音ボラネット事務局 のすべての投稿

No.134 NPO法人新現役ネット

3月16日(火)、私たちの活動拠点である飯田橋のボランティアセンターでNPO法人「新現役ネット」の久保田さんとお会いしました。中高年がいきいき活動するためのお手伝いをしようと設立されたNPOです。約1万人6千人の方々が所属、セミナーやイベント活動を行いながら、新しい仲間づくりも行っているそうです。

この中で音訳に興味のある人を募り、、勉強し、ボランティアグループとして活動していきたいという構想をお持ちのようです。インターネット等で情報を探していたところ当音ボラネットのホームページを見つけたということでした。

録音物も、音訳者も足りているわけではない。しかし、音訳者養成講座が定期的にどこかで開かれているわけではない。したがって、自前でとりあえず初級講座だけでも開いていただけるとありがたい。そうすれば、その後は地域の音訳グループ等も引き受けやすくなるだろうと思います。そして、講習の際には「音訳とは」「何のための、誰のための活動か」等をきちんと伝えてほしいとお願いしました。

色々なところの様々な取り組みによって視覚障碍者等の生活、学習、読書環境が少しでも前進することを願います。そして、そのためにはお互いに連携することが大切だと痛感しています。

No.133 財団法人伊藤忠記念財団 訪問

3月14日(日)板橋区大山にある財団法人伊藤忠記念財団を訪問しました。会報担当の大田と一緒です。1月に行われた「マンガも読んでみよう」シンポジウムに参加して下さったご縁です。館内の案内もしていただきました。

子ども文庫の助成事業や施設提供事業を主な活動としています。建物自体、東京小中学生センターと称する民間の児童館になっていて、自習室、本の部屋、音楽スタジオ、ワークルーム等の部屋があります。

新規事業として、視覚障碍をはじめ、読書に障碍を持つ子どもたちへのマルチメディアデイジーへの取り組みを始められるとのこと。職員の女性の方がリハ協での研修に参加しているそうです。今後、当音ボラネットとして何かお手伝いできることがあればと、施設事業部長の矢部さんと情報交換させていただきました。

No.132 チームリーダーの打ち合わせ

3月1日(月)、月刊「世界」音訳プロジェクトのチームリーダーの打ち合わせがありました。月号からの読み担当が決まりました。仙台チームは中心者の方が急逝されて、会として参加できるかどうか厳しい状況だとか。遠いところ、外尾さんが今回も参加してくれました。ひとつの会で1チームを作っているところも、あくまでその会の有志が参加しているという形が多いようです。

会が大きければ大きいほど、全体の意思統一を図ることは難しいようです。皆さんの実状を伺いながら雑誌を読むことの大変さを改めて実感しました。尚、編集は今まで「テープ版読者会」の舛田さん一人でした。「週刊金曜日」も編集・発行しています。時間との戦いだったことと思います。嬉しいことに4月号から九州の大木さんと長野の脇坂さんが加わります。お二人とも直接お会いし、情報交換したこともあり、とても懐かしく力強く思いました。

特に大木さんは音訳に定年制などはふさわしくなく、年齢的に音訳は厳しい状況になっても、校正や編集などの分野で活動できるというようなことをおっしゃっていた方でした。今後の高齢者の方々の関わり方へのひとつのお手本だと思います。

ほんとうにインターネットの時代だからこそできることであり、各地の音訳者の皆さんをはじめ、コーディネートの松井さん、発行のヘレン・ケラー協会の堀江さん、編集の舛田さん大木さん脇坂さんたち多くの皆さんのネットワークによるものです。今後もこのような形で新しいものが生まれたら、素晴らしいです。

No.131 シンポジウムへの参加

2月27日(土)、シンポジウム「やさしく読みやすい本」が読書の扉をひらく!〜知的障害・自閉症のある人の読書環境を考える〜が江戸東京博物館で開かれました。

当初から参加予定にしておりましたが、直前になって主催の読書工房の成松さんから、当日の誘導等のお手伝いの要請が来ました。地元「墨田朗読グループ・声」の牧野さん、小池さん、当音ボラネット事務局の鶴岡、大田、そして私とでお手伝いさせていただきました。それぞれの立場での発表がありましたが、特に公共図書館や学校図書館での取り組みを興味深く聞かせていただきました。

やはり、有効な手段のひとつはマルチメディアDAISYでしょう。音訳者にとってまだなじみの薄い分野かもしれませんが、このマルチメディアDAISYの音声部分に「音訳者の出番」があるように思います。これからのことですが、また、色々な方々と情報交換していきたいと思いました。音訳ボランティアの皆さんも、ほんのわずかですが参加していました。「声」の方が「お手伝いの要請がなければ、きっと参加しなかったと思います。でも、勉強になりました。」と言われていました。

ところで、私はあちこち伺いいろんな方々にお目にかかります。この世界はあまり広くありませんから、いつも熱心な同じ方々に出会うことがあります。回を重ねる毎に私たち音ボラネットのことを少しずつでもご理解いただけていると実感しています。

更に必ず新しい出会いもあります。今回も会場で声をかけて下さった佐藤さんという方は、マルチメディアDAISYの音声部分に問題ありと感じていらっしゃる方です。ならば、今後音訳ボランティアと連携していけたらというようなことを話されていました、一度ゆっくりお話を伺いたいと思っています。

No.130 「はこちゃんのおひなさま」

少し寒さがゆるんだ2月20日(土)鎌倉にある「銀の鈴社」を訪ねました。「はこちゃんのおひなさま」という絵本の原画展が開かれています。とてもやさしい味わい深い牧野鈴子さんの絵です。

作者は当音ボラネットの長野市内の個人会員、丸田かね子さんです。丸田さんは音訳ボランティアとしての活動のかたわら、作品作りの勉強も続けてこられたようです。以前にも数冊本を出されています。

幼い「はこちゃん」の体験が胸を打ちます。たったひとりでの遠い親戚への疎開。そして東京大空襲で家もお父さんの工場も灰になります。その後、家族で暮らせるようになりますが、知り合いの納屋での生活は厳しいものです。そんな中、お母さんが亡くなります。

そんな「はこちゃん」をその後もずうっと見守っていたのは、お母さんにそっくりの官女をはじめとしたおひなさまだったのです。読みながら涙が出ましたが何だかとっても優しい気持ちになりました。

私はこの本を一人でも多くの人、とりわけ子どもたちに読んで欲しいと思います。すでに読み聞かせをしている何人かの方たちが買い求めてくれました。結果、音訳のかたわら、学校や老人ホームなどで読み聞かせをしている方が多いことを知りました。

No.129 三療音訳会の勉強会

都立文京盲学校と三療音訳会のご協力とご厚意で毎月1回の勉強会に、音ボラネットの会員が参加させていただいてそろそろ1年がたちます。私も久しぶりに2月18日(木)に伺いました。

一冊の雑誌を皆さんで分けて読んでみることになったようです。早い人は三療音訳会の成田さんに校正をお願いしていました。

やはりなかなか難しい分野です。少し勉強したからといって、楽に読めるといったものではないようです。それぞれのグループでの活動が優先なのは当然ですが、合間をぬって引き続き勉強会に参加できる人がいるとありがたいと思います。

三療音訳会代表の依田さんたちとご相談させていただきながら、少しずつ実践読みができるといいです。三療音訳会が手が余っているわけではありません。三療関係の録音物が足りているわけでもありませんから。

No.128 月刊「世界」

2月15日(月)月刊「世界」音訳プロジェクト混合チームの2回目の打ち合わせがありました。混合チームという名のとおり、いくつかのグループから名乗りをあげ、集まったきてくださった個々の音訳者の皆さんです。ほとんどの人が雑誌を読むのは初めて、何かあってもグループの中で話し合い、解決するというわけにはいかないところが不安だと思います。

まず、この混合チームのリーダーを決めました。音ボラネットのスタッフでもあり「葛飾音訳ボランティアの会」代表でもある鶴岡さんが引き受けてくれました。

今後リーダー会議が開かれ、更に統一のとれた音訳作業ができることでしょう。全6グループ年に2回の音訳ということになります。編集も今までは「テープ版読者会」の舛田さんが一人でしたが、あと二人地方から助っ人が見つかったそうです。

正にネットワークです。この「世界」の依頼者の新潟の方も「すばらしい録音」と喜んでくださっているそうです。引き続き音訳者を募集しています。

No.127 ある依頼から

二度目のリクエストが来ました。ある地方都市にお住まいの46歳の視覚障碍の方からです。法律関係の本を読んで欲しいというものです。

まず地元の県立の点字図書館に依頼したところこんな難しいものは読めないと断られたそうです。また、ボランティアグループにも直接声をかけたそうですが、小説とかなら読めるけれど、と言われたとのこと。双方から話を聞いたわけではありません。何か断った方にも言い分があるかもしれません。図書館のいいわけとして「予算がない」というのはままあるそうですが。

でも、少なくとも点字図書館もボランティアも視覚障碍の方のサポートをしているのではないでしょうか。特に図書館なら自館でできないのなら「こういう所がある」というような情報すら伝えられないのでしょうか。

この方は自力でインターネットでどこか読んでくれそうな所はないかと探していて、私たちのホームページを見つけたということでした。1回目の時は当事務局スタッフの紹介で横浜に音訳テープがあるということで直接送っていただきました。

今回は、以前、活動状況アンケートに唯一、法律関係のものに対応できると答えてくださっていた名古屋YWCAの堀尾さんに打診。二つ返事で引き受けていただきました。

「最近の法律書は図が多く、欄外にキーワード、二色刷りなど、ビジュアルとして見やすくなっています。これらをどのように読んでいくか、まずはマニュアル作りから始めます」と報告が来ました。

この依頼者は若い時、何か資格を取りたいと法律の勉強を思いたったが、当時は今のように教材やテキストも見つからず、あきらめてしまったという経緯があるようです。今になって、また、勉強してみたくなったそうです。お互いにいくつになっても「学ぶ」という姿勢は大切です。少しでも応援したいと思います。

さてさて、以上のことに関連して音訳者のみなさんに「お願い」です。私たち音ボラネットの大きなやくわりのひとつに「コーディネートの場」があります。どこでどのような物が読まれ、どのような分野なら協力・応援ができるというデータがないとコーディネートのしようがありません。そこで情報が古くなっているということもありますし、ありがたいことに新入会員も増えております。

再度、活動状況に関するアンケートを実施する予定で準備をしております。よろしくお願いいたします。せっかくできたネットワークです。ぜひ連携して協力し合える体制がもっともっと強くなることを心から祈ります。

No.126 二つの催し物

2月6日(土)、まず「こうばこの会」 語りの花束VOL6が都内荻窪でありました。この欄でもぜひ参加をと紹介しましたが、YAクラブのメンバーが中心となっている語りの会です。事務局から、島村、大田、藤本が参加しました。「会場と舞台の温かい交流があって、とてもいい雰囲気でした。楽しそうに演じているのが伝わってきました」と報告がありました。

さて、私はといえば、新宿区視力障害者協会(加賀谷睦子会長)からお招きをいただきました。「第40回新宿区視力障害者福祉の集い」で「私の録音サービス人生」という演題でお話をさせていただくためです。もちろんガイドの方もいらっしゃいますが、こんなに多くの利用者の前でお話をするのは初めてです。式典では新宿区長や各議員、ご招待の方々のご挨拶が続きました。

第2部が私の出番。自己紹介を兼ねて、著作権のことや声に出して読むことの難しさを少々、当音ボラネットの紹介を少々、利用者の皆さんとは言うに及ばず、行政の方々とも連携が大切と訴えました。

第3部は落語鑑賞。私も皆さんと楽しいひとときを過ごしました。

最後にこの会のお手伝いをしていらした音訳ボランティアの方に声をかけられました。音ボラネットも、地元の東京音訳連絡会もご存知なかったようです。それぞれの活動は大切にしつつも、横の連携と情報の共有をぜひ、とお話しました。全国にはまだまだこういう方々がたくさんいらしゃるのでしょうね。

No.125 シンポジウム

1月30日(土)、寒い時期の開催にもかかわらず、たくさんの方が参加して下さった「マンガも読んでみよう」が無事終わりました。今回のシンポジウムには、当初から「おもしろいことをやりますね」「初の試みですね」と内外から期待と関心が寄せられていました。当日ぜひ参加したいのでと、音ボラネットへ入会された方々もいます。責任の重さを感じながらの開催でもありました。

せっかくなので1月1日から施行されている改正著作権法のことも知りたい、出版関係者にも私たちの取り組みを知って欲しいと、ずいぶん欲張りました。それぞれのスケジュールをやりくりして、直前になって各方面の皆さんの参加が決まりました。

午前中の二村さんの講演や、4人の利用者からマンガへの熱い思いが伝わってきました。そして、マンガも読んで欲しいという切々たる声に、圧倒されたのではないでしょうか。

今まで難しそうだし、リクエストもないしと、マンガに対して尻込みしていた音訳者が多かったのですが、少なくとも当日の参加者の中で頑張って挑戦してみようと思われた方々もいらしたようです。

特に北海道の青い鳥朗読奉仕団の森田さんが「帰ったらぜひマンガを読んでみます」と力強い決意を披瀝してくれました。ありがたいことです。なお、詳細は次号の会報をお楽しみに。