先日、「なごや会」の東部支部の研修会が、都内高田馬場で開かれました。
NPO法人タートルの工藤さんから「合理的配慮」について、お話をうかがいました。
この「タートル」は、「中途視覚障害者の復職を考える(通称タートルの会)」として、1995年にスタート。視覚障害者の就労支援に特化した活動を行ってきました。
見えなくても働けるということを、広く社会に知ってもらうことを目的として活動しています。
さてこの頃、障害者権利条約関係で、「合理的配慮」という言葉を、よく耳にするようになりました。
個人の権利を保証し、必要な変更や調整が行われること。逆からいうと、これらが行われないのは、差別されているということになります。
今や、多くの視覚障害者が社会に出て働いています。それぞれの職場で、適切な「合理的配慮」がなされているのでしょうか。
周りの人々の障害への正しい理解により、適切なアドバイスやサポートが得られているのでしょうか。
障害者に優しい世の中は、全ての人に優しい世の中です。
出版UD研究会の「特別な支援を必要とする子ども・学生の立場から合理的配慮のあり方を考える」に参加しました。
東京大学先端科学技術研究センターの近藤先生が、プレゼンターです。先生は、障害のある子どもたちの学習や生活の支援を通して、大学や学校における「合理的配慮」を実現するための研究実践を続けています。障害のある高校生や大学生の例が示されました。
実にさまざまな個別のニーズがあることを再確認しました。
まずは、勉強の方法がわからない。例えば「読めない」というのは、書かれているもの、印刷物などが読めないだけ。「書けない」というのは、紙とペンでは書けないということであり、ワープロだったら書けるということです。
音声読み上げで勉強し、成績が上がり受験したいという意欲がわいて、合格できた。
手書きの文書では、合格できなかった。
このように、自分なりの学びの方法を見つけていくようになると、勉強が進むということだとおっしゃっていました。高等教育へ進学し、配慮を得て学んでいる障害学生の数は、アメリカ等と比べると、非常に少ない現状のようです。
2006年に採択された国連障害者権利条約が、日本でもようやく本年1月に批准されました。このなかに、合理的配慮という概念が盛り込まれています。障害のある人への差別的取り扱いを禁止、合理的配慮の提供を義務付けるという動きが生まれました。こういうなかで、障害のある子どもたちの学びを支えるためには、私たちは、何ができるのかを考える機会となりました。
また熱心なみなさんに再会できて、嬉しいかぎり、私自身の励みにもなりました。
そして、飯田橋から東京しごとセンターの行き帰り、にわかガイドをしました。何事も勉強です。
全国音訳ボランティアネットワーク通称〝音ボラネット〟のサイトです!