IMDプロジェクト「わいわい文庫」への音源提供に関わって、5年目に入りました。毎回年度末に関係者が集まり、報告やら反省やら、次年度の目標やらを話し合います。今回も3月末に、伊藤忠記念財団の矢部さんたち、千葉の松井さん、プロジェクト事務局の面々と久しぶりにフルメンバーが集まりました。
すでに、2014年度分のうち、13タイトルの原本が、各地の登録音訳者に送付されました。
ところで、初めの2010年度は、児童書31タイトルをマルチメディアDAISY図書にして3月には、全国すべての特別支援学校と大規模都市の公共図書館、合わせて約1200ヵ所に寄贈されました。
当初私たちも、通常の音訳読みではなく、点と丸で忠実に間をとる。読みの早さも、かなりゆっくりめというようなことに、違和感を覚え苦労しました。(今では、かなり通常読みに近いものになっています)
また、矢部さんたちも少ない人手の中で、初めての編集作業に悪戦苦闘。やっと完成した作品を寄贈するも、フィードバックがなかったり、なかなか活用されなかったりと、厳しい立場に立たされたこともあったようです。
子どもたちも自分では、機材の操作ができない子が多く、何事も先生の手が必要となります。その先生方の7割近くが、マルチメディアDAISYを知らない、見たことがないという現状でした。ですから、活用は難しい面もありました。
でもやはり、何事もめげずに続けるということが大切です。今では、「いつもわいわい文庫を使っています」とか「子どもたちが喜んで見ています」という声が寄せられるようになりました。
矢部さんからのある日のメールに、「ある学校の卒業式に参列してきたところです」とありました。今までの積み重ねの結果の信頼関係だと、こちらも嬉しくなりました。私たちも負けてはいられません。
障害のあるすべての子どもたちの読書環境の向上のために、そして何よりも子どもたちの笑顔のために頑張ります。社会的に意義ある事業に参加させていただいているということに感謝しつつ。