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No.343 視覚障害者のコンサートにからめて思うこと

かねてよりご案内の『「競い合い助け合うコンサート2014」羽ばたけ視覚障害音楽家たち』が、10月25日(土)杉並区の勤労福祉会館ホールで開催されます。いつもの通り、たくさんの方にお手紙を書いて協力をお願いしております。
秋の一時、ぜひご来場の上、視覚障害音楽家たちにエールを送っていただけるとありがたいです。

ところで話は変わりますが、視覚障害者に対する心痛む事件が続いています。
ひとつは、お仕事中の盲導犬が刺されるという事件です。
盲導犬は、むやみやたらに吠えないというふうに訓練されているため、この時も、視覚障害者には、何が起こったのか、すぐには気がつきませんでした。
以前、「ベルナのしっぽ」を書かれた郡司ななえさんから聞いた話です。
盲導犬ベルナと信号待ちをしている時、「ワンちゃんに誰かがタバコの火を押し付けていたよ」と、通行人から言われたことがあるそうです。「ワンともスンとも言わないから、わからなかったけど火傷をしていた」と。

そして、つい最近では、盲学校の女子生徒が通学途中、点字ブロック上を歩行中に前から来た人に白杖が当たり、膝の裏を蹴られけがをしたという事件がありました。

盲導犬は目の代わり、白杖もしかりです。点字ブロックは安心して歩ける誘導ブロックです。

視覚障害者の生活や学習や読書環境について、知らない人が圧倒的に多いのではないでしょうか。
私もよくみなさんと共に歩いたり、乗り物に乗ったりしますが、ほとんどの人は、とても親切です。パッと道をあけてくれたり、席を譲ってくれたりします。

でもこれは、もしかしたら見えている私が一緒だからなのでしょうか。

思うに例えば目が見えない、耳が聞こえないということの不便さや怖さということ等に対する想像力が欠けているのではないかと思います。

さて、そういうことからも、今回の事件は、腹立たしいそして悲しいこと、視覚障害者にとっては、恐ろしいことです。しかし、マスコミに取り上げられ世間の耳目に触れることは、不幸中の幸いだと考えます。

新聞には、盲導犬や聴導犬の使用者団体が、罰則強化や再発防止を厚生労働大臣に要望したとありました。多くの人に知ってもらうことが大切ではないでしょうか。

そこで話を戻しますが、冒頭のコンサートの出演者は、ほぼ全員視覚障害者ですし、聴衆のなかにもいます。
ご自身だけではなく、他の方にも声をかけていただきたいと思います。特に視覚障害者のことを知らないみなさんのほうがいいのではと、今更ながら思いました。

私も今回は、娘や息子の友人だったり、田舎の同窓生の親子だったり、まるで音訳とは関係ない人たちが参加してくれます。本当にありがたいと思います。
理解の輪が大きく広がることを祈ります。
会場でお待ちしております。