今年1年間、暖かい励ましや力強い賛同の声をお寄せいただきありがとうございました。
音訳者は私の経験からも、思いはあっても、現実の忙しさに追われ、なかなか音訳周辺のことにまで目がいかないのが現状です。利用者のニーズは実に多様化していますし、世の中も目まぐるしく変化しています。そういう中にあって心配なのは、情報不足のために、音訳者よがりに陥ることです。
そこで活動の方向を誤らないためにも、広く社会に情報・意見を求めていかなければならないと考えています。
また、あちこち出向き、さまざまな情報を発信していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
さて、今年ご活躍のたくさんの方の中で、当ネットワークの事務局スタッフ 平井任子さん(東京)はじめ以下の方が鉄道公済会表彰を受けました。(08’6)。ますますのご活躍をお祈りいたします。
2009年も、また共々に元気で頑張りましょう。よろしくお願いいたします。
・斎田登志子さん(北海道)・池田經子さん(埼玉県)・川原公子さん(千葉県)・佐藤芙美子さん(愛知県)・吉田由己さん(大阪府)・赤尾幸子さん(香川県)・植木恵美子さん(大分県)・厚生労働大臣賞;川田正彌さん(福岡県)
12月17日(水)、都立文京盲学校での「三療音訳会」(代表・依田理恵子さん)の勉強会に参加させていただきました。
理療科の先生の依頼で、医学書や鍼灸関係の本を読むために作られたグループです。当初から先生が関わって勉強会を続けています。特に利用者から必要とされている理療関係のものを読める人を育て、増やしたいという思いで月一回、専攻科の栗原勝美先生を中心に行なわれているこ勉強会に、外部の人も参加させてほしいとお願いしてきました。
その結果、澤田校長先生、栗原先生、そして依田さんたちが快諾して下さったというわけです。勉強会は先生が用意して下さる教材をベテランも初心者も順番に音読し、質問をし、先生が指導なさるといったスタイルで進められいました。全くの初心者の私も読ませていただきました。
「左側、右側」 (ひだりがわ、みぎがわ)と読みたいところですが、体の部位を指すときは、(さそく、うそく)となるなど医学用語の独特の読みは決して簡単ではありません。しかし、決まりごとのようなものもあり、慣れることが先決だと思いました。何よりもここでは先生はじめ三療音訳会の皆さんが熱心で、優しく教えて下さいます。
文京盲学校はJR飯田橋から徒歩5〜6分の交通の便のよい所にあります近郊の方、少しでも興味のある方、ぜひ一緒に勉強しませんか?
12月16日(火)、何度目かの葛飾盲学校訪問となりました。図書室にはずいぶん古いテープ図書がありましたがほとんど利用されていないということです。デイジー図書に編集するより新しいものを音訳した方が早いようです。
まずは数冊の本を音訳し、先生方にもデイジー図書を体験していただければと思います。そしてまた、寄宿舎のお子さんたちに対面朗読や朗読会を通して、耳で聴く読書に慣れてもらうことが先決かもしれません。
地元には「葛飾音訳ボランティアの会」があり、代表が当ネットワーク事務局の鶴岡さんです。皆さんとても熱心で様々な取り組みに挑戦しているグループです。
たまたま地元のグループと音訳図書の利用が少なくデイジー図書がない盲学校とがうまくマッチングしたという例ですが、私たちも何度も足を運び校長先生や副校長先生に「全国音訳ボランティアネットワーク」の活動を知っていただけたことが大きいと思いました。
これからですが、こういった試みがうまくいって今後の盲学校支援のひとつのモデルケースになると嬉しいです。(同行 鶴岡)
12月6日、都内で「競い合い、助け合うコンサート2008」が開かれました。表彰式と受賞講演をはさんで6時間近くに及ぶ長丁場でしたが、楽しいひとときを過ごすことができました。それぞれ視覚障害というハンディを持ちながら演奏家として活躍されるまでの精進の日々はいかばかりかと思います。
しかし、そんなことを吹きとばす歌、和太鼓、ピアノ、ヴァイオリン、津軽三味線等々の力強い心揺さぶられる演奏が続きました。特にピアノの根岸弥生さん、不思議な音色でコンサートに足を運びたいと思わされました。津軽三味線日本一の踊正太郎さんのバチさばきはさすがでした。視覚障害の演奏家としての第一人者和波孝禧さんのヴァイオリン、円熟の音色に酔わされました。
私たちの活動は視覚障害の方々への「音訳」を通した応援です。この応援にもさまざまな形があると思いますが、こういうコンサートへの参加もそのひとつではないでしょうか。
毎年、水戸からかけつけてくださる方、たくさんの音訳利用者と参加して下さる方、ボランティア仲間を誘い、友人、知人をお連れしたり、ご自身はいつも参加できないのに必ず友人を紹介してくださる方等々。
主催の視覚障害者支援総合センターからチケットをお預かりした私に協力して下さったたくさんの方々に心からの御礼を申し上げます。
来年はまた、11月14日(土)とアナウンスがありました。今回にも増してたくさんの方が参加されることを祈ります。一年後、また、元気にお会いできたら嬉しいです。
八王子盲学校での関東地区視覚障害教育研究会・図書館部会に参加しました。これは以前横浜市立盲特別支援学校の石井先生をお訪ねした際に、開催のお話を伺い、ぜひにとお願いしてお許しを得たという経緯のものです。
初めに「視覚障害特別支援学校における学校図書館の過去・現在・未来」と題して専修大学の野口先生の講演がありました。
お昼をはさんで図書館担当の先生、八王子盲学校を支援している点訳と音訳グループの方々との情報や意見の交換は大変に有意義でした。それぞれの学校の様子が少しずつ見えてきます。特に点字離れとデイジー化への加速というようなお話が多く出されておりました。
音訳ボランティアとしては学校に対する遠慮があり、受け身になりがちです。できないこともありますが、まずは、協力要請の声をかけてほしい。(たとえば直接音訳に関係のない図書の整理のようなことでも)
そして、現在支援している地元のボランティアができないこと(カセットテープからデイジーへの変換等)でも全国に呼びかけて協力できることがあります。まずは連携をと申し上げてきました。(同行 三浦、鶴岡)
「出版社のための出版UDセミナー2008」の第3回目が開かれました。(11月26日・都内)
今回は色覚バリアフリーについてです。「出版社のための」とあるように音訳とは直接関係ありませんし、私には少し難しい内容のこともあります。
しかし、難しいながらも何かしら得るものはあります。無駄はないです。私自身が成長させていただいていますし、私たちのネットワーク自体が力をつけ成長していると思っています。
さて、色覚バリアフリーとは単純にいうと色弱者に色づかいを配慮することです。色弱者にとって見やすいカラーユニバーサルデザインを推進することが大切。作り手の美意識や感性だけではなく利用者の視点に立っていかに見やすいかを追求したデザインというのは、一般の人にも見やすいデザインということになるというお話はとても印象的でした。
11月21〜22日、シナノケンシ?主催のデイジー/プレクストークパートナーミーティングが長野県上田市内の同社で開かれました。録音機材や最新のデイジー図書再生機が並べられた会場では、参加者からさまざまな質問等がとびかっていました。
午後には静岡県立大学の石川准先生の講演の後、参加者の代表による日ごろの取り組みなどの報告がありました。録音機材に対する疑問等、作り手の直接の説明を受けられる場でもあります。こういう場は大いに利用すべきです。
今年で3回目ですが、地元長野はもちろんのこと、京都や静岡、東京からの顔なじみの熱心な参加者にお会いし情報交換できるのが楽しみです。更に更に新しい顔の皆さまが増えることを期待します。
直前から“鬼の撹乱”で風邪をひいておりましたが帰京後、更にこじらせ、報告が遅れてしまいました。喉にきて、咳がひどく閉口しました。皆さまもくれぐれもお気をつけ下さい。(同行 三浦、鶴岡、安川、泉、猪俣)
埼玉県立久喜図書館に佐藤聖一さんをお訪ねしました。並び建っている市役所と図書館の前庭は銀杏や桜が、みごとに色付いていました。
今、佐藤さんたちが準備中の使いやすい録音資料をつくるために「全国的に統一された製作基準」についての進捗状況を伺いながら、製作委員の中に現場で音訳をしている、当、音ボラネットのスタッフを入れてほしいということを再度お願いしてきました。おかげさまで短い間にある程度まとまった組織にはなりました。が、公共図書館や点字図書館、社協とは違います。同じことはできないし、する必要もないと思います。
小回りのきく活動をしていきたい。地元の声なき利用者への配慮が必要で、テープしか聞けないという人たちに丁寧に対応していかなくてはならないし、するべきだということを再確認しました。
佐藤さんは利用者であり、図書館職員として録音資料の制作もしています。両方の立場の方のお話は楽しくて貴重です。また、ぜひ色々と教えていただきたいと思います。(同行 鶴岡)
「信州発ボランティア・地域活動フォーラム」が無事終わりました。(11月8日、9日)
9日の分科会、当ネットワークが協力企画ということで参加した「自立支援、生活支援のために音訳ボランティアのできること」には利用者を含めた60数名が参加。年々利用者が増えて意見や悩み等、活発な発言が相次ぎました。
登壇の3人の利用者も会場の参加者もそれぞれの立場によってそれぞれの考えがあるということを再確認しました。やはり、不特定多数に向けた音訳はもちろんですが、個々のニーズに合わせたきめ細かい支援が必要だと思いました。
単純にはいかないことの方が多いかもしれませんが、こういう現状だ知っていることは大切だと思います。出会いを重ねていろんな人たちと協力しながら更に一歩進んでいけたらと決意をあらたにしました。
地元長野はもちろんですが、仙台や埼玉、神奈川、東京からも参加してくれました。参加者名簿の所属欄に「音ボラネット」が並びます。嬉しいかぎりです。皆さんの熱心な姿勢に教わること多々です。
講師の岩下さん(全盲・毎日新聞社勤務)を先頭に東京からの一行8人は、地元の皆さんはじめ観光客からも人気のおそばやさんで新そばを、小布施産の栗をふんだんに使ったイチオシのモンブランや栗ソフトまでいただき、美術館に足をのばし、まるで遠足気分。短い時間ながら紅葉の小布施に遊びました。正に「忙中閑あり」。有意義な2日間を過ごすことができました。たまにはいいですね。
ご案内下さった丸田さん、市村さん、小田切さん、ほんとうにありがとうございました。こういう場を提供してくださった長野県社協の皆さん、脇坂さん、参加の皆さんに心から感謝申し上げます。
詳しくは12月上旬発行予定の会報をご覧ください。(同行 居谷、大田、遠田)
慶應幼稚舎の先生からご連絡がありました。私たちの活動拠点である「東京ボランティア・市民活動センター」からの紹介ということでした。4〜6年生の有志が「音訳」について学習していて、さらに詳しくしりたいとのことで、私が学校 (渋谷区恵比寿)に伺ったという次第です。
腹式呼吸、発声練習等、声を出すことの基本、そして、下調べ(調査)の大切さ、意味のひとくくり等々のお話をし、いっしょに発声。早口ことばの練習をしました。
ここ慶應幼稚舎のお子さんたちは、自分たちが実際に音訳をして、それを同じような年代の視覚障害者に聴いてもらいたいという希望があるそうです。学んだことを形にすることで「音訳」の厳しさ、奥深さを実感してほしいと思います。そして、相手を思いやるという気持ちを大切にしてほしいと思いました。
先生からいただいたお手紙に次のような一文がありました。「今日お話をしたお子さんの中で、一人でも大人になった時に音訳のことを思い出してくれたり、音訳に携わってくれたりすれば、それで十分です。」というお言葉をいただき、私たちは「教育」だからとあぐらをかかずに、こうした皆様の温かいお気持ちに支えられているということに改めて感謝しなくてはいけないと思いました。
こういう熱心な先生がいらっしゃればこその活動であることを実感しました。熱心にメモをとり、質問してくれたお子さんたちから無言のエールをもらいました。こういう場をご提供くださった先生と、今までの中で一番若い聴衆のみなさんに感謝いたします。
全国音訳ボランティアネットワーク通称〝音ボラネット〟のサイトです!