No.466 わいわい文庫読書バリアフリー研究会

深緑の中に立つルネッサンス様式の洋風建築物は、国立国会図書館国際子ども図書館です。 昨年に引き続き、伊藤忠記念財団主催の読書バリアフリー研究会「障害がある子どもへ読書支援をする大人の役割」が、この国際子ども図書館で開かれました。

会場探しや登壇者の人選など、毎回ご苦労が多いことでしょう。特に関心の高い熱心な参加者が多い、東京会場は特別だと思います。140人近い参加者です。

淑徳大学の打浪文子先生、都立多摩図書館の浅沼さゆ子先生、松江市立意東小学校の井上賞子先生のお話は、大変勉強になりました。

打浪先生からの、知的障害のある人のニーズとして、「自分たちは  かんがえても  うまくひょうげん  することがむずかしい。どこが  人と  ちがうのか  あいてに  つたえることが  むずかしい。おや  まわりの人の  つごうで  ふりまわされている…」という言葉が胸にささりました。

わかりやすい情報提供について、みんなで考えていかなければならないと思いました。知的障害・発達障害児の困難は多様。読書支援のあり方も多様化していくということを心に留めたいです。

東京都立図書館には、中央図書館と多摩図書館があります。この多摩図書館は他の図書館との違いがはっきりしているようです。雑誌と児童青少年資料サービスに特化されています。

中でも都立高等学校、中等教育学校、特別支援学校等への支援を行っているのは、素晴らしいと思いました。ボランティアに依頼するのではなく、図書館職員が、特別支援学校でのおはなし会で、読み聞かせを行っています。

浅沼先生の実践例を実演してくださいました。異動があってもストックがあるから大丈夫とのこと。他の図書館でも、他との差別化を図っていくことが、大切になってくると思います。柔軟な対応が必要とされます。

最後の井上先生は、お話がうまい。
みんなに話したい内容が溢れているという感じです。時間が限られているため、超早口だったのが、残念でした

自己紹介に、「いろはす」が製品化される前から、飲料水はもちろん煮炊きもお風呂も、なんでも「いろはす」の源泉をふんだんにつかっています。
蛇口から「いろはす」が出てきますと。

話のつかみがお上手です。 一気に引き込まれます。さまざまな児童・生徒の例を提示。「できない」「だめだ」→苦しさと無力感→意欲の低下。こんな思いの中にいる子どもたちののことを考えると、涙が出そうになりました。

「わいわい文庫」を活用した事例がいくつも出てきました。熱心な井上先生のような方に担当してもらえる子どもたちは幸せです。

私たちの活動がお役にたっているのは、嬉しいことです。この活動に参加させていただいていることに感謝です。

ところで、国際子ども図書館の寺倉館長が、始めから終わりまで、私たちと一緒に参加されていました。影響力のある方のこういう姿勢は、大変嬉しく思います。名刺交換の際にも、お話ができました。近年あまりないことで、ありがたいことでした。
もっともっと理解の輪が広がり、今後も矢部さんたちの「道づれ作戦」が大成功となりますように。

さて、このあともまた、地方での開催が続きます。
直近では、6月29日(土)新潟県立図書館で10時~14時45分まで開かれます。
(詳細は、https://itc-zaidan.or.jp)

音訳者のみなさんはもちろんですが、図書館職員や学校関係者、保護者のみなさんにもお知らせください。一人でも多くの参加がありますように。
私もぜひとも参加したいと思っています。

1 thoughts on “No.466 わいわい文庫読書バリアフリー研究会”

  1. いつも私どもの研究会にお運びいただき、ありがとうございます。わいわい文庫も音ボラネットの皆様のご協力のおかげで500作品を越えることができました。心から感謝申し上げます。これからも大勢の方の力を結集し、障害のあるお子さんの読書環境向上に努めてまいります。一層のご支援をお願い致します。

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