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No.345 嬉しい偶然

こんな偶然ってあるの?という経験をしました。

秋の深まりを感じるある朝、年甲斐もなく階段を駆け上がって、飛び乗ろうとした地下鉄にタッチの差で間に合わず、急いでいたにもかかわらず、次の電車に乗る羽目に。

座席に座って、何気なくみた前の席に、何と大阪にある国立民族学博物館の准教授 広瀬浩二郎さんが座っているではありませんか。

びっくりです。何の迷いもなく声をかけました。「文春を聴いていました」とイヤホンを外されました。筑波大学東京キャンパスでの催しへ向かう途中とのこと。ほんのひと駅でしたが、楽しい車中でした。

広瀬さんが寄稿した雑誌のコピーをいただきました。ご存知の方も多いと思いますが、広瀬さんは東京都の出身、筑波大学附属盲から京都大学に進学。視覚に頼らない「さわる文化」の可能性を追及し、提唱しています。

そういえば、奈良の渡辺典子さんから広瀬さんの最新作「世界をさわるー新たな身体知の探究」(文理閣発行 本体価格2000円)を送ってもらっていました。渡辺さんは、今も広瀬さんのサポートをしているベテランの音訳者です。

早速、この「世界をさわる」を読みました。興味深く楽しい本です。5冊以上まとまると1割引きで、送料無料とのことです。

ご興味のある方は、ぜひどうぞ。

最後に、この本にも書かれている、瞽女(ごぜ)のことです。広瀬さんたちが、民族学博物館で2013年に体験プログラム「瞽女文化にさわる」を開催。瞽女とは、盲目の旅芸人で、三味線を抱えて全国を旅していた時代がありました。
明治以降は、新潟県内の高田と長岡などの雪国だけの僅かな存在となってしまいました。家々を回り門付をする瞽女は、1970年代になくなりますが、「最後の瞽女」と言われた小林ハルさん(2005年没)が住んでいたのは、私の郷里、新潟県内の旧黒川村にある盲老人ホームでした。

何だか勝手に、広瀬さんとのご縁を感じています。