12月16日ボラセンで、NPO法人大活字文化普及協会事務局長の市橋正光さんとお会いしました。 そして、さまざま情報交換をさせていただきました。そこで市橋さんから、同協会の賛同団体にという申し入れがありましたので快諾しました。名を連ねることにより主宰者はもちろん他の 賛同団体とも連携が深まることを期待します。このことに関連して一言つけ加えます。
皆さまがあちこちで音ボラネットの名前を目にすることで「私たちの音ボラネットがこんなことにも協力してる、こんなところでも頑張っているんだ」と言う風に思ってくださり、励みになってくれたらと思うからなのです。 以前、何かのパンフレットの中に「音ボラネットの名前を発見。嬉しくなってメールをしました」という地方の方がいました。
さて、話を戻します。同協会が進めている「読み書きサービス」という制度のことです。すでに各地で、音訳ボランティアがこのサービスの内の代読を行っています。主に二人一組で自宅に伺い、正に生活情報を音訳(代読)しているわけです。すでにある、この活動をどう捉えるのか。理想は理想として、現実との折り合いをうまくつけていかないと、せっかくのこの度の取り組みがスムーズにいかなくなることがあったとしたら残念なことです。図書館関係者はもちろんのこと、社協やその他多くのみなさんと協力しながら進めていっていただきたいと思います。もちろん私たちができる協力は喜んでさせていただきます。
12月6日、都内で大活字文化普及協会主催のシンポジウム「全ての人が読書・読み書きできる方法を考える」が開かれました。午後外せない私用のため午前のみの参加となりましたが、大変有意義な会でした。
全国の図書館で視覚障害者や高齢者など、読み書きに困難を伴う人のために代読や代筆のサービスを行っていこうというものです。 主に日常生活上必要な地域の回覧物、家電や携帯、パソコンなどの取り扱い説明書、手紙や貯金通帳等々の代読。各種申込書、手紙や宛名書き等の代筆です。
数少ない例ですが、すでに墨田区では図書館職員が自宅を訪問してサービスを行っています。ここには障害者サービスに熱心に取り組んでこられた山内薫さんがいらっしゃるからだと思います。 ところで読書権保証協議会会長の岩井和彦さんは、「情報にアクセスする権利や読書する権利が、基本的人権だとすれば、それをサポートするのはボランティアではない。守秘義務を含めた契約関係に基づく情報支援者だ」とおっしゃっていました。
何でもかんでも、無償のボランティアでいくべきだとは思っていませんので、大変興味深く伺いました。 「声に出して読み上げる」という技術を持っている私たち音訳者が協力できる分野です。どんな形で協力できるのか考えていきたいと思います。
すでに自宅を訪問して対面朗読をしている音訳ボランティアのみなさんがいる現状もあります。ですからボランティアではだめだというのではなくまずは、地域の活動を大切にしながら、少しづつ理想に近づけていけばいいのではないでしょうか。 ともかくせっかくの取り組みです。いろいろな人たちを巻き込んでいくべきです。特に多くの図書館関係者に周知していくべきではないでしょうか。
地下鉄押上駅から地上に出たとたん、一年ぶりにすでに地上500メートルに達した、スカイツリーとご対面です。カメラを構えた人の列が続きます。
この地で12月4日、すみだ録音グループ「声」のみなさんによる朗読会が開かれました。ずいぶん前からご案内をいただいておりましたので、日程調整がスムーズにいきました。 視覚障害者も含め会場一杯の200人が参加、盛会でした。
古典から現代物、そして落語とバラエティに富み、聴衆をあきさせません。衣装というほど凝ったものではありませんが、こちらも工夫しています。
全体を通して感じたことは、「配役の妙」ということです。例えば、源氏物語の葵上は、初々しくはかなげな風情を表せる人、源氏の君は、やはり男性なので声の低いというか太い人、年上の愛人六条御息所は、嫉妬心と哀しみを表現できる人をきちんと選んでいます。声質や年齢等に合わせて役を振り分けるコーディネーターの役は大切です。通常の音訳でも 、公平で中立の立場の人がいてその都度、読み手を選ぶことができるのが理想ではないでしょうか。 読み手によって印象がガラリと変わってしまいます。
さて個人的に一番楽しませてもらったのは、有川浩作「阪急電車」でした。主に阪急電車今津線車内が舞台で、乗り合わせた客の会話で話が進んでいきます。5人の朗読者全員の関西弁がなめらかで、違和感なく物語の世界に引き込まれました。 ある人はアクセント等、関西の友人に教えてもらったそうです。この「声」の何人かのみなさんとは親しくさせていただいていますので、なんとなくわかるのですが、それぞれの人柄にあった役を振り分けられているなと感心しました。
さて、日頃は区の刊行物等を音訳しているグループの娯楽性溢れる朗読の舞台に対する視覚障害者の生の声が聞きたいと思いました。
尚、会場で何人かの方とお話ができて、嬉しかったです。この出会いがまた次につながっていったら幸いです。
12月1日、伊藤忠記念財団の矢部さんと高根沢さんを都立文京盲学校にご案内しました。私たちが協力しているマルチメディアデイジーの寄贈先が盲学校を含むすべての特別支援学校です。
文京盲の澤田校長先生は盲学校校長会の会長を務められています。 一度、矢部さんたちと、今回の取り組みのご案内かたがたご挨拶にと思っておりました。半年間、懸念事項だったことが、その日のうちに解決したと矢部さんから連絡がありました。澤田校長先生が即刻、手配してくださったようです。
私もいつも、このことは、どこのどなたにご相談お願いすれば、事がスムーズに運ぶか考え、人脈を大切にしてきました。どんなにすばらしい取り組みも一歩間違えると、自己満足に陥りかねません。 広くいろいろなお立場の方々の協力が欠かせません。
このマルチメディアデイジーがひとりでも多くの障害児童に活用してもらえるよう、最大の努力をしていかなくてはなりません。読みはもちろんのことですが、その他のことでもお役にたてることがあれば、やらせていただきたいと思っています。
1月の「マンガを読んでみよう」に続き11月20日に「実践編」を開きました。 1回目は利用者のみなさんから「マンガも読みたい」という熱い思いをたっぷり聞かせていただきました。苦手意識を克服して頑張ってマンガに挑戦してみようと、地元に帰ってみるとどんなふうに読んだらいいのか、現実は迷うことばかり。ぜひ続編をとの声に、初の講習会の開催となりました。
さて当日は、参加者に事前に配布した課題の読み原稿を持参してもらいました。 講師の三浦さんが受講者の間を回りながら、当てていくというやり方が良かったのでしょう。みなさん緊張しながらも、次々と発表してくれました。
続いて文字が一切ない2コママンガを、即興で読んでみることに。これがまたおもしろかった。登壇者としてお呼びしていた若い利用者のお二人の反応が楽しそうで、その場で感想を伺ったりしました。
ところで、嬉しいことにこの一年の間に、各地で複数のCDができました。「ゴルゴ13」「アドルフに告ぐ」「ブラックジャック」「岩崎弥太郎」と、みなさんで聞かせていただきました。 試行錯誤しながらも、どれもなかなかよくできています。
1回目のシンポジウムの時も話題に上がりましたが、やはりマンガが好きでなければ音訳するということは厳しいと思います。マンガは読み手を選ぶものではないでしょうか。
尚、会場には図書館の職員の方も参加してくださいました。音訳者に混じって熱心にメモをとる様子を拝見してありがたいと思いました。 ここから連携の輪が広がることを切に願います。
11月13日伊藤忠記念財団主催で上記講座が開かれました。事務局の鶴岡と参加しました。 そもそも財団では、障害のある子どもたちに良書をということで、マルチメディアデイジーを作成し、主に特別支援学校に寄贈するという事業が進行中です。
私たち音ボラネットで音訳のみの協力をしております。2010年度の目標30タイトルは、なんとか年内で読み終わります。財団で編集し完成の予定ですが、何タイトルかはできあがったものがあります。関係者によるモニタリングが始まります。
ところで、子どもたちが再生機(パソコン)を自分で操作することは難しい状況ですのでそれをサポートする人が必要です。 今回のこの催しは、そのサポーターを育てるという取り組みです。 丸一日の講習でしたが、音訳者や学生、社協や学校関係者と熱心なみなさんが集まりました。
内容としては
〇全盲、弱視など「読みやすさ」を必要とする子どもたち
〇学習障害、発達障害など「読み」に困難のある子どもたち
〇知的障害、自閉症など「わかりやすさ」を必要とする子どもたち、をサポートするには、という3講座がとりわけ勉強になりました。
京都の養護学校の藤澤和子先生、石川の特別支援学校の河野俊寛先生からは現場での熱心な取り組みの報告がありました。興味深く伺いました。 藤澤先生が少なくとも1冊の本を3通りの読みで作ってもらうとありがたいとおっしゃっていました。理想は一人一人の障害に合わせたものができるといいですが、残念ながら現実には厳しい状況です。
再生ソフトのAMIS3.1(アミ3.1)は、文字のサイズ、書体そして縦組横組、背景色や文字色も変えられます。また読みの速度もしかり、です。このことによってさまざまな障害のある子どもたちに対応が可能となるでしょう。それにしてもやはりサポーターの養成が急務です。一人一人の子どもたちにとって、初めからベストのものはできませんが、一つずつ環境を整えることによって、よりよいものが作られていくと確信しました。
いずれにしても、私たち音訳者はやはり、読みの基本を大切にし、質の高いものを提供していくことにつきると思います。
「サイトワールド2010」が例年のごとく、11月1日2日3日、すみだ産業会館サンライズホールで開催されました。 今年で5回目となるこの催しは視覚障害者向けの総合イベントとして、この期日のこの会場での開催ということで定着しています。 さまざまな機器や製品の展示、シンポジウムや講演会、シネマライブ等多彩です。
ところで毎回ボランティアとしての協力依頼がきます。私も毎度、人の手配ばかりでは申し訳ないので、事務局からの7名といっしょに2日間お手伝いしました。今回初めて、パンフレットに協力ボランティアとして「全国音訳ボランティアネットワーク」と名前が入りました。
さて会場ではたくさんの方にお会いしましたが、特に静岡の増本先生、稲垣さん、長野の脇坂さん、大阪の小林さんとお話ができて嬉しかったです。この催しは毎回たくさんのボランティアが支えているという一面もあるわけです。
そんな中、今回都立橘高校の一年生が先生に引率されて参加していました。どっちがガイドしているのかわからない場面もあり、初めは戸惑っていましたが、みんないい笑顔で頑張っていました。これからもさまざまな機会にこういう若い人たちを巻き込んでいけたら色んな意味で有意義だと思いました。ボランティアも高齢化しているわけですから。
またすでに2011年度の開催が決定しています。ぜひ今から頭の片隅に入れておいてください。
10月25日午後から、日本カトリック会館に20日の打合せで、事務局の泉、大田、島村と共に伺いました。 ロゴス点字図書館の高橋さん、施設管理の近藤さん、そして音響の佐藤さんにも同席していただきました。
ここをお借りするのも3回目。三人とも、私たちの意図するものをよくわかってくださっています。 今回はプロジェクターの使用もありませんし、CDの再生のみですから、わりあい楽です。 あとは、前日の19日に資料等の搬入と最終打合せを行うのみです。 この会館は全国の司教さんたちが集まって会議等を行う場所でもあります。設備も充実していますし、とてもきれいです。そして東京駅から近いので特に地方の方からは好評です。すぐそばにビジネスホテルもできました。
そもそも何年か前に、ロゴス点字図書館でアルバイトを募集していた時に、ある人を紹介したのがきっかけでした。 それ以来のお付き合いです。会場探しはほんとうに大変ですので、とても助すかっています。ご縁というのは、ありがたいものです。大切にしていきたいと思います。
ところで、前述の豊島区立中央図書館ひかり文庫の田中さんから、20日当日、参加とのご連絡をいただきました。また一人図書館の方が増えました。ありがとうございます。
10月25日、3ヵ所目の訪問です。事務局の泉の紹介で、豊島区立中央図書館ひかり文庫の田中さんと上司の秋山さんにお目にかかりました。11月20日は土曜日なので図書館としては職員の配置が難しい曜日とのことですが(交代で出勤しているようです)参加を前向きに検討してくださるそうです。田中さんは、もちろん製作者側ですが、利用者の立場でもあります。ぜひ参加していただければと思います。
メールや電話では伝わらないこちらの「思い」を理解していただくには、顔と顔を合わせて話すことに勝るものはありません。
ところでこの世界では新参者ですし、一介の主婦です。足元を見られることがなきにしもあらず、ですが、あちこち伺い、さまざまな立場の方々にお目にかかっているものですから、縦割り社会の皆さんには見えていないことが、見えることが多々あります。
例えば、公共図書館と点字図書館とで日頃からもう少し連携がとれていれば、簡単に解決できるのにと思うことがあります。そんなわけで毎回連携の大切さを訴えています。皆さん同感ですとおっしゃるのですが、現実はお役所のようなところがあるのは残念です。
尚今回、田中さんから、全国の雑誌の音訳の現状を把握していたら教えてと言われ、当音ボラネットの資料を提供しました。こういうまとまった資料があまりないので助かったと言われました。お役にたたてよかったです。
いろいろなルートはあるでしょうが、新幹線で新大阪まで。そして乗り換えて、神戸三宮へ。更に高速バスで瀬戸の海を渡り、淡路島へ。 我が家を出発してから約7時間ちかく、遠いなあというのが正直な感想でした。 この頃、「総会を地方でもやってください。東京へはなかなか出て行けませんから。」という声が聞こえてくるのですが、よく、わかります。
さて11月20日、洲本市文化体育館で、地元の「デイジー淡路」の創立10周年の講演会が開かれました。内容は、講演、バリトン歌手時田直也さん(利用者)の歌とおはなし、シナノケンシ(株)による研修会でした。
ところでこの「デイジー淡路」は代表の安岡秀美さんを中心にわずか11名の会員ながら、デジタル化への取り組みを内外に広げてきました。 定年後は趣味の世界でと考えていたご主人も巻き込みDAISYの勉強に東京に通ったという安岡さんご夫婦です。ここでもやはり男性の存在が、会のいいバランスをとっているようにお見受けしました。
講演会には、洲本市長はじめ、島内外から利用者を含む130名近い方々が集まりました。中には東京「多摩市音訳グループ繭」の幸野尚子さんたち、京都「NPO法人 ロバの会」の山田新作さん一行と地域で熱心に活動を続けている方たちも駆けつけてくれていました。 「デイジー淡路」の皆さんの10年間のたゆまぬ活動の結果だと感動しました。
終了後、三木市の澤井美紀子さんともゆっくりお話ができました。大阪の会員さんともお会いしました。地方にあってそれぞれに頑張っているみなさんから、いろいろ教えられます。
この「デイジー淡路」とは違い、利用者、音訳者、行政、図書館等それぞれの立場のそれぞれの言い分があって、DAISY化への移行がなかなか厳しい所があります。しかし、待ったなしの現状があるわけですから、利用者、行政、図書館等に対してDAISYのメリット、世の中の流れを語りつつ、先ずは、音訳者がDAISY化への取り組みを今日から始めなくてはなりません。
安岡さんのようにそのためのお手伝いをしてくださる方が各地にいらっしゃいます。お困りの方は、とりあえず音ボラネットの事務局にご連絡ください。
全国音訳ボランティアネットワーク通称〝音ボラネット〟のサイトです!