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No.541 図書館大会 その2

2日目は、分科会です。

14の分科会があり、事前申し込み制です。興味がそそられる分科会がなきにしもあらず。

でも、障害者サービスを外すわけにはいきませんね。

午前と午後に分かれて開催されました。

午前の部、障害者サービス (1)では

「SDGsと図書館、誰も取り残さないインクルーシブな図書館を目指して」というテーマの下、河村宏氏や野村美佐子氏など、懐かしいみなさんからのお話がありました。

IFLA(国際図書館連盟)の障害者サービスのこと、今まで国内における障害者サービスの話題が多かったので、新鮮でした。

障害者サービスでSDGsを取り上げたのは、初めてだそうです。

一気に視野が広まった感じです。

午後の部 障害者サービス(2)では、「最新のICT技術・アクセシブルな電子図書館を活用して目指す、障害者の読書環境」です。

佐藤聖一氏からは、「すべての人が利用できる図書館を実現するために」

障害者サービスは、障害者のための特別なサービスではなく、「図書館利用に障害のある人々へのサービス」であり、「すべての人にすべての図書館サービス・資料を提供すること」であると。

松井進氏からは「障害者の読書・情報取得に役立つ先進機器」について。

なかでも、AIを活用した書籍読み上げが可能なカメラ付きグラスなど最新の科学技術の紹介もありました。

「アクセシブルな電子図書館ガイドライン」については、国立国会図書館の田幡氏、植村要氏から、報告がありました。

会場には、懐かしい方々のお顔が。

あまりにご無沙汰していたので、本当にご本人かと、遠目で思案してしまいました。

日本点字図書館の立花明彦館長には、「失礼ですが、立花先生で?」と確認してしまいました。

館長がかわるたびに、ご挨拶に伺っていましたが、コロナもありで足が遠のいていました。

「紙の会報を送っていただいていますが、総会のことが載っていたので、秘書に頼み、データを手にいれて読みました。小さな団体ながら、よく頑張っていますね。藤田さんとは、いろんなところでお会いしてきました。フットワークが軽いですね」と嬉しい言葉をいただきました。

確認もせず、紙でお送りしていましたが、次号からは、データでとお約束しました。

また、児童書などのデータを提供している国会図書館関西館の方ともお話ができました。

登壇者の1人として参加されていた植村要氏とも。何年ぶりですかね、という会話から始まる方たちが何人もいました。

DBジャパンの奥田さんともご挨拶できました。

障害者サービスに興味・関心のある方々がこれだけ参加している。みんなで、連携・協力しながら、この輪が更に大きく広がることを期待します。

2日間にわたる全国図書館大会が、無事終了しました。

岩手大会を準備くださったみなさま、お目にかかれたすべてのみなさま、ありがとうございました。

No.540 第109回全国図書館大会岩手大会 その1

二日間にわたり、盛岡市内で開かれた「全国図書館大会 岩手大会」に参加しました。「理想郷“イーハトーブ“で本当の幸せを考える〜希望ある未来は図書館とともに〜」がテーマです。
4年ぶりの対面での開催となりました。

どんな方々との再会が、また新たな出会いが待っているのか、ワクワクしていました。

初日は開会式、建築賞表彰、基調報告と続き、記念講演です。

その前にステキなオープニングアトラクションがありました。
岩手県立不来方高校音楽部の生徒さんによる合唱です。全日本合唱コンクールで金賞23回、文部科学大臣賞8回受賞というすごい音楽部です。

宮澤賢治の「星めぐりの歌」、石川啄木の「ふるさとの山に向ひて」など歌ってくれました。賢治や啄木の思いに呼応するかのような、澄んだ柔らかな声でした。感動しました。

続いての記念講演は、国立天文台 水沢VLBI観測所の本間希樹氏の「岩手発ブラックホール行き 銀河鉄道の旅」でした。国際プロジェクトでブラックホールの写真撮影に成功。岩手で天文学の最先端研究を進めている方です。

ロマン溢れるお話でした。水沢天文台の歴史や賢治とのつながり。ブラックホールのこと。そして、図書館の重要性と今後の期待など、きっちりと図書館大会に合わせた内容でした。

その後の交流会では、先日なごや会のメンバーとして訪問した、長崎県立図書館の皆さんと再会しました。長崎は2024年度の開催県です。

国立国会図書館からも複数の方が参加されていて、私たちの活動をお話しました。

ご講演の本間先生とも、しばし歓談。水沢では、すでに9年間の官舎暮らしとか。私の住まいの遠くない所にご実家がおありだとか。地元話で盛り上がりました。

貴重な交流会でした。

2日目の様子は次に続きます。

瞽女唄演奏会のご案内

昨年につづき、瞽女唄演奏会のご案内が広沢里枝子さんから届きました。
忙しい師走のリフレッシュにいかがでしょう。

12月9日(土曜日)

「瞽女の足跡(ごぜのあしあと) その三」

開演 15時

会場:両国門天ホール(東京都 墨田区)

〒130-0026 東京都墨田区両国1-3-9 ムラサワビル1-F

電話:03-6666-9491

主催:West Glen Associates 代表 稲葉正治

〒160-0004 東京都新宿区四谷4-25-10-804

お問合せ: 080-3022-8039

☆姉弟子の小関敦子さんの舞台にお招きいただきました。

演目 「赤垣源蔵」 「どんどん節」 「瞽女万歳」 「鴨緑江節」 「お茶和讃」

詳細は
http://echigogozeuta.blog.fc2.com/blog-entry-156.html

瞽女唄コンサートについての「藤田が行く!!」はこちら
No.525 瞽女唄 | 音ボラネット (onyaku.net)
No.520 瞽女唄コンサート | 音ボラネット (onyaku.net)

会員のみなさまへ アンケートのお願い

会員のみなさまへ活動アンケートをお送りしました。
今回は日本郵便から配達されます。

墨字のアンケート用紙、返信用封筒も同封しましたが、
切手を貼っていただく必要があります。
アンケートは下記のURLやQRコードからもご回答いただけます。

表示されたアンケートに直接記入して送信ボタンを押すだけで
ご回答いただけますので、できるだけWEBでの回答をお願いいたします。
団体会員、個人会員と別々のフォームですので、
お間違えのないようご記入ください。

団体

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfetvHyKibZ3_nNSoYlgjJe5FsfIKEyTP5ES9flhRgGqwNlSA/viewform

個人

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdPZB2HkhjW0yhaRztyREEg9krNqzwkzq9rYJRnPY9pEQwFDg/viewform

QRコードはこちらです。
個人会員の方

団体会員の方

No.539 読書バリアフリーと学校司書の役割

長崎から戻ってみれば、シンポジウムが待っていました。

衆議院議員会館で15時30分から17時30分までの開催です。私としては、少々厳しい時間帯ですが、議員連盟のみなさんが出席しやすい時間帯という設定ということでしょう。

挨拶や出席議員の紹介がありました。

続いて、学校図書館議員連盟事務局長 笠 浩史氏から、「読書バリアフリーと学校司書の処遇改善をめざす施策について」の報告がありました。

当面の政策改善の一つは、読書バリアフリー法の具現にあるとの言及がありました。

笠氏退席の際には、名刺交換と共に、ボランティアの高齢化と後継者不足の現状を訴えました。

要望書の提出を、との一言をいただきました。

同じく文部科学省総合教育政策局長 望月 禎氏からは、「多様な子どもたちの読書機会の確保・充実に向けて」の報告と続きました。

次に、筑波大学附属盲特別支援学校の宇野和博先生がコーディネーターのシンポジウムです。

3人のパネリストの方からは、特別支援学校や盲学校の図書室の現状報告がありました。

「お金と人がほしい」「私がいなくなると、この図書室は消滅する」という発言は、衝撃的でした。

「アクセシブルな資料の存在を知らない先生や保護者がいる」という一言は、ずっと変わらず言われ続けています。

「研修事例集のようなものを、文科省に作ってもらいたい。読書バリアフリーについての学びを深めていかなければならない」
本当に大切なことだと思います。

最後にアピールが採択され閉会となりました。

私たち音訳ボランティアもしっかり学んでいきたいものです。

No.538 長崎例会

今年の公共図書館で働く視覚障害職員の会(通称 なごや会)の例会は長崎県長崎市と大村市が、会場でした。

メインは大村市にある「ミライon図書館」の訪問です。

長崎県立長崎図書館と大村市立図書館が共同運営する図書館です。都道府県と市町村が共同運営する図書館は、高知県の「オーテピア高知図書館」についで二例目だそうです。

木材がふんだんに使われ、ベンチなどあちこちで船のイメージが見られます。

先ずは、館内を丁寧に案内していただきました。

落ち着いた温かみが感じられます。館内の一角には、カフェもあり、オリーブオイルで揚げた鶏の唐揚げが、売りだとか。

1階には、おはなしの部屋が併設された「こどもしつ」

3階には、しっかりとした作りの「対面朗読室」が2室。機材さえ準備すれば、即録音室にもなりそうです。

午後は、1階の多目的ホール(200人収容)で、読書バリアフリーサービス展に参加。

たくさんの方が、来場していました。

 

読書バリアフリーとか障害者サービスとか言っても、障害者だけに知ってもらうだけでは、不十分で、先ずは、一般の方に理解してもらうことも大事だと思います。

 

中に6年生だという男の子2人。熱心に話を聞いてくれました。嬉しくなりました。

盲導犬にも興味津々。今まで盲導犬をみたことがないと。

ご主人の松井さんに、いろいろ話してもらいました。

 

午後からは、館長、副館長はじめ県教育庁障害学習課からお二人、視覚障害者情報センターのセンター長等のみなさんと、情報・意見の交換を。

行政、点字図書館の方を交えたこういう場は、大変貴重です。いい勉強になりました。

 

翌日の半日観光、あいにくの雨風で建物の中だけになりました。原爆資料館と原爆死没者追悼平和記念館を見学、お詣りしました。

 

事前にガイドをお願いしていたので、よく理解できました。

外国の方が多かったのが、印象的でした。

それは、初日個人的に行った「日本26聖人記念館」でも同じでした。

どんな感想を持たれたのか聞いてみたい思いにかられました。

 

当初は、遠方で参加を躊躇していましたが、長崎の苦難の歴史に触れ、学びの多い例会でした。

長崎は、坂が多く石畳みの街です。歩行は大丈夫かと思いましたが、なごや会のメンバーは旅慣れたみなさんです。何事もなく、無事例会は終了。

 

幹事の宮﨑さん、ありがとうございました。

みなさま、お疲れさまでした。

No.537 観劇

都内初台の新国立劇場に行ってきました。

シェークスピアの「尺には尺を」を観てきました。

大阪から夜行バスで上京、終了後にトンボ帰りをしてまで観たいという視覚障害の方の誘導の為です。

シェークスピア全集全33巻(松岡和子個人全訳)を対面で、年内には読了というからすごい人です。案内をよろしくと連絡がありました。

新宿バスタに朝6時、そして帰りは夜10時。
丸々お付き合いはできませんが、8時にバスタにお迎え、ブランチの後、会場へ。観劇の後は夕食。夜の8時までという丸1日のスケジュールとなりました。

知りませんでしたが、目や耳に障害のあるお客様への観劇サポートの提供があるのです。

開演2時間前に受付を済ませ、先ずは音声ガイド機器が貸し出されます。

続いて小道具、生首を包んでいるため血の滲んだ布、それが入っている取手付きのバスケットや鍵、そして衣装、舞台全体の模型などに触りながら、説明を聞きます。合間に見どころなども。

最後には、会場の客席内へ。

900人収容のところで、レコード大賞の発表音楽会の開催場所でもあるそうです。

さて、そうそう観客が舞台にあがることはありません。興味津々。

中央に見上げるような壁。窓や出入り口があります。水が張ってある池が2つ。単なるお飾りかと思いましたが、劇中でしっかり使われていました。

舞台からの眺めは、独特な感じがしました。

演劇とは、テレビや映画とはまるで違う魅力があることに気づかされました。

舞台に立つ人も観る人も、その魅力にとりつかれたら、やめられなくなるのではと、思いました。

私にとってもとても貴重な経験でした。誘ってもらって感謝です。

全体的にとてもわかりやすかったと、ご本人も満足そうでした。

映画といい、美術鑑賞といい、演劇といい、障害があろうが無かろうが、みんなが楽しめることが増えるのは、素晴らしいことです。

みなさん、どんどん外に出ましょう。

No.536 松本市でのセミナー

秋風立つ長野県は松本市に行ってきました。

長野県視覚障害者福祉協会主催の「音訳ボランティアセミナー  松本市〜誰でもできる 録音図書校正者を目ざして〜」に参加するためです。

実は5月末にお邪魔した「長野県赤十字奉仕団ひびきの会」の代表からいただいた資料の中の情報でした。

県内2ヶ所、長野市と松本市での開催とありましたが、長野市はすでに遅し。ならば松本市へ。

福祉協会に連絡。快く受け入れてくださいました。

長野県のすごいところは、県内にあるたくさんの音訳ボランティアグループを福祉協会が中心になってネットワークが組まれているということです。

長野市立図書館の増澤さんは個人会員、この福祉協会は団体会員です。熱心な会員さんが多く、すばらしいです。

情報が共有できることは、特にこのご時世では、大事なことです。

7グループ80名近い参加者です。

「あい愛の会」の塚田さんが、講師。

10グループほどに分かれ、このセミナーのために録音されたものを校正し、グループ毎に発表。みなさん熱心で楽しいひと時でした。

また昼食後は「広報を読む」 引き続き講師は、塚田さん。

最後に私も時間をいただき、音訳ボランティアや利用者を取り巻く現状を話しました。

「会員ではありませんが、『藤田が行く!!』を見ています」と言ってくださる方がいて、嬉しくなりました。

若手や、意識の高い人は、みんな悩んでいます。人が集まらない、これからの音訳はどうなっていくのか。

ほんの少しでも、そういうみなさんの背中を押せたら、参加した甲斐があるというものです。

限られた資源をいかに有効活用できるか、みんなで考え、一緒に頑張りましょう。

私自身、みなさんからたくさん元気をいただきました。
ありがとうございました。

No.535 朝日新聞記事

9/30付け、朝日新聞「be report」に、8月末に取材を受けた記事が掲載されました。

音訳ボランティア

読書の楽しさ伝える障害者の「目」

というタイトルでした。

欲を言えばキリがありませんが、初めて音訳、音訳ボランティアという言葉に接した人には、理解しやすい記事だったのではと思います。
全体的にバランスの取れたものになっていたのではないでしょうか。

やはり、反響は大きいですね。
何人もの方から、電話やメールをいただきました。

奈良の渡辺さんは、ベテラン音訳者です。長年にわたり個人的に、広瀬浩二郎さんをサポートしてきた方です。

「新聞見ました。よかったですね。次に繋がるといいですね」と。音訳ボランティアのみなさんの励みにもなったようです。

音訳には、関係のない、私の高校の同窓生からも、「新聞であなたの名前を見つけて」と連絡がありました。

何年ぶりかで、お互いの近況報告会となりました。改めて新聞のチカラはすごいと思いました。

一般的には、朗読と比べ、音訳はほとんど知られていません。
今後もこういう記事が増えることを期待したいですね。