音ボラネット事務局 のすべての投稿

No.194 音訳希望者と入会申込み

こんな時だから、ボランティアを始めてみようと思う人が、たくさんいるのでしょう。自分の好きなことを生かせるボランティアは何かと考え、ネット上で色々と検索し、私たちのホームページを見つけて、連絡を下さる方が、いつになく多くなっています。

例えば、北九州や長野等、遠方からの音訳希望者に対しては、地元の会員さんから情報を寄せてもらい、それぞれの点字図書館や公共図書館を紹介しています。うまくつながってくれることを願いながら。また、都内もしくは近郊の方には、飯田橋のボラセンにご足労いただき、私から音訳全般のことを直接、説明しています。

中には、声優さんや女優さんもいます。この方たちには、常時、読み手の募集をしている「テープ版読者会」を紹介しました。少なくとも声を出すことのプロですから、物によっては、即戦力になると思います。更にこれらの音訳希望者の中から、個人会員として、入会してくれる方もいます。

また、すでに団体会員登録をしているグループの中の人が新たに個人会員として、申込みをするケース、逆に、個人会員の人が、所属のグループを団体会員にしようと尽力してくれたケース、そして団体会員への申込みは、会の代表の意向、そして会員の同意と、なかなかスムーズにいかないこともあって、個人会員として申し込まれる人が、増えています。いずれにしても、ありがたいことです。

このホームページを通し、最新の情報を発信しています。古くからの方も新しい方も、どうかまめにチェックしていただきたいと思います。特に視覚障害の方からの、急ぎの依頼もありますので、ぜひよろしくお願いします。

No.193 実名を掲載すること

小樽市の方から、メールをいただきました。大学時代の友人に何度も電話しているが、一向に通じない。いつもお互いに、自宅の電話で連絡しあっていたので、携帯をしらない。安否不明で、ずっと心配していた。そんな時、偶然この「藤田が行く」で、その友人の名前をみつけ。(3-25更新の「例会」に掲載) 自分の携帯をここに記すので、何とか先方に伝えてもらえないかと。

その友人とは、福島県広野町の猪狩丈夫さんのことでした。小樽の友人というのは、猪狩さんが音訳ボランティアだったことも、このホームページのことも、知っていたわけではありません。しみじみとネットの凄さと怖さを感じました。

猪狩さんには、そのままメールを転送しました。お二人からは、とても感謝されましたが、私としては、先の見えない避難生活を送っている猪狩さんが、少しでも元気になればと思うばかりです。

ところで、この欄で実名を載せることについては、悩むこともあります。でも、何もかも仮名では信憑性に欠ける気もします。頑張っている人、新しいことにトライしている人を全国のみなさんに、ぜひ知って欲しいと、載せているつもりです。

概ね、「会のことを、紹介してもらって嬉しい」「全国にデビューしたので、これからも頑張る」と好意的に受けとめていただいています。しかし、多分にデリケートな面があるので、今後も気を引き締めて書いていきたいと思います。

No.192 その後のご報告

この度の震災からそろそろ1ヶ月になろうとしています。依然として、16万3000人以上が避難所生活を送っています。岩手、宮城、福島の三県で、身体障害者手帳を持っている視覚障害者は1万6500人。このうち被災した方や避難所にいる方がどのくらいなのか、わかっていません。もちろん安否のわからない人もいますが、その数も不明です。

ようやく厚労省も、視聴覚障害者に適切な情報保証やコミュニケーション支援を行なうように、各都道府県に要請しました。そんな中、みなさまのご協力で、厚労省からの震災情報は、依頼者の高知市の藤原さんから、お仲間の視覚障害者に配信されています。 しかし、せっかくの貴重な情報です。もっと多くの人に伝えたいと藤原さんはじめ、みんな思っていました。

そんな時に、仙台市の音訳ボランティアの佐藤さんから寄せられた情報に、宮城県視覚障害者福祉協会の名前がありました。早速、連絡をとりました。対応してくださった事務局の芳賀さんが、こちらの申し出をとても喜んでくださいました。「協会のある地域は、ライフラインが復旧しましたが、徒歩で20分ほどの職員の家では、ガスが使えません。県内9,9000戸が、まだ停電しています。会員の視覚障害者の中で連絡のとれない人もいます」とおっしゃっていました。「送信していただいたデータは、当方から、仙台市視覚障害者福祉協会と宮城県視覚障害者情報センター(旧点字図書館)へも転送して活用させていただきます」とも。 嬉しいです。今後、この他にも必要な情報があれば、遠慮なくお申し付けください、とお伝えしてあります。

No.191 お礼と更なるお願い

「毎日、厚労省のHPから発信されている災害情報を、視覚障害者にもわかるようにするために、PDFファイルの変換作業をお手伝いしてください」と呼びかけました。当音ボラネットの会員である九州の大木さんを中心に新規会員になったばかりの方、一般の方(お仕事をもっている方)、そして高知の学生さんと支援の輪が広がっています。日々反響があり、みなさまの真心に感謝申し上げます。

さて私は、以前、取材を受けたことのある政党の記者と連絡をとりました。震災後、現地入りし、ずうっと取材を続けているそうです。国は、緊急情報をすべての国民に、すみやかに平等に伝えるという努力をしているでしょうか。日頃から、情報障害者といわれている視覚障害者への配慮がなされていないことをお伝えしました。すると、対策本部の事務局長が、依頼者の藤原さんの地元、高知県選出の議員ということもあって即、厚労省に申し入れをしてくれました。「福祉の党」とうたっているだけに対応が早いと思いました。

現在、従来通りアンダーラインのあるものと、アンダーライン抜きの二種類がアップされています。当事者である藤原さんが、今まで陳情してきた賜物であり、皆さまの後押しの結果だと思います。多くの知恵と力を結集すれば、突破できる、と書きましたが、とりあえず一歩前進です。

更にまた、仙台市の音訳ボランティアの佐藤さんから、嬉しい情報を寄せていただきました。この佐藤さんは、震災後に入会なさった方です。3月30日、東北関東大震災視覚障害者支援対策本部宮城県支援センター(仮称)が設置されることになったそうです。スタッフが直接困っている視覚障害者や支援の必要な方のところに出向くそうです。また、宮城県視覚障害者福祉協会では、今回の震災で白杖をなくした方に無償でお送りするそうです。以下に詳細を載せますので、何とか一人でも多くの被災地の視覚障害者に、この情報が伝わりますように、皆さまからもお伝えください。ぜひとも、よろしくお願いいたします。以下詳細です。

*きのう宮城県視覚障害者センターから、今回の大震災への支援のために上記センターに東北関東大震災視覚障害者支援対策本部宮城県支援センター(仮称)が設置される事になりましたと連絡がありました。スタッフが直接困っている視覚障害者や支援の必要な方の所に出向くそうです。

連絡先は宮城県視覚障害者福祉協会(電話022-257-2022)、仙台市視覚障害者福祉協会(電話022-213-5811)、宮城県視覚障害者情報センター(電話022-234-4047)、日本盲導犬協会仙台訓練センター(電話022-226-3910)の4個所です。

また、宮城県視覚障害者福祉協会では、今回の震災で白杖を無くした方に無償でお送りするそうです(全て直杖で曲がり柄のもの、長さ88〜121センチのもの)。電話022-257-2022まで連絡をとのこと。

No.190 PDFファイル変換 その後

今、世の中では、災害やボランティア情報に大変関心があって、インターネットであちこち調べている人が多いようです。PDFファイル変換について書いた、私の拙文を見てくださった二人の方から、連絡をいただきました。

「こんなやり方があります」「私でもお役にたつことがあれば」と。お一人は、「音訳」という言葉を初めて知ったという方です。本来、見てくれているはずの音訳者からではなく、一般の方からの反応だったことに、正直、驚きました。同時に大変ありがたく思いました。

早速、依頼者と協力者にも伝えました。しかし、私たち見える者にとって「わかりやすく、見栄えのよい資料」を、視覚に障害のある方たちが、耳で聴いて理解できるようにすることは、簡単ではない作業のようなのです。以下、協力者の大木さんからの報告です。 

厚労省のHPで、ほぼ毎日出されている「東北地方太平洋沖地震の被害状況と対応について」をウオッチしています。文書のテキスト化で一番困っていることは、肝心な毎日追加される部分にアンダーラインが入っていて、これをOCRソフトが読みとれず、手打ちしなければなりません。手間取っています。

同時に依頼者の藤原さんは、厚労省に、追加変更部分にアンダーラインではなく、別の何らかの記号で表示するよう要望しています。何とかあと10名くらい、実際の作業をしてくれるボランティアを探してほしいと。被災地の視覚障害者の方々から情報を送ってと言われているそうですが、希望に応えられない現状だそうです。

パソコンに強い学生さんも歓迎です。みなさん、お力をお貸し下さい。これも、大切な災害支援の一つです。ぜひよろしくお願いします。

No.189 例会

何日か前に静岡で桜が開花したと、新聞に小さく乗っていました。 今日、地元の石神井川沿いの桜並木の蕾の先が、ピンク色に染まっていました。季節は確実に巡っています。被災地のみなさまのその後のご無事と健康を祈るばかりです。

さて24日は、私たちの例会の日でした。計画停電のために、電車の20%くらいは運休しています。時刻通り電車が来ず、集まってくるのに、よけい時間がかかります。そんな中で、私たちは、粛々と総会の準備を進めています。

ところで、福島県広野町の会員、猪狩丈夫さんが、震災の翌日から私の住まいのお隣の地域に避難していることがわかりました。「気晴らしにボラセンにどうぞ」とお誘いしました。たまたま、直前に満タンに入れておいたガソリンのおかげで、避難指示も出ていない時点で、これは危ないかもと自宅を後にしたそうです。

半日くらいで帰れるだろうと、軽い気持ちで出てきて、2週間近くたちました。練馬のご実家に身を寄せられているそうです。幸い地震や津波の被害から免れた家が、そこにあるのに、帰るに帰れない状況になっています。地元の様子やボランティアのみなさんの様子を伺いました。もはや、完璧に音訳活動は停止状態とのこと。

突然の会議への参加でしたが、外からの目で貴重な意見を伺いました。猪狩さん自身は明るく元気そうにしていますが、不安とくやしさと悲しみがない交ぜになったような表情がかいま見られました。こういう思いをなさっている方々が、どれほどいらっしゃるのかと思うと、胸がふさがります。

ちょうどこんな時、何人かの方たちから、音ボラネットとして募金をしたらという提案をいただきました。せっかく音訳ボランティアの団体として行うのなら、たとえば日赤を通じて、被災者に送るというような漠然としたものではなく、送り先を限定したほうが、いいのではということになりました。できれば被害にあわれた視覚障害者団体、盲人会のような所が、いいのではと思います。 猪狩さんの提案でもあります。

4月上旬の総会案内の送付時に、詳細をご案内したいと思います。尚、総会当日も募金箱を用意致しますので合わせてよろしくお願い申し上げます。

No.188 続・コーディネート

この「藤田が行く」ですが、表現力もありませんし、文章も決して上手とはいえません。しかし、音訳のこと、その周辺の情報を少しでも、みなさんにお届けしたいとの思いから発信しているものです。それぞれにお忙しい中、私たちのホームページにアクセスして下さるみなさんに感謝しております。その上それに対して、応えてくださる方々がいらっしゃることは、ほんとうに励みになります。

この度のテキストファイルへの変換について、早速にこんなやり方がありますと教えて下さった方がいます。「PDFファイル全てを選択、メモ帳に張りつければ、一瞬でテキストファイルに変換できます」と。

前回、私が書きもらしたことですが、依頼者の高知の藤原さんが、初めに言われたことは、視覚障害者のことをわかっている人、そしてOCRソフトを持っている人に手伝ってもらえれば、ということでした。当事務局ホームページ担当の猪俣も「私も同じように簡単に考えましたが、OCRソフトが売られているということは、そんな単純なことではないような気もします」と。

でも、九州の大木さんを推薦してくれた、千葉の松井さんは「原則、ソフトがあるほうがいいかもしれないが、依頼者がどこまで求めているのかにもよります。このソフトを使わなくても、やり方はあります。パソコンに強い人ならわかるはず」と。

また、このOCRソフトについて、ハートフルブックスの佐藤さんは、「日本語の文章は、漢字・カナ・カタカナ・ローマ字等と複雑なので、正確に読み込むことが難しい。きちんと校正しないと、まともなものができないです」と。「ならば初めから、打ち直したほうが早いのでは。今、春休みの大学生にでも協力してもらって」という、私の素人考えに、藤原さんも松井さんも、それも選択肢の一つと。

なかなか単純にはいきませんが、多くの知恵と力を結集すれば、突破できることが、少なくないと信じます。これからもよろしくお願い致します。

No.187 コーディネート

17日の夜、「高知県視力障害者の生活と権利を守る会」の藤原さんという方から、電話がありました。ご自身も視覚障害者ながら、日常的に全国の視覚障害者に向けて、福祉情報を提供する活動をしているとのこと。

この度の東日本大震災に関する災害情報を発信したいが、ほとんどがPDFファイルで視覚障害者が読むことのできる、テキスト化可能な媒体ではありません。PDFファイルをテキストファイルに変換してくれる団体・個人を募集しようと、高知県ボランティア・NPOセンター「ピッピネット」で呼び掛けましたが、反応はなし。

そこで、高知朗読奉仕者友の会の松田さんに連絡がいき、彼女から当事務局を紹介されたということでした。このことに関して、マスコミ、行政、点字図書館にも相談したけれど、対応できないとの回答。日常的にも厚労省に要望し続けているが、一向に改善されないという現状があるそうです。

今回のような協力依頼は正直、私たちの従来の活動にはないことのような気がしていましたが、困っている人がいれば、何とかしたいと思います。幸い、私たちの全国音訳ボランティアネットワークには、直接、音訳活動はしていないものの、さまざまなノウハウをお持ちの方々がいます。今回も急を要することなので、電話をかけまくりました。

九州在住で、あの月刊「世界」の編集に関わっている大木さん、都内のマルチメディアDAISYにも詳しい、ハートフルブックスの佐藤さんが名乗りをあげてくれました。協力態勢がうまくいくことを祈っています。

さて、緊急情報をリアルタイムで伝えるには、どうしたらいいのでしょうか。人とニーズをコーディネートする場が必要です。本来なら、行政とか図書館とかが、リーダーシップをとるべきことと思います。が、残念ながら無理でしょう。

ならば何とか、みんなで知恵を出しあって協力していくしかありません。自分はできないから関係ない、ではなく、ここにこんな人がいるとか、こんな場所があるとか情報を提供してくれるだけでも、立派な協力です。

この度のことは、不幸な経験ではありますが、それぞれの立場で色々なことを考え直す、いい機会にしていくべきです。今回の総会で、みんなで考えていけたら、より有意義な総会になることでしょう。

さて被災地は言うに及ばず、周辺のみなさんも、まだまだ大変なことがあると思いますが、まさにガンバレ東北、ガンバレ日本、です。

No.186 大震災 その後

安否がわからなかった会員のみなさんが、無事でした。ようやく今朝、電話がつながった方もいます。一番気がかりだった仙台市内の方々が、無事だったのは何よりでした。

直接的な被害はなくても、断水が続いているとか、停電しているとか、生活に支障をきたしている方々が、千葉や茨城でもたくさんいらっしゃるようです。しばらくは音訳ボランティアとしての活動は、残念ながらお休みせざるを得ない状況です。

また、図書館でも被害を受けたところがあります。相模原市立図書館の地下書庫が浸水し、開館の予定がたたないそうです。千葉県立中央図書館も18日まで、臨時休館しているとのこと。その他にも、音訳関連のさまざまな催事が中止もしくは、延期になっています。

私も本日は、筑波大学の青柳先生との打合せのため、つくばまで伺う予定でしたが、つくばエクスプレスが、午後は動かないという情報があり、取り止めました。大学も被害を受けているようです。先生ご自身、視覚障害の方なので、食料の買い出しにも大変な思いをなさっているようです。

都内のスーパーの棚は、ほとんど空っぽ状態。食料は入荷しているけど、絶対量が少ない上、一人一本の牛乳や、一人一パックの卵を何度も足を運び、複数個買っていく人がいるとお店で嘆いていました。今日のテレビで、ある避難所では、アメが一個、小さなゼリーも一個、おにぎりは二人で一個の配給と言っていました。

偉そうなことをいうつもりはありませんが、亡くなられた方々のことや避難生活を余儀なくされているみなさんへの想像力をなくしてはいけないし、思いやりを忘れたくないと思います。

No.185 地震お見舞い

この度の大地震で被害に遇われたみなさまに心より、お見舞い申し上げます。私たちの会員の中の東北地方のみなさん、なかでも仙台市の仙台朗読奉仕の会、伊藤真己さんは、若林区の方、会のみなさんも当然市内の方々だと思われます。月刊「世界」音訳グループの外尾さんもそうです。

福島は、いわき声の奉仕グループ金野トシ子さんはじめみなさん、福島市の特定非営利活動法人にじの会、遠藤幸子さんとお仲間、青森八戸市のやまびこの会、岩手県盛岡市NPO法人岩手音声訳の会のみなさま、ご無事でしょうか?この他の地域のみなさんも、お元気でしょうか。そして何より目のご不自由な方々、ご無事でしょうか。

私ごとで、恐縮ですが、11日の地震発生時は、地下鉄の永田町駅に停車中の電車の中で遭遇しました。とりあえず地上に出て、ヘルメット姿のオフィスからの避難の人たちでごったがえす中、1時間ほど歩いた所で、運よくタクシーに乗ることができ、まだ渋滞前の道路が幸いし、早い時間に帰宅。その後家族は、夜中の2時に帰宅した者、会社で夜明かしした者、知人宅に泊めてもらった者とさまざまでしたが、おかげさまで、みんな無事でした。事務局もみんな、かわりありません。

「福島原発爆発」のニュースには、チェルノブイリなど遠い世界のことと思っていましたが、もはや何が起きても不思議ではない状況になりつつあるようです。大した被害もない都内にいても、日に何回も繰り返される余震は、やはり不気味です。被災地のみなさまの比ではありませんが。みなさまのご無事を祈るばかりです。さぞや不自由な日々を送られていらっしゃることでしょう。月並みですが、頑張ってください。 何かお手伝いできることはありますか。