No.240 震災シンポジウム「東日本大震災視覚障害者支援のまとめと課題」

あの未曾有の大震災から1年目の3月11日のシンポジウムへの参加を、心待ちにしておりました。私たちが、昨年12月に開いた仙台での「読み書き支援」のシンポジウムの折りには、地元の皆さんには、一方ならぬ、お世話になりました。また、日本盲人福祉委員会東日本大震災視覚障害者支援対策本部の事務局長を務めておられた加藤俊和さんには、昨年一年間、ほんとうにお世話になりました。
それやこれやで、今回の「震災シンポジウム」には、みなさまへのお礼の気持ちをこめて、ぜひ参加したいと思っておりました。思いがけず、前日10日の交流会にも、お誘いいただき、喜んで出席しました。主催者や協力団体のみなさん、そして11日の登壇者のみなさんが参加。
ここでは、日本盲導犬協会 ゼネラルマネージャーの吉川さんはじめ、たくさんの新しい出会いがありました。その上、日本点字図書館の小野館長やヘレン・ケラー協会点字図書館の石原館長、元筑波技術大学の岡本先生とも、お目にかかりました。初めての方々との出会いはもちろん、以前からの顔見知りの方々との再会も、大切にしたいと思いました。
さて11日のシンポジウムのことです。会場は、ホテルメトロポリタン仙台です。300名の来場者の中には、たくさんの視覚障害者のみなさんもいらっしゃいました。私にとっての一番は、各地で被災された視覚障害者のみなさんの生の声でした。私も避難所にも、伺いましたし、被災地にも何度か立たせていただきました。わかったようなつもりでいましたが、違います。
必死の思いで、たどり着いた避難所でのこと、トイレが大変で、我慢するようになり、体調を崩した人。
白杖をつく「コツコツ」という音や、音の出る時計がうるさいと言われた人。
生活ができる状況ではないにも関わらず、避難所よりは、ましと戻った自宅に、食料も水もなし。一番近い避難所に行って、食べ物等、わけてもらおうとしたら、物資が余っているにもかかわらず、「これは、ここに避難してきている人の分だから、あげられない」と言われた人。
思わず、涙がこぼれました。もちろん、心ある人たちもたくさんいたでしょう。しかし、そういう現実もあったということです。私は、加藤さんの動きを通して、日盲委の活動を少しは、知っていましたが、改めてこういう人たちに支援の手をさしのべてこられたことに、敬意を表します。
ここで、活動に一区切りをつけるということですが、まだまだ、支援の手を待っている人がいます。
私も大したことはできませんが、少なくとも、みなさんのことは、忘れません。みなさんが、頑張っている姿を忘れませんと、伝えていけたらと思います。
会場で、高知の藤原さんや、山形盲学校の先生方とも、お会いしました。尚、終了後の仙台、那須塩原、長野、横浜、東京から参加の会員のみなさんとのミニ交流会、楽しかったです。お世話になりましたすべてのみなさま、ほんとうにありがとうございました。
またいつか、どこかでお会いしましょう。

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