9月も半ば、一向に暑さにかげりも見えない14日。
会報やホーム・ページでご案内の井上賞子先生の講演がありました。
島根県は松江市立の小学校の先生です。お住まいは、「い・ろ・は・す」の採水地の一つである大山の中腹だそうです。
矢部館長の熱意にほだされ、はるばる上京なさいました。
“読まない人”を“読みたい人”に〜支援学級での取り組みと成果〜という演題です。
先生のお話しは、以前にも伺ったことがありましたが、話しだしたら止まらないというパワフルな方です。
音訳ボランティアがたくさん参加しているということで冒頭、40代で失明したお父さまは、読書が生きる糧だったというお話しを披露。聴衆の心をつかみます。
さて、読むことに困難を持つ子にとっての読書の大切さをいうは優しいが、その環境を整えることは、難しい。
学校図書館は、「紙の本しかない」のがあたりまえ、学校図書館は、どの子にとっても、有効な読書環境になっているのか、との問いかけが刺さりました。
「読んでもらえばわかるから、読み聞かせが大好き」と言っていた子どもたちも、誰かがいないとできないという読書に対して、辛さを感じてくる。
ある学校図書館では、日常の読書にリーディングトラッカーを活用したり、「わいわい文庫」を活用したりとさまざま工夫を。
しかし、文字を追っていくことの負担感を覚える子もいる。オーディオブックだと、しんどくないという子。子どもたちの困難さも、さまざま。それぞれに合った読書環境の設定が大切。
豊富な実例を次から次へと紹介。そしてその成果もまた、豊富。
あっという間に、時間が過ぎました。
私たちのグループでは、マルチメディアDAISYやテキスト訳とは縁がなく、みんなあまり関心がないかも知れません。とは、あるグループの代表の方に直接、参加のお願いをした時の応えです。
皆さま、私たちの音訳が、視覚障害者への情報提供に特化されていたような時代から、今や、その対象が視覚障害者等の等が示すように拡大していることは、ご存知のことと思います。
読書に困難を抱える子どもたち!もです。
最後に井上先生とお話ししました。
2年間で100冊近い児童書を音訳、国立国会図書館に音源を提供した、「子どもの本棚」の活動を紹介しました。
「ありがたいです。“音“があるのは助かります」と。
これからも良質の児童書の音訳を進めていきたいと思いを新たにしました。
ご自分の参加はもちろんのこと、情報を拡散してくださった皆さま、ありがとうございました。
次回は、もっともっと多くの方々の参加に期待します。