No.525 瞽女唄

今年もまた満開の菜の花が、荒川土手を埋め尽くすこの時季に、埼玉県は鴻巣市にあるカフェ紫苑で、広沢里枝子さんのコンサートが開かれました。

「瞽女唄の息吹〜越後瞽女唄コンサートinこうのす・紫苑VoL4」です。

広沢さんは、一段と声に張りと艶を感じました。

最後の越後瞽女 小林ハルさんのナマ唄を聴く機会は、残念ながらありませんでしたが、何か通じるものがあると感じます。

それはたぶん、広沢さんが視覚障害の方だからと、勝手に思いこんでいます。

当日のプログラムにもありましたが、「越後の瞽女たちは一本の三味線とその声で、自らの人生を切り開き、人々のくらしに深く入り込んで、パワーあふれる娯楽を提供する誇り高き芸人集団でした」と。

しみじみそう思います。

今回は、二人の姉妹弟子も演奏してくれました。

一人の方は、大学院生だそうです。若い方が多いのは、頼もしいです。

広沢さんはお嫁入りの時、お母さまが用意してくださった着物を今日まで、気づかずしつけをしたまま、タンスの奥に眠らせてあったと。

とてもきれいな艶やかな着物でした。

段物(長い物語)の「山椒大夫」を聞かせていただいたせいか、お母さまの子(広沢さん)に対する思いの深さのようなものを感じました。

第一部第二部ともに30名の参加者です。みなさん熱心な方々です。

この中に、映画「瞽女」の瀧澤監督の姿がないことは、とても残念でした。(瀧澤さんは2022年10月に急逝)
でも、どこかできっと聞いてくださっていたことと思います。

今年も駅から会場までの送り迎えを神山さんのご厚意に甘えました。ありがとうございました。

少し先ですが、12月9日(土)、都内両国の門天ホールで広沢さんと小関さんの演奏会が予定されています。

次回は、ぜひみなさまも参加しませんか。
きっと瞽女唄の魅力にはまりますよ。

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