ずいぶん久しぶりに、NPO法人エッジの会長である藤堂さんのディスレクシアセミナー「ディスレクシアを活かす~個性の磨き方・輝かせ方~」に参加しました。
藤堂さんがエッジを立ち上げたのは今から15年前、お子さんが英国留学時にディスレクシアと判明したことが、きっかけのようです。LD(学習障害)の中核症状であるディスレクシアの啓発・サポート等を続けています。
参加者の多くは、若い保護者のようでした。わが子のここが変だが検査をしてもらったほうがいいのか、というような質問がありました。
これに対し藤堂さんからは、診断は受験時に必要との回答がありました。やはり受験にあたって、さまざまな合理的配慮を受けるための証明ということでしょうか。
さて、今やディスレクシアは人口の10%と言われていて、最近クローズアップされてきたという印象ですが、太古の昔から存在していたそうです。
ところで、大切なことは、当事者や保護者の生の声を聞くことだと再確認しました。ディスレクシアとは、読みが困難、その結果の書きの困難があげられます。
まるで読めないわけではなく、読みのスピードだとか正確さ流暢さに劣るというようなことがあります。見た目にはわからないので、親や家族ですら理解できない、ましてや一般の人にはなおさらです。
学校の先生も対応しきれていません。気付かずに本人を傷つけてしまっています。
「そんなこともできないの」「できなかったら100回やりなさい」とか。結果、本人は自分はバカだと思う。そこからの立ち直りは、非常に厳しいものがあります。日本では、読み書き、計算ができないのは、ダメ!と決めつけて、できないことに目がいきます。
素晴らしいものを持っているのにもったいない。欠けているのは、これとこれ。そのためにはどうしたらいいのか。こんな方法があるよ、というのが海外の対応のようです。そういえば海外の方が気が楽、自分らしくいられるという当事者の声を思い出しました。
エッジとしての対応は、本人、保護者、学校、支援者からの相談に応える。また情報の発信や講座の開催。そして学習支援員の養成などがあります。中でも私が特に興味を持ったのは、音声教材BEAMです。
音声化された情報の方が理解が進むことがあります。教科書を見ながら音声で聞くことで文字と意味が繋がることがあります。
エッジでは主に国語の教科書のなかの物語の部分を中心に音声化したものをダウンロードできるようにしています。
港区の音訳ボランティアが協力しているようです。いろいろな活動があります。
この度も大変勉強になりました。