7月3日都内で、(財)日本障害者リハビリテーション協会主催の講演会「子どもと本との出会いのためにー誰もが読める絵本」が、ありました。通常の印刷物が読めない子どもたちには、紙媒体の本は、ほとんど意味がありません。点字だったり、録音図書だったり、マルチメディアDAISY図書だったり、さわる本だったりと、それぞれのニーズに応じた様々な本が重要になってくるわけです。
スウェーデンのアニカ・ノーバーグさん、布の絵本の野口光世さん、渡辺順子さん、マルチメディアDAISYの野村美佐子さんからの話を興味深く伺いました。それぞれに大変な努力をおしまず、そこに困っている子どもたちがいるという一点で、頑張っている姿に感動しました。
特にアニカさんはスウェーデン国立録音点字図書館で、さわる絵本を製作しています。スウェーデンと日本とでは、比較にもなりませんが、特に福祉に関する日本の行政のありようを痛切に考えさせられました。いつまで、どこまでボランティア任せにするのでしょうか。
ところで、現場でのさわる絵本作りは、さまざまな工夫、苦労の積み重ねでできていると思いました。 例えば、ブルナーのミッフィーの話。お父さんが横を向いてたくさんの花に水やりをしているシーン。さわる絵本では、真正面を向いて水をやり、花もひとつ。まずはすべての絵を単純化します。ただの形当てではない。大切なことは絵本を理解し読書を楽しむこと、と言われていました。 ここでも、顔馴染みの音訳ボランティアの何人かにお会いしました。