13日から25日まで伊藤忠青山アートスクエアで、日本国際児童図書評議会(JBBY)主催の「JBBY 40周年企画子どもの本の力展」が開かれました。
「子どもの本を通しての国際理解」という理念のもと、IBBY(国際児童図書評議会)が誕生し、IBBY日本支部として発足したのがJBBYです。すべての子どもたちに読書の喜びを伝え、未来につながる平和の文化を育むことを目的にしています。
伊藤忠記念財団は、「子ども文庫助成事業」を通じて子どもたちの読書啓発活動に携わっている団体や個人を助成する取り組みを長く続けています。
だいぶ色づいた外苑の銀杏並木を眺めながら、新宿の南部さんと会場へ。中島事務局長、矢部さん、中村さんたちに出迎えていただきました。
フロアは、第1部から第4部までわかれていて、東日本大震災後に出版された子どもたちの本、「奇跡の一本松」「つなみ」「さくら」など並んでいます。また児童書の電子化ということで矢部さんたちの「わいわい文庫」のコーナーがありました。美智子皇后さまや紀子さまもお出ましになられたとか。障害のある子どもたちの読書について、多くのみなさんに知っていただける素晴らしい機会だったのではないでしょうか。
ところでこのIBBY主催の「子どもの本のノーベル賞」とも言われる国際アンデルセン賞(作家賞と画家賞)があります。過去、詩人のまど・みちおさんが、同作家賞を、また画家賞を安野光雅さんが受賞されています。(因みに2014年度の作家賞の受賞者は上橋菜穂子さんです)
そこで、『「どうぶつたち」まど・みちお詩、美智子選・訳、安野光雅絵 すえもりブックス』という作品のことを知りました。そして「すえもりブックス」という出版社が気になりました。絵本の編集者だった末盛千恵子さんが設立したものでした。(現在はありません)
この方はある日、不本意ながら住み慣れた都内から盛岡へ移転。直後に東日本大震災に遭遇。何かできないかというやむにやまれぬ思いから、3.11絵本プロジェクトを立ち上げます。国内外から23万冊もの絵本が集まり、子どもたちの手に渡されます。このようなことを含めた、決して平坦ではないご自身の半生を語る講演会の内容をネットで見つけました。心打たれました。今回の展覧会での子どもたちの本つながりです。
そしてまた不思議なことに、今年3月に福岡のグループが発足30年を迎えたお祝いの集まりに呼んでいただきました。おまけでほんの半日、一人長崎まで足を伸ばしたことがありました。その時、駅近くの坂を上った(長崎は坂の町でした)西坂公園にあったブロンズ像に心ゆさぶられました。制作者は彫刻家の舟越保武さんという方です。
この舟越さんのご長女が末盛さんであるということを知りました。
これもまた一つの出会いではないでしょうか。