11月13日伊藤忠記念財団主催で上記講座が開かれました。事務局の鶴岡と参加しました。 そもそも財団では、障害のある子どもたちに良書をということで、マルチメディアデイジーを作成し、主に特別支援学校に寄贈するという事業が進行中です。
私たち音ボラネットで音訳のみの協力をしております。2010年度の目標30タイトルは、なんとか年内で読み終わります。財団で編集し完成の予定ですが、何タイトルかはできあがったものがあります。関係者によるモニタリングが始まります。
ところで、子どもたちが再生機(パソコン)を自分で操作することは難しい状況ですのでそれをサポートする人が必要です。 今回のこの催しは、そのサポーターを育てるという取り組みです。 丸一日の講習でしたが、音訳者や学生、社協や学校関係者と熱心なみなさんが集まりました。
内容としては
〇全盲、弱視など「読みやすさ」を必要とする子どもたち
〇学習障害、発達障害など「読み」に困難のある子どもたち
〇知的障害、自閉症など「わかりやすさ」を必要とする子どもたち、をサポートするには、という3講座がとりわけ勉強になりました。
京都の養護学校の藤澤和子先生、石川の特別支援学校の河野俊寛先生からは現場での熱心な取り組みの報告がありました。興味深く伺いました。 藤澤先生が少なくとも1冊の本を3通りの読みで作ってもらうとありがたいとおっしゃっていました。理想は一人一人の障害に合わせたものができるといいですが、残念ながら現実には厳しい状況です。
再生ソフトのAMIS3.1(アミ3.1)は、文字のサイズ、書体そして縦組横組、背景色や文字色も変えられます。また読みの速度もしかり、です。このことによってさまざまな障害のある子どもたちに対応が可能となるでしょう。それにしてもやはりサポーターの養成が急務です。一人一人の子どもたちにとって、初めからベストのものはできませんが、一つずつ環境を整えることによって、よりよいものが作られていくと確信しました。
いずれにしても、私たち音訳者はやはり、読みの基本を大切にし、質の高いものを提供していくことにつきると思います。