2週続けて、大阪の日本ライトハウスへ。
今回は「視覚障害児童・生徒のための音訳教材データベース」~今後の活用と専門音訳技術への期待~と題したセミナーへの出席のためです。
平成26年から開発を進めてきた「音声データベース」の調査研究委員の一員に加えていただき何回か大阪へ通いました。
平成27年度に大阪、福岡、東京、仙台の4か所で、図、表、グラフ、写真、絵等、視覚的資料の音訳者を養成するための研修会を実施。音ボラネットとして、都内での会場探しや受講者の募集に協力しましたので、覚えている人も多いでしょう。
さて、単一の障害というよりは、学習障害や知的障害を合わせ持つ視覚障害児童・生徒が増えています。また、盲学校や特別支援学校で学ぶ子どもたちばかりではなく、地域の学校で学ぶ障害を持つ子どもたちの十分ではないサポート体制があります。
更には、今どきの教科書は、本文以外に図、表、グラフ、写真、絵等の視覚的資料が多用されています。
これらのことを総合して考えると、従来の点字や拡大の教科書だけでは、限界があるということではないでしょうか。
点字・拡大教科書と併用する音声データベースは重要になってきます
尚、今あるマルチメディアDAISY教科書は、本文のみで視覚的資料は読み込まれていません。
生徒や教員へのモニタリングを通して、その有効性も検証されています。
「触図が苦手なので、よかった」、「車や電車の中で点字を読むのは大変なので、いつでもどこでも聞ける音声教材は便利」等々、好評のようです。
視覚的資料は、合成音声では対応できませんから、音訳者による肉声しかありません。
しかし数式やフローチャートのようなものは、専門知識がないと難しい。的確に説明できる技術を持った音訳者の養成が望まれます。
各校の先生方に交じってたくさんの音訳ボランティアもセミナーに参加していました。みなさんの意識の高さを感じました。
奈良県の成瀬さんも参加していて嬉しくなりました。
文芸書だけではなく、専門情報や生活情報を届けられるように、更なるスキルアップを目指したいものです。
この教材とて完璧なわけではありませんし、障害もさまざま、ニーズも多様化しています。
みんなで連携し、バージョンアップして、こんなのもあるよ、となればいいですね。
日本ライトハウス情報文化センターの竹下館長、久保田さん、勉強させていただきました。ありがとうございました。