音ボラネット事務局 のすべての投稿

No.140 マルチメディアデイジー

4月22日、当音ボラネットの運営委員による定例会の後、マルチメディアデイジーへの音訳者の取り組みということで勉強させていただきました。 ハートフルブックスの佐藤さん、調布デイジーの牧野さん、日本障害者リハビリテーション協会の野村さんにお越しいただきました。

委員の大半は画面もみたことがないという状況です。今回はとっかかりの一歩ということで、いい機会を与えていただきました。

視覚や聴覚に問題があるわけではないのに、読むことが困難な人たちがいます。主にディスレクシアと呼ばれている人たちです。特に子供の場合、教科書が読めないのは致命傷です。これに対して有効な手段が、マルチメディアデイジーということです。

テキストと音声からなる、音声の部分で、音訳者がお役にたてるのです。マルチという言葉を聞いただけで、まだ多くの人は、引いてしまうと思います。しかし、音訳者がマルチの操作からすべて一人でやるのではなく、音声の部分を受けもてばいいのです。分業です。

著作権法の改正に伴い文化庁に申請をし、認定された法人格を持つ施設が少しづつ増えていることも背景にあってか、マルチに取り組みだしたところが増えたのでしょうか。

音ボラネットへ協力依頼の打診が複数きています。まず、私たち事務局できちんと理解したうえで、読み手の募集ができるようにしないといけないと思っています。今は教科書作りが優先ですが、必要なものは、他にもあります。絵本や物語も成長の上で欠かせない心の栄養です。

調布デイジーの牧野さんが、子供たちのために、音訳者の力を貸して、と言われていたのが強く心に残りました。

No.139 「10月9日」

4月20日(火)、「競い合い助け合うコンサート2010ー羽ばたけ視覚障害音楽家たち」の実行委員会が、会場となるセシオン杉並で開かれました。今年は10月9日(土)です。セシオン杉並は、地下鉄丸ノ内線東高円寺から徒歩5分ほどのところにあります。

昨年までは1000人規模の会場でしたが、今年は600人弱のところに変わりました。まだ先の予定ですが、今から頭の片隅にいれておいていただきたいと思います。毎回たくさんの方が協力してくださっています。一度参加した方がリピーターとなり、更に新しい方を紹介してくださると嬉しいです。

今回の出演者はソプラノの澤田理絵さん津軽三味線の踊正太郎さん邦楽の澤村祐司さん女性コーラスのコール・トゥインクルスターのみなさんです。

No.138 出版UD研究会へ

3月27日(土)、第27回出版UD研究会が専修大学神田キャンパスで開かれました。「障害者・高齢者の読書バリアフリーを実現するために」と題し、宇野和博先生がお話をなさいました。

先生は読書バリアフリーを実現する会事務局長で、筑波大学附属視覚特別支援学校教諭、視覚障害当事者でもあります。 通常の活字図書をそのままでは読むことのできない視覚障害者をはじめ読み書きに困難のある学習障害者、低視力の高齢者がたくさんいます。

今私たちは視覚障害者限定の活動がほとんどですが、私たちが、日々獲得してきた技術等を必要とするすべての障害者のお役にたてられないか考えていきたいと思います。

会場からマンガもぜひ、バリアフリーにという発言に私たちの先頃のシンポジウムで、音訳者も「マンガを読む」ことに挑戦しているという話をさせていただきました。出版関係の方々が、面白い取り組みをしていると興味を持たれたようでした。それぞれの立場での活動がベースですが、うまい役割分担ができるといいなあと思いました。

No.137 図書館訪問

公共図書館における指定管理者制度とは? メリット、デメリットは?

私自身、よくわからないところもあります。現場でも賛成、反対さまざまのようです。反対運動をしているところもあります。ただ、私たちの立場で言えることは、制度が導入される前と後とでは障害者サービスへの取り組みがどうなのかということが重要なのではないでしょうか。今までと変わらないのか、良くなったのか、悪くなったのか、ということではないでしょうか。

著作権法の改正に伴い、公共図書館に期待すること大、です。足りているわけではない蔵書も増やしてほしいし、雑誌も読んでほしいと思っています。 内状は予算がどんどん減らされているそうですが。

さて、3月26日(金)、館長と障害者サービスの担当者が(株)図書館流通センター(TRC)から派遣されている新宿区立戸山図書館に伺いました。大城澄子館長と、川口さん、当音ボラネットの会員である「新宿区声の図書館研究会」代表南部さんが、待っていて下さいました。

大城館長の見識の高さと情熱で蔵書は増え、音訳の講習も定期的におこなわれているそうです。いい形で活動が展開されていると感じました。多くの図書館で今後、館長と職員と、音訳者がうまく意思の疎通がはかれるといいですね。

DAISYへの取り組みが遅れているとか、担当が短期間で変わるので困るとか、土木課から回ってきた担当者の意識が低すぎるとか、さまざまな声が聞こえてきます。お互いに歩み寄り、誰のためのサポートなのか、常に確認しながら活動できることを願います。

No.136 「読書バリアフリー」

3月24日(水)読書バリアフリー法を求める集会「私たちももっと本を読みたい」−障害者・高齢者の読書バリアフリーを目指してー が開かれました。(於参議院議員会館) 音ボラネット事務局からは、泉、大田、鶴岡、藤田が永田町駅からの誘導のお手伝いも兼ね参加しました。

2010年国民読書年の今、読書バリアフリー法制定に向けての活動です。視覚障害のみならず、様々な障害をお持ちの当事者、そして、支援団体、民主党の国対委員長をはじめ、超党派の議員が一堂に会しての貴重な集まりでした。

教科書バリアフリー法もそうですし、著作権法の改正もそうですが、諸先輩方のこうした地道な取り組みが少しずつ実を結んできていることが嬉しいです。色々なところで、あきらめず声を上げていくことの大切さを再確認しました。

私たち音訳ボランティアとっては、直接関係ないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、広い見地に立った情報も、また、必要ではないでしょうか。

No.135 「テープ版読書会」の総会

3月22日(月)杉並の荻窪で「テープ版読者会」の総会がありました。大変熱心に活動しているグループのひとつで、私もいつも刺激を受けています。今回、月刊「世界」の編集を担当なさる長野の脇坂さんも参加されていました。久しぶりにさまざまな観点から、情報・意見の交換ができました。きちんとしたビジョンをお持ちの方とのお話は楽しいです。

さて、総会終了後は、視覚障害教師の会代表の山口 通さんの講演がありました。NHKテレビドラマ「チャレンジド」に取材協力をなさった方です。マグネットを使った板書の様子を実演なさったり、普通校という現場でのご苦労など講演らしからぬ講演で、勉強させていただきました。

音訳者はもちろん、出版社の方も参加していましたがこういう場に多くの関連部所の方々をお招きすることは、音訳現場の生の声を広く知っていただくために、とても大切なことだと思います。

No.134 NPO法人新現役ネット

3月16日(火)、私たちの活動拠点である飯田橋のボランティアセンターでNPO法人「新現役ネット」の久保田さんとお会いしました。中高年がいきいき活動するためのお手伝いをしようと設立されたNPOです。約1万人6千人の方々が所属、セミナーやイベント活動を行いながら、新しい仲間づくりも行っているそうです。

この中で音訳に興味のある人を募り、、勉強し、ボランティアグループとして活動していきたいという構想をお持ちのようです。インターネット等で情報を探していたところ当音ボラネットのホームページを見つけたということでした。

録音物も、音訳者も足りているわけではない。しかし、音訳者養成講座が定期的にどこかで開かれているわけではない。したがって、自前でとりあえず初級講座だけでも開いていただけるとありがたい。そうすれば、その後は地域の音訳グループ等も引き受けやすくなるだろうと思います。そして、講習の際には「音訳とは」「何のための、誰のための活動か」等をきちんと伝えてほしいとお願いしました。

色々なところの様々な取り組みによって視覚障碍者等の生活、学習、読書環境が少しでも前進することを願います。そして、そのためにはお互いに連携することが大切だと痛感しています。

No.133 財団法人伊藤忠記念財団 訪問

3月14日(日)板橋区大山にある財団法人伊藤忠記念財団を訪問しました。会報担当の大田と一緒です。1月に行われた「マンガも読んでみよう」シンポジウムに参加して下さったご縁です。館内の案内もしていただきました。

子ども文庫の助成事業や施設提供事業を主な活動としています。建物自体、東京小中学生センターと称する民間の児童館になっていて、自習室、本の部屋、音楽スタジオ、ワークルーム等の部屋があります。

新規事業として、視覚障碍をはじめ、読書に障碍を持つ子どもたちへのマルチメディアデイジーへの取り組みを始められるとのこと。職員の女性の方がリハ協での研修に参加しているそうです。今後、当音ボラネットとして何かお手伝いできることがあればと、施設事業部長の矢部さんと情報交換させていただきました。

No.132 チームリーダーの打ち合わせ

3月1日(月)、月刊「世界」音訳プロジェクトのチームリーダーの打ち合わせがありました。月号からの読み担当が決まりました。仙台チームは中心者の方が急逝されて、会として参加できるかどうか厳しい状況だとか。遠いところ、外尾さんが今回も参加してくれました。ひとつの会で1チームを作っているところも、あくまでその会の有志が参加しているという形が多いようです。

会が大きければ大きいほど、全体の意思統一を図ることは難しいようです。皆さんの実状を伺いながら雑誌を読むことの大変さを改めて実感しました。尚、編集は今まで「テープ版読者会」の舛田さん一人でした。「週刊金曜日」も編集・発行しています。時間との戦いだったことと思います。嬉しいことに4月号から九州の大木さんと長野の脇坂さんが加わります。お二人とも直接お会いし、情報交換したこともあり、とても懐かしく力強く思いました。

特に大木さんは音訳に定年制などはふさわしくなく、年齢的に音訳は厳しい状況になっても、校正や編集などの分野で活動できるというようなことをおっしゃっていた方でした。今後の高齢者の方々の関わり方へのひとつのお手本だと思います。

ほんとうにインターネットの時代だからこそできることであり、各地の音訳者の皆さんをはじめ、コーディネートの松井さん、発行のヘレン・ケラー協会の堀江さん、編集の舛田さん大木さん脇坂さんたち多くの皆さんのネットワークによるものです。今後もこのような形で新しいものが生まれたら、素晴らしいです。

No.131 シンポジウムへの参加

2月27日(土)、シンポジウム「やさしく読みやすい本」が読書の扉をひらく!〜知的障害・自閉症のある人の読書環境を考える〜が江戸東京博物館で開かれました。

当初から参加予定にしておりましたが、直前になって主催の読書工房の成松さんから、当日の誘導等のお手伝いの要請が来ました。地元「墨田朗読グループ・声」の牧野さん、小池さん、当音ボラネット事務局の鶴岡、大田、そして私とでお手伝いさせていただきました。それぞれの立場での発表がありましたが、特に公共図書館や学校図書館での取り組みを興味深く聞かせていただきました。

やはり、有効な手段のひとつはマルチメディアDAISYでしょう。音訳者にとってまだなじみの薄い分野かもしれませんが、このマルチメディアDAISYの音声部分に「音訳者の出番」があるように思います。これからのことですが、また、色々な方々と情報交換していきたいと思いました。音訳ボランティアの皆さんも、ほんのわずかですが参加していました。「声」の方が「お手伝いの要請がなければ、きっと参加しなかったと思います。でも、勉強になりました。」と言われていました。

ところで、私はあちこち伺いいろんな方々にお目にかかります。この世界はあまり広くありませんから、いつも熱心な同じ方々に出会うことがあります。回を重ねる毎に私たち音ボラネットのことを少しずつでもご理解いただけていると実感しています。

更に必ず新しい出会いもあります。今回も会場で声をかけて下さった佐藤さんという方は、マルチメディアDAISYの音声部分に問題ありと感じていらっしゃる方です。ならば、今後音訳ボランティアと連携していけたらというようなことを話されていました、一度ゆっくりお話を伺いたいと思っています。