1月の「マンガを読んでみよう」に続き11月20日に「実践編」を開きました。 1回目は利用者のみなさんから「マンガも読みたい」という熱い思いをたっぷり聞かせていただきました。苦手意識を克服して頑張ってマンガに挑戦してみようと、地元に帰ってみるとどんなふうに読んだらいいのか、現実は迷うことばかり。ぜひ続編をとの声に、初の講習会の開催となりました。
さて当日は、参加者に事前に配布した課題の読み原稿を持参してもらいました。 講師の三浦さんが受講者の間を回りながら、当てていくというやり方が良かったのでしょう。みなさん緊張しながらも、次々と発表してくれました。
続いて文字が一切ない2コママンガを、即興で読んでみることに。これがまたおもしろかった。登壇者としてお呼びしていた若い利用者のお二人の反応が楽しそうで、その場で感想を伺ったりしました。
ところで、嬉しいことにこの一年の間に、各地で複数のCDができました。「ゴルゴ13」「アドルフに告ぐ」「ブラックジャック」「岩崎弥太郎」と、みなさんで聞かせていただきました。 試行錯誤しながらも、どれもなかなかよくできています。
1回目のシンポジウムの時も話題に上がりましたが、やはりマンガが好きでなければ音訳するということは厳しいと思います。マンガは読み手を選ぶものではないでしょうか。
尚、会場には図書館の職員の方も参加してくださいました。音訳者に混じって熱心にメモをとる様子を拝見してありがたいと思いました。 ここから連携の輪が広がることを切に願います。
11月13日伊藤忠記念財団主催で上記講座が開かれました。事務局の鶴岡と参加しました。 そもそも財団では、障害のある子どもたちに良書をということで、マルチメディアデイジーを作成し、主に特別支援学校に寄贈するという事業が進行中です。
私たち音ボラネットで音訳のみの協力をしております。2010年度の目標30タイトルは、なんとか年内で読み終わります。財団で編集し完成の予定ですが、何タイトルかはできあがったものがあります。関係者によるモニタリングが始まります。
ところで、子どもたちが再生機(パソコン)を自分で操作することは難しい状況ですのでそれをサポートする人が必要です。 今回のこの催しは、そのサポーターを育てるという取り組みです。 丸一日の講習でしたが、音訳者や学生、社協や学校関係者と熱心なみなさんが集まりました。
内容としては
〇全盲、弱視など「読みやすさ」を必要とする子どもたち
〇学習障害、発達障害など「読み」に困難のある子どもたち
〇知的障害、自閉症など「わかりやすさ」を必要とする子どもたち、をサポートするには、という3講座がとりわけ勉強になりました。
京都の養護学校の藤澤和子先生、石川の特別支援学校の河野俊寛先生からは現場での熱心な取り組みの報告がありました。興味深く伺いました。 藤澤先生が少なくとも1冊の本を3通りの読みで作ってもらうとありがたいとおっしゃっていました。理想は一人一人の障害に合わせたものができるといいですが、残念ながら現実には厳しい状況です。
再生ソフトのAMIS3.1(アミ3.1)は、文字のサイズ、書体そして縦組横組、背景色や文字色も変えられます。また読みの速度もしかり、です。このことによってさまざまな障害のある子どもたちに対応が可能となるでしょう。それにしてもやはりサポーターの養成が急務です。一人一人の子どもたちにとって、初めからベストのものはできませんが、一つずつ環境を整えることによって、よりよいものが作られていくと確信しました。
いずれにしても、私たち音訳者はやはり、読みの基本を大切にし、質の高いものを提供していくことにつきると思います。
「サイトワールド2010」が例年のごとく、11月1日2日3日、すみだ産業会館サンライズホールで開催されました。 今年で5回目となるこの催しは視覚障害者向けの総合イベントとして、この期日のこの会場での開催ということで定着しています。 さまざまな機器や製品の展示、シンポジウムや講演会、シネマライブ等多彩です。
ところで毎回ボランティアとしての協力依頼がきます。私も毎度、人の手配ばかりでは申し訳ないので、事務局からの7名といっしょに2日間お手伝いしました。今回初めて、パンフレットに協力ボランティアとして「全国音訳ボランティアネットワーク」と名前が入りました。
さて会場ではたくさんの方にお会いしましたが、特に静岡の増本先生、稲垣さん、長野の脇坂さん、大阪の小林さんとお話ができて嬉しかったです。この催しは毎回たくさんのボランティアが支えているという一面もあるわけです。
そんな中、今回都立橘高校の一年生が先生に引率されて参加していました。どっちがガイドしているのかわからない場面もあり、初めは戸惑っていましたが、みんないい笑顔で頑張っていました。これからもさまざまな機会にこういう若い人たちを巻き込んでいけたら色んな意味で有意義だと思いました。ボランティアも高齢化しているわけですから。
またすでに2011年度の開催が決定しています。ぜひ今から頭の片隅に入れておいてください。
10月25日午後から、日本カトリック会館に20日の打合せで、事務局の泉、大田、島村と共に伺いました。 ロゴス点字図書館の高橋さん、施設管理の近藤さん、そして音響の佐藤さんにも同席していただきました。
ここをお借りするのも3回目。三人とも、私たちの意図するものをよくわかってくださっています。 今回はプロジェクターの使用もありませんし、CDの再生のみですから、わりあい楽です。 あとは、前日の19日に資料等の搬入と最終打合せを行うのみです。 この会館は全国の司教さんたちが集まって会議等を行う場所でもあります。設備も充実していますし、とてもきれいです。そして東京駅から近いので特に地方の方からは好評です。すぐそばにビジネスホテルもできました。
そもそも何年か前に、ロゴス点字図書館でアルバイトを募集していた時に、ある人を紹介したのがきっかけでした。 それ以来のお付き合いです。会場探しはほんとうに大変ですので、とても助すかっています。ご縁というのは、ありがたいものです。大切にしていきたいと思います。
ところで、前述の豊島区立中央図書館ひかり文庫の田中さんから、20日当日、参加とのご連絡をいただきました。また一人図書館の方が増えました。ありがとうございます。
10月25日、3ヵ所目の訪問です。事務局の泉の紹介で、豊島区立中央図書館ひかり文庫の田中さんと上司の秋山さんにお目にかかりました。11月20日は土曜日なので図書館としては職員の配置が難しい曜日とのことですが(交代で出勤しているようです)参加を前向きに検討してくださるそうです。田中さんは、もちろん製作者側ですが、利用者の立場でもあります。ぜひ参加していただければと思います。
メールや電話では伝わらないこちらの「思い」を理解していただくには、顔と顔を合わせて話すことに勝るものはありません。
ところでこの世界では新参者ですし、一介の主婦です。足元を見られることがなきにしもあらず、ですが、あちこち伺い、さまざまな立場の方々にお目にかかっているものですから、縦割り社会の皆さんには見えていないことが、見えることが多々あります。
例えば、公共図書館と点字図書館とで日頃からもう少し連携がとれていれば、簡単に解決できるのにと思うことがあります。そんなわけで毎回連携の大切さを訴えています。皆さん同感ですとおっしゃるのですが、現実はお役所のようなところがあるのは残念です。
尚今回、田中さんから、全国の雑誌の音訳の現状を把握していたら教えてと言われ、当音ボラネットの資料を提供しました。こういうまとまった資料があまりないので助かったと言われました。お役にたたてよかったです。
いろいろなルートはあるでしょうが、新幹線で新大阪まで。そして乗り換えて、神戸三宮へ。更に高速バスで瀬戸の海を渡り、淡路島へ。 我が家を出発してから約7時間ちかく、遠いなあというのが正直な感想でした。 この頃、「総会を地方でもやってください。東京へはなかなか出て行けませんから。」という声が聞こえてくるのですが、よく、わかります。
さて11月20日、洲本市文化体育館で、地元の「デイジー淡路」の創立10周年の講演会が開かれました。内容は、講演、バリトン歌手時田直也さん(利用者)の歌とおはなし、シナノケンシ(株)による研修会でした。
ところでこの「デイジー淡路」は代表の安岡秀美さんを中心にわずか11名の会員ながら、デジタル化への取り組みを内外に広げてきました。 定年後は趣味の世界でと考えていたご主人も巻き込みDAISYの勉強に東京に通ったという安岡さんご夫婦です。ここでもやはり男性の存在が、会のいいバランスをとっているようにお見受けしました。
講演会には、洲本市長はじめ、島内外から利用者を含む130名近い方々が集まりました。中には東京「多摩市音訳グループ繭」の幸野尚子さんたち、京都「NPO法人 ロバの会」の山田新作さん一行と地域で熱心に活動を続けている方たちも駆けつけてくれていました。 「デイジー淡路」の皆さんの10年間のたゆまぬ活動の結果だと感動しました。
終了後、三木市の澤井美紀子さんともゆっくりお話ができました。大阪の会員さんともお会いしました。地方にあってそれぞれに頑張っているみなさんから、いろいろ教えられます。
この「デイジー淡路」とは違い、利用者、音訳者、行政、図書館等それぞれの立場のそれぞれの言い分があって、DAISY化への移行がなかなか厳しい所があります。しかし、待ったなしの現状があるわけですから、利用者、行政、図書館等に対してDAISYのメリット、世の中の流れを語りつつ、先ずは、音訳者がDAISY化への取り組みを今日から始めなくてはなりません。
安岡さんのようにそのためのお手伝いをしてくださる方が各地にいらっしゃいます。お困りの方は、とりあえず音ボラネットの事務局にご連絡ください。
16日に伊藤忠記念財団のマルチメディアDAIZYの連絡会が開かれました。アドバイザーの松井進さんと千葉のメンバー、それに今回のこのプロジェクトのために立ち上げた事務局のメンバーが集まりました。
まず財団からはこのプロジェクトの概要についての話をしていただきました。自己紹介。進捗状況の説明もしていただきました。松井さんからの原案を叩き台として事務局で作った今回用のマニュアルの説明と続きました。
すでに読み上がったもの、ただ今進行中のものと合わせると、2010年度目標分30タイトルは、ほぼ達成ということになります。 当然ながら読みの速度、質とさまざまですがひいき目、いえ、ひいき耳で聴いてもなかなかのできではないかと思います。 私たちとしては、少しでもクオリティの高い音源の提供をめざしています。次の段階として、完成したものについて、関係者へのモニタリングを開始するそうです。
月刊誌「世界」のプロジェクトのように初年度が終了すれば、いい意味で慣れ、が生まれ、自信も出てくると思います。今は何もかもが試行錯誤、産みの苦しみでしょうか。 新しい取り組みにいい結果を残したいものです。
今回の「マンガも読んでみよう 実践編」開催に際して、日頃から私たちの活動に関心をお持ちの図書館をいくつか訪問しております。
14日には私の地元である練馬区立光が丘図書館を、事務局の藤本と訪ねました。練馬区は中央図書館がなく、ここ光が丘図書館がセンター的役割をしています。利用者から「マンガ」のリクエストがあり当音ボラネットの取り組みに注目してくださっていて、春頃に伺うことになっていましたが、担当者が変わり今になりました。それにしてもこちらの図書館で活動している藤本の根回しのおかげです。日頃から会報等を届けたりしてくれていたことが、きっかけになりました。
利用者のためにも、音訳者のためにも連携が必要と考えているのですが、図書館の敷居はなかなか高いようです。お互いに情報交換から始められればと思うのです。
新宿区立戸山図書館の大城館長は、手塚治虫氏が新宿区ゆかりのマンガ家なので、「なんとか彼の作品を取り揃えられたら」とおっしゃる。この話を光が丘図書館の佐藤障害者サービス係長にお伝えすると、「では、練馬は、区内在住の松本零士氏の作品でしょうか」と。
あちこちの図書館でゆかりのマンガ家の作品やご当地マンガが、音訳されたらどんなにか楽しいことでしょう。 あの地、かの地で読まれたものが、ある一定のレベルのものであれば、図書館に寄贈、貸出しができるようにしてほしいものです。そんな日が一日でも早くくることを祈りながら、今回のこの企画が、そのきっかけ作りになったら嬉しいです。
ご興味のある図書館関係の方がいらしたら、ぜひご参加ください。
「マンガも読んでみよう 実践編」
日時 11月20日(土)10時〜16時
会場 日本カトリック会館マレラホール(JR潮見駅徒歩7分)
要申込み(音ボラネット事務局)
10月9日あいにくの雨の中、「競い合い助け合うコンサート2010」羽ばたけ視覚障害音楽家たち、が開かれました。今年もたくさんの方にチケットを買っていただきました。一度参加してくださるとリピーターになる方がほとんどで一年ぶりのご対面という方も少なくありません。
今回、会場が少し狭い杉並セシオンに変わりました。広い会場で空席が目立つよりそれなりの広さで、ほぼいっぱいという状態の方がいいというところでしょうか。会場費のこともあるでしょう。しかし、お天気のせいもあってか、空席が目立ちます。何とか一人でも多くの人に参加してほしいと思います。
主催の視覚障害者支援総合センター、理事長高橋實さんの「生まれてきてよかったという喜びを味わうために、チャンスとチャレンジの場を確保していかなければならない」という言葉をみんなで受け止めていけたらいいなあと思います。
尚、今回はチケットの売りさばきだけではなく、駅からの誘導も依頼されました。会場が変わったということと、毎回お手伝いしてくださる方たちが今回、都合の悪いかたが重なったようです。急なことで、地元の本間さん陣野さん、古い友人の太田さんに無理をお願いし、わが息子も加えた、にわかガイド集団となりました。
ふたを開けてみると、学生さんや若い方たちがたくさんお手伝い要員できてくれていました。職員のみなさんの尽力のおかげでしょう。今後もぜひ、若い方たちを巻き込んでいけたらいいなあと思ったしだいです。 みなさま、ほんとうにありがとうございました。
少し前に、文京区社会福祉協議会、ボランティアセンターの土屋さんからメールをいただきました。 毎年行っている音訳者の初級講習会の見直しを考えているので、何かアドバイスをということでした。直接顔を合わせて、情報交換させていただきたいとお伝えしました。 7日に文京区のボラセンに伺いました。
昨年は毎週水曜日午後の2時間枠で講義と講演と実習を含めて15回の開催だったそうです。講演は当事者をお招きしているとのこと。大切なことだと思います。最初に視覚障害者の目の代わりであり、文字情報を音声に変えて伝える活動であることを明確にしてはと提案しました。
しかし、音訳者募集とすると、応募が少なく、朗読という言葉を入れると多くなるということでした。 難しいです。でも多少人数が減ったとしても、目的がはっきりしているほうが、受講者の心構えが違うと思うのですが、いかがなものでしょうか?
そしてまた、最後に「テープ吹き込み実習」とありますが、これはもはや、デジタル録音が主流。現状を認識の上、ぜひ検討してほしいとお伝えしました。
文京区の中には、筑波大学附属視覚特別支援学校と都立文京盲学校があります。何か特色ある活動ができるのではないでしょうか。 ともかくも若い職員の方が情報を集めて、より良い活動をと頑張っている姿に可能なかぎり協力させていただこうと思いました。ここでも連携の大切さを訴えました。
全国音訳ボランティアネットワーク通称〝音ボラネット〟のサイトです!