楊雪元さんからの年賀状にはいつも、年間の演奏予定が書かれています。
遠い会場だと、なかなか足を延ばせませんが、近間だと興味がそそられますし、応援したいと思います。
今年は、埼玉県富士見市で音楽劇があり、演奏者として参加しますとありました。
当事務局の猪俣さん、大田さんと「富士見市民文化会館キラリ」へ行ってきました。
中国の視覚障害者に、日本語を教えている全盲の青木陽子さんをモデルにした「赤いハートと蒼い月」の観劇のためです。
楊さんは、その青木さんの生徒です。
日本語を教えて30年になる節目の年の20年ぶりの再演でした。
内容は、日本語学校設立のための資金獲得のために、日本語を教えている生徒たちと合唱コンクールの優勝を目指すというものです。
中国笛の楊さんと二胡奏者の二人の演奏が幕間に入ります。
更に楊さんが、思いがけず合唱に登場。独唱が聞けました。
音楽劇ですから、出演者もみなさん歌える方たちです。中には元乃木坂46のメンバーや、元宝塚歌劇団のトップスターもいます。その中で、楊さんのテノールは、圧巻でした。
さてその青木陽子さんですが、視覚障害当事者でありながら、中国に渡り、中国の視覚障害者の自立のために、尽力なさった方です。現在は、日本国内から遠隔で授業を行なっています。
ご自身の悔しい辛い経験などを通して、「障害者への偏見、心のバリアがある社会を変え、障害者にハンディを乗り越える力をつけないと」との思いを持ち続けた方だと思います。
終了後、アフタートークで登壇なさった青木さんは、小柄な方でした。
「生きることを、夢を、諦めないで」との思いが伝わります。
当然といえば当然、国内はもとより中国からも様々な賞が授与されています。
予想を超えた素晴らしい舞台でした。
近年の日中関係は、厳しいものがありますが、こういった草の根の交流が続くことを祈ります。