都内池袋にある、東京芸術劇場のコンサートホールで開かれた、パイプオルガンの演奏会に参加しました。
このパイプオルガンは、世界最大級と言われています。9,000本のパイプがあり、3つの時代の音色が再現できるのだとか。
更に初めて知りましたが、回転するのです。
パイプオルガンが背中合わせに2台あるのです。建物に付随する楽器ということで、同じものは2つとありません。
音の厚みというか重厚感たっぷりの音色。歴史の重みみたいなものも伝わってきます。
指と足を動かすのですが、足を右に左にと、かなり激しく動かす曲もありで、曲を聴きながら「足さばき」をみているのも面白いと思いました。
2人のオルガニストと一般参加者8人の演奏です。
この一般参加者の中に、我らが糸野海生くんがいます。国際基督教大学を経て、今は大学院生として頑張っています。
大学生時代に、大学のチャペルでの演奏会にも参加したことがありました。
今回、私たち事務局を中心に6人の参加予定でしたが、さまざま重なって結局3人になってしまいました。
ご本人には会えませんでしたが、お母さんとは、お話しができました。
2年間、オルガンにさわれず、出演が決まって練習のためにもと、あちこちのチャペルで弾かせてもらおうとしたけれど、こういうご時世で、すべて断られました。練習不足で、ミスタッチがあっても、お許しくださいと。
白杖を持って登場したのは、海生くんだけ。
曲は、J.Sバッハのトッカータとフーガニ短調 BWV 565でした。
「全盲の公認心理士を目指し、勉学と実習に励む日々。オルガンの演奏と心理面接は、よく似ている。どちらも相手の話・音をちゃんと聴くことが大切。でも果てしなく難しい。楽器にとって最も自由で自然な音が響かせられるように」と。(トウキョウ・オルガン・マラソン「オルガンは回る」)プログラムより抜粋
実に堂々とした、すばらしい演奏でした。
「ブラボー!」は禁じられていましたが、その分力一杯、拍手をおくりました。
ガンバレ、海生くん!みんな応援してますよ。
藤田会長、Oお二方、雨模様とコロナ禍の中、ご来聴いただきありがとうございました。
ICUで初めてオルガンに触れ、藤田会長がご紹介された晴れの舞台で集大成の演奏をすることができました。プロのオルガニストでもこの舞台で弾くことはなかなか叶わないそうです。本当に、素晴らしい機会に恵まれたと思っています。
当日はミスが多かったと本人は言っていましたが、オルガンに慣れていない母の耳には立派な演奏でした。拍手も一番大きかったと思います。これは音ボラお三方の拍手力ですね。母として本当にうれしく思いました。
音ボラの素晴らしい足跡のひとつに海生の成長があります。17歳の大学受験から25歳の今日まで勉学に励むことができたのは、テキスト化プロジェクトの皆様のお陰です。その副産物として、今回のオルガン演奏があります。ICUに合格したのも皆様のお力添えで勉強できたからです。そしてオルガンに出会った。
今後も果てしない努力や苦悩はつきものですが、それを乗り越え結実させる力が枯渇しないのは、皆様の無償の愛と作業がパワーとして流れ込んでくるからでしょう。
大学受験には問題集、大学院では専門書、今は論文と公務員試験に向けてのテキスト。挫けそうになると南北の手配師がテキスト訳本の直球を投げてくださる。
皆様の心からのエール 届いて 花が咲いて 実を結びつつあります。
“力をありがとう”
糸野海生 と 糸野未梨亜 と 母より