たまに利用者の方から、直接、音訳の依頼がくることがあります。通常、サピエや公共図書館にないか確認し、なければ、どこかで読まれていないかネットで呼びかけます。しかし、早くなければ情報ではないと言われる今、いつまで待てばいいのか、わからない呼びかけには、いつも悩みます。そして、どこにもなければ、音訳者探しをしなければなりません。
昨日、葛飾区内のある利用者さんから、医学書の依頼がありました。「筋膜マニピュレーション 理論編」です。こういう専門書を読んでいるグループが、全国にいくつかあります。まずは、手っ取り早く、葛飾音訳ボランティアの会の鶴岡さんに、連絡しました。いつも、すごいと思うのは、依頼されたものは、まず断らない。「どんなに難しいものでも、誰かが読まなくてはいけないことだから」と。よほどのことが、ないかぎり引き受けてくれます。今回も、その日の内に、直接電話でやり取りし、翌日には、依頼者と面会し、原本を預かったとか。ほんとうに頭が下がります。鶴岡さんは、当音ボラネットの副代表でもあり、あまり、宣伝するようなことは止めてと、釘をさされています。でも、ぜひ多くの皆さんに知っていただきたいと、改めて、ここでご紹介したいと思います。
過去何年間か、地元の消防署からの生活に密着した情報を、利用者さんに届けてきたのですが、それをまとめて、一枚のCDにしました。それが、「本田消防署からのお知らせ」となり、やがて、東京消防庁本部の目にとまることとなります。大変よくできているということで、原稿の見直しを経て「東京消防庁からのお知らせ」という形になりました。これに対して、感謝状もいただいています。以上のことは、昨年12月発行の会報にも、載せました。このことが、利用者のみなさんに、大変好評で、一人でも多くの仲間に知ってもらいたいと、出版UD研究会のMLからも流れました。あわてて当方のHPにもアップしました。鶴岡さんはじめ、会のみなさんのすごいところは、図書館や社会福祉協議会は、言うに及ばず、さまざまなところと、強い信頼関係を結んでいることです。
また、一方では、常に利用者目線にたって、来るものは拒まずと言う姿勢を貫いていることです。前述の消防署は、おろか、警察署にまで出かけて、利用者のための情報はないか、音訳させてほしいと、掛け合っているのです。文芸書の音訳も、もちろんありです。しかし、こうした正に日々の生活に密着した情報、そして、専門分野の情報が求められているということを、改めて、彼女たちの活動から教えられました。