは、大切にしなければなりません。こうしたい、こうあるべきだという理想形があります。しかし、残念ながらそれは、即実現可能なことではありません。

当ネットワークの、函館市の森田さんたちや、那須塩原市の松木さんや、品川区の取り組みを参考にしつつ、お互いにできることから始めてみませんか?

行政を動かすことは、そう簡単なことではありません。でも諦めず、さまざまな角度からアピールを繰り返し、アクションを起こしていきたいと思います。

私たちの念願だった著作権法の改正も利用者のみなさんを先頭に思いを一つにしたたくさんの人々の努力で実現したものです。

私も早速、いつも協力していただいている図書館館長に面会を申し込みました。事務局長の市橋さんとお訪ねする予定です。

No.210 HPのリニューアル

この17日から、HPが装いも新たになりました。ネットワークの設立には、HPの開設が急務ではありましたが、いかにせん、当時、事務局にはこの方面にノウハウを持つものがいませんでした。

ほとんどが、子育てが、一段落して音訳の道を志した主婦の集まりでした。何をするのも手探りでした。全国に散らばる会員のみなさんへの情報の発信には、年3回の会報だけでは、追い付かず、最新の情報の共有というには、心許ないものがあります。

そうこうするうちに、事務局の猪俣さんが、きらいではないので、なんとか頑張ってみますと言ってくれました。今は亡き浦口明徳さんからアドバイスをいただき、何とか念願の開設に至ったのは2007年のことでした。素朴で手作り感があって、いいですねと、概ね好評で、ホッとしたものでした。管理をしている彼女の苦労は、大変だったと思います。

その後、事務局からの情報発信だけではなく、全国からの問合せや視覚障害者関連のイベント情報が寄せられるようになりました。おかげさまで、音ボラネットの知名度が上がるにつれ、HPへのアクセスも増えてきました。それに伴い管理人の負担も増えていきます。この間、業者からの引き合いもありましたが、経費がかかるということもあり、見送ったこともありました。

やはり、今はボランティアで協力してくれる人がいればと、考えていた矢先に、適任の人が現れました。このたび、運営委員に加わってくれた佐藤さんです。彼は震災直後のPDFファイルをテキストファイルに変換してという依頼に、いち早く協力してくれた一人でもあります。心強い人材です。トップページも明るくなり、使い勝手もよくなりました。リニューアル後の最初のアクセスが那須塩原市の松木さんからありました。「新しいHP、素晴らしいですね。ずいぶん洗練されて、なかなかですよ」と。いかがでしょうか。 みなさまも感想や情報などお寄せください。

No.209 日点 小野館長訪問

高田馬場の日本点字図書館に小野館長をお訪ねしました。 今年4月から岩上さんの後を継ぎ、初の晴眼者の館長となった方です。ざっくばらんな方で自由な発想の方、というのが、第一印象です。

電子図書館サピエのことや公共図書館との関係など伺いました。 サピエについては、まだまだ発展途上かと思っていましたが、そういう部分とすでに成熟している部分とがあるというお話でした。

「地域・生活情報コーナー」などは、全国からユニークな地域情報が上がってきたら、おもしろいと思いました。 今、このコーナーは、決して有効に使われているとは、思いません。 「各地の点字図書館が、それぞれに情報をあげてくるのは、難しいでしょうね。ほかのことで手一杯ですから」とおっしゃっていました。

夢として、全国(北海道から沖縄まで)に散らばる音ボラネットの会員が、情報を寄せたら、寄せる方も楽しいし、利用するほうもおもしろいのにと、単純に考えました。

また、点字図書館と公共図書館との連携についての質問には、「関西は、わりあいうまくいっていると思います。東京はないですね」と館長。

「どうして東京はうまくいかないのでしょうね」と私。「ここ(日点)があるからですよ」と にっこり、さらりとおっしゃる。 なかなかおもしろい方です。

ところで、名刺を二枚いただきました。もちろん一枚は、日点館長のもの、もう一枚は、全国視覚障害者情報提供施設協会の副理事長の肩書のものです。

全視情協のことも伺いました。 ユニークな発想と自信は、「東の日点」という看板のせいだけでしょうか。長年、この世界で培ってこられたものでしょうか。 世の中には、色んな看板を背負った、さまざまな考えの方がいます。ときには、過激と思われる方もいます。実にさまざまな方にお目にかかれるのが「藤田が行く」の醍醐味です。

しかし、経験も浅く力もない私としては、こういう見方やああいう考えもあるということを承知の上で、さて自分は、バランスよくと思うのですが、簡単ではありません。 事務局の鶴岡と佐藤と三人で伺いました。暦の上では、立秋ですが、暑い盛りの午後のひとときでした。

No.208 義援金、9月末まで募集

世界報道写真展2011(於 東京写真美術館)に行ってきました。「魂に響く写真の力」とあります。少なくとも紛争や飢餓のないこの国に住む私たちには、重すぎる世界の現状です。

ところで、この写真展のなかで「爪痕」と題し、東日本大震災の報道写真を一枚一枚写しだしているコーナーがありました。世界のフォトジャーナリストが撮った「東日本大震災」もあります。改めて今、この写真に残されたことを、私たちは決して忘れてはいけないんだと思いました。

6月中旬に伺った、石巻市の避難所で出会った男性の「これからもボランティアさんに来てもらいたい。俺らのことを忘れないでほしい」という言葉が、耳に蘇りました。決して忘れたわけではないのですが、思いが薄らいでいくような気がしないでもありません。日々、それぞれの生活がありますから、しかたないかもしれません。

しかし、この暑さで、未だ避難所生活を余儀なくされているみなさんは、どうしているだろうかとか、仮設住宅に移ったみなさんはと、何かの折にでも思いを馳せる心の余裕を持ちなさいと、映し出された写真が教えてくれました。

ところで、私たちが、送り先を視覚障害者に限定して募集した義援金は、会報「音ボラネット通信」第13号にご報告のとおり、日本盲人福祉委員会東日本大震災視覚障害者対策本部に寄付させていただきました。ありがたいことに音訳者だけではなく、点訳者や関連のみなさまからもご協力いただきました。

また以前、取材を受けた、のんびる(パルシステム生活協同組合連合会発行)で震災後の私たちの取り組みとして、義援金の募集が掲載されました。 ほんとうにありがたいことに、たぶん音訳とは直接関係のない読者の方からの送金が続いています。そんなことからも、義援金の募集を9月末まで延長させていただきます。

引き続き皆さまのご協力をよろしくお願い申し上げます。尚、義援金の送付先は以下になります。重ねてよろしくお願いします。

郵便振替口座  口座番号  00100−3−280500

加入者名  全国音訳ボランティアネットワーク

*お手数ですが備考欄に 『義援金』と明記してください。

No.207 競い合い、助け合うコンサート2011

今年もまた、9月10日(土)セシオン杉並ホールで、上記のコンサートが開かれます。いつもお越しくださるみなさまに、ご案内のラブレターを書いています。

私がこの実行委員を仰せ付かって、3年目くらいでしょうか。それまで、主催の社会福祉法人視覚障害者支援総合センターの高橋實理事長を、よく存じ上げているというようなことではありませんでした。このコンサートのことを、耳にし、応援できることがあればと、チケットを売りさばくべく、この欄でも、紹介させていただきました。

それに目を止めた、高橋さんの近くの方が、高橋さんに報告なさったことが、きっかけだったと最近、ご本人から伺いました。 「いろいろ書いてくださっていると聞きました」と。 こんな「藤田が行く」ですが、いろいろとご縁が生まれるもので、嬉しいような怖いような思いでいます。

さて今回は、ペアチケットができました。3500円です。「一般が3000円なのに、理事長!安すぎます。バランスを考えてください」と私。「いや、一人でも多くの人に来てほしいのです」と高橋さん。

その他にも、出演者の人選のことなど、私は、チケットを売りさばく立場で、お越しくださるみなさまのことを思い、提案をし意見を申し上げることがあります。

しかし、このコンサートにかける高橋さんの熱い思いには、かないません。視覚障害者の盲学校における職業教育は長い間、鍼、灸、按摩一辺倒だったそうです。ようやく大学受験が、認められるようになり、ほんの僅かでも、職業選択の幅が広がりました。

そんななか、だいぶ前からですが、プロの音楽家も出てきました。2009年、ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで、日本人として初めて優勝した、辻井伸行さんなどは、その最たる方でしょう。これからプロを目指す人も含め、チャンスとチャレンジの場を、そして、このコンサートを通して一人でも多くの人に、視覚障害者へのご理解とご支援をと、訴えているのが、高橋さんです。私は、みなさまのご協力を得ながら、一生懸命応援していきたいと思います。

最後に、毎回参加してくださる方からのお手紙を紹介します。

 「みなさんに一度は、足を運んでもらいたいコンサートです。感動します。特に音訳者にとっては、普段の活動のなお一層の励みになることでしょう」

チケットの申し込みは、藤田FAX03ー3932ー7366へ。よろしくお願い申し上げます。

チラシはこちらからご覧ください。

No.206 講習会の開催

7月2日、3日の両日にわたり、読み書き支援員養成基礎講習会が開かれました。大活字文化普及協会 読書権保障協議会の主催です。品川区の協力により区内の小中一貫校の荏原平塚学園が、会場となりました。締め切り間近に読売新聞に取り上げられたこともあり、定員を大幅に超える申し込みがありました。全国音訳ボランティアネットワークは、この度の事業の数多い後援団体の一つです。

「できることは、何でもやろう」というポリシーのもと、協力しています。会員さんも多数参加していました。誰かのお役に立ちたい、ボランティアを始めたいという声が多数存在する現状を、背景に、男性や若い方も見受けられました。

なかでも、宮城県石巻市の方の「被災地の中でも、恵まれている私も、何かお役にたてることがあればと、参加しました」との声に心打たれました。

当初、私は、この支援員について、少なくとも「読む」ということに関しては、時間やお金をかけて、養成しなくても、声を出すというスキルのある音訳者を活用すべきだと考えておりました。

しかし、私たちの音訳スキルは「明瞭に伝える基礎技術」としては、重要ですが、情報支援としての「読み」は、音訳とは別の技術が必要だということを教わりました。

的確な目の代わりですから、相手が聞き違えずに理解できること。「電話を聞いているだけでみているのと同様に資料が、素早くわかることが目標」と、長年、京都ライトハウスで読み書き支援を行ってきた、加藤俊和さんが、おっしゃっていました。

守秘義務についても、しっかり認識する必要がありますので、「読む」ということに対する、今回のように系統だった講習会が必要だと思いました。初心者も音訳のベテランも関係なく。そして、利用者が安心して、読み書きを依頼できる、支援員にならなければいけないと思いました。

2日間、みっちり勉強させていただきました。参加のみなさんの静かな熱気が伝わってきました。残念ながら、講習会修了後の受け皿があちこちにあるわけではありません。

しかし、受け皿作りが先か、支援員養成が先かという単純な問題ではありません。受け皿ができるまで、待っているわけにはいかない現状もあるわけです。田中章治さんの「安心して頼めるところが、身近にあれば」との声は、正に利用者の切実な願いです。

定員オーバーのためにお断りした方、当日のNHKテレビの放送のおかげで関心を持ってくださった方たちのために、第2弾の開催が、至急検討されています。私のところにも、「この講習会をぜひ、東北でも、やってください」と いう声が寄せられています。

さまざまな地域からの受講者の増加、そして連帯を表明している政治家のみなさんの存在。きっと、図書館や行政も動かざるをえなくなると思います。

私も含め、参加者ひとりひとりが、二日間で得たものを、どんな形であれ、発信していくことも大切ではないでしょうか。

No.205 読書サポート講座

伊藤忠記念財団の主催で「障害のある子どもたちのための読書サポート講座」が、開かれました。

今回は、「わかりやすく伝える技術」というテーマでし。まず、共同通信社の藤田康文さんからは、ご自身が関わっている、年4回発行のみんながわかる新聞「ステージ」のことを、伺いました。読者は「文字によるコミュニケーションが可能な知的障害者」を想定しています。そして「小学校3年生ぐらいがわかる文章」を、めざしているそうですが、子ども扱いはだめ、とのこと。知的障害のある当事者と支援者、そして新聞記者のみなさんで作っています。 一般紙とは違い、特に気をつける点は、難解な言葉、専門用語は、言い換える。回りくどい表現や抽象的、情緒的表現はさける等々です。

最後に、26日の一般紙に掲載された、平泉の世界遺産登録の話題を、参加者が各自まとめることになりました。平泉もついに世界遺産に!東北地方で初めての世界遺産が誕生しました。平安時代に藤原氏が建てた中尊寺などのお寺や庭が、ユネスコから世界遺産として、認められたものです。これらは、仏教の考え方と日本人の自然を大切にするという考えが一緒になって、造られました。今の日本、特に東北地方にとって嬉しいニュースです。

以上、私のまとめたものです。因みに先生からは、最後の部分は、固いと指摘がありました。

さて次は、音声ガイドボランティアグループ シティライツで活動している、武藤歌織さんです。音声ガイドとは、視覚に障害のある人のために、セリフとセリフの間に入れる場面説明だというお話から始まりました。情報を入れすぎると聴く側は疲れるので、ポイントを絞る。「平伏する」などという書き言葉は、分かりづらいので「深くお辞儀をする」というような表現にする。など興味深いお話が続きます。こちらも最後に、実践編が待っていました。

ディズニーアニメの「トムとジェリー」を順番に1分半ほどの場面を担当。ガイドをつけることに。テンポの早い楽しい子ども向けのアニメです。早いテンポに負けない若い人のガイドもおもしろい。私などは、その早さについていけず、意識しているわけではないのに、妙にゆったりしたガイドになり、それもありですね、と慰められて、初体験は、ハラハラドキドキでした。

でも、「わかりやすく伝える」というのは、音訳にも通じることで、少し変わった角度からの勉強になりました。