No.556 全日盲研熊本大会

全国の盲学校の先生方が集う「全日本盲学校教育研究大会 熊本大会」に参加しました。

5年ぶりの参集型のみの開催です。

熊本県立盲学校、仲間校長先生のご挨拶の「集うからこそ伝わる空気感、集うからこそ深まる議論」というフレーズを大変印象深く伺いました。

開会前には、熊本盲学校アンサンブル部による演奏がありました。打楽器とは思えない繊細な音色、かと思うと、ひときわ力強い音が飛び出します。指揮者はいません。お互いの気配、息づかいを感じながらの演奏です。すごい集中力です。

全国高等学校総合文化祭岐阜大会に、熊本県代表として出場するそうです。全児童・生徒32名の小さな学校の8名からなるアンサンブル部です。アッパレ!です。

検討を祈ります。

さて楽しみにしていたのは、岩本光弘氏の講演「挫折からの復活 信念の力と人生の転機」です。熊本盲学校の卒業生。全盲のヨットマンです。

多感な16才の頃、眼が見えなくなることへの恐怖と不安で押し潰されそうな時、出会った二人の恩師。盲学校に閉じこもるんじゃないと、アマチュア無線を勧めてくれた先生。屋上に大きなアンテナを立ててくれたそうです。

更には、その無線で海外の人とも話したいと思ったとき、英語教室に誘ってくれた先生。ご自身の土台は、熊本盲で培われたと。

その後も様々なことに挑戦、失敗も。

2回目にして、ヨットでの無寄港太平洋横断を成功させたことは、みなさまもご存知のことと思います。

話し方は、その人を表すと思っている一人ですが、いくつもの挫折を乗り越えて、パワフルな人生を歩んでこられた方そのものの話し方でした。

詳しくは『見えないからこそ見えた光』((株)ユサブル発行)をお読みください。

講演後、お話しができました。「ありがとうは、魔法の言葉」と書かれた葉書をいただきました。

その後は、分科会討議が行われました。

インクルーシブ教育と言われて、久しいわけですが、盲学校では重複化の子が増え、単障の子が入ってくることが、少ないようです。そんな中、先生方々は、専門性の維持をかかげ、さまざま、模索しながら頑張っていらっしゃいます。

筑波大学附属視覚特別支援学校校長の青木先生、元松本盲学校校長の矢野口先生、筑波大学の小林先生と嬉しい再会がありました。

また、たくさんの方々との出会い、交流もありました。

2年間で100冊ほどの児童書を音訳し、国立国会図書館に提供したリストを、青木先生のご協力で校長先生方にお配りしました。
分科会では、ぜひ子どもたちに、良書をと発言させていただきました。

2025年は、100回記念の大会で東京開催です。今から楽しみです。

お世話になりました全てのみなさま、ありがとうございました。来年は、ぜひまた東京でお会いしましょう。

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