映画「瞽女 GOZE」の監督 瀧澤正治さんがお亡くなりになったという、にわかには信じられないお知らせをいただきました。
最後にお目にかかったのは、今年3月、埼玉県鴻巣市内で開かれた広沢里枝子さんの「瞽女唄コンサート」の会場でした。
舞台挨拶では、映画にまつわる貴重なお話をなさなっていました。
この時、ご挨拶ができて本当によかったです。
小林ハルさんの最後の直弟子である、萱森直子さんから紹介されたと、ボラセンをお訪ねくださいました。
いろいろ楽しい情報交換の後、「ここにこういう方がいらっしゃり、こういう団体があります。みなさん喜んで協力なさいますよ」という私の話を熱心にメモされていた姿が懐かしいです。
2020年の早春に予定されていた完成試写会が、新型コロナウィルスの感染拡大で延期、延期でようやく7月23日、有楽町マリオン朝日ホールで開催された時は、正直ほっとしました。
お預かりした招待券が、なかなかはけず苦労しましたが、会場まで足を運んでくださったみなさんは、とても感動し、一般公開の折には、ぜひ回りに勧めたいと言ってくれました。
映画の最後、エンディングロールの後で、クレジットタイトルというのでしょうか。「協力」という括りの中、大きな団体に混じって「全国音訳ボランティアネットワーク」の文字を見つけた時は、誇らしく涙が出そうでした。
終了後、監督に「素晴らしい映画ができましたね」「ハルさん役の子役さんと女優さんが特に良かったです」とお伝えしました。
「こんな中、たくさんの方に観ていただき‥‥」と嬉しそうでした。
直後、ハルさんの故郷、新潟での上映の様子がNHKのニュースで流れました。
私の故郷でもあり、嬉しくなって監督に電話しました。
「今あちこちの舞台挨拶で、嬉しい悲鳴です!」
そして、「地元のみなさんが本当に喜んでくださって、よかった」とも。
そしてこの頃は、自主上映への会場にも出向かれ、ご挨拶をなさっていました。
漏れ聞こえくる情報では、次回作が動き出した矢先だったとか。
残念としかいいようがありません。
ただただ、心からのご冥福をお祈り申し上げるばかりです。
どうぞごゆっくりお休みください。