No.226 「発達障害って何だろう」

(財)伊藤忠記念財団主催の、障害のある子どもたちのための読者サポート講座「発達障害って何だろう」が、都内「こどもの城」で開かれました。ゲストスピーカーは、石川県立明和特別支援学校の河野俊寛先生です。

まず発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群と、その他広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害のことを指します。平成17年には、発達障害者支援法が、制定されて、こういう人たちに、支援が必要だということが、認められました。ほとんどが単一の障害というより、重なっている部分があります。

更に、平成23年には、障害者基本法の改正があり、障害者の定義に「発達障害」が入りました。しかし、まだまだ世間の認知度は低いと言わざるを得ません。決して知的に遅れがあるわけではありません。読んだり書いたりすること、聞いたり話したりすることに、困難があります。周りに理解者やサポーターがいることが、大切です。そして、叱ることではなく、何をすべきかを、丁寧に伝えて、誉めることが、必要です。学校などで、全否定されることがあります。

「自分なんて」と、否定的経験が積まれていった人を、引き上げることは、かなり難しい。先生も親も、関わり方を変えるとうまくいくことが多いそうです。一人として、まったく同じ症状というのはないようで、正に個別の対応になってくると、サポートをする側も難しいと思いました。でもまず、それぞれに違いがあることを、お互いに認め合うことから、スタートする。そのなかで、私には、何ができるだろうかと、考えたいと思いました。さて、二人の当事者のお話を伺いました。

若い女性は、一つ一つが、パーツで目に飛び込んでくるという話をしてくれました。バス停で、気持ち悪くなるということで、実際に彼女が見ているものを、映像で再現してくれました。時刻表の貼ってある鉄柱の下、塗料が剥がれてボロボロの部分だったり、側溝のフタの網目の部分だけが、見えてくるとしたら、それは、気持ち悪いというのも頷けます。更に、人の顔も、目、口、鼻といった部分で見えてくるとしたら、これも大変です。文字も、おしてしかるべきです。

もう一人の男性は、学校の先生から、漢字を何回も何回も練習しなさいといわれたことがあったそうです。一生懸命、漢字を思い出そうとしている間に、書こうと思っている文章を、忘れてしまうということでした。

手書きが、苦手でも、今は、パソコンなど便利なものが、あるのだから、覚えられない漢字を必死になって練習するなんて、時間の無駄と。そして、興味のあることを伸ばすことが、大切と訴えていました。今回も、たくさんのことに気づかされました。

ところでCSR、企業の社会的責任と言われて、久しいわけですが、今の社会状況のなかにあって、企業のこうした取り組みが、なかなか増えず、逆に縮小の傾向にあるように思います。ですので、なおさら伊藤忠記念財団のこうした貴重な取り組みを、応援していきたいと思いました。

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