国立オリンピック記念青少年総合センターで子どもの発達段階に応じた読書活動~未来をひらく本との出会い~が2か間にわたり開催されました。主催は国立青少年教育振興機構、主管が文字・活字文化推進機構です。
初日は胎生期から乳児期まで、2か目が幼児期から学童期までの読書活動ということで、音ボラネット事務局で手分けして参加しました。
両日とも女性アナウンサーによる朗読もありましたが、私がもう少し聞きたいと思ったのは、ノンフィクション作家の柳田邦男さんの「絵本の力~大人の気づき・子どもの心の成長~」と題した講演でした。
言葉のない絵本「アン・ジュール」(ガブリエル・バンサン作)を幼児に見せると、言葉では表現できなくても、感性でちゃんと理解しているということでした。参加者にも鉛筆の線だけで描かれた絵本を見せてくれました。疎外とか孤独ということが伝わってくる不思議な絵本です。
1冊の本から受ける子どもの反応、具体的にこの本では、子どもがこんなふうに受け止めたという事例をいくつもあげて話されました。とても興味深いものでした。
核家族化やライフスタイルの変化。スマホなどの電子機器の浸透による負の側面などなど、子どもをとりまく環境の変化が大きい昨今「子どもの人間形成に不可欠な顔の見える生身の接触による言語力、感性、他者理解力の発達には、家庭での絵本の読み聞かせが重要」だと言われています。心に残りました。